白亜紀からこんにちわ   作:VISP

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仕事大変で執筆が遅れてしまい申し訳ない


その38 王者邂逅と欧州の戦い

 月の引力圏にてスイングバイを行った巨大彗星と隕石群、その中に潜むギドラ率いる宇宙怪獣達は一斉に地上への落下軌道に入った。

 中でも本命たる巨大彗星はG0の熱線によって急速にその質量を粉砕・融解・蒸発させられて縮小しながら、G0のいる中東への落下軌道に入った。

 

 計算上では地表に落着する頃には精々数百mの瓦礫が幾つかといった所だが、元の10kmからそんなサイズになっても安心する事はできない。

 隕石は10m未満までの大きさならば大気圏突入の際の熱と衝撃により小さな欠片になるため、直撃しない限りは何の問題もない。

 問題はそれ以上の大きさからだ。

 直径数十m級ともなれば、局地的だが数億円程度の物的被害が発生する。

 過去の事例を挙げると、2013年にロシアへ落ちたチェリャビンスク隕石(約17m)が該当する。

 ロシア上空で爆発した際の衝撃波により窓ガラスが割れ、建物の一部が損壊し、多数の負傷者が出た。

 直径50m級ともなれば大都市が壊滅する程であり、その被害額たるや数百億円〜数千億円規模になる。

 空中で爆発しても大量の破片が地表に到達し、局地的に甚大な被害が発生するためだ。

 直径100m〜1km級にもなれば、その被害は極めて広範囲かつ壊滅的となり、被害額の推定すら不可能となる。

 隕石はほぼそのまま大気圏を突破し、地表に激突して巨大なクレーターを作り、周囲一帯の建物が吹き飛ぶ他、巨大な津波や気候変動を発生する事となる。

 直径1km以上ともなれば、地球規模の大災害が発生し、人類存続の危機となる。

 衝突時のエネルギーは地球上の全核兵器を合わせた数万倍にも及び、地球規模の環境破壊や生態系の崩壊を引き起こす。

 二度目のギドラ侵攻時、恐竜を絶滅させ白亜紀を終了させた隕石もこのクラス(約10〜15km)に該当する。

 

 そして現在、中東へと落下している多数の隕石群の中には数百m級の隕石が複数存在している。

 

 勿論、このまま落下を許せば中東を発生源とした地球規模の大災害が発生する。

 近場の欧州は言うに及ばず、その余波は地球全域に波及してしまう。

 そんな事を知ってか知らずか、G0を筆頭としたゴジラ達は落着する隕石群を的確に迎撃し、破壊していく。

 大小無数の隕石とその破片に対し、ゴジラ達は普段滅多にやらない荷電粒子ビームの応用技であるマルチロック及び複数照射を行った。

 要は無数の隕石群の内、災害が発生する程の質量を持ったものを選別、自分達の位置から届く隕石群にのみ通常一つしか照射しない荷電粒子ビームを複数同時照射するのだ。

 放射能熱線と違い、口から発射する必要の無い荷電粒子ビームは結局は体外での電磁操作の応用なので、こんな事も出来るのだ。

 ここに更に人類側の地対空ミサイルによる迎撃も加わり、このまま行けば中東を除いた地域は軽い被害で済むだろう。

 勿論、中東はこのままいけばどの道二度目の壊滅となるが。

 それはさておき、地球全域に降り注いだ隕石群の内、脅威度の高いものはほぼ全て迎撃された。

 

 そして最後、中東で最後までしつこく残った最後の巨大隕石がG0の照射対象となった。

 

 未だ直径約1kmを持つその隕石は、勿論ながら普通のものではない。

 カイザーギドラ、その重力障壁によって守られた鎧であり破城槌なのだ。

 G0目掛けて振り下ろされた巨大隕石に対し、G0は衝突するその瞬間までずっと照射を継続した。

 山脈すら消し飛ばす程の大出力のエネルギーの奔流を受け、さしものカイザーギドラの重力障壁も綻びを生じ、どんどん隕石はその質量を削られていく。

 しかし、間に合ってしまった。

 G0への落着の瞬間、隕石は未だ500m近い大きさを持っており、更に言えば衝突寸前の隕石の速度は一般的に秒速10〜20km(時速約3万6000〜7万2000km)にも達する。

 G0の熱線の衝撃によって多少はこれより減速しているが、それでも凄まじい速度である事に変わりは無い。

 開幕の花火の直後、返礼として落とされた巨大隕石は中東の大地を激しく揺さ振る事となった。

 衝突の瞬間、運動と質量双方の巨大なエネルギーが解放され、隕石と周囲の岩石が瞬間的に蒸発・溶解する。

 膨大な熱量と衝撃により大量の土砂が粉塵となって吹き飛ばされ、一部の地面がガラス化する他、巨大なキノコ雲を形成し、衝突の中心地には直径10kmにも及ぶ巨大なクレーターが出来上がった。

 

