アトランティスの黄昏   作:アビス・アッカーマン

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な、なんですってー!?

オペラ常設に伴ってドレスムツキとドレスハルカが実装!?メンストのロア追跡編の更新!?新ボスのドラム缶ガニの新総力戦が開催!?

⋯⋯⋯⋯⋯⋯ドラム缶ガニってなに!?


9話 あまねく運命の変換点

 

秘書「まず初めにこの神器は質問された者の嘘を見破った時、チンッと鳴ります。当然嘘偽り無く答えたら鳴りません。つまり嘘を付くこと無く答えればいいのです。簡単でしょう?」

 

成る程ね、『嘘偽り無く』か。

 

理解したと答えて話を促す。

 

秘書「まずは前提として質問します。一つ、グラスランド・デスワームを討伐したのは本当ですか?」

 

これは簡単。

 

ホシノ「事実だよ。デスワームくんを倒したのは私達。」

 

秘書「⋯⋯⋯⋯⋯⋯。」

 

一斉に真実の鈴を見るが当然鳴らない。

 

ニクス「マジかよ。本当にこいつらあれを倒したっていうのかよ⋯⋯⋯⋯⋯⋯!」

 

信じられないものを見たと言わんばかりの表情を出しながら頭を抱える。

 

アド「ほら言ったろ?こいつらが倒したって。」

 

ドヤァとした表情でニクスに向かって煽るアドさんとぐぬぬと唸るニクス。この二人を見ると本当に親友のような関係なんだなと殆ど友達がいないホシノは思った。

 

モグリット「成る程。そうか、分かった。だが疑問が残る。どうやって倒したのだ?あの巨体を倒す為にはそれ相応の火力が必要だ。もしかしていずれかが高度な魔法を使える者がいるのか?」

 

秘書「二つ。どうやってグラスランド・デスワームを倒したのですか?」

 

そう、倒したというのなら次に出てくる疑問はどうやって倒したか?だ。

 

ホシノ達は知らないがグラスランド・デスワームは長年の魔力の蓄積と縄張りに入った数々の獲物によって高い魔法耐性を獲得しているのだ。それによって攻略する際のカギとなる魔法はその耐性によって威力が軽減され本来の火力に達することができない。大砲や投石機、バリスタを使えばいいと言う者は一定数いる。だが問題となるのは時間の経過によって集まって来るスカベンジャーと飛んでくる岩石弾だ。発射準備完了する前に壊される可能性が高くそもそもそれらは火力不足で削るには向かない。近接戦をすれば良いと頭の足りない愚か者もいるが近付けば轢き殺されるのは火を見るより明らかだ。さらにグラスランド・デスワームの皮膚は衝撃を吸収する役目を持つ。大砲の弾丸や投石機の大岩はその厄介な弾力装甲と言って過言ではない皮膚によって大したダメージを与える事は無く唯資源を消費するだけになってしまうのだ。仕方無く火力は落ちるが魔法を頼るしかないのだ。そう、グラスランド・デスワームを倒すには遠距離からの魔法による攻撃しか倒すことは出来ないのだ。

 

討伐難易度をSランクにするべきという言葉が過去の討伐作戦に参加した者達の共通認識だ。それを聞いた者達の間で広まり、そして現在のグラスランド・デスワームによる認識がSランクに限りなく近いAランクという正確な討伐難易度の位置に収まったのだ。

 

この世界からすればそんなトンデモボスの倒す方法が未だに研究している最中に突然現れたイレギュラー。この世界に住む冒険者達、ひいては勇者達の為に情報を得るべく冒険者協会の支部長として質問をした。

 

 

 

さて、どうしたものか。いや答えるのは簡単だ。だが説明するにはあいつとのやり取りとかも話さなきゃいけないと考える。この質問で今後の展開に大きな支障を起こさせないために慎重に言葉を選ばなきゃ。

 

なんとかぼかしつつ嘘を言うことなく説明しなければ。

 

ケイ「ああ、それでしたら見た方が速いでしょう。」

 

ん?

