殺せんせーの教え子たち   作:宇津木 沙坂

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 出来る限りネタバレにならないようにはしました!
 『ワルプルギスの廻天』は、素晴らしいぞ‼︎


坂柳有栖と最高の友達たち

 放課後の、ケヤキモールにて。

 私たち七人は、のんびりと、時間を潰しています。

 

「あ、九十九ちゃん達の後輩の子だよね!来てくれてありがとう!」

 

 九十九先輩と藤乃先輩の推しの店員さんですね。

 二人が好きそうな子犬系のイケメンです。

 藤乃先輩は、顔よりも仕草とか態度で落とされたようですが。

 九十九先輩も似たようなものでしたね。

 

「うっわ!店員イケメン率高過ぎ!」

「三人全員イケメン良いわ〜。目の保養になる。視力回復しそう」

「あまりにも直球な面食い発言ですね」

「面食い亮子」

「やーい面食いー!」

「や、やーい」

「面食いで何が悪いのよ」

 

 ハッピーパレットは、お菓子の美味しさは勿論のこと、タイプの違うイケメン三人により、女性人気が死ぬほど高いんですよね。

 代わりにデートスポットとしては壊滅的です。そんじょそこらのイケメンじゃ勝てないぐらいのイケメンなので。

 彼女の視線は、誰か一人に固定されてしまうでしょう。

 

「里中くんを筆頭とした、一年生イケメン男子トップファイブでようやく勝負になりますね」

 

 飛鳥さんの言う通りです。一年男子精鋭で、ようやく勝負になるでしょう。

 

「二年生だと誰ですかね」

 

 率直な疑問です。二年生男子、余り知らないので。

 

「南雲先輩でしょ。影乃先輩でしょ。桐山先輩でしょ。あと、恒先輩、ぐらいかなぁ?」

「うんうん!ウチの恒は二年生イケメンランキング一位だからね‼︎」

「あんなに顔が良い幼馴染がいると、他の男子とか、カッコよく見えないんじゃない?」

 

 真澄さんの言う通りですね。学秀くんも顔が良いですが、流石に人間国宝レベルではなかったので。

 

「あー、うん。ぶっちゃけ彼氏にはあまり顔とか求めないかも。恒も拓人もイケメンだからさ」

「Cクラスの星穹拓人。一年生イケメンランキング六位だよね」

「流石亮子!情報通‼︎」

「後一位上だったら、初期ABCDから一人づつ入って、綺麗なランキングだったんだけどね。あ、でも代わりに可愛い男子ランキング圧倒的トップの渚くんいるか」

「本人泣いてそうですね」

 

 亮子さん、すごく残酷なランキング、サラッと発表しましたね。

 彼多分そういうランキングでトップなの死ぬほど辛いでしょう。

 

「さ、三年生だと、どうでしょう?」

 

 美紀さんの言うように、今度は三年生も考えてみますか。

 

「堀北元会長は、確か、イケメンランキング三位でしたっけ」

「確かそうだよ」

「堀北さんのお兄さんなだけあって、すごく綺麗な顔してるよね。元会長さん」

「あー、うん。目元とか、割と血縁感じる」

「真澄の言う通りですね。それで確か、一位が金石博ですよね」

「あの人なら、ここの店員にも勝てるでしょ。顔だけで食ってけるもん」

「ケヤキモールの男性服モデル、かなりの高頻度であの人ですからね」

「え、あ、ホントだ!飛鳥の言う通り、向こうのお店のイメージモデル、金石先輩じゃん!」

「初めて気付いたわ」

「で、ですね」

 

 三七さんの言う通り、向こうのお店のイメージモデル写真、金石先輩でしたね。

 四千万稼ぐだけのことはあります。

 

「あ、でも、あっちの眼鏡のお店、堀北先輩だ」

「ホントだ!」

「学秀くん、喜びそうですね」

「あー、浅野の堀北先輩リスペクト、かなり凄いからね」

「堀北鈴音のリスペクトもかなり凄いですよ」

 

 あの二人、あのイメージモデル写真、現物欲しがりそうですね。

 写真撮って送ってみますか。

 LINEで送ってみると、真澄さんからの質問です。

 

