いやだ!!俺はマヨヒガに引きこもるんだ!!!   作:ガチャ運を寄越せ陸八魔ァ!

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みなさまお気に入り登録、感想ありがとうございます…正直めちゃくちゃビックリです

それと、今回はギャグ要素少なめの恋愛要素が強めかもです



地底に棲んでいる蜘蛛の妖怪…スパイ〇ーマッ!!

 

「はぁ…やってきてしまった」

 

スキマを通ってやってきたのは最後の配達先、地霊殿のある地底こと旧地獄

だだっ広い洞窟は俺の中にある少年心を擽るのだが、ここは全くと言っていいほど擽られない…なんなら早く帰りたい

理由は、何故か知らないが地上にいる人達よりもキャラが濃い人が多いから

地上でもキャラの濃さが限界突破してくる奴がいるのに、地底はそれ以上にキャラが濃くなる…ホント勘弁してくれよ

しかも光源が全くないからあまり見えないし、後ろから奇襲してくるからな…余計帰りたくなってきた

 

「とりあえずここの人達に見つからないように…」

 

「おや?葛籠じゃあないか、いつもの配達かい?」

 

「…フラグ回収って恐ろしいね」

 

俺まだセリフの途中だったんだけど?爆速回収してるけど忙しいのか?フラグ君

声がした後ろを振り向くが、誰もいない…そこで上を見上げてみる

すると、声を掛けて来たであろう人物が上から糸を垂らしながら降りてきた

…なんでスパイ〇ーマンみたいな体勢なの?

 

「葛籠、出会って早々にお願いがあるんだけどさ…食べ物持ってないかい?お腹が空いたんだけど生憎と食べ物がなくってねぇ」

 

そういえば紹介してなかったな、現在俺の斜め上でスパ〇ダーマンごっこをしているこの人は黒谷ヤマメという妖怪

地底に棲む蜘蛛の妖怪で、本人曰く土蜘蛛なんだとさ

見た目が少女なのに口調が少し近所のオバサン味があるのが特徴だぞ!

普通の口調で喋ることもあるが、何故かいつもオバサンみたいに喋る…理由を教えてくれないけど、ここにさとりがいたら理由も判明するんかな?

 

「まぁ、それくらいなら…どうぞ」

 

「おぉ、助かるよ……うん、美味しいねぇ。だけど、前に食べた時の味とは違うね?材料の配分でも変えたのかい?」

 

レミリアとのお茶会時に、こっそりと貰ってきたクッキーを取り出して渡す

どっかの白黒魔法使いみたいに本じゃないし、どうせ食べて消費されるものなんだから別にいいよな

 

「いや、それは俺じゃない別の人が作ったものです…美味しいでしょう?」

 

「確かに美味しいが…私としては葛籠の作った甘味の方が好みだね、何かないかい?」

 

「そのクッキー、俺のより美味しい気がするんですけどねぇ…これでいいならどうぞ」

 

「お、どら焼きか…うんうん、この味だよ」

 

今度はどら焼きを取り出して、ヤマメさんに渡す

それを受け取り、一口で半分ほど頬張るとニコニコとしながら上機嫌で頷く

…その顔をしてくれるのは作り手として嬉しいんだけど、なんでさっきから逆さの状態で食べてるの?飲み込みにくいだろ、それ

そんな俺の考えとは裏腹に、半分の大きさとなったどら焼きを2口で食べ終わる

飲み込む時も咳き込んだり、苦労してる様子がなかった

 

「いやぁ助かったよ、お礼に今日は病気にしないでおくよ」

 

「いつも病気にすることはできないんですか?」

 

「無理だね、葛籠が病気になって苦しんでる姿が醜いならしないけど、可愛いからねぇ…やっぱり病気にしてもいいかい?」

 

「やめてください死んでしまいます」

 

「大丈夫さ、ここにいる間だけ少し重めの風邪にするだけだから…」

 

さっきと言ってること変わってるぞ蜘蛛オバサン

そういえば病気病気と言っているが、病気とは何なのか説明しておこう

ヤマメさんは病気を操る能力を持っており、その能力を使って人を病気にすることができるのだ

そして、ヤマメさんは俺が病気で苦しんでいる姿も見ることが好きというとても変わったご趣味を持っている

 