 そんな地獄の様な有様の中心で、G0は傷一つなく佇んでいた。

 

 巨大隕石の衝突、その中心地点にいながら、彼の巨峰が如き剛体には傷一つ無かった。

 その視線はただ一つ、未だ地に降りてこない侵略者へと向けられていた。

 ふわりと、その巨体から想像できない程に軽やかにかつ一切音も立てる事なく、巻き上がる粉塵を押し退けて黄金の皇帝が地球へと舞い降りた。

 巨大クレーターの縁、そこに降り立ち、G0を見下ろす皇帝の居住まいは残虐非道な侵略者であるというのに、余りにも美しかった。

 通常種とは異なり甲冑の様に一体化した黄金の鱗、巨体を支える四足、特徴的な三つの首には王冠の如き角が伸び特に中央の首のものは長く伸び、身体の倍はある巨大な両翼が威圧するように大きく左右に広げられた。

 その威容たるや、全高300m、全長350m(鼻先から尾の先まで)という驚異的なサイズだ。

 今までG0よりも小柄となる怪獣が殆どだった地球側からすれば驚異的な巨体であり、そのスケールと全身から発せられる威圧感から正しく皇帝の名に相応しい怪獣だった。

 

 GWOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!

 GYAWOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!

 

 頂点たる両雄は自然と睨み合い、咆吼を上げていた。

 野生に生きる獣同士の、脅威を前にした際の行動の一つ。

 本来ならば戦闘を可能な限り避けるために妥協点を見いだすための行動。

 今までは、大半の怪獣相手ではこれで済んでいた。

 時にはそれだけで膝を屈し、従える事すらあった。

 これまで強者とは出会えど真に対等な実力を持った相手を見た事が無かったが故、敵の眼前での無駄とも取れる行動。

 これを見て一切怯まず、なお吼え返す実力の近い強者との出会いに皇帝は歓喜した。

 対し、地球の王は強大な侵略者を前にして総身に戦意を、その心中に鋼の如き冷徹さと果断さを宿しながら睨み返す。

 両者は同時に踏み込み、翼と尾を翻し、眼前の強敵へと駆けていく。

 斯くして、宇宙の皇帝と地球の王の激戦が幕を上げた。

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 中東が以前よりも更に地獄絵図となっている頃、米国・欧州・日本でもそれぞれ戦端が開かれた。

 攻め手は宇宙怪獣、守り手は地球人類とゴジラ達。

 その中で最も有利だったのは・・・何と欧州勢だった。

 君達普段呉越同舟の足の引っ張り合いじゃん?なんで???と思うかもしれなかったが、これには理由があった。

 

 宇宙怪獣側の全体を統率する個体が欧州には一体しか来なかったのだ。

 

 現在、地球上に降りてきた宇宙怪獣軍団の総数は約120体だ。

 それ以外の個体は全て宇宙から降りてくる前に撃滅され、何もする事なく宇宙の塵か大気圏突入で燃え尽きた。

 本来ならばもっと多数を迎撃できたのだが、大型隕石の落下を許してしまうと地上にかなりの被害が出る関係でそちらを優先せざるを得なかったのだ。

 こうして、空を埋め尽くす程の地対空ミサイルの山とゴジラ達の荷電粒子ビームにより追加で撃破する事が出来た。

 その中に幸運にもガイガン・ミレース達の指揮官個体であるガイガン・レクスが一体入っていたのだ。

 これにより、宇宙怪獣軍団の指揮系統に僅かながら隙が出来た。

 2体一組で三カ所に配置されたゴジラ達を抑えるには、最低でも正面からゴジラ達と戦える怪獣が一体、それを支援するガイガン・レクスとその指揮下のミレース達が必要だった。

 しかし、カイザーを除けば正面からゴジラ達に対抗可能なのは2体のみ、故に何処か一カ所はガイガン・レクス達が2体がかりで戦線を構築して抑える手筈だった。

 それが崩れた事により戦力不足が発生、欧州は数の差こそ未だあるものの押し返して掃討戦に移行するのも時間の問題だった。

 

 GYAWOOOOOOOOOOOOOOOO!

 

 ゴジラの熱線により、空中を飛行して戦闘機を蹂躙していたガイガン・ミレースがまた撃破された。

 当初、降下に成功した50機ものガイガン達は迎撃に上がってきた通常の戦闘機を機動性・運動性・火力・装甲と全てで上回り、一方的に撃墜したものの、そんな蹂躙は僅か数分で終わった。

 同じく大量に上がってきたUGAV、月人の駆る15機のメカゴジラⅡ、そして何より地上からのゴジラ達の熱線により、瞬く間に複数のガイガンが撃破されていく。

 先程までの玩具ではない、自身にとって脅威となる存在にガイガン・レクスを頂点とした欧州派遣組のガイガン・ミレース達は即座に編隊を組み、戦闘を開始した。

 

 だが、開始1分で彼らは全機地上戦への移行を余儀なくされた。

 

 原因は何か?

