アトランティスの黄昏   作:アビス・アッカーマン

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5話 ボス戦 グラスランド・デスワーム(2)

天界 女神の仕事部屋

 

時は遡り

 

これは転移魔法で空に放り投げられてしまう前のお話。

 

皆が武器をあれこれ弄っていたり、射的の的に向けて発砲していたり(女神ロアが指パッチンで作った)と準備している時に希望は女神ロアにスキルの使い方を学んでいた。

 

希望「私の力について質問です。バフを掛けるにはどうすれば良いんでしょうか?具体的には掛ける対象はどうやって選べば良いのですか?」

 

女神ロア「簡単です。掛けたい相手を思い浮かんで掛けたい!って思えば良いんですよ。」

 

希望「そんな適当な⋯⋯⋯⋯⋯⋯。」

 

女神ロア「試しにやってみて下さい。」

 

半信半疑でやってみると⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯。

 

希望「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯な!本当に思い浮かんだだけで⋯⋯⋯⋯⋯⋯!」

 

裕翔「え!?突然力が湧いて!?」

 

希望「あ、すみませんでした。急に掛けて⋯⋯⋯⋯⋯⋯。」

 

裕翔「良いよ別に。気にしないで⋯⋯⋯⋯⋯。」

 

希望「それで⋯⋯⋯⋯⋯裕翔さん、貴方は何を?」

 

裕翔「ん?ああ、臨戦『ホシノ』のノーマルスキルを試していてね。にしても本当にクールタイムあるんだと思ってね。」

 

希望「私の場合はシールドを貼れませんし、皆さんの場合はただの攻撃になってしまいますからね。」

 

試しに裕翔にシールドを連続して使おうとするが一回しか貼れず、クールタイム中であると直感していた。

 

南美「私もただペロロ様のぬいぐるみを投げるだけになってしまいますし⋯⋯⋯⋯⋯⋯。あまりしたくないですが効果がある時に使おうと思います。そうでなきゃペロロ様は報われないと思いますから⋯⋯⋯⋯⋯⋯。」

 

お話が始まったと感じて会話に参加した南美はペロロ様の事を憂いていた。

 

裕翔「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯南美さん、もしかしてペロロ様好きなの?」

 

南美「はい!ひと目見た時からずっと好きですよ!」

 

希望「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯そうなんですね。好きな物ができるのは良い事ですよ。」

 

女神ロア「(あんな物が好きだなんて、人間って不思議ですね。)⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯では持っている武器やスキルについて理解を深めたところで次は皆さんの上に浮かんでいる円環について詳しく話そうと思います。」

 

そう女神ロアが口にすると他の皆は手を止めて会話を聞こうとすr

 

南美「女神様?今。ペロロ様に侮辱するような事。思いました?」

 

真顔で、目を見開いて、優しい言葉で、微笑みを浮かべて、でも狂気を感じる様な顔をした南美が女神ロアの顔を覗き込んだ。

 

女神ロア「い、いえ!し、ししし、してませんよ!ええ!してませんとも!!」

 

女神ロア、神生で初めて嘘を付く。

 

裕翔、実、希望「「「怖い。」」」

 

楓奈「ロアちゃんの焦り顔、撮☆れ☆た☆」

 

※盗撮は犯罪です。絶対にやめましょう。

 

 

 

閑話休題

 

 

 

南美を落ち着かせた後、女神ロアは改めてヘイローについて話す。

 

女神ロア「おっほん。さて皆さんの円環について話そうと思います。」

 

裕翔「まさかヘイローも再現されているとは⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯!」

 

実「形も完璧だし色もそっくりだ。」

 

手鏡を見れば(これも女神ロアが以下略)大きな黄緑色の尖っている箇所が伸び、鋭くなっている特徴的な三角形に小さな逆三角形が中央にあるヘイローが浮かんでいた。

 

希望「他人のヘイローもクッキリと見えるのは驚きですが⋯⋯⋯⋯⋯。」

 

南美「え?ブルアカの生徒の皆は他の人のヘイローがクッキリと見えないんですか?」

 

裕翔「そう。クッキリと見えるのは自分と、あとは⋯⋯⋯⋯⋯先生かな?ゲームでは描写されてないけど。⋯⋯⋯⋯⋯されて無いよね?」

 

楓奈「私の記憶違いでなければですけど無いですね。」

 

南美「そうだったんですね。知りませんでした。」

 

実「それに自分以外のヘイローは『ヘイローの形は分かるけどどういう形なのか分からない』から、キヴォトスには自分以外の人が自分のヘイローをはっきり見える人は『運命の人』だっていうジンクスがあってな、その事を聞いた他の先生達はとある教室で怪文書を⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯。」

