殺せんせーの教え子たち   作:宇津木 沙坂

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期末の時間
堀北鈴音と新生徒会


 嘗て、南雲雅達が、審議に使っていた、第一会議室で。

 二年生と一年生の、各クラス首脳陣が、集まっていた。

 

「───お時間をいただき感謝します。今期の生徒会は、改革期の生徒会なので、人員にも、大きな変更点を加えるつもりです」

 

 集めたのは、現生徒会会長。堀北鈴音である。

 

「二年生の各クラスからは、一名。

 一年生の各クラスからは、二名。

 それから、会長秘書はクラスと学年を問わないわ。

 生徒会長一名。会長秘書一名。副会長二名。書記二名。会計二名。会計監査一名。広報二名。庶務一名。生徒会監査一名。合計十三人の生徒会を、決めるつもりです。

 ご協力願います」

 

 そう。学校の改革には、必然、学年クラス関係なく、大きな影響を与えるだろうから。

 だからこそ、学年もクラスも関係ない、新しい生徒会を、作らなければならない。

 

「───質問良いか。堀北さん」

「構いませんよ。桐山先輩」

 

 二年Bクラス首脳陣の一人、桐山生叶は、率先して手を挙げた。

 

「なぜ、二年生は一名なんだ?普通は逆じゃないか?」

「改革期ですから、一年生を多く取り入れて、これまでの学校に囚われない改革を為すためです」

「…………ふむ。まぁ、良いだろう」

「他に質問のある生徒は?」

「あ、じゃあ私からも良い?」

「どうぞ。朝比奈先輩」

 

 二年Aクラスの首脳陣の一人。

 否、南雲雅が休学中の今は、首脳の朝比奈なずなは、質問する。

 

「選定の基準ってさ、成績順?」

「それ以上に、人柄を重視しています。

 風間先輩が、演説で言ってくださったように。

 見下さず、見上げず、崇拝せず、盲信せず、されど信じ、対話できる人を」

「うっひゃー。基準えっぐいねぇ。ま、私からは、以上かな」

「他に質問は?」

「質問良いか」

「どうぞ。浅野くん」

「生徒会監査とはなんだ?」

「生徒会の権力は大きくなる。だからこそ、越権行為をしないように、生徒会内部にも、監視を置くの」

「………なるほど。責任重大だな」

「さて、他に質問は?」

 

 もう、手は上がらなかった。

 

「無いようですので、早速、選定を始めます」

 

 さて、生徒会新メンバー、選定の時間だ。

 

 

「まずは、副会長から」

 

 基本的に、生徒会メンバーは、生徒会長の任命制。

 まぁ、ここは、いずれ変えるつもりだが、今はいい。

 

「副会長。

 一年Bクラスの、綾小路清隆くんと、二年Bクラスの、卜部藤乃先輩に、頼みたいです」

 

 まぁ、拒否するつもりは毛頭無いしな。

 

「オレは構わん」

「私も、構わないけれど。………その」

 

 卜部先輩は、気遣わしげに桐山先輩を見た。

 そう。卜部先輩が選ばれるということは、桐山先輩は。

 

「別に気にするな。生徒会に、あまり未練はないからな」

「…………そう、なの。本当に、いつもありがとう。桐山」

「気にするな、と言っているだろうに」

 

 まぁ、実力的にも卜部先輩で妥当だろうな。

 さて、次は。

 

「会長秘書。

 櫛田桔梗さん。お願いできるかしら」

「はいはい。全然OKだよ」

 

 まぁ、ここまでは妥当なメンバーだな。

 

「書記。

 二年Cクラスの須知萌香先輩と、一年Dクラスの、椎名ひよりさんに頼みたいのだけれど」

「私は全然良いよ」

「…………その、読書の時間が減るのは…………………」

「まぁ、本人の意思だものね」

 

 うーん。流石椎名。この空気で断るとは。

 と、なると。

 

「そうね。赤羽くん。榎中くんに繋げてくれるかしら」

「あー、確かに、あいつなら生徒会向いてるわ」

「おい堀北。何でわざわざ首脳陣の外から呼ぶんだよ」

「…………逆に聞くけど、Dクラスの首脳陣で、椎名さんぐらいに、生徒会適正ありそうな人、他にいるかしら」

「…………すまん。忘れてくれ」

 

