でも、このライブ感のおかげで、こういうこともできる。
「ほらほら!あかりちゃんも飲む〜?」
「え、遠慮します」
「生徒にだる絡みするなバカチエ」
未成年飲酒を勧めてくる教職者にあるまじき醜態を晒す星之宮先生。
それを、結構強めにひったたく茶柱先生。
仲良いんだな。この二人。
「何というか、先生たちもいるのはビックリしたよね」
「だね〜。あ、それそろそろ焼けるんじゃない?」
一年女子と、二年女子、一二年男子で集まっている感じだな。
鈴音と桔梗も、教師がいる手前だし、親睦会みたいなものだしな。
いつもだったら、多分隣座ってくるんだろうが。今日は珍しく、カルマと榎中に譲っていた。
「お、それ良い感じに焼けてるじゃん。貰うわ」
「おいこら。それおれが育ててたヤツ!」
「全く。肉の奪い合いなど醜いぞ」
「さっきから綾小路の肉をさりげなく奪っているやつの言うセリフでは無いと思うが」
「安心しろ葛城。オレも浅野の肉を奪っているからな」
「なんか、全体的に野蛮だな」
「本当ですよね。森先輩。コイツら野蛮で疲れますよ」
「何サラッと自分は違うけど?みたいなこと言ってんだよ綾小路。お前もガッツリこっち側だわ」
カルマのやつ、なんてこと言うんだ。
オレたち一年Bクラスは基本的に正々堂々戦っているだろうが。
「野蛮度合いで言ったら先輩たちのがやばいと思うんですけど」
「まぁ、それは、まぁ、まぁまぁまぁ」
………あんま言わんでくれ榎中。それはオレにも刺さるからな。
「坂上せんせー。今日は何飲んでるの?」
「まぁ、取り敢えずビールですね。焼き肉とビールは相性抜群です。社会人になったら試してみてください」
「分かった。覚えておくよ」
カルマのやつ、懐いてるな。随分と。
あいつが、教師にここまで心を開くとは。
「それでそれで〜?あかりちゃんは、渚くんとどれぐらい進んだの〜?二回も紹介状貰うぐらいだもんね〜?」
「ちょ、辞めてください‼︎あれは、友達に頼まれたからで……‼︎」
「ふーん?自分は、渚くんとそういうことする気はないのかなぁ?」
「ないですないですないですからっ‼︎」
いじり倒されてるなぁ茅野。
可哀想に。
「………しょ、紹介状って、何のこと?」
「うん。一之瀬さんは、気にしないで良いよ」
「えぇ。一之瀬さんは、知らない方がいいわ」
……………うん。実質コンセプトラブ───。
「それ以上いけない」
「助かるカルマ」
まぁ、うん。
大変如何わしいコスプレ店(便宜上)で、ちょっと、いや、かなりエッチな撮影会してたとか、………あとは、その、ゴニョゴニョしてたとか、一之瀬には、知って欲しくない。
「二人は知ってるの?」
鈴音と桔梗は、そっと、目を逸らした。
その話は、その、うん。
「な、何があったの本当に」
「気にしなくていいよ」
「気にしないで」
本当に気にしないでくれ。本当に。
二年生女子の方では。
「焼肉って、やっぱりサンチュが必須だよね」
「あーうん。なずなの言うこともよくわかるよ」
「いえ、焼肉は白米と食べるものよ」
静かに茶碗を机に置く。そして、店員が持ってきたおかわりの茶碗を持ち上げた。
白米五杯目に突入した卜部の迫真のセリフである。
「流石に食べ過ぎじゃない?」
「肉食べようよ肉」
肉で白米を食べると言うより、白米で肉を食べている。
焼き肉とは………?
