いやだ!!俺はマヨヒガに引きこもるんだ!!!   作:ガチャ運を寄越せ陸八魔ァ!

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前半はコメディ要素皆無です、すみません


やべーやつは嵐のように突然に

 

「それじゃ行ってきまーす」

 

「行ってらっしゃい」

 

「妖怪には十分に気を付けるんだぞ」

 

「いってらしゃーい」

 

引きこもりを頼んだ翌日、俺は仕事の為にマヨヒガを出る…正直行きたくねぇ

しかし八雲一家の見送りを受け、紫さんがスキマを開いてくれてる以上、行くしかねぇべ…

全く、居候ってのは辛いね

 

スキマを潜ると、不気味な目が大量に浮かんだ空間へと出てくる

何度も経験したことで見慣れた光景を俺は駆け足で移動し、別の開いていたスキマへと入る

すると今度は、映画村のような昔の建物が建ち並ぶ場所へと出てきた

 

「さて、人里に出たから仕事しましょ…まずは甘味処かな」

 

俺はポケットに入れているいつものメモ用紙を手に取り、書いてある店を確認して走り出す

 

紫さんが斡旋してくれた俺の仕事は品物の配達だ

取り扱っているのは食べ物や道具、建築に使う材料などと非常に多い

配達する品は紫さんが外の世界で仕入れた物、だけど幻想郷にもあるものだけを仕入れるので、幻想郷の物流事情にはさほど影響は出ていない…強いて言うなら俺が配達する品は全て質が良いと言われているくらい

もし、幻想郷にないものが欲しいのであれば、高い金を貰うことで俺経由で紫さんにお願いする

そこで却下されればお金は全額返金し、承諾されれば商品が調達され次第、配達するという仕組みを作っている

 

…何だって?配達するなら荷物大量にあって大変だろって?

そうですよねぇ?これだけ色々な物を取り扱っているなら、普通は食品が傷まないようにしっかり保存したり、割れ物も慎重に扱わないといけなかったり、建築材料だと大きくて嵩張ったりして荷車とかも大変ですよねぇ(ショッピング風)

 

しかしなんと、俺の能力があればそんな問題消えちゃうんです!

その能力というのが“物を運ぶ程度の能力”

名前の通り完全に運搬向きの能力である

 

イメージとしては…自分の中に立体のブロックパズルがある感じ?

感覚なので説明が難しいのだが、俺の中に直方体の枠組みがあり、収容する荷物が小さなブロックとして、その枠の中に収められる感じだろうか?

小物などは1ブロック、子供程の大きさの物は2ブロック、大人程の大きさの物は3ブロックと、その物体の大きさによってブロックの数も異なる

枠はそれなりに大きいので、あまり満タンにはならないが、満タンの状態で物を入れようとしても入れることができず、入れるならその物体分のスペースを確保するしかない

 

そして、この枠の中では物体の時間が止まっているのか、入れた時と取り出した時で保存状態が変わらない

 

…とまぁ長々と説明したけど、要はアイテムボックスみたいな感じである

だから色んなものを配達できるのだ、しかも届く品の質も良いっていうね

 

おかけで今では色々な所へ配達をすることとなってしまった…普通は嬉しいことなんだろうけどなぁ

 

俺は今までに出会ったキャラの濃いメンツを思い出す

ハハ、キャラが濃くなければ皆可愛いのに…俺の癒しは橙とこころだけだよ

帰ったら橙にだる絡みしよう、そう考えながら走っていると1件目のお届け先へと辿り着いた

 

俺は閉まっている戸を軽くノックして、声を抑え気味に「宅配でーす」と言う

幻想郷に宅配という言葉は俺が使うまで存在していなかったからなのか、人里では『宅配の兄ちゃん』として有名になった

建物の中からくぐもった返事が聞こえ、少ししてから静かに戸が開かれた

中から若い女性が現れ、俺を見るとぺこりと会釈をした

俺も会釈を返し、品を届けに来たことを伝える

 

「おはようございます、こちらご注文のもち米とみりんです」

「まぁ…ありがとうございます、みりんも早々手に入らないでしょうに」

 

小さな声で少し雑談をする

ちなみに先ほどから何故静かにしているのかというと、現在時刻が4時半くらいの時刻だからである

朝日が登り始める少し前辺りなので、近所迷惑にならないようにしているのだ

それと、この女性が言う通りみりんは幻想郷では高価な物となっている

とんでもない大金を払わないといけない程ではないにしろ、それなりに高い買い物になる

 

まぁうちは紫さんが外から仕入れてくれるんでそこまで高い買い物じゃないんだけど

俺は会話をそこそこで切り上げ、次の届け先へと向かう

 

料金は取らなくていいのかって?

