あと最近モンハンワイルズやっているんですが、長年の付き合いであるプレステ5が壊れてしまいまして。
だから買いました。20万以上するプレステ5プロを!
そんだけです!駄文すみません!
王都への道
ガタゴトと馬車の車輪が鳴り、中に乗っている人達を小さく揺らす。梔子家の屋敷から王都へ行くまでに約一週間。馬車馬や護衛の者達を休ませるのを加えての一週間は『速い』の一言だ。
クルミ「ねぇ王都に着くまでにあと何日掛かるの?もう三日も同じ景色を見てるんだけど。」
ルミナス「いやこれでも速い方だ。普通は十日だ。」
クルミ「⋯⋯⋯こんなの耐えられない!ねぇ誰か面白いこと言ってよ!」
ケイ「無理です。昨日で出し尽くしました。というかそう言うのなら貴女が言うべきでは?」
クルミ「無理だからそう言ってるじゃない!」
クルミの苦痛に溢れた言葉が、この馬車に乗る者達の心を蝕んだ。
何故こうなったのか?それは三日前に遡る。
梔子家の屋敷
トオル「やぁ『シャーレ』のみんな。私は梔子家の現当主の梔子トオルだ。よろしく頼むよ。」
梔子⋯⋯⋯⋯かぁ。ユメ先輩が脳を過るなぁ。
ホシノ達はこの地を治める当主様命令でここに呼び出された。
その用件とは⋯⋯⋯⋯。
トオル「君達は私と一緒に王都へ来てほしいんだ。」
「「「「「え?」」」」」
王都への道 三日目
トオル「すまないね。火竜と凶星を討伐したホシノ一行にはどうしても来てもらわなくてはならなくてね。」
ホシノ「気にしないでください。一部から苦情が届いていますけど。」
馬車の上に乗り周りを偵察しているホシノと、窓から顔を出すトオルという奇妙な光景が、この護衛依頼を引き受けた冒険者達が珍しい目で見ていた。
ちなみに乗っているのはトオル、ルミナス、クルミ、ヒフミ、ケイである。キサキは後ろでまだ交流が浅い護衛の騎士と、王都へ用事が出来てしまったヒセルと仲良く話している。
詳しく聞いた所、内部で火竜と凶星の素材をどうするか揉めているらしい。ホシノ達が死体全てを売り払ったのも難航している理由らしい。意味が分からない。
それと竜討伐に貢献してくれた謎の男も呼び出され、共に勲章を授与されるとのこと。
そんなこんなで出発してから三日。だというのに苦情が来ているのは、娯楽が溢れた現代で過ごした前世と、リテクスチャによってだんだんとキヴォトスの体に適応していったことで頭キヴォトスとなったからである。
現に今も元となった人物では絶対に出さないであろう声で、クルミが呻いていた。
暇、暇、暇。
あまりにも暇すぎた。
最初の二日間は良かった。互いに話したいこと聞きたいことがあったから。しかし三日目になると話題も出し尽くし、そこからはぼーと何も変わらない景色を眺めているだけだった。
クルミ「よくこれを耐えられるわね?私は今絶賛暇よ。」
トオル「そうだね。暇だね。けれどもう慣れたよ。物心着いたときからこれだよ。」
貴族は大変らしい。というか地球の昔の貴族もこんな思いをしていたのだろうか。あぁ、車があればどれだけ楽なことか。いかに前世の文明が発達していたのかが分かった。
クルミ「人って楽をするために努力するのね。はぁ~〜〜〜〜。」
そんなこともあり、出発から一週間。
王都ローグ
ヒフミ「遂に着きましたね!」
ヒセル「そうだねー!」
クアトル城塞都市と同じ⋯。⋯⋯いやそれ以上の堅牢な城壁。頻繁に行き来する人達。クアトル城塞都市では少なかったエルフ等のファンタジーな種族が数多く存在しているこの都市こそ。
トオル「ようこそ王都ローグへ。」
王都ローグ。モードレスト王国の首都であり、この世界を救う役目を担う勇者達が暮らす都市である。
クルミ「よし!それじゃ観光へ⋯⋯⋯⋯!」
キサキ「何を言っておる?妾達はこのまま王城へ直行じゃ。」
クルミ「なんですってー!」
当たり前である。『シャーレ』はそのためにこの王都へ呼び出されたのだから。道中で頭が観光へシフトしてしまったようだ。
ホシノ「はぁ~〜。」
マジかと絶望顔のヒフミをちらっと見て、思わずホシノは溜め息を付いてしまうのだった。
王城マギーヌ 謁見の間
広々とした大広間。豪華でフカフカな赤い絨毯が玉座まで敷き詰められ、天井を支える柱にはこの国の旗が揺らめいている。両端にはトオルを含めた貴族達が一堂に会し、整列しており、窓付近には近衛騎士達が目を光らせていた。
そしてその奥。豪華絢爛な玉座に座っている金髪碧眼の武人のようなイケオジこそがモードレスト王国の国王である。
「我こそがモードレスト王国の国王、ラリエル・フォン・モードレストである。此度の火竜ルインカイト討伐及び個体名凶星の討伐。真に見事である。」
荘厳な声は人の心を落ち着かせるようだ。貫禄も相まってとても良く似合っていた。
周りを見れば、貴族達が中央にいる私達を凝視していた。感情の読めないものから、不快なものまで様々だ。
ホシノ「ありがとうございます。」
正座で座っている私は王様へ返事をする。にしても、ざ・王様って感じだね。奥さんとか、娘さんとかいるのかな?