「そろそろお肉なくなるね」
「注文私が取っとくよ」
「ありがと櫛田さん。みんな、何頼む?」
一之瀬が注文を纏めて、桔梗がタブレットに打ち込んでいく。
この2人がいると凄く円滑に進むな。流石鈴音。
素晴らしい人選だ。
「…………まぁ、こういう時の為の人選ではなかったのだけれどね」
棚からぼたもちというか、何というか。
まぁ、楽しいからいいか。
「今更なんだけどさ、生徒会長の改革って、そんなに色々できるものなの?」
茅野の疑問も最もだ。
会長候補で、それに自力で辿り着いていた卜部先輩は、チラリと視線を鈴音に向ける。鈴音は、ゆっくりとグラスを置いて語る。
「まぁ、多分理事長よりも上、つまり政府の方から、妨害はあるでしょう。
校則を書き換えてくる可能性も否定できない」
オレたち生徒の立場は弱い。
生徒会長も尚更だ。
─────だが。
「もう話しても良いから、話すわね。
先生方も、よろしいですか?」
「別に良いぞ。ただ、あらかじめ言っておくことがあるとしたら、あまり気にするなよ」
そう。茶柱先生の言う通り。
この改革の妨害と、ルールの書き換え。
それに対抗するために、坂柳理事長は、あることをした。
「……………それって、ほむらが言ってた、おれたち『エンドのEクラス』が、勝てるかもしれないことに、関係があるのか?」
「えぇ。関係はありますよ。森先輩。…………まぁ、関係があるというだけで、そのものというわけではないのですが」
鈴音の禁じ手は、坂柳理事長の策に、付け足す形で提案されたものだ。
坂柳理事長の策、つまり。
「───坂柳理事長は、全学年の全教師間で、ある契約を交わしました。
その契約の元、教員連合が設立されまして。その連合の、目的は。
もし仮に、新生徒会長の改革を、妨害する為の試験の実施及び校則の設立及び施行が行われたと、代表者が判断した時。
契約を交わした全教師は、自主退職する、という契約を」
『───…………はぁ⁉︎』
予め、この契約について知っていたオレと桔梗、これに気づいた椎名から教えられたカルマ、花咲先輩の言葉から、ここまで導き出した卜部先輩を除いた、七名は、総じて驚愕の声を上げた。
教師たちは、少しだけ気まずげに、酒を呑んだ。
「う、うわ、マジ何ですか、坂上先生」
「マジですよ。榎中くん。まぁ、あまり気にしないでください」
「い、いやいやいやいや。気にしますって」
「……………だが、確かに有効な契約だ。成守さんも考えたな。政府としても、学校が崩壊するのは、避けたいだろう」
「あぁ。浅野の言う通りだ」
そう。教師が居なければ、当たり前の話だが、学校は回らない。
それが、全教師なら、尚更。
補充だって、当然間に合わない。
「元々ここ国立だからね。ここから転勤って形に追い出すにしても、出来て数名。
そして、新しく赴任する教師は常に、この契約に署名しなければならない。
それも、坂柳理事長が定めた、新しいルールなんだよ」
「で、でも、星之宮先生は、本当に………」
「あぁ、うん。私も署名したよ。まぁ、帆波ちゃんもあかりちゃんも、気にしなくて良いからね」
…………本当に、この人たちは。
「…………どう、して。そこまでするんですか?」
葛城の疑問も最もだ。
ここに関しては、オレも知りたい。
代表として、真嶋先生が口を開いた。
「生徒に道を教え、切り拓くのが教師だからな。
それに、坂柳理事長に言われてな。
俺たちも、それに賛同したんだ」
「…………成守さんは、何と?」
「────学校も変えられない生徒に、社会も国も変えることなどできない、ですか」
「えぇ。鬼島総理。
あなたが、本気で、社会を、国を、未来を変える生徒を欲するなら。
まずは、
総理大臣の執務室で、坂柳成守と、鬼島と向かい合っていた。
学校のシステムそのものに叛逆し、変化の渦に呑まれそうな現在の高育への責任を問う為に、坂柳は呼び出されたのだ。
「確かに、一理ありますね。
で、いつからこの未来を思い描いていたのですか?」
「───堀北学くんが入学した時から、ですね」
鬼島は、坂柳成守の辛抱強さを、良く知っている。
成程。その段階から、もう既に。
「堀北学、卜部藤乃、浅野学秀。
椚ヶ丘中学校という箱庭で、支配者に抗おうとしていた生徒たちを、積極的に受け入れたのは、この為だったのですね。
───そして、今年は、三年E組の生徒も、大勢入学させた」
「………仰る通り。全ては、この学校を変えられるだけの生徒を、集めるために」
