俺の脳内実況がうるさすぎる   作:マネモブ

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ちなみにトトカルチョってイタリア語らしいですよ

 というわけで森にやってきました。

 あ~~一面の森って感じですね。

 ちょっと入るのが怖いです。暗いし。

 

 ◯魔法使えよ

 ◯武器ないし魔術師に一時転職するか?

 ◯待て、そもそも入らなくてもいいだろ

 ◯というと?

 ◯雑兵流し込みまくるだけでいい

 ◯有益ではあるが万が一中に人がいたらヤバい噂になるな……

 ◯そもそもカタログに魔物は登録されてるの?

 

 カタログに魔物は……いない!!

 なぜなら俺は魔物に出会ったことがないから!!

 

 ◯じゃあ使えないだろ

 ◯諦めて魔術師になれ

 ◯おらっ 一時転職

 

 しょうがないですねぇ~~~。

 一時……転職……!!

 おっ、ステータスが変わった。

 

 ────────────────────────

 ベルベ村のトーヤ

 レベル20 魔術師

 

 筋力:D 一般人並

 耐久:D 一般人並

 敏捷:D 一般人並

 魔力:C まぁまぁすごい

 幸運:A 超すげー

 

【追加されたスキル】

 生活魔法 ……洗浄、着火、点灯、解錠、保存、などなど

 火炎魔法 ……ランクC程度の火属性の魔法を操る

 氷結魔法 ……ランクC程度の氷属性の魔法を操る

 錬成魔法 ……ランクC程度の土属性の魔法を操る

 操風魔法 ……ランクC程度の風属性の魔法を操る

 

【継承スキル】

 所持拡張 ……所持アイテム量を+50ほど拡張し、重量も感じない

 道具制作 ……材料さえあればランクB程度のアイテムを制作できる

 即時鑑定 ……目視した対象にランクC程度の鑑定ができる

 状態耐性 ……状態異常に対するランクB程度の耐性を持つ

 禁呪無効 ……ランクA程度の禁呪魔法を無効にする

────────────────────────

 

 ふむ……あまり劣化を感じないな。

 いやステータスや使えるスキルはたしかに減ったんだけど。

 

 ◯まぁレベル20でも全然上澄みの冒険者なんだけどな

 ◯Bランクの冒険者だっけ

 ◯Aランクだと30代、Sランクで40代

 ◯この世界の最強格で50代ぐらいだよね

 ◯しかし武装も変わらないな……

 ◯別にコスプレ魔法じゃないからな

 

 まぁいいや。これで行きまーす。

 というわけで出てきたスライムやらお化け蝙蝠やらを狩る。

 炎……は森の中だと危ないし、操風魔法だな。

 風を斬撃に変えてっと。

 

「ギャッ!?」

「ぴぃっ!?」

 

 おしおし、倒した。

 ……素材とか出てこないけど、もしかして俺が解体するのか、これ。

 

 ◯当たり前だろ

 ◯ゲーム内じゃないんだぞ

 ◯道具制作でそのまま加工すれば?

 ◯あ~~、それが丸そう

 

 コイツラから作れるのはポーションの素と、蝙蝠の矢ぐらいらしい。

 うん、全然いらんね……まぁ、一応作りますけど。

 おっ、触れようとしたらステータス画面通りのアイテムになった。

 

 ◯道具制作便利すぎる

 ◯この世界ってなんかゲーム的なシステムと、現実的な部分があるよな

 ◯VRMMOから転移できるぐらいだし……

 ◯元々世界なんて、そこの創造神の夢みたいなもんだからな

 

 とりあえず作れるだけ作って、ポケットに入れて、と。

 よし、後でどっかで売り飛ばそう。

 

 ▽蝙蝠の矢×5を手に入れた

 ▽ポーションの素を手に入れた

 ◯お!?

 ◯システムメッセージこっちに出てくんの?

 ◯わけろわけろ!

 ◯わけかたとか知らないんじゃない?

 ◯俺らも知らないし……

 ◯なにはともあれ、この調子でやっていけば

 ◯夕暮れにはそこそこ売れるもん溜まってそうだな

 

 よし、じゃあやっていくか……!

 スライム、討伐。

 お化け蝙蝠、討伐。

 スライム、討伐。

 スライム、討伐。

 ジャイアントウルフ、討伐。

 

 今の狼クソデカかったな……。

 

 ◯しかし操風魔法数回で死亡

 ◯普通に雑魚だったろ

 ◯大した違いはないように思われるが……

 ◯でも落とす素材が違うんじゃね―か?