その心配はない、なんせ後からキャンセルが起きないように、前払いシステムを導入しているのだからな

だから注文の品が届けられなかったり、手に入らなければ全額返金としている

その信頼などもあり、今は引っ張りだこのように配達事業が上手くいってるのだろう

 

さて、今日の仕事も頑張るぞい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとうございましたー」

 

「おう、またお願いするよ」

 

「その時はまたお願いしますねー」

 

最後の届け先の名前に配達完了の意味を込めて取り消し線を引く

これで今日の配達が全て完了したことになる

今日は人里だけで良かったぁ…届け先に地底とか冥界とかあったら仕事時間が伸びるし下手すれば…あのキャラの濃い人達に絡まれる可能性もあるからな、ウン

 

キャラの濃い人は藍さんだけで十分なんや…いやあれも事故でなったんだけどさ?

まぁ、藍さんの話についてはまたの機会にしておこう…それよりもどこか腰を落ち着かせる場所が欲しい

 

時刻は恐らく昼丁度か昼過ぎくらい、食事処や屋台に人が集まっているため予想でしかない

太陽もほぼ真上にあるしな…眩しいぜ

眩しい太陽のおかげで俺は今、すっごい睨んでる人みたいになってます

昔からの癖なんだよなぁ…直したいと一時期思っていたが、もう細胞レベルでの動きなので諦めた

 

まぁ、そんなことはどうでもいい、それより座れる場所が欲しい

ご飯は自作した弁当があるため問題ないが、弁当を人里のど真ん中で立ち食いする訳にもいかない

 

いっそ適当な建物の陰で座って食べようかと考えていた時、後ろから肩を叩かれる

振り向くと、そこにはウェーブのかかったミニボブ金髪に赤いリボン形のヘアバンドを着けている青いワンピースの女性

魔法使いであり、人形師であるアリス・マーガトロイドが立っていた

 

俺はその姿を見て、眉間に皺を寄せたまま

小さく言葉を漏らす

 

「うげ…」

 

恐らく、日陰であれば嫌そうな顔がみられたであろう、この時ばかりは太陽様様かもいれない

なんで嫌なのかって?

そりゃ俺の会いたくない(やべーやつ)トップ7のうち、6人目に入ってる人なんだもん

 

「『うげ』だなんて酷いじゃない、私と貴方の仲でしょ?」

 

「その仲とやらを踏まえて考えた結果、今は出会いたくなかったと結論が出ました」

 

「つれないわね、少し紫にお願いしたかったのだけど」

 

「ん?何か欲しいものでもあるの?」

 

紫へのお願いというのは大体が欲しいものがあるという意味なので、仕事モードに切り替えてその内容を聞く

 

「例の茶葉よ、少なくなってきたからまたお願いしようと思って」

 

「あぁ、わかりました。今はお金はありますか?なければ先にお願いしておきますが…」

 

「あら?葛籠のやり方は先払いじゃなかったかしら?」

 

「アリスさんはしっかりしてますので、次会う時や届けにきた時にきちんと用意してるでしょう?ですのでお願いを先に聞いておくことくらいならできますよ」

 

基本的に先払いシステムにしているが、一定の信頼を持っている相手には後払いに切り替えることもある

今のところ後払いOKにしているのはアリスの他に4人だけ

 

「貴方に会えばお願いするつもりだったから持ってるわよ、これで足りてる?」

 