「成程。見事な手腕であると、褒めておきましょう」
「お褒めに預かり恐悦至極………。ですが、全ては生徒たちの力です。私に出来たことなど、場を整えることと、責任をとることぐらい」
この学校を変えたかった。
坂柳成守は、ずっとそう考えていて。
その、最大のチャンスが、訪れた。
─────それが、堀北学の入学である。
浅野學峯から、よく聞かされた。
彼の愛弟子にして、教え子。息子を上回る、最高傑作。───そして、自身に反抗するもの。
だが、彼が生徒会長を三年務めたところで、出来ることと言ったら地盤の整備のみ。
しかし、それを覆せるかもしれない生徒が、もう二人。
それが、卜部藤乃と、浅野学秀である。
この三人を一年毎に入れることで、変化の渦を、より大きく、強烈にするつもりで。
罪悪感から見過ごしていた翡翠恵の介入により、一度、変化の渦は砕かれた。
諦めかけていたところで、支配者、浅野學峯を打ち倒した教師、殺せんせーと、彼の教え子の一人にして、
ここに、全てを賭けた。
入学予定の生徒同士の相性、それらを確認して、考察して。
そして、
『この龍園翔くん。カルマくんと同じクラスにしたら、実に面白い事になりそうですねぇ。
お互いに、良い影響を与え合うことができるでしょう』
『では、赤羽業くんは、一年Cクラスで』
『渚くんと茅野さんは同じクラスにした方が良いでしょう。綾小路くん堀北さん櫛田さんも同じように』
『ふむ。この三人は成績だけを考えれば圧倒的にAクラスですが、Aクラスにしてしまうと、完全にバランスが崩壊してしまいます』
『堀北さんと櫛田さんは丁度良い理由があるので、Dクラスにしましょう。となると、綾小路くんもDクラスになりますね』
『潮田渚くんと雪村あかりさんは、Bクラスにしましょう。
例年通りの選定基準なら、実に堅実なクラスになりますが、このクラスに、暗殺の天才を入れることで、どのような化学反応が起きるのか、実に楽しみです』
『Aクラスには、誰も入れなくて良いでしょう。
浅野くんが入るでしょうし』
『奥田愛美さんは、どうしますか?
成績を考えるならAかBですが』
『うーむ。戦力バランスを考えると、Cクラスが一番な気がしますね。
個人的な願望を言えば、この椎名ひよりさんと、良い関係を築いてほしいです。極度の文系と極度の理系ですからね』
『分かりました。────ご協力感謝します。殺せんせー』
『いえいえ。浅野理事長からの職務命令ですから。雇われ教員の私としては、断る理由などありませんよ。
────それに、綾小路くんが、ちゃんと学生生活を送れるとしたら、ここしかありませんからね』
そう。
ホワイトルームの最高傑作。
そして、綾小路篤臣のコントロールから、明確に外れた存在。
彼を受け入れる準備は万全だ。問題は。
彼が、入学出来るかどうか。
『ヌルフフフフフフフ。そこは、おそらく大丈夫でしょう。
綾小路くんのために命を賭けることを惜しまない大人が、そばにいてくれますからね』
烏間先生にも、既に話してある。
誘導は、しない。
だが、もし、松雄が、自身の命も、人生すらも賭けて、彼を助けたのなら。
どんな手を使っても、彼とその息子を守ると。
『…………ならば、何の心配もいりませんね。
後は、ただ、待つのみです』
『ヌルフフフフフフフ。
一つ聞きましょう。坂柳理事長。
何故、あなたは、この学校に、変わってほしいのですか?』
理事長室から、外を眺める。
生徒たちを見ながら、坂柳成守は。
この、地獄のような蠱毒を、運営するものは。
『────私は、生徒の可能性を、信じたいのです』
まぁ、数多くの生徒の未来を閉ざしてきた身としては、余りにも、身勝手ですが。
「成程。成程。君の動機も、全て分かりました。
本来なら、責任を取って貰って、理事長を退いてもらうところですが。
─────あなたの、その理想の先も、私も見てみたいと、そう思います」
「……………少し、予想外ですね」
「─────と、言いたいところですが」
焼肉パーティーは、なんだかんだ楽しく終わった。
先生達が、本当に一切気にしていないのもあるだろうが。
桔梗と一之瀬のお陰だな。本当に、あの二人を選んだ鈴音の采配は、完璧だと言わせてもらおう。
「…………その、ありがとうございます。茶柱先生。奢ってもらうなんて」
「気にするな。お前達のお陰で、たらふくボーナスを貰ったからな。余裕はたっぷりある。
期末でとっととAクラスになってくれ。
