いやだ!!俺はマヨヒガに引きこもるんだ!!!   作:ガチャ運を寄越せ陸八魔ァ!

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紅魔館回、その3です



1日に奥義を2つも使うとは

 

「あ゛ぁ゛…死ぬかと思ったべ、危ねぇ危ねぇ」

 

フラン達から迫られ解放された現在、俺は咲夜さんを探しながら館の中を徘徊している

ちなみにナニがとは言わんがまだ卒業してないからな、解放(脱出)だから

 

いやぁ…薬を盛られ過ぎた影響なのか最近は薬の効きが悪いし効果が弱まるのも早い

おかげでフランに襲われる前に上の服を犠牲になんとか逃げ出すことに成功した

そして現在、力があまり入らない身体を魔法により無理矢理動かして歩いている

一応、更衣室で新しい服を着ているので上裸で紅魔館を徘徊する変態はいない

 

紅茶をもう少し飲んで薬を排出しやすくした方が良かったかな…

魔法で無理矢理動かしてるからなのか、動きがぎこちないし

 

腕時計で時刻を確認すると、現在の時刻は11:54…そろそろ昼時である

となれば今咲夜さんは厨房にでもいるのかな?少し向かってみるか

俺は木偶人形を動かした時のようにぎこちない歩きで厨房へと向かった

 

 

 

 

 

 

「咲夜さん、フラン様の部屋の掃除終わりました」

 

「葛籠さん、ご苦労様で…どうしたんですか?なんだか動きがぎこちないような?それに、先程から指を忙しなく動かしてますが」

 

「あぁ、それは…」

 

俺はフランの部屋を掃除した後に起きた出来事を咲夜さんに全て話す

すると咲夜さんは俺を化け物を見るような目で見てくる

おいメイド長、なんでそんな「コイツマジか…」みたいな顔で俺を見る、その顔で見るのはお前の主とその妹だろ

 

「…なんでそんな強力な薬を飲んですぐに動けてるんですか…」

 

「だから魔法で無理矢理動いてるだけですが」

 

「少しでも動けていることがおかしいと言ってるんですよ…普通なら今頃、お嬢様方に美味しく頂かれているはずですよ」

 

「火事場の馬鹿力ってヤツじゃないんですか?それより、昼食の準備を手伝った方がいいです?」

 

「いえ、今の状態で仕事をさせるのは流石に出すので、暫くは休憩してもらって構いません」

 

「わかりました」

 

そんなこんなで咲夜さんから暫く休憩していいと言われた

休憩とは言っても何しようか…美鈴と一緒に門前で昼寝でもしようかな

いやでも美鈴にサボってる言い訳に使われたくねぇな…流石に言い訳に使ってくることはないだろうけど少し心配がなぁ

…屋上で昼寝してよ

 

休憩の潰し方を考えた俺は入ってきた時のようなぎこちない動きで厨房を後にし、屋上へと向かう

…あー、魔法色々と知りたいし、やっぱり図書館に向かお

 

歩いていた道を180度回転し、来た道を戻る

そして、暫く長い廊下を歩いて廊下の端にある少し大きめの扉を開ける

 

そこには、成人男性の3倍の高さはあると思われる本棚が二階の壁を覆い、一階にも図書館へ入る者を拒む壁のように並んでいる

 

ここが紅魔館の大図書館であり、とある魔法使いとその使い魔がいるのだが…

 

俺は図書館へ足を踏み入れ、奥へ少しずつ進んでいく

フラン達から逃げて暫く経ったのだが、未だに力は全く入らない…どんだけ強いんだよ今回の筋弛緩剤、夜這い用とか言ってたけど絶対手術とかに使うようなやつだろこれ

手術用がこれより強いというなら普通に恐ろしいよ、筋肉で動いてる内臓は機能が止まるんじゃねぇの

 

そんなことを考えていると後ろから優しく抱き締められ身動きが取れなくなる

そして、ふぅ…と優しく耳に息を吹きかけられ俺は背中にゾクゾクしたものが駆け巡る

 

…こんなことしてくる奴は、紅魔館だと一人しかいないんだよね

 

「…何してるんですか、小悪魔さん?」

 

「いつものように葛籠さんにスキンシップを取ってるだけですよ?少し興奮しました?」

 

「興奮は全くしてないですがドキドキはしてますよ、このまま絞め殺されないかって不安でのドキドキですが」

 

「ふふふ、そんなことする訳ないじゃないですか〜、私は葛籠さんの精気を吸い取るくらいしかしませんよ」

 

この大図書館にいる魔法使いの使い魔、通称小悪魔

コイツの主や咲夜さんからは確か「こあ」と呼ばれてるんだったか…いや、咲夜さんは普通に小悪魔だっけ?