 

ホシノ達が一斉にケイを見るとケイは待ってましたと言わんばかりの顔をしながら床に置いたレールガンをどん!と置き直して説明する。

 

ケイ「これはルミナス・ノヴァ。ロアちゃ⋯⋯⋯⋯⋯女神ロア様から賜った武器です。これを使ってデスワームくんを倒しました。」

 

!?!?!?

 

秘書「なんですと?」

 

すぐに秘書は神器を見るが沈黙したままの神器を見て秘書が驚愕の表情を一瞬だけ見せるがすぐさま疑心に満ちた顔を出しながら詳細な説明を問うた。

 

秘書「では具体的にはどうやって倒したのか詳細をお願いします。」

 

ホシノ「ちょ、ちょちょちょ!ちょっと!?何やってんのさ(ボソボソ)!?」

 

クルミ「ホシノの言う通りだ!この状況を理解してるのか!?見ろ!秘書の顔を!疑心暗鬼になってるぞ(ボソボソ)!?」

 

口に出してはいないが何をやっているのですかケイ!とキサキも内心思っている。

 

ヒフミを除いた皆から責めるような視線を向けるがケイは問題無いと答える。

 

ケイ「任せて下さい。完璧に説明します。それに⋯⋯⋯⋯⋯(ボソボソ)。」

 

まるで信じ切った顔で皆を説得する。

 

ケイ「私にはロアちゃんがいますから。」

 

秘書「何をコソコソ話しているのですか?早く話して下さい。」

 

催促してくる秘書。その秘書に自信たっぷりの余裕そうな、いや、余裕な笑みを浮かべながら質問に答えた。

 

クルミ「おい、なんであいつあんなに余裕なんだよ⋯⋯⋯⋯⋯⋯(コソコソ)。」

 

ホシノ「あいつのこととか話すと絶対に面倒なことになるからどう話すのか考えてたのに(コソコソ)。」

 

そう、なんで倒し方にホシノ達が説明の仕方を考えていたのは面倒事を避ける為だ。

 

いくらグラスランド・デスワームを倒した存在だからそれで信頼される訳が無い。

 

いや、むしろ疑われるだろう。

 

秘書からすれば化物を倒した得体のしれない少女達だ。このモードレスト王国内において強者たちが集まるクアトル城塞都市に住む冒険者達が長年倒せなかったグラスランド・デスワームを討伐出来る程の力を持ちながら、これまでホシノ達のような存在を見たことも聞いたことも無いのだから。誰かの記憶には存在せず、戸籍などの記録は記されていない。勇者なら分かる。彼等は異世界からやって来た存在だからだ。だがそれは無い。なぜならこの世界に呼び出され尚この世界の為に魔王などの世界の脅威と戦う勇気ある者は、この世界で唯一召喚することが出来る技術を持つこの国モードレスト王国でしか召喚は許されていないからだ。この召喚魔法は女神ロアによって作られた魔法発動するには女神ロアの許可が絶対に必要だ。勝手に召喚する事はできないのだ。一ヶ月前に勇者達が召喚されているし、召喚した後はインターバルとして少なくとも約六年の歳月が必要だ。つまりこの者達は勇者である可能性は存在しない。だからこそこの少女達に疑心暗鬼のような感情を持ってしまう。

 

彼女達は『イレギュラー』だ。

 

女神ロアから唯一この世界の情報を話したのは勇者に関するもの。そして勇者とこの世界に認められるには勇者を召喚する魔法によって呼ばれた者のみ。だからどう説明しようかと臨機応変に柔軟な対応をしようと考えていたのにコイツはそれをぶち壊したのだ。

 

だが問題は無い。何故なら彼女達は『イレギュラー』。あらゆる者達の想像の遥か上を行く規格外の存在だ。この程度どうってことは無い。

 

ケイ「まずこの武器はロアちゃんから直接賜ったのです。」

 