私の、ボーナスの為にもな」
「───ぷっ、本当、不良教師ですね。茶柱先生は」
「なぁに。お前達程じゃない。学校を飛び越えて政府に喧嘩を売るような、問題児集団だからな」
うーん。思い返すと、凄いことしてるなぁ。オレたち。
…………まぁ、今更か。
「…………なぁ、綾小路」
「はい」
「
「あぁ、それなんですけど」
───入学初日からです。
入学初日、壊れかけの三日月が、元E組を見守る中で。
『───みんなには、話しておこうと思うの』
とても、真面目な顔で。
堀北鈴音は、切り出した。
『私は、生徒会で、退学制度を変えたいと、そう思っているわ』
みんなは、一瞬固まって。
渚が、すぐに切り出した。
『…………でも、堀北さん。殺せんせーは言ってたよ。
『理不尽な社会を変えようとするのは、時間の無駄』だって。
『それよりも、社会の荒波を乗りこなせ』って』
…………そう。
渚の、言う通り。
学校に、社会に、喧嘩を売って、捻じ曲げるのは、最期の教えに、反している。
『えぇ。百も承知よ』
鈴音も、それは、ちゃんと分かっていた。
『────でも、その理不尽を、甘んじて受け入れてたら、清隆くんは、どうなるかしら』
…………そう、だな。
オレは、理不尽に、抗い続けている。
今も、ずっと。
『…………それは……』
『大人に任せた方が良い。
そんなこと、よく分かっているわ。
でも、私は、それじゃあ納得できないのよ』
例え、殺せんせーの、最期の教えに、逆らう形になったとしても。
『私は、私のやりたいことを貫く。
───これは、ただの宣言よ。みんなに、同じことをして欲しいわけじゃないってことを、理解してちょうだい』
『じゃあ、私も。
鈴音に、付き合うよ』
桔梗は、笑って、鈴音に付き合うと。
共に、殺せんせーに叛逆すると、そう言った。
『それに、きっと殺せんせーは、自分の教えを優先して、やりたい事を曲げるよりは。
それを無視してでも、やりたい事を貫く方が、好きじゃないかな』
………桔梗の、言う通り。
きっと、殺せんせーが生きていたとしても、鈴音の決断を、寧ろ褒めるだろう。
───あの人は、そう言う先生だ。
『………分かった。僕も、付き合うよ』
『………良いの。渚』
『うん。でも、堀北さん。約束して』
理不尽を振り撒く側にだけは、絶対にならないって。
もし、君が、そうなったら。
どんな手を使っても、僕は、君を。
『えぇ。覚悟は、出来ているわ』
『………分かっているのか、渚。
もし、お前が、そうするのなら』
例え、どんな理由が、あったとしても。
オレは、お前と───。
『僕だって、覚悟は、もう。───決めているからね』
理不尽を、ばら撒かない。
そう、つまり。
嘗てのA組や、鷹岡や、綾小路篤臣や、柳沢のように。
彼らのように、下にいるものを、踏み躙るような事をしたら。
渚は、本気で、殺しにくる。
カルマは、本当に幸運だった。
椎名と奥田が、ちゃんと、殺していたから。
だから、渚は、本気で怒りはしなかった。
「今思い返すと、おれ、本当冷静じゃなかったな」
「何だ、割って入ってくんなよ」
「だって、初日の話してるんだろ?まぁ、もう、目は覚めたけどね」
そうだな。
責任とって、ちゃんと勝たせろよ。まぁ、負ける気はないけどな。
「成程な。まぁ、応援はするし、可能な限り、手助けもするが」
「それで十分です。茶柱先生」
義務教育は、もう、終わりましたから。
ここからは、オレたちの力で、出来る限り、やらないと。
「実は、証拠やら証言付きで、色々上がってきましてね。
これらによると、どうやら君は、女性事務員にセクハラして、税金を中抜きして、好き勝手に暴れている、とんでもない不良理事長のようですよ。
っくくくく」
…………成程。そうくるか。
「実に不愉快ですね。娘の耳に入って嫌われたら、どうしてくれるんでしょう」
「良いじゃないですか。反抗期は、誰にでも訪れるものですよ?ちゃんと受け止めてあげてください」
「これは、反抗期とは違いますがね。まぁ、有栖なら、ちゃんと、背後に何があったのか、分かってくれるでしょう」
ううむ。ここまでやってくるとは。
こうなると、本当に、堀北鈴音の提案を受け入れてよかった。
「まぁ、そういうわけですので、これらが偽物だと分かるまでは、おとなしく停職して下さいね。理事長代理は、積極的に、新生徒会の邪魔をしてくるでしょうが。
君が招いたあの男なら、教員連合の代表者も、問題なく務まるでしょうし」