ちなみに割と普通に話しているが会いたくない(やべーやつ)トップ7の2番目です…出会い頭に病気にして、その姿を見て悦ぶ相手はそりゃ会いたくないよねって話

 

「とりあえず、今日は病気にするのやめてください…そんなことしたらこの後が面倒になりそうなので」

 

恐らく遭遇する鬼とかさとりとか火車とか…俺が病気になってるところみたら確実に面倒になる相手がここには多いんや…

俺の頭に病気の時に会いたくない人達の顔が浮かぶ…その瞬間、身体に異変が起こった

 

身体が少し寒い、頭も少し痛いしぼーっとするような気がする

喉もイガイガしている気がしてここに来た時より少し気怠い

俺は現在の体調から一つの答えを出す

 

蜘蛛オバサン(コイツ)、やりやがった

 

「…人の恩を仇で返すのはどうなんです?」

 

「いやぁ、我慢できなくてつい…許しとくれ、ね?」

 

「…ゴホッ、とりあえず治してもらっていいですか?」

 

「それは出来ない願いだね」

 

コイツに食べ物あげるんじゃなかったわ

俺は上手く働かない頭でそんなことを思った…まぁあげなくてもコイツは病気にしてたんだろうけどな

これ以上ヤマメさんの相手をするのは疲れると判断し、少しだけフラつく足で地霊殿のある方角へと歩いていく

 

「別れの挨拶もなしに行くなんて冷たいねぇ…でも、そんな調子じゃ大変だろう?…ほいっと」

 

「うわっ…いきなり抱えないでください…」

 

「ありゃ、少し加減を間違えちゃったかな?…でも、その姿も可愛いからもう少し拝めさせておくれよ」

 

「ふざけないでください…」

 

後ろから膝裏と首の後ろに腕を差し込まれ、横抱きをされる…いわゆるお姫様抱っこである

身体が気怠く、頭を上手く動かない俺はヤマメさんに弱々しく抗議するしか出来なかった

そんな俺を見たヤマメさんは少し「やっちまった」という顔をするが、すぐに恍惚とした表情を浮かべて俺を見る

勿論それにも抗議するが相手は聞く耳を持たない

 

「まぁ、葛籠の仕事もあるだろうしこのまま連れて行ってあげるさね、いつもの配達なら地霊殿辺りかい?」

 

「うん…」

 

返事をするのも億劫になってきたので適当に返事をしながら首を立てに振る

これ風邪だよな…?風邪にしてはすんごいキツイんだけど…しんど過ぎるから寝てもいいよねパトラッシュ…

既に半分閉じていた瞼を完全に下ろし、飛んで移動しているヤマメさんに抱えられながら俺は意識を手放した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もうすぐ旧都だけど大丈夫…あら、寝ちゃってる」

 

私は腕の中に抱いた人間に話かけるが、返事が来ないので見てみると、ぐっすりと眠っていた

…自分に病気を掛けた張本人の腕の中で寝るとは、随分と危機感のない子供だと思う

彼には私が妖怪…それも人に疫病を撒く土蜘蛛であると教えている、それに人を襲うことも

それなのに彼は私に安心しきった、可愛いらしい寝顔を見せるとは…

 

「……いや、流石に駄目」

 

一瞬、邪な考えが頭に過ぎったが否定するように頭を振る

地霊殿に向かう時、その前には旧都がある

旧都には鬼が住んでおり、それなりに賑わいを見せている

勿論、鬼もそういったことをするので旧都にはソッチ目的の建物や行うための宿もある

そんな宿に彼を連れ込むのは簡単だし、そこで私が彼に何をしようが彼は何もできないだろう

妖怪と人間としての力の差もあるが、能力を使って大人しくすればいいのだから

 

しかし、それはあまりにも自分勝手すぎる…そんなことをすればこんな私と仲良くしてくれている彼も私を避けるようになるだろう

私はこんな能力のせいで、地底からはあまり地上へ出られず、出ても人間には危険視されているため人間と出会ってもすぐに逃げられる

そんな中、彼だけは私と話してくれただけでなく、ずっと友達としていてくれると言ってくれた

 

