いやだ!!俺はマヨヒガに引きこもるんだ!!!   作:ガチャ運を寄越せ陸八魔ァ!

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またもや思いついたので書いた、後悔はしていない


ここで引きこもらせてください!

 

「マヨヒガにッ!引きこもらせてくださいッッッッ!!!!!!!」

 

俺、八雲家の居候である小箱葛籠(こばこつづら)の出した大声にマヨヒガの空気が静まり返る

俺が土下座している相手…八雲紫は黙ったまま何も言わない

かという俺も顔を上げられず、頭をめり込ませる勢いで下げたので、ケツだけが上がってしまい土下座しながらヨガをやっているような奇妙なポーズとなっている

バサリ…と扇子を開いた音に反応して身体がビクリと跳ねる

 

「…なんでそう思ったのかしら?」

 

その声いつもなら透き通ったように美しく、ずっと聞いていたいと思うのだが、今の俺には罪人に着ける足枷のように重く、まるで刀を突きつけられているように感じた

俺は冷や汗をダラダラと流しながら言い訳をする

 

「そっ、それはァ…アノッ、幻想郷の人のキャラにつぃて行けないから………デス…ハイ…

 

段々と小さくなっていく俺の言葉を黙って聞いている紫さん

俺にはその沈黙が今から振り下ろす刃にしか感じない

このマヨヒガで住んでいる誰かの式神でも、幻想郷を守れるような協力な能力持ちでもない、ましてや簡単に殺される外の世界の人間がここで居候してるだけでも烏滸がましいと言うのに、幻想郷に住んでいる住民のキャラの濃さについていけないだけで引きこもらせてくれだなんて、家主からすればブチ切れ案件である

俺もだって怒るもん、辛抱が足りんって

 

…あの、ところで八雲紫さん?そろそろ何か喋ってくれると嬉しいなーって…ヘヘッ

 

「キャラについていけない…例えば?」

 

「そっ、それはァ…」

 

「言えないの?もしかして嘘なのかしら?」

 

「いえッ!ご報告させていただきますッ!」

 

紫さんの声が少し低くなったように聞こえたので慌ててその原因となっていることを話す

 

「とある緑色髪の人は、前に宅配したゼ〇シィを使ってはよ結婚しろと陰ながら圧を掛けてきて、とある半霊の人は料理を作る手伝いをして、帰る時に貴方がいないとダメなのと泣きついて、赤い屋敷のメイドさんは荷物の搬入が終わったら部屋に2人きりで閉じ込められて雇用契約書にサインしないと帰れま〇ンされ、その人の雇用主の妹にペットになれと迫られ、バナナみたいな魔法使いには得体もしれない魔法薬の実験台にされたり…とりあえずもうキャラの濃さについていけないんです…」

 

「なるほどねぇ…」

 

紫さんはバチンと、開いていただろう扇子を閉じて俺の後頭部を突く

そしてそのまま扇子で俺の首、背中をなぞる

何?何なの?何してるの!?

何が目的なの!?怖いよぉ!!

 

扇子が俺の仙骨辺りまでなぞると、ピタリと止まる

 

「お尻が浮いてて変な格好になってるわ、直しなさい」

 

「アッハイ」

 

そのままグイッと押し込まれ、普通の土下座のポーズになる

そして扇子は俺の顎下へと移動し、顔を持ち上げられ紫さんと目が合う

いわゆる顎クイというものである、顎に添えられてるのは手ではなく俺の首を簡単に裂ける扇子という名の刃だが

 

紫さんは俺を見て慈愛に満ちた顔で微笑む

 

「貴方の言いたいことはわかったわ」

 

ゆっくりと頷き、扇子を持っていた手とは反対の手で俺の頭を撫でる

アッ…これまずい、紫さんにママを感じちゃう!紫さんの赤ちゃんになっちゃう!