 

女神ロア「あの⋯⋯⋯⋯⋯⋯話戻しても良いですか?」

 

そう女神ロアは困り顔になりながら苦言を申すのだった。

 

 

 

閑話休題

 

 

 

女神ロア「皆さんの頭の上に浮いている円環「「「ヘイロー。」」」⋯⋯⋯⋯⋯ヘイローは皆さんの魂と繋がっている増幅装置であり識別装置でもあります。EXスキルやノーマルスキル、さらには通常攻撃の際に神秘を使うとより攻撃力が上がるだけでなく、皆さんはこの先助けとなるこの世界のバフ、補助魔法を掛けられると思います。逆に闇魔法で苦しむ事だってあるでしょう。そんな時にこのヘイローが役に立つのです。ヘイローは皆さんの体に掛けられる前に、先にヘイローが分析し良いものか悪いものか判断します。貴方達の助けとなるものは力を増幅させ恩恵を大きくします。皆さんを苦しめるものは抵抗力を上げたり弾いたりして皆さんを守ります。」

 

希望「私達は『間接的』に掛けるのですね。」

 

女神ロア「?はいそうですよ?」

 

裕翔「これさもし相手が直接手を下さなくても良いって事にならない?だってヘイローって魂と繋がっているんでしょ?ヘイローから魂に干渉する魔法を掛けられたら終わりじゃない?」

 

『キヴォトスのヘイロー』はどういうものか裕翔達は分からないがもし魂と繋がっているヘイローに干渉して自分達に何かしら起こったら一巻の終わりである。

 

実「魂云々は分からねぇけど呪術が巡る戦いに出てくるま、から始まってと、で終わる奴とかいたらヤバくね?俺達のヘイロー、触れられないけど。だからといって相手が触れられないとも限らないし。」

 

そんな心配をする裕翔達。黙って聞いていた希望もそう思っており、楓奈と南美もその『もしも』が起こりうるかもと心配になる。

 

だが女神ロアは笑顔を浮かべてこう言った。

 

女神ロア「安心して下さい。そういう人は世界でも数少ない最高到達点に近いですから、ヘイローがあろうと無かろうと関係無く魂に干渉してきますので。ヘイローはあくまで増幅装置であり識別装置。皆さんがヘイローが浮かんで迷惑にならないように私のように神気を纏っている者以外には見えなくしましたし。⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯安心して下さい。皆さんはヘイローで何かある、なんて起きませんよ。何故ならその魂に干渉する人はそんな人達からすればヘイローまとめて皆さんなんて所謂ちょちょいのちょい、ですから!」

 

実「お前のそういうとこキライ。」

 

 

 

ヴァイス大草原

 

時は戻って

 

グラスランド・デスワームの口の右上を消し飛ばしたホシノ達は歓声を上げた。

 

ヒフミ「す、すすす、す、凄いですよ!ケイさん!まさか消し飛ばすなんて!」

 

ケイ「いえ、本当ならド真ん中に当てたかったです。」

 

キサキ「何を言うておる。初めての実戦で使えたことに喜ぶべきであろう?」

 

クルミ「誇れよ、お前スゲーよ!」

 

ホシノ「おお!Majestic!(素晴らしい)!」

 

デスワームくんには目線を向けつつも皆でケイを褒め称える面々。

 

皆がイレギュラーである事を知らずにキサキのバフを貰える事に疑問を持たない。イレギュラーであるケイがバフを貰う⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯なんて普通はありえない。同じイレギュラーであるキサキ自身も同様でキサキのバフがケイにもたらす事が出来なくても不思議ではなかった。

 

彼女達は『イレギュラー』。彼女達がバフ⋯⋯⋯否、魔法等を授かるには条件がある。

 

一つ、干渉する時は直接では無く間接的に干渉する事。

 

ヘイローは確かに魂と繋がっている、が。あくまでこれは増幅装置であり識別装置だ。ゲーム機で例えるならゲーム機本体が魂が宿っている身体、ゲーム機にケーブルで繋がっているコントローラーがヘイローとなる。コントローラー(ヘイロー)でプレイヤー(干渉する人)が操作(干渉)してゲーム機(身体)に伝える様なもの。

 

つまりヘイローがホシノ達の体より先に受ける仕組みのお陰で間接的に干渉する事が可能ということ。

 

二つ、そもそもこのアトランティスの住人では無いこと。

 