「どうだった?」

「あ、返信来ましたね。もう持ってるらしいです」

「さっすがだわ」

 

 あの二人のリスペクトっぷり、相当ですね。

 

「二位は、確か日野先輩。で、四位が獅子上先輩で、五位が犬山先輩」

「三年生は、良い具合に全クラスにイケメンがいるんですね。Bクラスにちょっと多いですが」

「二年生はAクラスに偏ってるからねぇ。生徒会の森先輩は、確かイケメンランキング三位だけど」

「二年生のイケメンランキングって、どんな感じなんですか?」

「ちょっと待ってね。メモ帳開くわ」

 

 流石は面食い亮子さんですね。

 メモ帳アプリに、イケメンランキングのデータが入っているそうです。

 

「えっとね、一位が、二年Aクラスの星穹恒先輩。

 二位が、Aクラスの南雲雅先輩。三位が、Dクラスの森悠政先輩。四位がAクラスの影乃蓮先輩。五位が、Dクラスの後藤圭先輩」

「AクラスとDクラスで固まってるのね」

「で、六位がBクラスの桐山先輩だね」

「Cクラスは居ないんですね」

「代わりに桃井緋音がイケメン女子ランキング一位ですよ」

 

 納得です。緋音先輩なら、それぐらい取れるでしょう。

 

「お、なんだなんだ?おれがイケメンって話?」

「あんたそういうところたまにウザいわよ」

「真澄さんのおっしゃる通りです。そういうアピールたまにウザいですよ」

「酷くね?」

 

 近所のお兄さんって感じのイケメン店員の一人ですね。

 可愛い系の子犬店員と、綺麗系の高身長店員に比べると、親しみやすい系なので。

 間違いなくイケメンではあるんですが、割と皆さんからの扱いは雑です。

 

「ちなみに、おれをそのランキングに入れるとしたら何位ぐらい?」

「三位じゃない?」

「即答かよ」

 

 実際それくらいですよね。

 子犬と高身長は学年で一位か二位です。

 

「全く、裏メニューのチョコドーナツ持ってきてやったのによ」

「前言撤回あなたは一位よ」

「えぇ。問答無用で一位です」

「二人の掌はドリルなの?」

 

 はいそこうるさいですよ三七さん!

 裏メニューって辺りが特に素晴らしいですね。他に無いのでしょうか。

 

「といっても、そろそろ時間ですよ」

「むぐ、もう二、三個はドーナツを食べてからで……」

「有栖さん食べるの遅いもんね。一口が小さいから」

「うるさいですよ亮子さん」

「残すのもアレだし、みんなで分けよっか」

「亮子さんにはあげません!」

「ごめんなさい有栖様!お許しを〜」

「許します」

 

 私の食べかけを差し上げます。

 ………特に躊躇とかせず食べましたね。こっちが恥ずかしいですよ。

 

「このドーナツ、何で裏メニューなの?」

「揚げ物だしな。フライヤー、まだちゃんとしたの入ってないんだよウチの店」

「え、まさかフライパンとか鍋で揚げてる感じ?」

「おう。だから売りに出せるほど数作れないんだわ」

「ほぇー、なるほど」

 

 孤児院出身だからなのか、三七さんは、割と料理が得意です。

 まぁ、料理以外はてんでダメらしいですがね。

 

「…………今度、色々教わろうかしら」

「お、何々真澄?浅野くんにお弁当でも作る?」

「はいはい。作る作る」

 

 もう慣れてきましたね真澄さん。凄くあっさり流しました。

 

「最後の一個。誰が食べます?」

「ここは、公平に決めましょう」

 

 藍さんは、そっと、右手を取り出しました。

 

「なるほど。それは公平だね」

 

 亮子さんの言う通り、これは公平ですね。

 それでは。

 

『じゃんけんぽん!』

 

 あら、一発で決まりましたね。

 

「や、やった!いただきます!」

 

 勝ったのは美紀さん。凄く美味しそうに食べています。

 