 

 おっ、狼の肉×3に狼の毛皮、それから狼の牙や狼の骨をドロップするみたいだ。

 これらの素材からちょっとした骨のナイフや槍に加工できそうだな……。

 

 ◯おお、武器できるじゃん

 ◯でもこのまま魔術師で良さそう

 ◯武器もいらないしな……

 ◯ランクC程度の魔法でも、ここらへんの雑魚を一掃できるのが悪い

 ◯フゥン、レベル20代でも全然上澄みということか

 

 そこそこアイテムも集まったし、後は薬草とか採取して帰ろうかな。

 薬草かどうかは即時鑑定すればわかるみたいだし……。

 

 ◯やっぱり鑑定は便利やね

 ◯作品によってはチートとして数えられることもあります

 ◯この世界だと普通に鑑定屋とかいるみたいだが……

 ◯そこらへんゲーム的だよね

 

 あ、これでスライム、お化け蝙蝠、ジャイアントウルフがステータスで閲覧できるカタログに登録されたみたいだな。つまり召喚可能か……?

 

 ◯おっ、じゃあジャイアントウルフの群れ召喚しとく?

 ◯自動で素材とか貯められそうだよな

 ◯勝手に集めてくれりゃあな

 ◯でも森であんまり狩りすぎると怒られないのん?

 ◯一応ここらへんの狩人がいるはずだよな……

 

 それもそうだな……

 じゃあそろそろ帰るか。

 あんまり遅くなると親父に殴られるからな。

 

 ◯わぁ~~毒親ぁ~~!

 ◯中世ファンタジーだからリンリン感がない

 ◯倫理観な

 ◯現代社会の倫理観に驚いているのが俺なんだよね

 ◯すごくない?

 

 ははは! もう慣れたよ!!

 さて、帰りましょ。帰りましょ。

 

「おっ、どこに行くねんトーヤくん」

 

 独特な西方面の訛り。

 突如として物陰から出てきたのは俺の幼馴染。

 赤髪を一括りして肩まで伸ばした村娘。

 

 若干のそばかすはあるものの、整った顔立ちをしている。

 また、俺と同じ年とは思えないほど、体躯もしっかりと育っていた。

 その双眸はエメラルドのように瞬いている。

 

 原作ヒロインのひとりでもある彼女の名前は────レイである。

 

 ◯はうっ、なんですぅ!?

 ◯うわ急に饒舌になるな気持ち悪い!!

 ◯女の容姿描写だけ急に語彙力が上がるのん

 ◯おまえいままでクソみたいな語彙力だったろ

 ◯普段からそのぐらい脳内で実況しろ

 

 うるさいですね……。

 女の容姿を見たら語彙力が上がる病なんですよこっちは。

 

 ◯常に見てろ

 ◯脳内に住まわせろ

 ◯TSしろ

 

「ああ、レイちゃん。そろそろ帰るんだよ、俺は」

「いやそもそもどっから出てきてるねん」

「何って……森の中だけど……」

「危ないで」

 

 ◯もっともである

 ◯というかレイちゃんは入りそうだけど

 ◯もう暗くなるで

 ◯レイちゃんこそなにしに来たんだよ

 

「レイちゃんはこれから森に入るのかい? それこそ危ないよ」

「ああ、近所のガキが風邪引いてもうてな。薬草でもとりにいこかと……」

「それなら俺が採ってきた薬草あげるよ」

「疾風迅雷やね」

 

 ◯なんで異世界なのに疾風迅雷があるんだよ

 ◯教えはどうなってるんだ、教えは

 ◯なんでそもそも関西弁なんだよ

 ◯俺らにそう聞こえているだけ説

 ◯そもそも日本語で話してるわけないからな

 ◯なにっ

 ◯じゃあたまに仏教用語を喋るのも翻訳の結果……!?

 ◯Glockの力です……

 ◯Godの力だろ……

 

「まぁくれるんやったらもろとこか、おおきに」

「ああ、レイちゃん家は最近どう?」

「いつもどおり酒に溺れとるわ」

 

 そう言ってやや赤らんだ頬に湿布が貼られていることに俺は気づいた。

 レイちゃんの父親はとんでもない男尊女卑主義なのだ。

 

 レイちゃんがちょっと生意気なことを言えば殴る。

 酒も入ってるからなおさら手が早い。

 

「……こんな世界、滅んだらええのにな」

 

 ぼそっとレイちゃんがそう言うのを俺は聞き逃さなかった。

 

 ◯悲しき過去────

 ◯唐突に始まる悲しき過去展開やめろ

 ◯原作通りの悲しき過去展開なんすよね

 ◯アカン、なんか笑えてきた

 ◯なにわろとんねん

 

 うるさいですね、おまえら……。

 俺は思わずレイちゃんの手を掴み、こう言ってしまった。

 

「レイちゃん、あの……俺と一緒に逃げないか?」

「はぁ? 何言ってんねん。出来もしないことを考えるのは亡き女を想うって書いて、妄想言うんよ?」

 

 ◯漢字やんけ!!