 龍園は、素直に引き下がった。

 うん。そうだね。としか言えん。強いていうなら、能力的にはカルマかなぁ。

 カルマは端末を操作。連絡して、了承を得たらしい。

 

「OKだってさ」

「ありがとう」

 

 ふむ。書記は、須知先輩と、榎中准か。

 まぁ、榎中は大体Dクラス版平田みたいなやつだしな。

 生徒会も向いてるだろう。

 

「次は会計ね。

 一年Aクラスの葛城康平くん。浅野学秀くん。頼めるかしら」

「いいだろう」

「構わない」

 

 ここも、妥当な人選だな。

 

「広報。

 雪村あかりさんと、一之瀬帆波さん。お願いするわ」

「OK」

「うん!任せて!」

 

 これに関しては、この二人より完璧な人選はないだろう。

 

「会計監査。

 一年Dクラス、赤羽業くん。頼めるわね」

「おー、おれ生徒会に入れる感じ?オッケ。全然良いよ」

 

 確かに、カルマは会計監査向いてるわな。

 あーあ。椎名が凄くやらかしたって顔してる。

 うんうん。せっかく放課後一緒にいれるチャンスだったのにな。可哀想に。

 

「庶務。

 二年Dクラス、森悠政先輩。頼めるかしら」

「お、おれか?まぁ、頼まれたなら、全力でやるが」

 

 二年Dクラスの森先輩。

 なんというか、苦労人気質な磯貝って感じの人だな。

 さて、最後に、生徒会監査な訳だが。

 残ったのは、二年Aクラスだけだが。

 

「生徒会監査。

 二年Aクラス、朝比奈なずな先輩。お願いします」

「……………うぇぇ私?…………まぁ、やるけどさ」

 

 二年生は完全に納得していた。

 ふうむ。そんなに信頼されているのか。この人は。

 

 

 新生徒会。

 生徒会長。堀北鈴音。

 副会長。綾小路清隆。卜部藤乃。

 会長秘書。櫛田桔梗。

 書記。須知萌香。榎中准。

 会計。葛城康平。浅野学秀。

 会計監査。赤羽業。

 広報。雪村あかり。一之瀬帆波。

 庶務。森悠政。

 生徒会監査。朝比奈なずな。

 

 

 さて、さっそく、新生徒会、初仕事。

 即ち、体育館の後片付けである。

 

 教職員の分も含めて、六百五十個のパイプ椅子と、机と、後はまぁ、選挙箱だったり、筆記用具だったり。

 まぁ、うん。

 はっきり言って、ただの雑用である。

 

「よし、男性陣は、まずは机からお願い。

 女性陣は、筆記用具と、後は、持てる人は椅子をお願いね」

「いやいや堀北さん。パイプ椅子持てない人とか居ないでしょ」

 

 うん。正直、榎中の言うことは確かなんだけど。

 卜部先輩の体格で、金属製のフレーム持てるとは。

 

「……………なんか、失礼なこと考えているわね。綾小路」

「いえ、そんな事ないですよ」

「卜部先輩のアイアンクローは死ぬほど痛いからな。ゴリラ並みの握力だ。あまり舐めないほうがいいぞ?」

「あら、お仕置きをご所望のようね」

「いや違いますそんなつもりあがっ」

 

 浅野にアイアンクローしながら片手で持ち上げる。

 うわ、何あのフィジカル怖。

 浅野は必死にもがいているが、頭蓋骨がギリギリ軋む音が聞こえる。

 おおう。思ったよりも強いなこの人。小さいのに。

 

「……………ねぇ、綾小路」

「何も考えていませんよ。葛城、机運ぶぞ」

「あ、あぁ。その、浅野は……」

「ま、仕事があるものね。この辺りで勘弁してあげるわ」

「、うわっ、」

 

 ポイっと投げ捨てられた浅野は、頭を抑えていた。

 ………なん、というか。

 この人と一緒にいる時は、少し、幼い、というか、甘えている、のか?

 

「ほら、早く仕事するわよ浅野」

「いっつつつつ。はいはい。分かりましたよ」

 

 というか、一連の元凶は、体格的に持てないんじゃって思ってた鈴音じゃないか?

