殺せんせーの教え子たち   作:宇津木 沙坂

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椎名ひよりの大暴走

 宴が終わって、寮に帰ってきた日曜日の夜のことです。

 楽しかったのですがとても疲れたので、はしたないとは思いつつも、勢いよくベッドに飛び込みました。

 端末に映る天久天馬先輩のメールアドレスを見て、嬉しくなります。

 卒業した後の楽しみが増えました。あの名探偵とお話しできるなんて。

 

 少しは、医学の勉強もしておきましょう。

 あの名探偵は、その分野の専門家ですからね。

 

 仰向けになって、色んなことを考えます。

 なんだか、蛍光灯が眩しいですね。

 この学校は大変です。

 争い事は好きじゃないのですが、放っておくと突っ走りかねないのが二人いますし、その人達はとても大切な人たちなので、最後まで着いていきたいです。

 その為にも、好きじゃないとか、言っている場合ではありませんね。

 

 さて、生徒会長選挙では、私たちは堀北さん、堀北鈴音さんにつくことになった訳で、三年DクラスとBクラスは、既に堀北さんに着くらしいです。

 まぁ、堀北さんなら大丈夫でしょうし、私としても、異論はありませんね。

 

 今日の宴は、とても楽しかったです。

 奥田さん、ピアノあんなに上手だったんですね。

 …………私も、軽く楽器とか触ってみるのも。

 私に似合いそうな楽器とか、あるんでしょうか。

 

 そういえば、Bクラスの猫実先輩は凄かったですね。

 私も、思わず目を奪われてしまいました。かなりデカいですし。

 …………既に消しましたが、カルマくんが、写真を撮っておこうとするのも、納得ですね。

 …………その辺りを考えると、なんだかモヤモヤします。

 私と奥田さんのバニーとか、メイドとか、ドレスとか、チャイナとか、沢山持ってるのに…………。

 私は何を考えているのでしょう。

 頭を振って、一旦追い出します。

 一回深呼吸して冷静になりましょう。そう、冷静に。

 

 私は冷静です。

 冷静に、衣装タンスから、カルマくんが可愛いと言ってくれた、黒い水着を取り出していました。

 

 脳内の天使が、必死に止めてきます。

 

『ダメです!もう夏は過ぎて秋ですよ!それに、ここは自室なんですよ!』

 

 脳内の悪魔が、囁いてきます。

 

『別に良いじゃない。ここは自室なのよ?何を着ようが、私の勝手でしょう?』

 

 今回は、悪魔が、勝ちました。

 

 水着に着替えて、胸を見てみます。

 いえ、その、櫛田さんや一之瀬さんに比べたら確かに小さいですが、割とある方だとは思います。

 まぁ、でも、猫実先輩よりは、流石に、小さいですね。

 

 …………寄せてみたら、どんな感じでしょうか。

 

 な、成る程、こんな感じ、何ですね。

 ちょっ、ちょっと、写真、撮ってみます、か。

 

 また、脳内の天使と悪魔が戦い始めます。

 

『そこまでにしておいてください!それ以上やったら後から思い出して死にます!』

『何を言っているの?やるだけやりなさい』

『あなたは少し黙っててください!』

『あなたの方こそ黙ってなさい!』

 

 ごめんなさい天使さん。今回も悪魔さんの勝ちです。

 

『そんなぁ』

『ふふん』

 

 さ、さて、こう、上目遣いで、良い具合に、谷間が映るようにして、と。

 …………いっそのこと、猫ちゃんポーズ、やってみます?

 右手を、こんな感じで丸めて。

 

「にゃ、にゃあ?」

 

 パシャリと、一枚。

 ……………何を、やっているのでしょうか。私は。

 で、でも、撮れた写真は、すごく可愛らしい仕上がりです。

 か、可愛い?で、でも可愛いはずです!

 な、なに、か、物足りない気も………?