紫さんは我が子を慈しむように優しく撫でながら

 

「残念だけど、そのお願いは聞けないわ」

 

死刑宣告(却下)を下した

ハハ、デスヨネー

この雰囲気なら行けると思ってた俺が馬鹿でしたよクソッタレェ!

 

俺の心境を知ってか知らずか、理由を話す

 

「私や藍は幻想郷を囲っている結界の管理をしないといけないの

橙は藍の式神だし、今はまだまだだけどそのうちあの子にも管理を手伝ってもらうつもり、あの子は妖怪だからいいけど貴方は人間でしょう?霊夢みたいに強い訳じゃないから結界の管理を任せられない

悪いのだけど、そんな穀潰しはここに置いて置けないわ

だから色々と仕事を渡して、ここに居候させているのよ

それを辞めるのなら此処を追い出す…おわかりかしら?」

 

「ハイ」

 

まぁ当たり前だよなとしか言えない

そもそも幻想郷を守っている重要人物の家に、守っている幻想郷の外から来た人間を居候させている方がおかしいのだ

ましてや色々と過ごしていけるように仕事まで斡旋してもらって、衣食住全て揃えて幻想郷への移住を歓迎している

 

俺そんな人にニートにさせて欲しいって言ってたんか

…あれ、俺とんでもないクズでは?

ッスゥー……ちょっくら首でも括ってくるかな

 

「お願いというのはそれだけかしら?」

 

「あ、もう1つありまして」

 

「言ってみなさい」

 

先ほどのまでの重い雰囲気はいつの間にか離散し、いつもの軽い相談などをするような雰囲気へと戻った

俺は先ほどまでビクビクしていた態度を変え、仕事モードへと切り替え、ポケットに入れていたメモ用紙に書いた内容を読み上げる

 

「実は紅魔館の方から新しい紅茶の茶葉が、太陽の畑からは幻想郷に咲いていない花の種、地霊殿からは外の本を数冊。できれば漫画がいいとのこと、冥界からは香辛料の要望が届いてますね

幽香さんから伝言で『お願いした子が幻想郷で勝手に増えるようなら責任を持って私が処理するわ』とのことです

一応ここにその証明書代わりのサインはもらってます」

 

メモ用紙の一枚を切り取り、紫さんへと渡す

紫さんは証明書代わりの紙を目の前の机に置くと、お茶をズズッと飲んだ

 

お前らさっきと雰囲気変わりすぎじゃないかって?

そりゃあの話はあれで終わりだしな、逆にあの空気のまま一日過ごしたいと思うか?

俺と紫さんはそう思わない、だからアレはアレ、コレはコレで終了する

 

「要望はわかったわ、こちらで用意しておくから、全て用意できたら配達お願いね?」

 

「わかりました」

 

「他に何か用はあるかしら?」

 

「いえ、特にありませんね」

 

「そう、なら今日は自由にしていいわ

明日またお仕事お願いね」

 

「はい、失礼しました」

 

俺は紫さんと会話を切り上げると、部屋を後にする

さて、やることやったし今から何しようかな

斡旋された仕事は今日の分は全て完了しており、何処かの手伝い(応援要請)もない完全なフリー

夕飯作るまで時間あるし、その間橙でも探して戯れるか!

俺はやることを決め、橙を探すのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…藍」

 

「…なんでしょうか、紫様」

 

青年が部屋を離れて暫く後、マヨヒガの主である八雲紫は自身の式神を呼ぶ

するとすぐに襖が開き、そこにはケモナーがモフりたくてウズウズするほどフワフワで立派な9本の尻尾を生やした妖怪が、膝をついていた

彼女の名前は八雲藍、八雲紫の式神であり、九尾の狐である

 

「さっきの彼、随分可愛らしい姿だったわよ?」

 

紫は藍へと疑問を投げる

しかし、その言葉の意味は「見てたよね?」ではなく「見てただろ?」である

それに気付いている藍は当然、肯定の言葉を返す

 

「えぇ、見ていて本当に可愛らしいと思いました」

 

