いやだ!!俺はマヨヒガに引きこもるんだ!!! 作:ガチャ運を寄越せ陸八魔ァ!
みなさんお気に入り、感想ありがとうございます
小説を書くモチベとなっているのでとても嬉しいです
「こうして…こうやって…んん?できんなぁ」
「そうじゃないわよ、まずはこっちの水魔法を使ってから氷魔法を…」
パッチェさんとの勉強会を始めて早2時間が経過した
身体の調子は大分戻ってきており、早速教えてもらった魔法をパッチェさんに見てもらいながら試していた
今やっているのは水を操りそれを凍らせ、凍った水を砕き雹として相手を攻撃する魔法である氷魔法には氷の礫を放つものもあるが、こっちの方が相手の退路を塞ぎつつ全方位や奇襲攻撃として使えるとのことでパッチェさんから教わっている
仕組みとしては簡単なんだけど、これが意外と難しい…
例えるならあやとりをやったことがない人がいきなり東京タワーに挑むような感じ
水を出す魔法なら普通にできるが、その状態で氷魔法で水を凍らせることがすごく難しいのだ
な〇う系の主人公とかってたまに水を凍らせてたけど、アレって結構すごいことやったんやな…って
「水出してー、氷…あるうぇ?」
「水に素早い回転が掛かってるわよ、それじゃあ貴方は凍らせられないわ」
「ぬん…」
回転してても凍ってくれよぉ俺の氷…
あまりの難しさに鹿がいれば思わず目の前でダンスを踊っちまいそうだ…早苗から渡されたゼク〇ィ丸めて踊れば完璧だな(錯乱)
「パチュリー様、葛籠さん。お疲れ様です…こちら、宜しければどうぞ」
「あら、ありがとう」
「あぁ、ありがとうございます…それと、すみません。これを食べたらすぐ業務に戻ります」
魔法の練習をしていると、コツコツと足音を鳴らしながら咲夜さんがおやつとしてクッキーと紅茶を持ってきた
俺はそれが「いつまで休憩してるの?」と暗に言っているような気がしたのでテーブルに置かれたクッキーを2枚ほど一気に食べて仕事へ戻ろうとする
しかし、咲夜さんがそんな俺の肩に手を置いて椅子へ座らせる
そして、苦笑いをしながらこう告げる
「いえ、葛籠さんはもう少しここに避難していた方がよろしいかと…」
「避難?なんかヤバいこと起きてるんですか?」
「あぁ…レミィとフランね」
「はい、その通りです…」
俺は何のことか分からないが、パッチェさんはすぐにその意味を理解したらしい
レミリアとフランがどうし…あっ(察し)
指輪のことかぁ…アレ見て驚いてた顔が少しずつヤバい目つきになってたからなぁ
逃げ出す直前の2人の顔を思い出し、ブルリと身体が震える
「どうやら貴方も察したようね」
「そうですね…一応説明したいんですけど」
「…まぁ、聞く耳を持たないでしょうね」
「デスヨネー」
多分血眼で俺探してんだろうなぁ…見つかった瞬間頭がキュッとしてドカーンかな?絶対見つかりたくねぇや
パッチェさんと話していると、咲夜さんが苦笑いのまま口を開く
「その様子からして恐らくおわかりでしょうけど、お嬢様とフラン様がものすごい形相で葛籠さんを探しておりまして…一体何があったのか聞けば指輪がどうとか…」
「指輪は多分これですね、魔法が使えるようになるマジックアイテムなんです」
俺は服の中からネックレスで繋いでいる指輪を咲夜さんに見せる
その指輪を見て、「あぁ…なるほど」と呟き、俺に向かって
「やはりお嬢様達のところ行きましょうか」
「おい待てさっきと話が180度変わってるぞ」
「いや、その指輪明らかに結婚指輪じゃないですか。それはお嬢様方も怒るに決まってるじゃないですか」
「だから服の中に見えないように隠してるじゃないですか…元はと言えば上の服破ったフラン様が原因ですよ」
俺は呆れながらネックレスを服の中に仕舞う
元はといえばフランが俺の服を邪魔だからと破いたのが原因だ
あんにゃろ、何が「今からすることに服なんて必要ないよね」だ、完全に自滅じゃろうて
そんなことを考えているとパッチェが一息吐いて口を開く
「まぁ、暫く葛籠はここにいる方がいいでしょうね。幸いにも誰か入ってもこっちからはすぐわかるけどあっちからしたらここが見えないからでしょうし…その間にこっそり隠れることもできるわ」
「えぇ、それが葛籠さんが生き延びるための方法でしょう」
「あ、俺今脱出ホラーやってんだ」
逃げる相手はブルーベリー色の怪物や赤色の怪物じゃないけど…まぁ怪物であることには変わらんか、だって吸血鬼だし
ハロウィンの日になったら紅魔館を舞台にお化け屋敷でも作ってイベントでも開催してもらおうかな?