 もう、天使さんは出て来ませんでした。

 

『猫耳と尻尾と首輪が足りないわ。この前の坂柳さん撮影会で使った小道具にそれらがあるはずよ。存分に使いなさい』

 

 そ、そうでした、ね。

 坂柳さんをみんなで着せ替え人形にした時に、私はじゃんけんで負けて、猫コスセット一式を持ち帰らされたんでした。

 ちょ、丁度良いですし、使い、ましょう。

 

 黒い猫耳カチューシャを付けて。

 ベルト付きの尻尾を、腰につけて。

 さ、最後に、首輪を付けて。

 

 ク、クルーザーの猫実先輩、完全再現、です、ね。

 と、取り敢えず、さっきと同じポーズで。

 

「にゃ、にゃあ」

 

 こ、これは、我ながら、凄まじい破壊力ですね………。

 カ、カルマくんに撮ってもらった───いえ違いますね。潮田くんと雪村さんに撮らされたバニーガールとかチャイナドレスに並ぶ、いえ、単純な露出度だけならそれ以上、ですね。

 

 こ、こここここれ、カルマくんに送ったりしたら、どうなっちゃうんでしょう。

 

『良いんじゃない?あの子だって、こんなの送られたら意識せざるを得ないわ』

 

 そ、そうですね。お手入れという建前があった前回とは違って、これは、完全に、私の意思、ですし………。

 と、取り敢えず、送ってみます、か。

 

『ダメです!ダメですダメですダメですダメです!絶対にダメです!』

 

 はっ、天使さん!

 ありがとうございます。本当にありがとうございます。

 とんでもないことをしてしまうことでした。

 

 落ち着いて、写真を削除して、ベッドに寝転びます。

 

 ……………全然、冷静では、無かったですね。

 

 思い出すだけで、数分前の私はおかしいです。

 頭を抱えてしまいます。

 唸りながらゴロゴロ転がっていると、通知音が二回響いた後、端末が震えました。

 電話、でしょうか。

 端末を手に取ると、伊吹さんからのようです。珍しいですね。

 電話に出てみます。

 

「もしも───」

『良い椎名。落ち着いて、冷静に、聞いてちょうだい』

「は、はい」

 

 ただならぬ気配です。

 一体、何があったのでしょう。

 …………少し、嫌な予感がしました。

 

『まずは、落ち着いて、クラスLINEに送った写真を、消しなさい』

 

 …………写真。写真?

 …………え、嘘ですよね?

 信じたくありません。ありませんが。

 念の為、そう念の為に、クラスLINEを確認しました。

 

 固まりました。

 ギリシャ神話にはメデューサと呼ばれる怪物がいます。目が合うと石にされるそうです。

 気分的には、そんな感じでした。

 

「………ぁ」

 

 クラスLINEに送られた写真には、既に既読が二十八ついていました。

 

「………あぁ」

 

 私が、おそらく操作を誤ってしまったのでしょう。

 

「ぁぁぁ」

 

 猫耳カチューシャで、水着で、首輪を付けて、お腹に尻尾を回して、上目遣いで自撮りした、私の写真が、クラスLINEに流れていました。

 

「はぐぁぁぁぁあああああああ‼︎」

 

 勇者にトドメの一撃を刺された魔王が如く。

 私は、断末魔をあげました。

 

『────落ち着きなさい!まずは写真を消して!』

 

 ────ハッ!

 ありがとうございます伊吹さん。

 落ち着いて、写真を消しましたが。

 わ、私は明日からどんな顔で登校すれば。

 全身が羞恥に震えます。秋なのに凄く暑いです。思わず唸りながらゴロゴロ転がってしまいました。

 すると、通知が再びなりました。

 見てみると、クラスLINEに真鍋さんからのメッセージのようです。

 

 『ドンマイ』

 『可愛かったよ』

 

 やかましいです。

 本当にどうしましょう。消した瞬間についていた既読は、二十八。

 女子が全員見ていたとしたら、残りは九。

 即ち、クラスの半数近い男子に私の先の写真が見られたわけですが。

 