「毎度あり〜。あ、フライヤーは来月頭には来るから、そうなったらドーナツはメイン入りだぞ?」

「是非とも買います!」

「先輩達にも知らせておくわね」

「おう。あ、金髪の兄ちゃんにも頼むわ」

「………金髪って、南雲先輩、よね?連絡先知ってる人いる?」

「いないでしょう。生徒会ならいざ知らず」

 

 まぁ、藤乃先輩経由で、教えておきましょう。

 

 この映画館、よく来ますね。まぁ、高育の敷地にある映画館、これだけですが。

 

「お!見滝原五人組+なぎさのキャラパネルじゃん‼︎ウチにこういうのあるんだ‼︎」

「ね。びっくりしたわ」

「あたしマミさんとツーショ撮る〜!」

「カ、カメラ、私がやりますね」

「お、良いの?お願い美樹ちゃん!」

 

 三七さんと巴マミさんのツーショットですね。

 というか三七さん、巴マミが好きなんですね。ちょっと意外です。弓を使う鹿目まどかが好きだと思っていたのですが。

 

「何故、巴マミなのですか?」

「強いから‼︎‼︎」

 

 うーん。所々で感性が男子小学生ですね。

 弓道部に入ったのも、弓がカッコいいからでしたし。

 

「ありがとう美紀ちゃん!今度は美紀ちゃんの撮るよ!誰がいい?」

「え、えっと、じゃあ、まどかさんで。その、ちょっとだけ、親近感湧くので」

 

 ………あー、確かに。

 美紀さんの自信がないところと、鹿目まどかさんの自信がないところ、割と似てますね。

 器は、その、鹿目まどかさんの方が、相当にでかいですが。いやまぁ、彼女に並ぶ器の持ち主なんて、この学校にいないのでは?

 一之瀬さんなら、いけるでしょうか。

 

「じゃあ私さやかと撮るわ。カメラは、飛鳥よろしく」

「分かりました。ところで、何故さやかさん何ですか?」

「顔が好みだから」

「面食い亮子」

「やーい面食い!」

「や、やーい」

「思うんだけど、真澄も割と面食いじゃない?」

「私?どこが?」

「一番近い男子も女子も、どっちも顔が良いじゃない」

「急に褒めないでくださいよ亮子さん。照れます」

「…………いや、それだけだと足りなくない?」

「根拠はまだあるよ。テーブルゲーム部は美女美少女の溜まり場だからね」

「…………この学校、顔が良い人多いし」

「あー、うん。分かる。容姿も採点基準なんじゃってぐらい、顔が良い人多いよね」

「は、はい。私とか、それで、その、少し、自信無くしちゃいます」

「美紀さんは普通に可愛いと思いますけど」

「有栖さんの言う通りですね。美紀さんは普通に可愛いので、安心してください」

「わ、わぁ。ちょ、やめて下さい。照れます」

「可愛いランキング三位の有栖ちゃんと四位の飛鳥に褒められてもって感じだよね〜」

「そんなのあったんですね。初耳です」

「私もです」

 

 私三位なんですね。上二人、少し気になります。

 

「ありがとう。飛鳥は、誰と撮る?」

「悩みますが、なぎさちゃんでしょうか」

「ほうほう。その心は?」

「いつでもどこでも楽しそうなのが、みていて面白いので」

 

 あー、何となく分かりますね。

 彼女は本当に、ストレスフリーで見れますから。

 

「なら次は私ですね」

「はいはい。カメラは私がやってあげるわ」

「感謝します。真澄」

「藍は誰が好きなわけ?」

  

 ………いつの間にか、好きなキャラクター発表会みたいになっていますね。

 私は、誰ですかね。

 

「佐倉杏子ですね。強くて頼りになって、精神的にもかなりちゃんとしているので」

「あー、確かに藍が好きそうなキャラだね」

「そう考えると、なぎさちゃんも、結構好きなのでは?」

「えぇ。結構好きですよ」

 

 揺るがない個を持っている、ちゃんとした魔法少女。

 佐倉杏子と百江なぎさはそんな感じですね。

 巴マミは、少しだけ、揺らぎがちです。

 鹿目まどかはある意味で揺らがなすぎですし、美樹さやかは揺れすぎですし、暁美ほむらは、かなり揺れます。

 