 

「…………その、二人とも、ごめんなさい」

「ま、しょうがないわ。私が小さいのは事実だもの」

「全く。君のせいで酷い目に───」

「はいはい。変に突っかからない」

 

 浅野の襟の裏を引っ掴んで、ズルズル引き摺りながら、椅子を片付けに向かう卜部先輩。

 うーむ。思ったよりも強い先輩だな。

 色んな意味で。

 

「うし、机運ぶぞ。綾小路、そっち頼むわ」

「分かりました。森先輩」

 

 さて、森先輩。

 エンドのEクラスとか呼ばれている、現二年Dクラスの生徒なんだが。

 

「一之瀬、後ろ通るから気を付けろよ」

「はい!分かりました!」

 

 何というか、凄く真面目だ。

 それに、気配り上手というか。周りがよく見えているというか。

 

「────赤羽!足元気を付けろ!」

「うぉ、あっぶね。鉛筆転がってんじゃん。ありがと。森先輩」

「気にすんな。次からも気を付けろよ!」

 

 …………うーむ。死ぬほど勉強出来ないとか、そんなところか?

 この人、本当にDクラスなのか?

 

「────何でDクラスなんだ?って顔してるぞ。綾小路」

「…………よく分かりましたね」

「何となくだよ。…………中学の時に、校則違反して、バイトしててさ。多分、それが響いたんじゃないかな」

「…………なる、ほど」

 

 何というか、雰囲気磯貝に似てたが、境遇も、割と磯貝に似てるのかも。

 ふーむ。この人も、二年Dクラスなんだよな。

 …………うむ。運が良かったな。この先輩は。

 

「よし、次行くぞ」

「ですね」

 

 さて、ちゃっちゃと片付けますか。

 新生徒会は十三人もいるので、あっという間に、片付けは終わった。

 

「───みんな、お疲れ様。

 時間も遅いし、解散で良いわよ」

「あっ!じゃあさ!新生徒会で、ご飯食べに行きませんか‼︎」

「うん。私も、帆波ちゃんに賛成かな。最低後一年は、一緒に色々やるわけだし」

「うんうん。私も賛成。みんなは時間どう?大丈夫?」

 

 流石、一年女子コミュ力トップスリー。

 オレや鈴音は、その、隠寄りだから。うん。

 

「お、良いね。おれは全然大丈夫だよ」

「俺も。何食べる?」

 

 Dクラスのぱっと見優男(本性は危険)と普通に優男コンビは、割とあっさり参加を表明した。

 まぁ、カルマも割とノリいいしな。

 

「僕も構わんが。葛城。君はどうする?」

「俺も大丈夫だ」

 

 Aクラスの優等生コンビも普通に参加を表明した。

 うん。多分、全員参加になりそうだな。

 

「あー、その、おれはポイント的にキツイから、その」

「良いよ良いよ。今回は、私が立て替えとくからさ」

 

 そういえば、森先輩は、五千ポイント切ってる二年Dクラスの生徒だったな。

 まぁ、朝比奈先輩はAクラスだし、余裕あるだろうが。

 

「いや、同年代の女子に奢られるのは………」

「どのクラスも女子しかいないよ?」

「後輩に奢られてもいいなら構わないけれど」

「………………卒業までには、返します」

「なずな一人に出させるのもアレだし、ねぇ?」

「そうね。私と須知と朝比奈でお金出しましょうか」

 

 女子三人に奢られるのか。

 こう、凄く、申し訳なさそうだな。森先輩。

 

「うーん。全員参加って感じかなぁ?」

「そうなるねぇ。十三人が入れるお店かぁ」

「今から予約取れるかなぁ。ファミレスとかどう?」

「ありだけど、席替えとかやんないと」

 

 桔梗と一之瀬は幹事慣れしてるなぁ。

 

「そうね。こういう時は、生徒会長に決めてもらうのはどうかしら」

 

 おおう。中々のキラーパスだな。卜部先輩。

 

「わ、私?ええっと、そうね………」

 

 うん。分かるぞ鈴音。

 いきなりそれ言われても、ちょっと、困るよな。

 

