Sword Art Online ― 灰月の剣潭 ―​   作:アキ1113

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 今回はサツキがあのキャラと会ったところからになります。

 それでは、どうぞご覧ください。



第3話 剣士たちとの出会い

 

 「しっ!」

 

 SAOがデスゲームに変わった翌日、黒髪の片手剣使いのプレイヤー――――キリトは、レベルを上げるためにフィールドで狩りをしていた。すると……

 

 「!なんだ、この音……」

 

 近くから戦闘音らしきものが聞こえてきたため、キリトは音がした方向に駆け出した。そして、音がした場所へと辿り着いたのだが……

 

 「なんだ、あのプレイヤー……」

 

 そこには、曲刀を手にモンスターの群れと戦っている1人のプレイヤー――――サツキがいたのだ……が、そのHPはすでに半分以上減っており、誰がどう見ても無茶な戦い方をしていた。

 

 「まずいな……!」

 

 キリトは危ないと判断したのか、サツキを背後から襲おうとしていたモンスターを……

 

 「下がれ!!」

 

 「!」

 

 「はぁっ!!」

 

 ソードスキルを放ち、一撃で倒したのだ。

 

 「大丈夫か?」

 

 キリトはサツキと背中合わせになりながらも、そう訊いたのだが……

 

 「っ!」

 

 「なっ!?」

 

 なんとサツキはキリトの言葉に何かを返すことなく、そのままモンスターの群れへと突っ込んでいく。

 

 「待て!自分のHP見えてるのか!?」

 

 キリトはサツキをここから離脱させようと追いかけたが……

 

 「死んでないから問題ない」

 

 「っ!?」

 

 予想外の答えが返ってきたのだ。その間にも、サツキはモンスターの攻撃を避けながらも確実に攻撃を当て、数を減らしていっていた。キリトもサツキを援護しようとするが……

 

 「うおっ!?」

 

 「っ……!」

 

 初対面というのもあるのだろうが、サツキが1人で戦う前提の動きをするため、なかなか連携が取れずにいた。それから何度もキリトは援護しようとしたが、サツキは変わらず1人で戦い続けていた。そこでキリトは……

 

 「しっ!」

 

 サツキの前に出ると、目の前の敵の攻撃を弾いたのだ。

 

 「スイッチ!」

 

 「!」

 

 サツキはキリトの言った言葉の意味は分からなかったが、意図を読み取って入れ替わるように曲刀を抜き放ち、モンスターのHPを削り切った。その抜刀術のような動きを見たキリトは……

 

 (速い……!)

 

 サツキの強さに驚いた表情を見せていた。だが、それはキリトだけでなく……

 

 「……」

 

 (今、合わせられた……この人、強いな……)

 

 今まで1人で戦う動きをしていた自分の動きに合わせてきたことに、表情には出ていないものの少なからず驚いていた。それからはキリトが敵の攻撃を弾き、サツキがとどめを刺すという動きで何とか連携を取り……

 

 「これで全部か……」

 

 全てのモンスターを倒し切ることに成功した。そして、剣を背中の鞘に納めたキリトは、曲刀を腰の鞘に納めたサツキの方を向くと……

 

 「これ、使ってくれ」

 

 「……」

 

 「……?」

 

 サツキのHPを回復させるために、回復ポーションを渡そうとした。だが、サツキはそれを見つめるだけで、一向に受け取る気配がない。その様子をキリトが疑問に思っていると……

 

 「……別にいい」

 

 「は……?」

 

 「それに、勿体無いから」

 

 「……!」

 

 サツキはそう言い、ポーションを受け取るのを断ってしまった……その言葉から、キリトはサツキが自分の命を軽く見ていることを察した。すると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……でも、死んだら終わりだ」

 

 「……」

 

 キリトは少し強めにそう言うと、サツキにポーションを押し付けた。サツキは少し間黙り込んでいたが……

 

 「……」

 

 断ることは不可能だと思い受け取ると、黙ったまま自身の体力を回復させた。そして、サツキもキリトも体力を回復すると……

 

 「自己紹介がまだだったな……俺はキリトだ」

 

 「……サツキ」

 

 互いに短く自己紹介を済ませた。

 

 「サツキ……なぁ、サツキはこれからどうするんだ?」

 

 「……聞いてどうするの?」

 

 「!……いや、ただの興味だよ」

 

 キリトがそう訊いたのは、サツキを放っておいたら死にそうな雰囲気を出していたのと、その強さを見込んでコンビを組めるかもしれないと思ったからだ。だが……

 

 「……1人で戦い続けるよ」

 

 「……そうか………けど戦うにしても、次からはもう少しマシな戦い方をしてくれよ?」

 

 「……努力はするよ」

 

 「努力って……」

 

 (絶対しないなこいつ……)

 

 キリトはサツキの返答に、そんなことを思いながらため息をついた。

 

 「じゃあ、僕は行くから」

 

 「あ、おい―――――――」

 

 そう言い残したサツキは、レベリングを続けるために別のフィールドに向かっていき、キリトはそのまま街に戻って行くのだった……。

 