秘書「な!直接!?女神ロア様はこの世界の運命を操る為、我々人類や獣人族などこの世界に住まう者達の為に我が神、ギールティルスのようにこの地上に降りず、日々忙しい御方なのですよ!!」

 

ミスティール「貴女達は外部から隔絶されているから知らないと思いますが運命を司る女神ロア様は他(た)の神々と違って姿を殆ど見せず女神ロア様と唯一交信出来る聖女ロザリア様でさえお姿を見たことが無いのです。神器もあまり多く我々に送られません。」

 

ヒフミ「そうなんですか?てっきり女神様は色々と送っていたのかと思いました。」

 

秘書「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯もしかしてミスティールさんがお話した常識、いえ、この世界の常識を知らないんですか?」

 

キサキ「うむ、この世界の情報と隔絶され続けてきたおるからな。」

 

秘書の質問に対して妥当な答えを示し神器はこれを『嘘』だと判断しなかった。

 

秘書「成る程、貴女達がどのような環境で住んでいたのかは分かりました。まぁ外部と隔絶されていたなら仕方ありません。ですがそれで怪しいものではないと疑惑を晴らせるものでありません。」

 

ケイ「ん?疑問ですね。一体いつからデスワームくんの討伐内容の説明から魔女裁判の様になってしまったのでしょう?」

 

最初は警察の取り調べの様な雰囲気からまるで他国のスパイなのかと疑った裁判官による裁判の様な空気となっていた。

 

秘書「私はそのグラスランド・デスワームの討伐内容から不審な点を見つけた為にそれを追求しているだけです。」

 

ケイ「不審、ですか。」

 

やれやれと顔を横に振る。まるで癇癪を起こした子供にしょうがねぇなと思いながら対処する親のように。

 

秘書「何が言いたいんですか?」

 

ギャクマンガならその掛けている眼鏡がピキッと音を鳴らして割れていただろう。

 

この状況がギャクマンガのようならどれだけ良かったことか。

 

ケイ「私は唯嘘偽り無く話しているだけに過ぎません。支部長さん、まるで裁判の様になっていますけどこれについてどう思っているのですか?」

 

自身の味方を付けるためにモグリットへ話を振るがこれに対して中立を保った。

 

モグリット「確かに裁判に等しい尋問になっている。だがこうなるのも致し方無いと考えている。それだけ重要な事、と思っていただこう。当然行き過ぎた発言に対してはこちらも対処をしよう。」

 

ケイは前を向くが『ブライト・エッジ 』とニクスはそっぽを向いたり温かな眼差しを向けた。味方は自分達だけのようだ。

 

仕方無いと考えて再度説明をした。

 

ケイ「では続きの説明をします。我々は先程も言ったように外部の情報と隔絶された地域に住んでいました。そこでは魔物に襲われる様な事は無く平和な暮らしをしていました。そんな平和な日々を過ごしていたときの事です。目を覚ますと目の前に女神ロアと名乗る女性がいたのです。」

 

秘書「⋯⋯⋯⋯⋯⋯続けてどうぞ。」

 

やはり神器は音を鳴らない。

 

ケイ「ではその様に。女神ロアと名乗った女性はいずれ魔物に襲われるだろうと憂いて私達にこの武器を与えたのです。この武器は凄まじくクロスボウ矢弓よりも連射する事ができ、遠くにいるハゲワシにも届く程の射程距離を持ち、その遠くにいるハゲワシの体を貫く程の威力を持っています。」

 

秘書「何故女神ロア様はその様な神器を?」

 

ケイの話したそれらはかつての勇者達が広めたとされているジュウと呼ばれる武器のことだろう。だが再現するにはこれまでの鍛冶屋では不可能な構造でありこれまでの技術とは一線を画す高度な技術力と設備が必要だ。千年前から開発されているが精々がボルトアクションという勇者達が話したものより古く弱い武器しか作ることができない。

 

まぁそれはジュウを用いた人との戦争をした時、空から死の天使が訪れると言われているのも原因しているのだが。

 