「…………焼き、肉、とか?」

 

 焼き肉かぁ。

 鈴音が、焼き肉かぁ。

 やばい。ちょっと面白い。

 オレたち元E組と浅野は、思わず吹き出した。

 

「ちょっと、幾ら何でも失礼じゃないかしら⁉︎」

「はいはい。深呼吸深呼吸。お店の予約取っとくね」

「よし、じゃあ、七時にお店集合で‼︎制服にたれとか飛ぶのが嫌だなって人は、着替えてからね!」

「あ、そういやグループLINE作っとかないと」

「あー、じゃあ、私作るよ」

 

 桔梗がサッサっとグループLINEを作った。

 グループ名は、シンプルに。

 

 『堀北鈴音生徒会』。

 

 

 さて、夜の七時前。

 動きやすい暗めのパーカーに着替えたオレは、店で、一人待っていた。

 ………十五分前は、早過ぎたか。

 

「お、綾小路じゃん。早くね?」

「榎中か。お前も十分早いだろ」

「それはそう」

 

 榎中准は、水色のパーカーを着ていた。

 うん。やはり、この時期はパーカーが正義だよな。

 

「生徒会かぁ。ちょっと懐かしいな」

「榎中は、中学時代にやってたのか?」

「二年の頃に少しな」

 

 ………よくよく考えると、何でこのレベルのコミュ強で、身体能力も高くて、中間期末でも、三十位ぐらいには入ってるぐらいには勉強できるのに、初期Cクラスなんだ?

 

「…………なんか、凄い、観察してくるな」

「…………いや、すまん。何でお前がCクラスだったんだろうって、疑問に思ってな」

「えぇ?お前がそれ言うの?Dクラス詐欺筆頭が?」

「何だそれ」

「今年のDクラスの首脳陣についた渾名だよ。どう考えてもおかしいだろってぐらいには、やばいのしかいないじゃん。

 堀北さんなんか、一年生で生徒会長だよ?」

「…………まぁ、みんな、中学でやらかしたんだ」

「あー、俺もそんな感じ。うーん。ま、綾小路なら、話してもいっか」

「何でそうなる」

「嫌だって、お前、人の秘密とか、話すようなやつじゃないだろ?」

「まぁ、可能な限り守るが」

「俺さぁ、母子家庭だったんだよね。

 で、早く親から離れたいなぁって思ってたからさ。バイトとかしてたんだけど」

 

 バイトから帰ってる時にさ、後輩の女の子が、不良に絡まれてたんだよね。

 で、嫌がってたから、止めるように注意して、そしたら喧嘩になって。

 ま、勝ちましたし、殴ってきたの向こうからだったし、正当防衛ではあったから、そんなに問題にはならなかったんだけど。

 

「ま、多分、そこが引っかかったんだろうね」

「なるほどな。

 ………うーん。榎中なら、ある程度は話してもいいだろう。

 ほら、月の七割を蒸発させた超生物と、そいつが担任している教室があったってのは、ニュースで見ただろう?」

「…………あー、なるほど。それでDクラスだったわけね」

「そんな感じだ。ちなみに、カルマも同じクラスだったぞ?」

「…………納得だわ。龍園ぶちのめせる訳だ」

 

 ふーむ。世界を救った英雄たちと、同じ学校にいるのかぁ。

 

「…………サイン頂戴?」

「オレは芸能人とかではないぞ」

「言ってみただけ!」

 

 人懐っこい笑みを浮かべる榎中准。何というか、子犬みたいだな。

 ふむ。凄い、良い奴なんだなぁ。

 

「そういや、赤羽のヤツ、中学の時から二股してたのか?」

「───なーにおれが二股してるとか不名誉な話してんだよ榎中ぁ」

「うお、怖いぞ赤羽」

「落ち着けカルマ」

 

 カルマも来たのか。

 赤いパーカーだ。なんかパーカー率高いな。

 

「なんかパーカー率高くね?」

「そろそろ冬だしねぇ」

「確かに。もう、十月も後半か」

「そろそろハロウィンだねぇ。あ、追加で二人のコスプレ写真もらったら?今度は犬とか」

「よし、今日お前にコゲ肉しこたま食わせてやる」

「あぁー、そっか、ハロウィンあるのかぁ」

 