とりあえず、コイツは何故か悪魔の癖にサキュバスみたいなことを俺にしてくる

今のように耳に息を吹き掛けたり身体を押し当ててきたり…1度だけ強引に混浴させられそうになったこともある

 

最近は悪魔なら悪魔らしく俺に契約でも持ち込んできて欲しいな…なんて俺は思っている

だって1度は体験してみたくない?悪魔との契約…俺だけ?

 

「そういえば先程から見ていて思ったんですけど、何だか動きがぎこちないですね?まるでネジ巻き人形みたいでしたけど」

 

「あぁ、それは…」

 

俺は咲夜さんと同じ説明を小悪魔にもする

すると小悪魔は咲夜さんと同じような信じられないものを見るような目で俺を見る

何故だ…何故貴様らは俺のそんな目で見るのだ!

元はと言えば貴様らが俺に薬を盛るかはこうなっただけだろうが!

 

「…なんでフラン様の拘束から逃げられてるんですか…」

 

「あ、驚くところそこなんスね」

 

「葛籠さんがよく一服盛られているのは知ってましたからね、いつか薬に耐性がつくだろうとは思ってましたよ」

 

「あぁ、なるほど…その化け物を見てる目の理由を勘違いしてました」

 

「まぁ確かに普通の人間なら耐性付いててもまだ動けないでしょうけど…私としてはフラン様の拘束から逃れていることに驚きなんですが」

 

「あぁ、それはこれを使ったからですね」

 

俺は能力でいつぞやの時に見せたモリヤステップの書かれた秘伝書を取り出す

そして秘伝書のページを捲り、あるページを開いて小悪魔に見せる

 

「この“外来人口伝奥義秘伝書其ノ三”の149ページに書いてある『ちくわ大明神』って技を使ったんですよ」

 

「ちく…え?うん?…はい?」

 

「わぁ、小悪魔さんが宇宙猫になってる」

 

宇宙猫になってる小悪魔さん珍し、ゴシップ天狗がここにいたら写真撮ってもらえたのになぁ…なんでこういう時はいねぇんだよあの鴉

 

ちなみにちくわ大明神の使い方は簡単で、敵が2人以上いる場合に使用可能

敵が会話している時にちくわ大明神と唱えることで、ありとあらゆる拘束から脱出し、5秒の間誰も使用者のことを認識できなくなる技である

5秒あればユカリ札で逃げ出すことなんて楽勝なんだよワトソン君

 

「えっと、よくわかりませんが何かすごい技を使ったことはわかりました…それで、ここに何か用でしょうか?」

 

「あぁ、実はまだ薬の効果が抜けてないので効果が切れるまで休憩してなさいと咲夜さんから言われまして…ですので、魔法の研究ついでにここで休憩しようかなと」

 

「なるほど…あれ、葛籠さんって魔法使えましたっけ?」

 

「最近使えるようになったんです、さっきからぎこちなく動いてるのも魔法で無理矢理動いているからです」

 

「なるほど…つまり、葛籠さんはまだまともに動けない訳ですね」

 

俺の言葉を聞いた小悪魔は、そう言いながら急に妖しい表情になる

…もしかしてヤバい状況パート2?