この世界ではその程度のジュウは魔物相手には通じない。人に対しても使えるとするなら雑兵くらいにか効果はない。そう認識されているためこの世界ではジュウはマイナーだった。

 

ケイ「決まっています。それは私達に生きるすべを与えたからです。」

 

断言する。それは確固たる信頼からきたもの。

 

秘書「生きるすべ?」

 

ケイ「ええ、いくら魔物に襲われることは無いからといって誰が危険な目に合うことは無いと断言できるのしょう?その事にロア様は私達を憂い、この武器を与えたのです。」

 

神器は今も沈黙している。

 

秘書「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯成る程。その神器のお陰でグラスランド・デスワームを討伐出来たのですね?」

 

ケイ「ええ、全てロアちゃんのお陰です。ホシノがデスワームくんを引き付け、クルミでスカベンジャーの猛攻を皆を守り、キサキのバフと指揮で的確な指示を出し、ヒフミのヘイト集めで負担を減らし、私がこのルミナス・ノヴァで倒したのです。そう、これも全部ロアちゃんのお陰なんです。」

 

秘書「ちゃん付けは辞めてください。」

 

ケイ「ちなみに目の前にいる同志にも話しましたが私達は転移魔法によって空に放り投げられたのです。」

 

秘書「何故空に?」

 

何をどうなれば空に放り投げられるというのか?純粋な疑問でケイに質問した。

 

ケイ「それが私にも分からないのです。何故空なのか。犯人は誰なのか?」

 

この場で女神ロアの仕業ではと発言する愚者はいない。女神ロアはこの世界における頂点。地上にいる神々の上司的な立ち位置。そんな女神を疑ったり愚弄したりする者がいたとするなら皆から制裁は確実だ。

 

ケイ「秘書さん、私達を疑ってしまうのはよく分かります。何処の骨とも知らない者が突然現れて混乱することも。」

 

あらかた質問し終えた秘書はふぅと自身の器に落胆し彼女達の誠実さに感服した。

 

秘書「冒険者の中には過去がよく分からない者も大勢います。当然中には貴女達程ではありませんが大きな功績をいきなり立てていく者が一定数います。別に貴女達が悪い人達では無いとここまでの質問で分かっています。唯、唯私はこのクアトル城塞都市の冒険者協会クアトル支部の『秘書』として責務を果たしただけに過ぎません。ですがいくらこれまで経験した事が無い場面に出くわしたからといってあの様な態度をしていい理由にはなりませんよね。」

 

これまで何度もこの神器で嘘を見破り真実を追求してきた。神器は嘘を見破る。そして人はよく嘘を吐く。質問の中に嘘を混じらせて追求を逃れようとする者達を数え切れない程見てきた。中には嘘を暴かれて心の無い暴言を吐く者だっていた。そんな者達に比べれば彼女達は誰よりも『正しい人』だった。

 

秘書「あの様な態度を取ってしまい申し訳ありませんでした。」

 

ケイ「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯頭を上げてください。私はロアちゃんの願いを応えるために言っただけに過ぎません。」

 

心からの謝罪をする秘書さんに許しを与えるケイちゃんはどこか安心したような同情しているような、そしてただ誠実であろうとしているように見えた。

 

秘書「女神ロア様から神託を受けているのですか!」

 

ミスティール「!?」

 

モグリット「君達のような強者に託すものとは一体?教えてくれないか?」

 

他の皆も女神ロアの神託という貴重な経験を得るために前のめり気味になりながら興奮が混じった視線を向けた。

 

ケイ「ホシノ、言ってもいいですか?」

 

ホシノ「君さぁ⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯まぁいいよ。どうせ説明すると思うからね。それとこれは他言無用で頼むよ。あいつ⋯⋯⋯⋯⋯女神から他人に話す時はそうしてと言われたからね。」

 

モグリット「相わかった。この名に誓って話さないと約束しよう。」

 

秘書「我が神ギールティルス様の名に掛けて。お願いします、教えてください。神託は何ですか?」

 