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 

 「しっ!」

 

 キリトと出会ってから何日か経ち、サツキはレベリングのために狩りを続けていた。そのおかげで、サツキのレベルは現時点でのSAOでもトップになるまでに上がっていた……が、その自分の身を顧みない戦い方は相変わらずのものだった。

 

 「あ、ありがとう!」

 

 「助かったわ……!」

 

 そんなサツキは現在、狩場の近くにいたモンスターに襲われているプレイヤーたちを助けていた。サツキはレベリングをする際にフィールドで襲われているプレイヤーを見つけたら、すかさず助けに入るようにしていた……その結果、サツキの今の格好の灰色のフードのついたマントから『灰の剣士』という二つ名が早くも広まっている。ちなみにサツキ本人は、ほとんどの時間をフィールドで過ごしているためか、街で広まっているそのことを知らずにいる。

 

 「……」

 

 「あっ……」

 

 サツキは2人プレイヤーの無事を確認すると曲刀を鞘に納め、黙ったままその場を後にした。サツキは誰に対してもこうした振る舞いをしているためか、灰の剣士の噂として主立っているのが『強すぎる』、『出会えれば必ず助けてくれる』という良いものから『静か過ぎて怖い』、『何だか不気味』といった悪いものまで様々だったのだ……本人はただ、自然にしているだけらしいのだが………。

 そんなサツキは、再び自身のレベリングに戻ろうとした……その時、

 

 「!」

 

 突然、近くの森の方から破裂音のような音が聞こえてきたのだ。

 

 「あっちは確か――――」

 

 その森にいるのはリトルネペントという植物型のモンスターで、基本的には通常の個体、花がついている個体、そして実がついている個体がいる。その中の実つきの個体の実に攻撃を当ててしまうと、仲間を集める煙を出され、プレイヤーをすぐさま囲んでしまうのだ。

 今の音は、誰かが実を攻撃してしまった音だと判断したサツキは、すぐさまその方向へと駆け出した。そうして辿り着くと……

 

 『GyAAAAAAAAA!!』

 

 そこにはこのフィールドのボスモンスターと、襲われそうになっている栗色の髪をした女性プレイヤーがいたのだ。

 

 「っ!」

 

 サツキはそのスピードを活かして駆け出すと……

 

 「ふっ!」

 

 『GyAAAAAAAAA!?』

 

 「えっ……!?」

 

 一瞬でモンスターのところに辿り着くと、弱点を正確に狙ってソードスキルを放ったのだ。その攻撃によってボスモンスターは怯み、一時的にだが地面へと倒れた。

 

 「下がってて」

 

 「!え、えっと……」

 

 栗色の髪のプレイヤーのところに下がったサツキは、一言そういうと再びボスモンスターへと向かっていく。すると……

 

 「君、大丈夫か――――って、あれは……!」

 

 さっきの音を聞いていたキリトが到着し、栗色の髪のプレイヤーの無事を確かめる――――と同時に、ボスモンスターと戦っているサツキを見つけたのだ。

 

 「え、えぇ――――!それよりもミトを!」

 

 「ミト……?もしかして君の友達か?」

 

 「トラップで崖下に落ちちゃって――――」

 

 「分かった!俺が行くから、君は下がっててくれ」

 

 (任せたぞ、サツキ……!)

 

 キリトは栗色の髪のプレイヤーの頼みを聞き入れると、すぐに崖下へと向かった。その間にも、サツキはボスモンスターの攻撃をギリギリのところで避けながらも、確実にダメージを与えることで圧倒しており……

 

 「……終わりだ」

 

 『GyAAAAAAAAA!?』

 

 そのままボスモンスターとすれ違う瞬間にソードスキルを発動させ、あっという間に倒してしまった。ボスモンスターを倒したサツキは、栗色の髪のプレイヤーのところに行くと回復ポーションを取り出し、黙ってそれを渡した。

 

 「あ、ありがとう……」 

 

 栗色の髪のプレイヤーは、黙り込んでいるサツキに戸惑いながらもそれを受け取り、自身の体力を回復した。すると……

 

 「アスナ!!」

 

 「ミト!!」

 

 崖下に落ちていた紫色の髪のプレイヤー――――ミトが、サツキが助け出した栗色の髪のプレイヤー――――アスナのところに走って来ている姿が見えたのだ。その姿を見たアスナも、自然とミトへ駆け出していた。

 

 「ごめんアスナ!私、あなたを守るって約束したのに……!」

 

 「ううん!いいんだよ……本当に良かった!ミトが無事で……!」

 

 そうして、無事を確かめるように抱き合う2人の姿をサツキが見ていると……

 

 「久し振りだな、サツキ」

 

 「キリト……」

 

 「戦い方は……見た限り相変わらずだな?」

 

 「……」

 

 キリトがそう話しかけてきたのだった……。

 

 

 

 

 




 読んでくださり、ありがとうございます!

 今回でサツキが、キリト、アスナ、ミトと出会うことになりました。果たしてサツキはここから、どのように関係を築くことになるのか……。

 それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いします。
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