そんなことを思っているとガシリと俺の両腕を小悪魔が掴む

 

「それじゃあ、薬が抜けるまで私の部屋で休憩しましょうか♡」

 

「なんか吸血鬼姉妹と言い小悪魔さんと言い、今日は暑さで頭がやられてます?」

 

「それなら葛籠さんが身体の熱を冷ましてくだい♡」

 

ハッハッハ、大図書館に来るのは間違いだったかもしれんな…これなら普通に屋上にでも行けば良かったよ

小悪魔に無理矢理連れて行かれそうになり、俺はとある技を使用する

 

「『外来人撃退攻撃奥義:富竹フラッシュ』!」

 

「うっ!目がっ…目がぁ〜!」

 

「ハッハッハ、跪け!命乞いをしろ!」

 

某大佐のようなことを言いながら両手で目を抑える小悪魔を見る

今使用したのは“外来人口伝奥義秘伝書其ノ二”に書かれている目眩し攻撃『富竹フラッシュ』である

効果は至ってシンプル、一瞬だけ全身を太陽レベルのに発光させて相手の目を眩まし、この技を食らった相手は目眩しが効けば必ず両手で目を覆い某大佐のようなセリフをいいという効果がある

やれやれ…1日のうちに外来人口伝奥義を2つも使うとは思わなかったよ

 

「…やっきの眩しい光といい、うるさい声といい…何をしてるのかしら?」

 

図書館の奥から少しダウナー気味な声が聞こえる

そちらを目を向けると、そこには半目でパジャマのような姿をした「今から寝ます」、「さっきまで寝てたんですけど」と言っていそうな見た目をした女性がゆっくりと歩いていた

 

彼女はこの大図書館に住んでいる魔法使い、パチュリー・ノーレッジ

喘息持ちのコウマカンムラサキモヤシという種類の生物である

 

「パッチェ…パチュリー様、こんにちは」

 

「泥棒鼠と思ったのだけど、貴方だったのね…それで、この状況を説明してくれる?」

 

「わかりました」

 

俺はフランから逃げてここに来たことや小悪魔に襲われそうになったことの全てを話す

パッチェさんは俺の話に頭を抱えてため息を吐く

 

「はぁ…レミィや小悪魔が馬鹿やって申し訳ないわ、2人の代わりに私が謝るわ」

 

「いえ、被害を受けてないので謝罪は大丈夫です…代わりに、魔法を教えてもらってもいいですか?」

 

俺の言葉にパッチェさんは怪訝な顔をしながら首を傾げる

そして、気になっているであろうことを聞いてきた

 

「魔法?貴方、魔法なんて使えたかしら?」

 

「前まで使えなかったんですけど……これがあれば何故か使えるんですよ」

 

そういって首に掛けていたネックレスを見せる

 

ちなパッチェさんとは関係ない話だが、フランに襲われ上半身の服を破かれた時にフランがネックレスを見て石のように動かなくなった

レミリアもフランの様子を見て何事かと思って俺のネックレスを見て同じように固まっていた

ちなちくわ大明神はレミリアが喋った後すぐに言ったのでレミリアがネックレスを見たのも一瞬

 

しかしまぁ…今はできるだけあの2人には会いたくないねぇ、石のように固まってた時、2人の目がすっごい怖かったんだよな

今2人に会えば何が起きるか…考えたくないね、くわばらくわばら

 

「…マジックアイテムかしら?」

 

「正解です、本来は使用者の魔力を増強したり上手く扱えるようになる効果を持つ指輪らしいです」

 

「なるほどね…それにしても、レミィが見たら大変なことになりそうね」

 

「そうですね、一瞬だけですが目が怖かったです」

 

「…既に手遅れなのね」

 

パッチェさんはそういって、目に手を当てて天井を仰いだ

そして、可哀想なものを見る目で俺を見つめて口を開く

 

「今レミィに会えば、間違いなく殺されるか搾り取られるでしょうね…フランもレミィと同じ…いや、もしかしたらそれ以上に酷いかも知れないわね」

 

「うわぁ、あの時逃げて正解だったや」

 

「まぁ…それは置いといて魔法の件、いいわ。教えてあげる」

 

「ありがとうございます」

 

それにしても、あのままユカリ札使わずに逃げてたら俺バッドエンド直行してたのか…あっぶね

判断を間違えていたら今頃大変な目に遭っていたことを知り、正解の選択を引いて良かったと思いながら、俺はパッチェさんに魔法を教えてもらうのだった

 





ということで遂に紅魔館組が揃いました

紅魔館もあと1、2話で終わる予定です
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