タイトルは吸血鬼〜紅い館からの脱出〜で
…うん、クソダサいからナシで
「というか、この状況なら葛籠は逃げてもいいんじゃない?こんな状態なら執事の仕事もまともに出来ないでしょうし」
「私もそう思っているんですが、本人は…」
「大丈夫でしょ、これくらいの状況ならヘーキっすよ」
「…こんな感じです」
「…仕事に忠実なのか、ただの阿呆なのか。どっちなのかしらね」
手で目を覆い隠し天を仰ぐパッチェさん…失敬な、これくらいの状態ならまだ仕事は続けられるでしょうが!
ただの仕事にステルス要素を組み込んだだけでしょ、ならいつもの通常業務だよ
学校で椅子に座ってたのに気付かれずギャルが膝に乗ってきたことのあるこの俺を舐めるなよ…影の薄さには自身があるんだ(迫真)
ちなギャルはとてもいい匂いでした、座られてる時俺のマグナムが軽く装填されかけたね(最低)
「まぁ、最悪怪我したら労災出るでしょうし」
「…労災が何のことかわからないけど、恐らくは労働中に怪我なんかをすれば何かある制度なんでしょうね…残念だけど、そんなの幻想郷にはないから期待しない方が良いわよ」
「うそん…」
紫さん、幻想郷の労働法が全然整備されてないじゃないですか!早く労基作ってくださいよ!じゃないと人里の人達がストライキしちゃいますよ!良いんですか!?
そんな時、大図書館の入口方面からバタンと扉が閉まる音が響く
俺達はその音を聞いて一斉に黙った
そして、パッチェさんが小声で話し始めた
「…恐らくレミィかフランが来たわ、葛籠は早く隠れなさい」
「でも隠れるってどこにです?」
「こあ、今の話ずっと聞いていたでしょう?彼を早く隠して」
「わ、わかりました!葛籠さん、こっちです」
いつの間にか後ろに立っていた小悪魔が俺の手を引き、とある本棚の後ろに連れてこられる
そこから更に進み、図書館の壁に当たる所にある本棚の一つを押すと本棚が回転して、本棚の後ろにあった隠し部屋が現れる
…ここって忍者屋敷だったの?
「とりあえずここに隠れていてください、お嬢様やフラン様がいなくなったら開けるので」
「わかりました」
俺は素直に従い、部屋へと入る
俺が入ったことを確認した小悪魔は本棚をゆっくり回転させて扉を閉じる
扉が閉じると鍵の役割をしていたであろう出っ張りが、本棚の裏に付いていた板に引っ掛かり、鍵が閉まる
ほえー、こういうカラクリで隠し部屋を作ってるのか…すげぇな
俺は適当に隠し部屋を見て回る
一応誰かが生活しているようで、ベッドや小さめのテーブル、ランタンなどが置いてある
この隠し部屋にも本棚があり、ビッシリと本があることから恐らくはパッチェさんが正解している部屋なのだろう
あの人どんだけ本の虫なんだ…図書館に部屋作るって相当じゃ?
そんな時、コツ…コツ…と咲夜さんとは違うゆっくりとした足音が近付いていることに気付いた
…唐突にホラゲー始まったな…なんか興奮してきた(錯乱)
一旦落ち着こう、こういう時は冷静さを失ってはいけないんだ
まずは取り出す円周率を数えて落ち着くこと…3.14の後の数字って何だ?
そんな意味不明なことを考えていると、今は出会いたくない人の声が聞こえる
「葛籠、どこかしら?怒っていないから出てきて頂戴?いるのはわかってるわよ」
節子、それ怒ってない人が言うセリフちゃう、怒ってる人が言うセリフや
内心でツッコミを入れるが少しずつこちらへと近付く足音に息を殺して気配を消す
そして、丁度この部屋の前でピタリと足音が止まる
「ここら辺が1番葛籠の匂いが強いわね、ここら辺に隠れてるんじゃないかしら?」
部屋の前でガタゴトと音が聞こえる、恐らくこの辺りを探しているんだろう…心臓にわっるいなぁこれ
あのメガネ掛けた主人公は何度もこれ経験してんの?心臓強すぎない?