アド「おいニクス、言いふらすなよ。」

 

ニクス「神様の言葉に逆らうわけ無いだろ。」

 

他の『ブライト・エッジ 』の皆も頷いた。

 

ケイ「では話します。初めて会った時に私達にこのアトランティスの現状を話したんです。その後、こう言ったのです。『この世界を、よろしくお願いします』、と。今にして思えばこの武器は私達を守るだけでなくあの様な敵を倒す為に与えたのでしょうね。」

 

神器はケイの言葉を肯定した。

 

ホシノ「だから私達は今後の為にこの世界の地位が欲しいな。」

 

モグリット「⋯⋯⋯⋯成る程。冒険者になりたいと?」

 

ホシノ「そういうこと。」

 

冒険者はたとえ過去が不明な者であってもなることが出来る職業だ。この現状で手っ取り早い冒険者になって基盤となる地位を築くには冒険者が最適と言える。

 

その事を読み取ってモグリットはホシノ達に問う。

 

モグリット「冒険者は過酷だぞ。いつ命を落としてもおかしくはない。」

 

誰だって自分の命は大事だ。たとえあの頂点捕食者であっても。辛い目にあってもやり続けられる覚悟はあるのかと鋭い視線を受けるがそれを跳ね返すホシノ達。

 

ホシノ「覚悟の上だよ。ここ(この世界)に来てからそんなの分かり切っているし。」

 

クルミ「その通りよ。あい⋯⋯⋯⋯⋯女神に言われてから腹は据わってるし。」

 

キサキ「この世界の為、より精進しようとするかえ。」

 

ヒフミ「たとえ弱くても使命は最期まで貫きます!」

 

ケイ「ロアちゃんにこれ以上負担を強いたくないですからね。やってやります。」

 

モグリット「⋯⋯⋯⋯⋯そうか、言葉は不要か。」

 

その言葉と同時に威圧感が増したがそれを無視してホシノ達は真正面からの視線とぶつかった。

 

ある者はかかっこいいと言わんばかりの笑みを見せた。向かって来る全ての苦難を打ち砕く為に。難難辛苦の道を突き進む覚悟を抱いて。

 

ある者はこの状況を受け入れていた。怒涛の連続によって理解を超えた現象を目の当たりにして理解したのだ。これは逃れられないと、運命の歯車に収まったのだと。

 

ある者は遠くを見つめていた。達観した事で一時的だがこの世界の真理を掴んだ。運命とは時に避けられないものも存在するのだと。なら避けられないならそれを踏み越えて希望を掴もうと物事を見るべきだと悟ったのだ。

 

ある者は勇気を持った。たとえ自身がちっぽけな存在でも、たとえ自身の目指すものが果てしない壁と茨の道に繋がっていたとしても。この最強の魔法はそれを歩む者を時に祝福するのだから。

 

ある者は神を見た。自身より遥かに上回るその『気』は最も理想としたものだった。そして嘆いた。まるで消耗品のように酷使するその姿に。だから捧げ祈り願い誓う。これ以上苦しまなくて済むように。

 

そんな若くて猛々しい少女達を見てモグリットは初めて笑みを浮かべた。

 

秘書さんが持ってきた登録書にそれぞれ名前を書く。役割であったり得意武器、特技なども書きつつスラスラと書いていく。

 

※女神ロアによって全ての言語と文字を習得しています。

 

そんな中にパーティー名があった。

 

ホシノ「名前どうしよ?」

 

キサキ「クルミよ、お主得意であろう?」

 

クルミ「ちょ!振らないで欲しいんですけど!」

 

ヒフミ「うーん⋯⋯⋯⋯⋯あ!ペロロ様に関する名前とかどうでしょう!」

 

ホシノ、クルミ、キサキ「「「却下。」」」

 

ヒフミ「そんなー!!」

 

ケイ「⋯⋯⋯⋯⋯でしたらこういうのはどうでしょう?」

 