「じゃあ、私はほむらで」

「あら、私もほむらのつもりでした」

「ならいっそのこと、スリーショットで良いのでは?」

「あー、うん。そうしよっか」

「えぇ。そうしましょう」

 

 ほむらを挟んで右に私、左に真澄さんです。

 

「何でほむらな訳?あー、有栖ちゃんから、どうぞ‼︎」

「何度負け続けても折れないところですね。そこが個人的に好みです」

「あー、私も大体同じ。一人でも戦い続けるところ、カッコいいって思う」

「おー、なんか分かるかも」

 

 私と真澄さんとほむらのスリーショットですね。

 

「よし!最後はみんなで撮ろうっか!カメラは、と。あ!拓人〜‼︎丁度いいところに‼︎」

「お、三七じゃん」

「こんにちは」

「あ、潮田くんもいたんだ」

「うん。吹替版は見たから、字幕版のスパイダーマン見ようと思っててね」

「俺はリスニングの勉強も兼ねて」

「うっわ、拓人が真面目に勉強してる‼︎明日槍振りそう」

「言われてるよ?」

「こいつこういう奴だから」

「はいはいうるさい。あ、カメラよろしく!」

「えー、なんで俺?」

「文句言わない!あたしの方が先に入ったから、あたしの方がお姉ちゃんだから!」

 

 姉は弟を扱き使うもの。

 世界の真理、という奴ですね。

 

 キャラパネルの前で、七人で集まって。

 

「うーし撮るぞー」

 

 ふふふふふ。部屋のコルクボードに、また写真が増えますね。今日だけで、七枚も。

 

「よーし、ポップコーン買った?ドリンクの準備はOK?パンフレットは買った?」

「ば、万事OKです‼︎」

「まどマギはかなりの衝撃を与えてくるでしょう。総員!第一種戦闘体勢‼︎」

「了解しました!藍軍曹!」

「はいはい了解」

「ま、身構えとかないとね」

「まどか☆マギカですから」

「えぇ。どんな地獄みたいなお話になるのか、今から恐ろしいです」

 

 ハッピーエンドとかは、あまり期待していないので。

 予告編を挟んで、本編です。

 

 

 映画視聴後、美樹さやかグッズをしこたま買い漁る亮子さんがいました。

 

「私の中で不動のNo. 1に、美樹さやかが入ったわ」

「確かに。さやかカッコよかったよね」

 

 真澄さんも、ほむらのキーホルダーと美樹さやかのキーホルダーをセットで買いながら、亮子さんに同意します。

 

「さやかが好きになる映画でしたね。なぎさちゃんも凄くカッコよかったですが」

 

 百江なぎさのキーホルダーを買いながら、飛鳥さんは映画の所感を述べました。

 確かに。美樹さやかが好きになる映画でしたね。百江なぎさもカッコよかったですが。

 

「新キャラ三人だと誰が一番好きだった?個人的にはワスなんだけど」

「わ、私もです。ワスさん、まさかの、でしたよね」

「ね‼︎ほむらのあの台詞で鳥肌立ったよ〜‼︎みんなどの辺りで気付いたの?」

「初登場の辺りですね。傘なんかまんまでしたし」

「え、マジ?有栖ちゃんが言うなら、間違いないんだろうけど」

 

 割とワスのフリ分かりやすかったです。

 

「丁香結構好きよ。あの振り回されているところ、かなり親近感抱くわ」

「その言い方ですと、まるで私に振り回されているようですが?」

「あんたも浅野も、所々で人使い荒いのよ」

「チアガール作戦とか凄かったもんね」

「それは忘れて」

「写真あるよ?見る?」

「見るな。忘れろ。捨てろ」

「やなこった〜」

「こんのバカ三七!」

「後で私にもくださいね〜」

 

 逃げ回る三七さんを真澄さんが追いかけ回しています。

 あまりはしゃぎすぎると、転んじゃいますよ?