「まぁ、本来なら、あなたに追いやられた時の対策だったんですけどね」
そう。
きっと、鬼島に追い出されるから、教員連合の代表者は、どうしても、見つからなくて。
そんなときに、堀北鈴音の、とんでもない禁じ手を、提案された。
「────まぁ、あらゆる意味で、バランス調整にもなりますからね。
立場の弱い生徒の改革を邪魔しようとする政府への牽制にもなりますし。
何より、
十二名の退学者。
成績下位の生徒の集まり。
そして、たった一年の時間制限。
ライバルには、圧倒的な強者たち。
───これだけのハンデを背負って、漸く、バランスが取れる。
「くくくくくくく。
いやぁ、堀北鈴音は、本当に、とんでもない事をしてくれましたねぇ」
だが、こちらとしても、都合が良い。
何せ、優秀な卒業生が増えるのは、とても、ありがたいのだから。
「何の因果か、今年の二年Dクラスの別名は、
椚ヶ丘の、あの伝説の一年を。
暗殺教室を、再現するつもりなんですよ。彼女は。
帰り道で、卜部に、朝比奈と須知は声を掛けた。
解散する前に、卜部は、森に、期末テストでの特別試験で、二年Dクラスを対戦相手にすると、宣言したのだから。
「ねぇ、何でDクラスなの?いや、文句があるわけじゃなくて」
「………うん。雅がいないAクラスとは、戦う価値もないって事?」
「そういうわけじゃないわ。朝比奈。だから、あんまり気にしないで」
合理的に、考えて。
三学期になる前に、まずは、Dクラスのクラスポイントを、絶対に0にしておかなければならない。
そこまでやって、ようやく、互角だろう。
「……………本当。堀北さんは、やってくれたわね」
怒りと呆れと諸々を抱くが、それらを完全に上回るほど、楽しみだ。
今度こそ、
「……………三学期の初めまでは、絶対に、浅野と堀北先輩には、秘密にしておかないと」
あの二人と、それから、雪村さんたち、元椚ヶ丘の生徒たちは、度肝を抜かれるだろう。
始業式が楽しみだ。
(……………今思い返すと、あのとき、私がわざわざ
あの日、二年Dクラスの教室を出るとき、思わず、あの二人に視線を向けていたから。
それをきっかけに、椎名ひよりは、答えに辿り着いた。
全く。元椚ヶ丘だから、この答えに辿り着けた自分に比べれば、とんでもない化物だな。本当に。
───そう。
坂柳成守の、教員連合という、対応策。
この対抗策を作るという事を、茶柱佐枝から聞いた堀北鈴音は、大きな欠点に気付いた。
無論、坂柳成守も、それから、恐らくは星穹要も気づいていたが、どうしようもない、欠点。
その、大きな欠点、代表者がいないこと、そして、学校を崩壊させるつもりの相手には、あまり意味がないという、それらの欠点。
これを埋めるために、そしてついでに、二年Dクラスを、味方に付けるために、堀北鈴音は、ある提案をした。
─────
「……………最後の一年、覚悟しておきなさい。朝比奈、須知」
最高に面白くて、最高に荒れる。
そんな、忘れられない一年が、始まるわ。
フライング気味ですが、読者の皆さんには、先に答えを出しておこうかなと。
いやぁ、過去編書いてるときに気付いたんですよね。二年Dクラス二十八人じゃん。原作E組と同じ生徒数じゃんって。
じゃあもう、高育版暗殺教室やるしかないよね。エンドのEクラス呼びもここで考えました。それも踏まえて、二年Dクラスの生徒たちは、彼らモチーフです。
そうなると、殺せんせー枠が必須なわけですが、まぁそんなのあの人しかいないよね。
でも、あの人召喚する場が整ってるかぁ?
坂柳理事長と凄く仲が良いって設定生やしてたな。
一年生と三年生だとどのクラスでも戦力バランス完全に崩壊するけど、二年Dクラスなら何の問題もないな。
改革してたら、どう考えても政府からの妨害くるし、それへの対策にもなるな。
でも、坂柳理事長にこんなアイデア出せるかぁ?
選挙編で堀北さん勝たせたいし、その為には南雲先輩から二年Dクラス引き剥がさないとだし………あ、堀北さんが提案したことにすれば、これ材料に引き剥がせるな。
整ってますね。問題なし‼︎
始業式での全校生徒のリアクションをお楽しみに。
そうそう。この作品の初期E組は、二十九人想定だったんですよね。
えぇ。原作組プラス綾小路くんだったわけです。
そこから何やかんやあって、堀北さんと櫛田さんも追加して、三十一人になった訳ですが。
折角だし、二年Dクラスも、二十九人にしたいですよね。