クルミ「?なにか思い付いた?」

 

ケイ「ええ、とある名前を拝借して名前は『シャーレ』にしましょう。」

 

ホシノ、クルミ、キサキ、ヒフミ

「「「「異議なし(です)!!」」」」

 

モグリット「⋯⋯⋯⋯決まったようだな。」

 

話し合いで時間が過ぎた事で黄昏色になった太陽を背にしながら立ち上がる。

 

モグリット「ようこそ、冒険者の世界(アトランティス)へ。」

 

 

 

この日からあまねく運命は変換点を迎えた。

 

 

 

 

 

天界 女神の仕事部屋

 

女神ロア「ありがとうございます皆さん。」

 

冒険者登録をしている光景を外にいる鳥達から見る。

 

この程度の事なら例え最も若い神であってもまるでテレビを付けるように簡単な干渉だ。

 

初めて会った時を思い出す。神としては完璧に等しい答えを返したのに人から見れば不快極まりない発言をしてしまった事を。あの時はテンパっていたのもあるがでも結局は自分のせいだと今は自覚している。あの人達は『ブルーアーカイブ』というゲームが好きらしい。だから自分の素顔と殆ど似ている連邦生徒会長の衣装を着て出迎えたが無視されてしまった。⋯⋯⋯⋯⋯いや、元楓奈のケイは『最高に似合っている』と肩のロゴが違うのに似合っていると褒めてくれたケイは心からの賛美を送ってくれた。だから今後もこれを着ようかなと隅にある自分の仕事着を見つめながら人間的思考をした。

 

その思考は神にとっては前代未聞の思考ということに気付かないまま。

 

女神ロア「皆さんはイレギュラーとなってしまいました。直接的な干渉はもう出来ませんし間接的でもかなりの力を削られてしまいますね。もうこれ以上は干渉する事は不可能に等しいですし本当に危ない時だけ手助けしましょうか。皆さん⋯⋯⋯⋯この世界をよろしくお願いしますね。」

 

これまでの偶然はもう効かない。本来ならこの世界の恐ろしさを分からせようとグラスランド・デスワームの縄張り近くに転移させ、『偶然』出会った冒険者パーティーと共に彼女達をクアトル城塞都市に行かせ、生活の為、今後訪れる運命の為に冒険者登録をスムーズにさせるつもりだった。だが彼女達は自身の意図しない形で『イレギュラー』となってしまい、アトランティスの理から外れてしまった。これ以上の間接的な干渉は他の運命の対処に回らなくなってしまう。もう、彼女達を『偶然』という形で支援はあまり出来ない。

 

だがこれで良いと考える。神としては致命的なミスだ。しかし人は獣人族はエルフはドワーフはこの先に訪れる運命など知るすべは『殆ど』存在しない。

 

神とは運命を操作する存在。

 

運命とは確実に訪れるもの。

 

その運命はホシノ達によって分からなくなりどれが正解なのか不明となった。

 

ならと、女神ロアは選択する。

 

このアトランティスに大きな干渉はしないと。

 

それはホシノ達の邪魔に成りかねないと。

 

そう、判断した。

 

 

 

この日から世界は大きな出血を強いられ続けることになる。

 

 

 

その運命は確実に訪れる。

 

 

 

そう遠くない未来だ。

 

 

 

 

 

To  Be Chapter1 




秘書さんが何故ここまで疑心暗鬼になったのかというと現代に例えるなら『昔から日本の海に住んでいる信じられないくらい強い怪獣を自衛隊の力を持ってしても倒せなかったのに突然現れた住所不明身元不明の年端もいかない少女達五人が初めての戦闘で倒した』と言っているようなもんだからです。そりゃ疑いたくもなる。

これにて0章は完結です。後は人物設定とかやったら次に行こうと思います。

ですけどここからは一週間投稿にします。前にも言いましたが毎日投稿はキツイからです。

どうかこの作品完結までよろしくお願いします。
それと高評価と感想お願い致します!
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