 痴女じゃないですか。

 私の馬鹿。

 

「ううううう。うぁぁぁぁぁ」

『落ち着きなさい椎名。私に考えがあるわ』

 

 頼りになります。本当に頼りになります伊吹さん。

 LINEを遡ってみると、私が写真を送った一分以内に、『男子は開くな』、『開いたら殺す』のLINEを、伊吹さんが送ってくれたようです。

 本当に頼りになります。

 きっと伊吹さんならば、どうにかしてくれることでしょう。

 クラスLINEに伊吹さんがメッセージを送りました。

 

 『さっきの写真見た女子』

 『このメッセージにリアクションしなさい』

 

 すぐさま十八のリアクションが付きます。

 私と伊吹さんを除いた女子全員です。

 …………これはこれで凄く恥ずかしいですね。

 

 『よし、さっきの写真見た男子は九人ね』

 『素直にこのメッセージにリアクションしなさい』

 

 な、成程。これで特定するつもりなんですね。

 そ、そのあとは、どうするのでしょう。

 ついたリアクションは八人分。あ、あと一人足りませんね。

 …………か、確認してみると、カルマくんはいません。

 …………さ、最後の一人が、カルマくんだったら、その。

 

 『よし、奥田』

 『はい』

 『二十四時間以内の記憶を完全に消し去れる薬作れる?』

 『問題なく』

 『明日の朝イチでこいつらに飲ませるわ』

 『分かりました』

 

 さ、流石は奥田さんです。

 ありがとうございます。

 

 『よし、それじゃあ名乗り出てこなかったあと一人』

 『正直に言いなさい』

 『言わなかったら』

 『木下』

 『はい!』

 『残りの男子十ニ人の頭を蹴り飛ばして、記憶を消したいの』

 『手を貸して』

 『椎名様のためなら!』

 

 バ、バイオレンスです。

 た、確かに、それなら、他の男子を巻き込みたくないなら、名乗り出るはずですが。

 待てども待てども、最後の一人が名乗り出て来ませんね。

 このままだと、明日の朝から、クラスの男子の半数近くの記憶が飛び、半数近くが記憶をなくすまで蹴り飛ばされる事になってしまいます。

 と、そこで、榎中くんからのLINEです。

 中学時代バスケをやっていた榎中くんは、そのコミュ力から、男子の潤滑油をこなしつつ、女子グループとの調整もこなす、ハイスペック男子です。

 どうやら、私の写真を見た九人の一人では無いようですが。

 も、もしや、榎中くんが、最後の一人なんでしょうか?

 と思ってたら、すごい爆弾を落として来ました。

 

 『これ最後の一人赤羽じゃない?』

 

 …………た、確かにカルマくんなら、他の男子を巻き込む事になっても、平然としてそうですね。

 そんなことを思っていたら、矢作さんが。

 

 『赤羽だったら別に良くない?』

 

 何を言っているんですか。

 思わずメッセージを送ります。

 

 『何を言っているんですか』

 『何言ってんの』

 『あ』

 

 なんっで反応しちゃうんですかバカルマ君は!

 こんなのもう最後の一人はカルマ君で確定でしょう!

 

 『語るに落ちたなぁ赤羽』

 『俺見れてないけどどうだった?可愛かった?』

 『うるさい榎中』

 『ころす』

 『可愛かったんだ』

 『ころす』

 

 いつもの切れ味がありません。

 やはり最後の一人はカルマくんで確定のようです。

 恥ずかしすぎます。恥ずかしすぎて転げ回ってしまいます。

 再び通知音。

 どうやら伊吹さんのようですね。

 

 『明日の薬は八人分で良いわよ』

 『分かりました。八人分ですね』

 

 何も良くないです。

 ちゃんとカルマくんの分も作ってください。

 

 『カルマくんの分もちゃんと作ってください』

 『いやでも元々赤羽に送るつもりだったんでしょ?』

 