アリスは紐を通した銭貨の束を差し出した

現代通貨と違うからこれも最初は戸惑ったよなぁ…

俺はアリスから銭貨を受け取り、黙って数えるふりをする

数えるふりをする理由は、どれくらいの値段で取引すればいいのかわかんないから

それに、紫さんからどれくらい貰えと言われていないから、これくらい貰えばええやろ程度の金額でお願いを聞いている

 

「……はい、丁度ですね。紫さんにお願いしておきますが、他にお願いしておきたいものはあります?」

 

「特にないわね、人形に使う素材もまだあるし…あっ、貴方にはお願いがあるわ」

 

「あ、それはお断りしておきますねー」

 

「まだ何も言ってないでしょ…」

 

言ってなくてもお願いしようとしてる内容がわかるから言ってるんだよナー

俺がアリスと出来れば会いたくない理由は、主にこのお願いが関係している

後はたまに背筋が冷える視線を送ってくるから…たまに捕食者の目になってるんだよね、この人

 

「どうせ俺の身体の1部をくれって言うんでしょ?」

 

「あら、話が早いわね。貴方の髪の毛が欲しくてね」

 

「やっぱり当たってた…だから聞きたくなかったんだよ…」

 

頭を抱えてその場にしゃがみ込む

そう、このアリス・マーガトロイドさんはお願いと称して俺の身体の1部をくれと言ってくるのだ

特殊な収集癖あるんだなぁ…と思っていたらどうやら人形を作るのに使うらしい

ちなみに、今までに髪の毛の他に体液、爪、剥けた皮や瘡蓋なんかを要求してきたこともある

要求理由も髪と同じく人形を作るため

…その作る人形ってさ、もしかしてだけど藁でできてない?

 

「ちゃんと思いを込めて作るからくれないかしら、ね?」

 

「ね?じゃないんですわ…」

 

そのそもその込められる思いって呪いが憎悪だろ…俺、アリスに恨まれることでもした記憶なんだけどなぁ

そんなこと考えいるとプツンと頭に小さな痛みが走った

痛いけどなん…さてはコイツやりやがったな!?

 

「お前っ…今勝手に取っただろ!?」

 

「私じゃないわ、上海が取ったから私の意思じゃないもの」

 

「ムシッテヤッタゼ」

 

毟ってやったぜじゃないのよ、毛根死滅しちゃうでしょうが…

上海人形は両手で持っていた俺の髪の毛をアリスへと手渡す

受け取ったアリスは「ありがとう」とお礼を言うと、小さな小瓶に髪の毛を詰めた

…今度、呪われてないか確認するためにお祓いにでも行こうかな

 

「はぁ、次からは勝手に毟るなよ…?」

 

「あら?ということは髪の毛をもらえるって認識でいいかしら?」

 

「んな訳…まぁ、散髪した髪ならいいよ」

 

「ふふ、ありがとう」

 

結局許して、1部をあげる俺にも問題あるんだろうなぁ

俺はため息を吐き、頭をかく

ここでさよならは少し寂しいよな…

気は進まんが、昼食に誘ってみるか

弁当は後で食べればいいしな、それより交流を大切にせな

 

「なぁアリス、昼は食べたか?」

 

「お昼?家に帰って食べるつもりだったけど」

 

「ならどっかで食わない?丁度今から昼にしようとしてたから」

 

「いいわよ、オススメの場所があるからそこで食べましょう」

 

アリスと少し歩いたところにある定食屋で一緒に食事した後、俺達は別れた

なおアリスと一緒に歩いていた所をゴシップ天狗に見られていたらしく、アリスと付き合っていると嘘記事をでっちあげられたので、捕縛して橙の餌になってもらった

おかしい奴を亡くしたよ…

 

その翌日、何事もなかったように飛び回っている姿を見て舌打ちしたことと、更にその翌日に、人里でアリスに出会った時に俺の髪を使った人形を作ったと聞かされて怖くなったのは別の話

 

ちな用途や目的は聞いていない、聞いたら取り返しのつかないことになりそうな予感がしたから





ということでアリスさんに登場していただきました

人形作って何してるんやろなぁ…

それにしても、自分でアリスをこんなキャラ崩壊させたけど……うん、やべーやつだな
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