 ◯なんで異世界に漢字が……

 ◯一瞬納得したけど、よくよく考えるとおかしい言葉やめろ

 ◯いや待て、翻訳のおかげかもしれない

 ◯ああ、正しくは異世界語でトトカルチョって言ったのかもしれないしな

 

 そう言ってレイちゃんは俺の手を振り払い、そのまま帰ってしまった。

 俺は……拳を握りしめることしか出来なかった。

 

 ◯俺達のこと見えてない?

 ◯完全に役に入りきってる……

 ◯後先考えなければ別になんとでも出来るだろ

 ◯チート使えチート

 ◯まぁ実況者とかもたまにコメント見てないしな

 ◯基本見てるみたいな扱いやめろ

 

 ひとまず俺は家へ戻ることに。

 しかしなぜか兄弟姉妹が外に出ている。

 

「どうしたんだよ、皆」

「父さんの機嫌が悪いんだ。母さんが慰めているところさ」

「さっきから母さんの叫び声が……うわぁあああん!!!」

 

 ◯あっ……

 ◯また弟妹が増えてしまうねぇ

 ◯既に五人位いるように思えるんだが

 ◯ふしだらな母と笑いなさい

 ◯まぁ古い時代は子作りが娯楽やからね

 

 なんだよ……。

 こんな、こんなっ!!

 俺は思わず走り出してしまった。

 

 ◯皆走っとるね

 ◯元気やね

 ◯陸上部かよ

 ◯鬱展開なのにチート持ってるだけでなんでこんな笑えるんだよ

 ◯茶番だからだろ

 ◯茶番展開

 ◯気に入らんのやったらいつでも殺せるしな

 ◯極めた武闘家のレス

 

 気がつけば村の外。

 俺はしゃがみ込み、地面に拳を叩きつけた。

 

「くそっ!! くそぉおおおおおおおお!!」

 

 ◯何を叫んどるんや

 ◯全員殺そうや

 ◯もういい! 殺しちまおうぜ!!

 ◯そろそろ飽きてきた

 ◯ここからざまぁ展開マダ―?

 

 脳内に流れゆくコメントを無視して咽び泣く。

 すると、誰かが俺の肩を叩いてきた。

 それはフードを被った老人だった。

 村の人間ではない。

 

「どうしたんだ? 坊主」

 

 ◯あっ……

 ◯この人見覚えが……

 ◯あの……

 ◯ネタバレやめーや

 ◯俺原作未読なんだよなぁー!!

 ◯これから見れるね ニコッ

 ◯はーい、原作一話よーいスタート

 

 さっきからうるせぇな、コメント欄がよぉ!!




チィッ、なんなんだよこの展開は シュシュ

【覚え書き】
トーヤくん
ベルベ村出身。中肉中背黒髪茶目。好きなラノベ主人公を思い浮かべたら大体あっている。
悲しきインターネットミームモンスターを脳内に死ぬほど飼ってる。
レベル100サモナーといういまいちよくわからないチートを持っている。
何でも出来るくせに後手後手に回る。穢土転生ぐらいにはあまり良くない人間。

レイちゃん
関西弁で喋っとったらウケると思わへんほうがええよ? 原作ヒロインの一人。
男尊女卑な価値観を父親に叩き込まれている悲しき女。赤髪でケツもタッパもそこそこデカい。ちょっとエッチな感じの三つ編みの村娘を思い浮かべたらだいたい彼女かもしれない。

トーヤくんの兄弟姉妹
兄カズヤ、姉キヨコ、弟サトミ、妹ミヤ。
黒髪。まぁまぁ顔立ちが整っているが母親の遺伝子がいいから。チートがないので無力だが、代わりに悲しきインターネットミームモンスターを脳内に飼っていない。

悲しきインターネットミームモンスター
我々。基本最初に◯ってつく。関西弁のやつが多い。ネットミームに詳しく冷笑癖があり、萎える展開が続くと飽きてくる。倫理観にうるさいが別に高いわけではない。


    
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