 違います真鍋さん。そんなつもりは無いです。本当です。

 

 『ちかいます』

 『違います』

 『けそうとしてまちかえたたけて』

 『消そうとして間違えただけです』

 

 ああダメです。指が震えてうまく打てません。

 通話を繋げたままの伊吹さんから、声をかけられます。

 

『図星だからって動揺しすぎよ』

「図星とかじゃありません全然そんなことはありませんそんなつもりはありません」

『それはそれで、誰にも送るつもりもないのに、あんな写真を自分から撮った痴女って事になるけど』

「うぁぁぁあぁあああああああ」

 

 詰みです。終わりです。全部カルマくんのせいです。バカルマくんです。

 とにかく、とにかく!

 

 『明日はちゃんとカルマくんの分も作ってください奥田さん』

 

 これで良し。いえ全然良く無いんですけど。

 これで良し、という事に。

 とか思っていたら、奥田さんが更なる爆弾を投下してしまいました。

 

 『そんなこと言ってももっと恥ずかしい写真カルマくん持ってますよ?』

 『あ』

 

  奥田愛美がメッセージの送信を取り消しました。

 

 『あれより恥ずかしい写真って何よ』

 

 馬鹿!馬鹿!馬鹿!馬鹿!

 奥田さんの馬鹿!

 確かにバニーとかメイドとかアイドルとかプリキュアとかチャイナドレスとか撮られましたし渡しましたけど!

 言わないでください!ここでは言わないでください!

 

 通話越しに、伊吹さんの声が聞こえます。嘗ての玄関先でのやり取りを思い出しますね。思い出したく無かったですけど。

 

『…………や、やっぱりあんたら、そこまで進んで………?』

「違いますほんっとうに違いますパンデミックの罰ゲームでコスプレ写真を撮らされただけなんです」

『いやいやいやいや。あれ以上に恥ずかしいコスプレ写真って何よ』

 

 言わないとダメなんでしょうか。

 言わないと納得しないでしょうが。

 むぐぐぐぐぐ、背に腹はかえられません。

 

「バ、バニースーツの奴とか、メイド服、とか、ア、アイドルが着るような、ステージ衣装とか、チャイナドレス、とか、です」

『……………他は、ともかく。

 バニーとチャイナはかなりアウトじゃない?言動的に奥田の分も持ってるんでしょう?』

「うるさいです」

 

 わかってますよそんなこと‼︎

 文句は潮田くんと雪村さんに言ってください‼︎

 

 と、とにかく、クラスLINEでも訂正しないと。

 こ、このままだと、私と奥田さんは、カルマくんに水着姿よりも恥ずかしい写真を撮られた事になってしまいます。

 そ、そんなの、もう。もう。

 ぁぁぉぁあああああダメですダメですダメです訂正しないと。

 

 『奥田さんの言ってた写真は罰ゲームで着たコスプレ衣装の話です』

 『バニーとかチャイナとかその辺りの写真です』

 『それ以上の写真はありません本当です』

 『その話やめようひよりさん』

 『てもへんなかんちかいさ」るる』

 『でも変な勘違いされるよりはマシです』

 

 そうです。流石にこっちの方がまだマシです。

 行くところまで行っちゃった訳ではないことを、ちゃんと釈明しないと。

 通話越しに、呆れた伊吹さんの声がします。

 

『あんまり大差ない気もするけど』

「うるさいです」

 

 0と1では大きな違いがあるんです!

 とか思っていたら、龍園くんが凄いことを言って来ました。

 

 『おい赤羽。幾らで売れる?』

 『いい資金源になりそうだ』

 

 なんって事を。

 人の尊厳をなんだと思っているんでしょうかこの馬鹿ロン毛。

 

 『龍園サイテー』

 『サイテー』

 『売るわけないでしょ馬鹿じゃないの』

 

 木下さんと伊吹さんの返信が心強いです。

 カルマくんに関しては、猫実先輩の写真売ろうとしたのでブーメランな気もします。

 ちょっと嬉しいとか思ってはいません本当です。

 

 『赤羽。ブーメラン頭に刺さってるぞ』

 

 榎中くんも同じこと思っていたようですね。

 兎に角。兎に角!