 それはそれとして、ほむらのキーホルダー、買わないと。

 

「新キャラだと、セルマさん。ちょっと可哀想でしたね」

「ああいう子居るんだってなったよね」

「まぁ、あの害獣のどこが良いんでしょうか」

 

 飛鳥さんキュウべえ嫌いすぎでは?まぁ、私も大体同意見でこそあります。

 

 予想通り、スッキリしない終わり方でこそありました。

 正直、失恋した人が見るべき映画では無かったですね。まぁ、そもそもシリーズがそういうシリーズなんですが。

 ────まぁ、きっと、何だってよかったんです。

 

 みんなで、一晩中アニメだったりを見て。

 ドラマだったり、映画だったりを、みんなで見て。

 感想を言い合って、笑い合って。

 そんな、どうでも良いことが、きっと。

 

「なんだか、やけに楽しそうですね。有栖は」

「藍さんの方こそ、やけに楽しそうですよ?」

 

 内容も傾向も終わり方も、極論を言えば、なんだって良かったんです。

 だって、みんなで見て、笑って、楽しめるのが、何よりも幸せだったんですから。

 

「流石にこの短期間であの鬱展開一クールと映画二本はちょっとキツイよね」

「分かります。ちょっと精神への負荷が重いです」

「だから辞めておいた方が良いって言ったんですよ」

「結局何で観ることになったんだっけ?」

「有栖が全員分のチケットを買ったからですね」

「それに関してはごめんなさい」

 

 ちょっと、その、場当たり的に過ぎました。反省です。

 

「千ポイントだっけ。返すよ」

「お金関連はちゃんとしないと、ですからね」

 

 端末の数字が、六千ポイント増えます。

 …………こういうのも、凄く、高校生って感じがして、良いですね。

 

「───、次は、何を見ましょうか」

 

 自分で話して、驚きましたね。

 私、みんなと、次も映画に行きたいみたいです。

 いえ、映画だけではなく、それ以外も、たくさん、たくさん。

 たくさんの思い出を、みんなで。

 

「次はさ、もっとハッピーエンドな作品見ようよ‼︎」

「そうですね。もう、暗い作品は、お腹いっぱいです」

「後一ヶ月は明るい作品が良いわね」

「いっそのことコメディ見ましょうよ。ここ、教養も兼ねて、そういう古典作品も頻繁に上映してますし」

「古典的なコメディっていうと、『ホームアローン』とか?」

「『ナイトミュージアム』もやってるみたいですよ」

 

 七人で歩くと、一番前を三七さんが。いつも元気一杯なので。

 その一歩後ろくらいに、亮子さんと、飛鳥さん。飛鳥さんは、全体を見渡しやすいから、そこに立っているんでしょうね。

 お二人の後ろで、藍さん。まぁ、気分で立ち位置をコロコロと変えますけれど。

 そして、後ろの方の私を補助するために、真澄さんと、美紀さん。

 

 一番後ろから、カメラを起動します。

 コッソリと、一枚。

 

 佐倉さんがカメラが好きな理由、分かった気がします。

 写真の時は、止まっています。楽しかった思い出が、ずっと、そこに形を残し続けています。

 えぇ。だからこそ、写真は、素晴らしいんです。

 

 三日月は、もう、殆ど形を残していませんが。それでもなんだか、笑っているような、気がします。

 

 また、コルクボードの写真が、増えました。そろそろ新しいものを買わないとですね。

 ベッドに腰掛けて、両足をプラプラ揺らしながら、八枚の追加された写真を、眺めます。

 ここに来れて良かったです。

 三百万を超える高校生から、貴女たちに会えて良かったです。

 ありがとうございます。お父様。

 あなたが作ってくださった、この学校は。

 私にとって、きっと、最高の学び舎です。

 

『────楽しかったかい。有栖』

「えぇ。楽しかったですよ。学秀くん」

『それなら、良かった。────さて』

「えぇ。始めましょう」

 

 机に向かって、テストを作り始めます。

 ────さぁ、始めましょう。私たちと、あなたたちの、決戦を。

 

 私と最高の友達たちと、あなたと最高の仲間たちで、勝負です。

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