はっきり言おう、私は彼が好きだ

土蜘蛛である私と仲良くしてくれるだけでなく、普通なら距離を起きたくなるだろう私の趣味にも、色々と口では言うがなんやかんや付き合ってくれる

そんな彼と繋がれる、一つになれる場所がある…そんなの、行きたいに決まっているだろう

 

だけども、そんなことをすれば彼の心を傷付けるだけだろう

彼ははっきり言って優しい、優しすぎるのだ

私ですら苦手なさとり妖怪の場所に何度も訪問するし、人が危険視している妖怪や鬼とも自分から仲良くなろうと話し掛ける

その中で誰かが彼に危害を加えたとしても、彼は笑って許す

 

少し前、彼は酔っ払った鬼が振った腕がぶつかり、壁に打ち付けられたことがあった

そこには彼と一緒に来ていた勇儀もいた

勇儀は完全に激怒しており、偶然でも彼を飛ばした鬼は誰が見ても異常だと感じるくらい血の気が引いていた

 

いざ勇儀が鬼を殴ろうとした時、彼が勇儀を止めた

そして、笑いながら殴った鬼に対して注意して終わらせたのだ

後から聞いた話では、殴られた場所は骨が折れ、衝撃で殴られた周りの骨はヒビが入っていたらしい

 

当然、それは勇儀や殴った鬼の耳にも入り、彼が地底へ来た時は土下座までして謝っていた

そんな鬼に対して彼はもう済んだことだと笑いながら言って今度一緒に飲もうと誘っていた

 

それほどまでに彼は優しい、だからこそ彼を狙っている者は多いだろう

地底では勇儀…はわからないが、さとり妖怪やそのペットが狙っているという話がある

それが地上なら?彼の優しさは地底だけでないだろう、ならば地上はもっと多い

 

だから、彼と繋がれるチャンスがあるのならば喉から手が出るほど欲しい…そして、今そのチャンスが目の前にある

 

だけども、彼とのこの関係を壊したくない

もし、私が無理矢理彼を襲って傷付いたら?また彼は笑って許してくれるのか?また私と話してくれるのか?

わからない?わからないし、もし拒絶でもされたら私は耐えられないだろう

 

「…でも、我慢できないからこれだけは許して」

 

ちゅっ、と彼の額に優しく口付けする

いつかは彼が起きている時にちゃんと口に…でも、それは彼が私を選んでくれた時の話だ

だから、今はこれで我慢しよう…いつか彼が私を選んでくれるその時まで

 

…それにしても、彼には年上のお姉さんとしてみてもらいたいから口調を変えてみてるが、変に思われてないだろうか?

 

もし『おばあちゃんみたいだ』と思われていたら暫くはショックで立ち直れないかも…

 

そんなことを思いながら、いつの間には着いていた旧都に彼を抱いたまま足を踏み入れるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ん、少しマシになった…?」

 

「おや、お目覚めかな?いい夢は見れたかい?」

 

目を覚ましたばかりでぼんやりとした意識の中、眠る前よりは頭痛と気怠さが引いているような感覚を感じた

そして、声を聞いたヤマメさんは寝起きの俺に話掛ける

俺は頭を働かせ、覚えている夢の内容を簡潔に話す

 

「…牛の足を生やしたキノコが蟹みたいなコケシと怪獣決戦してる夢を見ました…」

 

「それはどんな夢なんだい…まぁ、病気の時は変な夢を見るもんだから仕方ないね」

 

俺の夢の内容にヤマメさんは困惑するが、無理矢理納得した

…その夢を見た原因が病気なら、アナタが犯人ですけど

 

「…お?ヤマメじゃあないか、その腕に抱いているのは…葛籠か?」

 

「あ、勇儀」

 

ヤマメさんに抱かれたまま旧都を進んでいると、前から気さくに話し掛けてくる人物が現れる

俺はできれば今は会いたくなかったな…なんて思いながら声を掛けてきた人物の方へ顔を向ける

 

そこには金髪ロングに体操着のような服を着て、額から1本の角を生やした鬼…星熊勇儀が立っていた





本当は地霊殿回にする予定だったんですが、他の地底に住んでいるキャラとの絡みを書きたくて書きました…後悔はしていない

次回は勇儀回になりそうです、さとりへの期待が高まり過ぎてないといいんですけど…大丈夫ですよね?(震え声)
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