 

 『明日はちゃんとカルマくんの分も作ってください奥田さん』

 『いえ、その、材料確認してみたんですけど、ちょうど八人分しかないです』

 

 嘘でしょう。嘘でしょう⁉︎

 

  奥田愛美が写真を送信しました。

 『取り敢えず証拠です』

 

 分量とか分からないんですけど。

 で、でも、これで八人分なのは、本当なんですね。

 通話越しに伊吹さんが究極の二択を突きつけて来ます。

 

『どうする?赤羽以外の男子に写真の記憶を残すか。それとも赤羽の写真の記憶を残すか』

 

 そんなの。そんなの、もう、もう!

 

「…………後者で………!」

 

 それしかないです。本当に。

 グループLINEでも連絡します。

 

 『分かりました』

 『カルマくんの分は無しでいいです』

 『了解です!早速調合に入ります!』

 

 ぁぁぁぁぁぁ。

 これって、もう、完全にアレじゃないですか。

 カルマくんにあんな、あんな写真を送りつけようとしたってことじゃないですか。

 ごめんなさい天使さん。あなたがずっと正しかったです。

 

『………大丈夫?椎名』

「だいじょばないです。穴があったら入りたい………」

 

 明日どんな顔で登校すれば………。

 そんなこと言ってたら、伊吹さんが唐突に、ある事を聞いて来ました。

 

『あ、そうそう。あんたが使ったのって、坂柳に使った猫コスのやつであってる?』

「あってますけど………」

『ん、ちょっと待っててね』

 

 伊吹さんは通話を切りました。

 どうするんでしょう。

 羞恥心に悶えながらベッドの上でぐぬぐぬ言って、数十分後、再びグループLINEで通知の嵐が来ました。

 見てみると、カルマくんのようです。

 

 『おい』

 『おい馬鹿伊吹返事しろ』

 『おい』

 『おいこら馬鹿伊吹』

 『何よ五月蝿いわね。個人で良いじゃない』

 『個人で無視してるからここで呼んだんだろうが』

 『ごめんなさいカルマくん!ご迷惑、でしたか?』

 『い』

 『いや』

 『全然迷惑とかではなくて』

 『ふーん。迷惑じゃ無かったんだ』

 『お前は黙ってろ馬鹿伊吹』

 『役得じゃん赤羽』

 『榎中後で校舎裏』

 

 察しました。

 そういえば伊吹さん、白猫バージョンの猫コス持ってましたね。

 奥田さんにも似たような写真撮らせて個人で送った、ということでしょうか。

 すると、個人LINEで伊吹さんからの連絡です。

 

 『これで奥田も同じ傷を負ったし』

 『問題無し』

 

 …………どこが問題無しなんでしょう。

 …………いえ、でもそうですね。

 バニーガールもその他諸々も、奥田さんと一緒だから耐えられた所もありますし。

 …………でも、そう考えると。

 …………奥田さんの写真は、カルマくんの端末に残るのに、私の写真は、残っていないんですね。

 …………なんだか、モヤモヤします。

 モヤモヤしたので、操作ミスで残っていた私の、その、水着猫耳カチューシャ猫ポーズの写真を、個人でカルマくんに送り付けておきました。

 …………まぁ、なるようになれ、です。

 

 眠りに落ちる前、やけにうるさい端末は無視しました。

 

 翌日の登校で。

 私の写真を見てしまった男子たち八人は、素直に薬を飲み。

 龍園くんたちと榎中くんに揶揄われたカルマくんは、ずっと、赤くなった顔を机に押し付けて隠していました。

 

 私と奥田さんは、目を合わせて、少しだけ恥ずかしそうに笑っていました。

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