アトランティスという世界は暁ホシノ、天津クルミ、龍院キサキ、梶間ケイ、中谷ヒフミを拒絶している。この世界の恩恵を受けられないのと同じ。アトランティスに住む者達が振るっているのは『アトランティスの法』。

 

当然彼女達はその法の元に助けられる事は永遠に無い。逆を言えばキサキはイレギュラーである為、ホシノ達に掛ける事ができ、唯一キサキによる恩恵を受けられるのだ。

 

この二つが満たされた事でキサキは運良くホシノ達にバフを掛ける事ができ、ホシノ達はキサキのバフを貰えるのだ。

 

 

 

 

良かったな女神ロア。危うく掛けられる筈のバフを貰えずホシノ達が慌てふためく光景を作る原因になるのを回避する事ができた。そして今、デスワームくんは何故か動けないようだ。

 

クルミ「ねぇ攻撃しないの?今がチャンスじゃない?」

 

確かに激痛で苦しんで動けないでいるデスワームくんを攻撃するチャンスだろう。しかしそれをホシノは否定する。

 

ホシノ「いやしない。あの攻撃で分かった。ケイちゃんのバフが盛られたレールガンなら二、三で倒せるよ。当たりどころが良ければ一撃で屠れるよ。攻撃して神秘減らすよりいいし。それにあれ見て。」

 

そう指を指した場所は⋯⋯⋯⋯⋯⋯。

 

ヒフミ「私達が出た所ですね。」

 

クルミ「あれ?口と違って再生して無くない?」

 

今デスワームくんは弾け飛んだ口を不完全な形になりつつあるが再生している。だが、脱出した所の傷は再生していなかった。否、再生していないのでは無く。

 

キサキ「再生しようとしとるが傷口が熱せられて阻害されておるな。」

 

ホシノ「そう。いくら再生能力が高かろうとその再生する箇所がやけどや酸で阻害されているなら意味がない。」 

 

クルミ「成る程ね!完璧に理解したわ!つまり最初みたいに高すぎない火力でデスワームくんの体に穴を沢山空けて痛め付けて体力を奪い、弱り切った所で最後に最大火力で殺すのね!」

 

惨すぎる。人の心とか無いんか?

 

ホシノ「え、いや違うよ!そんな事するなら最大火力で一気に終わらせた方が良いよ。その方が効率良いし。私が言いたいのはあれのお陰で体力は減っている筈。それにケイちゃんの攻撃で『死ぬかもしれない』って頭がよぎるんじゃないかな?だから交戦じゃなくて逃げの選択を取るんじゃないのかって思ったの。それを言いたいんだよ。」

 

ホシノはデスワームくんが逃げる行動を取ると思っている。怒りは当然あるだろう。だが、あの攻撃で知った筈だ。

 

『自分を殺しうる』と。

 

生物は自分の命が大事だ。それが魔物であっても。

 

だから逃げてくれないかなと、そう思っていたが⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯。

 

 

 

ギィィィイイイイイイイイイイ!!!

 

 

 

怒りに満ちた声。そしてここからでも感じる『殺意』。

 

⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯どうやら逃げる選択肢は無いようだ。

 

 

ホシノ「殺る気満々だね。」

 

クルミ「そうだな。」

 

キサキ「うむ。」

 

ヒフミ「はわわわ。」

 

ケイ「ヒフミ、大丈夫です。私が、私達がいます。きっと⋯⋯⋯⋯⋯いえ、絶対に勝てます。」

 

それぞれの固有武器を構え、銃の確認作業をしながらお互いに声を掛け覚悟を決める。

 

ここからが本番。

 

 

ギィィィイイイイイシャアアアアァァァァァァ!!!

 

 

ホシノ「さぁ第二形態のデスワームくんを倒そう!」

 

ケイ「いつでもチャージ出来るようにします!」

 

キサキ「指揮は任せてくりゃれ。」

 

ヒフミ「いっ、いきます!」

 

クルミ「音量を上げろ!生前葬だ!!」

 

女神ロア(ええ(ドン引き)。なんでグラスランド・デスワームと戦闘を?というかなんで戦闘になっているんですか?グラスランド・デスワームの縄張りの近くに転移させてこの世界の恐ろしさを分からせようとしただけなのに⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯。どうしてこんな事に(サクラコ様顔)。)

 





次回から文章を長くしようと思います。

執筆して分かったんですがスローペースだと気付きました。

連日投稿は、その、正直キツイです。

せめて0章までは連日投稿をしようと思います。

一応3章までは流れを作っているので自身の力次第ですね。

どうかお付き合い下さい!お願い致します!
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