 絶対コスプレ攻撃してくるよなぁ。

 

「お、綾小路には、良いお店紹介してあげようか?メイドとか」

「あー、そういや綾小路も二股野郎だっけ?」

「…………敢えて否定はせん」

 

 と、漸く女子が来た。

 卜部先輩か。

 コート着てるな。まぁ、パーカーは男子率高いしな。

 

「やっとパーカー以外きたな」

「だな。お疲れ様です。先輩」

「お疲れ。だいぶ早いわね。あなたたち」

「ま、育ち盛りの高校生ですから」

「焼き肉とか、楽しみだし」

「…………なんだかんだ、初焼き肉か」

「え、綾小路マジで?」

「あー、うん。こいつ、中学までは家出た事なかったんだよ」

「ふーん。箱入り息子って感じか」

「…………まぁ、広義の意味では、そうなるんじゃないか?」

「………………………ふーん」

 

 ジト目でこっちを見てくる卜部先輩がちょっと怖い。

 全部見抜かれそう。怖い。

 

(…………桐山が言ってたわね。翡翠先生は、南雲くんに綾小路を殺させようとしてたって。

 …………翡翠先生は、確か、元々児童養護施設の経営者だったはず。

 ────綾小路、といえば、野党にそんな名字の議員いたわね。議員の息子で英才教育を受けていた。多分、そんな単純な話じゃなさそうね。

 児童養護施設。孤児。議員。英才教育。復讐。

 翡翠先生は優しい先生だった。あの人が、復讐を考えるぐらいに、人を憎むとしたら───)

「ばあっ」

「わひゃっ」

「うっふふふふふ。卜部先輩びっくりしすぎ〜」

「ゆーきーむーらーさーん⁉︎」

「あ、アイアンクローはダメ────いぎゃぁぁぁぁ‼︎」

 

 まぁ、うん。

 いきなり脅かした茅野が悪いな。 

 

「もう、あかりちゃん。先輩のことからかいすぎだよ」

 

 一之瀬も来たな。

 多分、途中で茅野と合流したのか。

 二人ともセーターか。

 

「お、もう結構揃ってるな」

 

 森先輩来たな。

 この人もパーカーだった。緑色だ。

 

「これ男子全員パーカーだったら面白くない?」

「後は浅野と葛城か」

「浅野くんは、多分パーカーでくるはず。映画の時もそうだったし」

「葛城が分からんな」

 

 と、そこに女子の先輩二人組が来た。

 

「お、もう結構集まってるね。ていうかパーカー率高くない?」

「予約ありがとうって、櫛田ちゃんまだか」

「そうですね。でも、そろそろ来るんじゃないですか?」

 

 お、来たな。

 鈴音も桔梗も、程々にラフな服装だ。

 ただ、あくまで程々にラフってだけで、割と気合いは入ってる。

 

「ありゃ、もうみんな集まってるね」

「と思っていたけど、浅野くんたちまだ来てないのね」

「まーいつも時間ぴったりに来るからね。浅野くん」

「浅野はそういうところある」

「割と効率厨だよね」

「普通に効率厨でしょ」

「随分好き勝手言ってくれるな」

 

 さて、浅野と葛城の服装は。

 浅野は、カルマの言った通りのパーカーで。

 葛城は、普通のスウェットだった。

 

「くそう!何で葛城パーカーじゃないんだよ‼︎」

「まぁまぁ落ち着きなよ榎中」

「後葛城がパーカーだったら面白かったなー」

「その、なんか、すまん」

「謝ることではないだろう」

 

 予約した桔梗の名前で店に入る。

 というかやっぱりここ変な学校だよな。

 敷地内に焼き肉あるの変だろ。

 これも税金なのか?

 

「納税者にはありがたい反面、謝りたい気持ちもあるな」

「まー、うん。国立って、そういうもんじゃない?」

「でもさ、このレベルで充実してるの、色々変だよね」

 

 とか話してたら、大部屋と隣り合った小部屋で。

 

「……………む、綾小路か」

「……………え」

 

 茶柱先生を筆頭とした、一年生教師陣に遭遇した。

 

 先生方も、焼き肉飲み会とか、するんですね。

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