 勿論ゴジラ達である。

 欧州に配置されたG3とG6、この2体の精密無比な荷電粒子ビームにより、ガイガン達は飛行即ち死である状況へと追い込まれいた。

 元々、耐久性と火力は機動性と近接戦闘力に比して低いガイガン・ミレース達に上空から接近してゴジラへと有効打を与える事が出来ない。

 それこそ大気圏の外、月近傍にまでその精密狙撃の射程距離に納める(長時間チャージや外部供給時に限定だが)ゴジラ達にとって、上空を戦闘機よりも多少早い程度で飛行するガイガンは的にしかならない。

 もっと簡単に躱せていたら、メカゴジラ達は驚異的な瞬間回避能力を付与される事も無かっただろう。

 かと言って、接近戦を挑んだ所でガイガン達にゴジラの電磁バリアと強固な外皮と筋肉を貫く事は不可能だった。

 精々が奥の手を出せば多少手傷を与えられるかもしれない、それ程の戦力差が両者の間に広がっていた。

 故にガイガン達が生き残れる唯一の道が不得意ではないがその機動性を大きく殺す事になる陸戦だった。

 これによりスーパーモゲラやモゲラ達がゴジラからの射線上を塞ぐ盾となり、ゴジラが誤射を警戒する事によって即座に排除される事は無くなった。

 それでも迂闊に跳び上がると即座に荷電粒子ビームに貫かれる事となるが。

 つまり、ガイガン達は欧州に存在するスーパーモゲラ10機と量産型モゲラ30機を彼らの得意とする陸戦で正面から相手をしつつ、多数のUWAVとメカゴジラⅡ15機に制空権を奪われた状態で戦わねばならない状況だった。

 勿論、少しでもゴジラからの射線が通る様な行動をすれば数秒後には熱線が飛んでくる上、当初欧州に入った時には40機いたガイガン達は戦闘開始から10分程で既に10機が撃破されていた。

 このまま行けば1時間もせぬ内に壊滅を超えて全滅すら有り得る。

 かと言って、欧州を担当するガイガン・レクスは今自分達にこの状況を覆せる増援を寄こした場合、そのまま別の戦闘が圧倒的不利になって終わるだけだと分析していた。

 皇帝とそのペットと若いギドラの3体はそれぞれ戦略級の実力を持っているが、既に戦闘を開始している現状これらを動かす事は出来ない。

 当初の数では自分達が勝っていた筈だったが、侵略先の戦力が予想よりも遙かに強大となっている事には頭を抱えた。

 何だよ地表にギドラ級戦力6体に皇帝級戦力1体って?何だよこの星頭おかしいんじゃねーの???と言いたくなる程だった。

 このままでは目標達成は不可能と判断したガイガンは次善策へと移行した。

 即ち、他戦線への戦力再配備を不可能とする程の消耗を相手に強いる。

 これにより少ない戦力で相手を長時間拘束し、以て友軍への支援とする。

 つまり、相手に出血を強いらせた上での時間稼ぎだ。

 

 『目標一機撃破。次に移行する。』

 

 だが、それすら余りにも厳しいのが現状だった。

 制空権を確保された状態では、どんなに強力な陸上戦力であっても窮地に陥るものだ。(例外:ゴジラ)

 上空から巡航形態の15機ものメカゴジラⅡの腕部レールガンによる精密射撃により、目の前のやたら固くてタフなスーパーモゲラとそれを支えるモゲラ、そして最早死に神同然のゴジラを相手に奮戦していたガイガン達は次々と討ち取られていく。

 おまけに損害覚悟で状況を動かそうにもチクチクとUWAVや既存戦闘機の対大型怪獣用超音速ミサイルが雨霰と飛んでくるので相手の隙を突く事も難しい。

 ガイガン・レクスが奥の手を使おうにも状況は悪化しかしない。

 ミレース達を直接操作し、安全装置を解除して腹部回転刃の特化状態にしたり、コアだけを強化パーツとして自身を強化した所で数の利が崩れ去るだけだ。

 今は何とか指揮官先頭でレクスがG6を抑え込んでいる事で辛うじて時間を稼いでる状況だが・・・長くは保たない事は明白だった。

 人間ならば焦燥と絶望で心折れるか降伏する選択肢もあった。

 しかし、ガイガン達はあくまで兵器であり、材料は兎も角として本質的には単なるロボット、無人兵器に過ぎない。

 他の戦線の様な大きな動きもなく、欧州での戦闘は予想よりも遙かに短く終わる事となるのだった。

 

 

 

 




欧州の戦力配置

地球側・・・G3とG6、メカゴジラⅡ×15、スーパーモゲラ×10、量産モゲラ×30、UWAV×沢山、既存兵器×沢山

宇宙側・・・ガイガン・レクス×1、ガイガン・ミレース×40

結論、ゴジラ達を止められる奴がいないので詰み
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