ラリエル「ここに呼び出したのは他でもない。頑張って貰った褒美と、素材の件だ。勲章は明日執り行う。まずは褒美から。⋯⋯⋯例の物を。」
王の命令を受けた臣下の五人が、小さな箱を持って私達の前に立つ。
やっぱり豪華な箱を受け取り、開けてみると⋯⋯⋯⋯。
ラリエル「これは我が国の検問所を素通りでき、通行料も免除されるメダルだ。受け取るが良い。」
クルミ「おぉ!」
クルミが手に持っている竜の文様が描かれた見事な金のメダル。五百円玉くらいの大きさのそれは、私達にとってとてもありがたい物だった。
ヒフミも目を輝かせ、ケイはニッコリを笑っている。
ラリエル「金についても問題無い。額が額だ。あとで協会のほうへ渡す。」
個人的にはもっとあってもいいのでは?とは思うがこれ以上求めたら面倒な事になりそうだし、止めておこう。
ラリエル「さて次に移る。火竜ルインカイト。此奴の素材は慎重に扱わなければならん。」
「だからこそ!私に素材をください!」
王の言葉に続いた女性の声が、王城に響き渡る。
皆の視線がある一点に集まった。
そこには二人の女性がいた。薄紫の長髪と白衣を身に纏った科学者と、肌も髪も服も白に統一されたデカグラマトンの預言者『マルクト』のような外見をした助手である。
「またお主か!いい加減我が魔道部門に譲らぬか!」
「断じて否!竜の素材は武器防具で使われるべきだ!」
「我ら公爵家が扱うべきでしょう。我らは魔王軍との戦闘で鍔迫り合いの状況。一刻も早く戦力増強は必須なのです。」
科学者の言葉から皮切りに、出るわ出るわ色んな者達の強奪戦が。
成る程。道理で決まらない訳だ。強欲に取り憑かれてしまった愚かな貴族達のせいで、王様は決めようにも決められないのだと。主張する者は皆権力が強い者ばかり。決めてしまえば誰かの恨みを買う。それで困っているのかと分かってしまった。
だが、こっちからすれば、関係無い。
互いに素材欲しさに譲る気もなく、まるで親鳥から与えられる餌に群がる雛鳥みたいに己を主張する。
はっきり言って。
ホシノ「醜く!」
「貴様!!今何と言った!」
貴族Aが思わず口に出してしまった私に、即座に反応した。
やっば!言っちゃった!まぁでもしょうがないよね?醜いもんは醜いし。
ラリエル「発言を控えよ貴族達よ!素材欲しさに群がる者達よ。今、我は不快であるぞ!」
ホシノ「凄いね。一瞬で黙らせちゃった。」
クルミ「ねー。」
ラリエル「⋯⋯⋯⋯お主らに問う。素材はどこに売る?」
この人。自分で決められないからと私に押し付けやがった。
ラリエル「火竜ルインカイトの素材を売るというお主らの意向は分かっている。しかし、買い手はまだ決まっておらん。故に素材を売る権利も、意見を聞き入れる権利も、値段交渉をする権利も、お主らにある。この我が保証しよう。ここでの発言の全てを許す。存分に振るうが良い。」
クルミ「そうなの!サンキュー王様!」
「おいコラァー!」
ケイ「流石にそれは⋯⋯⋯⋯。」
キサキ「お主はアホか。」
いきなりの舐めた発言に貴族のみならず、仲間にすら冷たい目で見られてしまう天津クルミ。ヒフミですらマジかよコイツという目だ。
ラリエル「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯それでどこに売り渡すのだ、ホシノよ。」
クルミの問題発言も許すハメになった王様は私に問う。その目は鋭く、なんだか圧も感じる。
と言ってもなぁ。売る相手のことなんて分からないし。
まぁ、いいや。ここは。
ホシノ「そこの人に売るよ。」
私を指差した人は最初に声を張り上げた人物。
「よし!!」
科学者っぽい人だった。
実際暇だと思うんです。道中は。
まぁ魔物も襲ってきてますがホシノが全部解決しました。