「でしょう?あぁ、本当に…」

 

紫は影で顔が見えない程俯くと、ブルブルと身体を揺らす

そして、バッと顔をあげる

 

「…食べちゃいそうだったわ♡」

 

瞳には光がなく、ドロリとしたどす黒いピンク色ハートが浮かび、口の端からは涎がほんの少し溢れ、頬は熟れた桃のように染まっている

その顔は、先ほどまでの日本人形のような美しい顔から一変し、欲望に支配された妖怪の顔であった

藍は紫の崩れた顔を見て、本人に教える

 

「紫様、表情が崩れております」

 

「あら、私のとしたことがはしたない…まぁ、彼があんな姿見せるからなのだけど」

 

完全なるとばっちりである

紫は彼の土下座姿を思い出し、目を細めながら舌なめずりをする

その光景は美しくも妖艶であり、幻想郷の男達が見れば己の欲望を滾らせながら喉を鳴らすだろう

花魁のように、華やかでどこか艶美な雰囲気を出している彼女は一人の男を思い浮かべる

 

「彼は私がここに置いて、仕事を斡旋しているのかわかっていないのでしょうね」

 

「あの言動を見るに、おそらくは」

 

八雲紫という妖怪は幻想郷を誰よりも愛情深く思っている妖怪であり、その愛情深さは幻想郷へと入り込み、繁殖した外来種の植物を根絶やしにし、幻想郷のとって、危険な存在になりうる外の世界の人間は喰ってもいいというルールを作る程に

では何故、そんな妖怪が彼を自らの膝元に置いているのか…それは

 

「あの子も馬鹿ねぇ…あんなに可愛い姿見せられちゃったら食べたくなっちゃうでしょうに♡」

 

スッと目が細くなり、その瞳にはドロリとした情欲の色

彼が土下座をして、顔を上げていない間、彼女は今のように捕食者の目をしていた

彼は幻想郷の住民のキャラが濃いと言っていたが、それは八雲紫も例外ではなかった

なんなら、割と拗らせている側である

 

「別にあの子の要望を聞いても良かったのだけど、そうしたら四六時中搾っちゃいそうなのよね…だから仕事を渡して、仕事をしている間に発散してるのだけど」

 

「しかし、ほぼ毎日外出して色んな妖怪などとも交友関係を広めているようですが…」

 

「藍は心配性ね、彼がもし恋人を作っても、彼の自由でしょう?」

 

「そうなのですが…」

 

「私も大概と思っていたけど、貴女も大概ね?そんなに“あの言葉”が刺さったのかしら?」

 

紫の言葉に、藍はピクリと跳ねる

その反応に紫はクスクスと可愛らしく笑う

蛙の子は蛙、この主にしてこの従者というように藍も拗らせている

 

「あの時の貴女、すごかったわよね…彼にもう一度言えと何度も詰め寄って…」

 

「その話はおやめください…」

 

藍は自慢の尻尾をへにゃりと垂れる

過去にやり過ぎてしまった記憶を思い出して悶絶しているようだ

紫はそんな藍の言葉に何も返さず、ズズズと冷めたお茶の飲む

 

「でもまぁ、彼がまた同じお願いをするのなら、今度は承諾してあげようかしら」

 

ただし、と紫は続けて

 

「その時はずっと家にいるならどうなるか、その身に教えてあげないとね?」

 

妖怪らしい、不気味で妖しい笑みを浮かべてそう呟いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ッ!?」

 

「ん?葛籠、どうしたの?」

 

「なんか今寒気がして…」

 

「寒いなら中で遊ぶ?」

 

「いや、橙で暖をとる!うりゃー」

 

「きゃー!くすぐったい!」

 

「うりうりうりー」





なんだこれは(なんなんだこれは)

葛籠がやっていた土下座は→_○/|_に近いです、見事にケツがあがっちゃって…青いつなぎ服の男に迫られても知らないゾ

とりあえずギャグ路線で行けたらいいなと考えてます
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