俺はこれ、何度も経験したくねぇぞ
「レミィ、言ったでしょ。ここに彼はいないわよ、さっき図書館の掃除をしてどこかに行ったんだから」
息を潜めて隠れていると、レミリアに嘘を吐くパッチェさんの声が聞こえた
パッチェさん…嘘は良くないですぞ、親友を騙すのは重い病気くらいにしときなさい
…と、言いたいけど生憎今はその嘘で俺の生死が決まるからなぁ
とりあえず、後でパッチェさんにお礼を言っておかないとな
そう思いながら、レミリアとパッチェさんの会話をこっそり盗み聞きする
「おかしいわね、運命ではここで彼と会うはずなのに」
「彼との運命はレミィでも操れないし、何度も変わってるんでしょ?なら葛籠と会う運命も変わってるんじゃないかしら」
「…確かにそうかもしれないわね、本来の運命なら既に彼は吸血鬼として私の眷属になってたはずだもの」
「…もしかしてだけどレミィ、彼に貴方の血を飲ませたりした訳じゃないでしょうね」
「そのまさかよ、彼とお茶会をする時にいつもこっそり私の血を混ぜてるの」
えぇ…(困惑)
俺毎回レミリアの血液入り紅茶飲まされてたん?
怖ぇ…なんで俺吸血鬼になってないんだぁ、怖いよぉ!
おかしい、俺は普通の人間なはずなんだ…そのはずなんだぁ
「レミィ、もしその話を彼に聞かれてたら引かれるわよ?」
「別に良いわ、彼はその程度で私と距離を置くような人間じゃないもの」
WOW(ネイティブ)…すっごい自信
いやまぁその通りなんだけどさ…じゃなかったら今頃配達業やめてマヨヒガから追放されてるだろうし
でもねぇ、マヨヒガって結構住み心地良いんですよ…その生活を手放したくなくて気合いで仕事してたら勝手に身体が慣れちゃっただけなんです…実際は引きこもってみんなとの関係を遮断したいです
でもそれを紫さんが許してくれないだけなんです…
「でも彼、多分だけど苦手な人とはとことん関わろうとしないタイプよ?そんなとこ聞かれて苦手な人と思われたらどうするつもり?」
「そんなの簡単よ、私色に染め上げて私にべったりにするだけ」
うーん、これは妖怪
やっぱり妖怪って大体がこう、人間に対して非力か存在と思ってるんだろうな?霊夢とか魔理沙を見ればそうでもないって思うだろうに
俺?レミリアの言う通り非力な存在ですが何か?
「まぁ、ここにはいなさそうだから別の場所を探すわ…もしここに彼が来たらすぐに拘束して私に連絡してね」
レミリアが言うと、部屋の前から少しずつ足音が遠ざかって行く
そして、暫く時間が経つと引っ掛かっていた鍵が外れて扉が開く
扉を開けたのは小悪魔で、その隣にパッチェさんがいつもの眠そうな顔で立っている
「お嬢様がいなくなったのでもう大丈夫ですよ」
「はぁ…心臓に悪いわね、レミィが「ここに葛籠の匂いがするわね」と言ってこっちに真っ直ぐ探しに来てたから」
「うわぁ…犬みたいッスね、お嬢様」
レミリアが入れば警察犬もいらない…いや、レミリアの負担がデカくなるだけか
そんなことを考えていると、パッチェさんが眠そうながらも少し心配そうな表情で俺を声を掛ける
「…さっき、レミィとの会話を聞いてたでしょ。あの話を聞いて、貴方はどう思う?」
「どう…とは?」
「貴方を吸血鬼にしようとしてたことについてよ、レミィが貴方の許可もなく自分勝手に貴方を吸血鬼にしようとした…だから貴方にはレミィに対して怒る権利も、蔑む権利もあるわ」
「なるほど…」
つまり、パッチェさんは俺がレミリアに対して怒って罵倒を垂れても良いと言っている訳だ
そんなの、答えは決まってるな
「別に俺はどうでもいいですね」
「…は?」
「仮に妖怪になったのなら、なったでしょうがないことですからねぇ、過ぎたことを掘り返しても仕方ないでしょう」
「…貴方、正気?」
「えぇ、正気ですよ?単純に種族云々に興味ないだけです、妖怪でも死ぬ時は死ぬので、死ぬのが早いか遅いかしか違いはありませんよ」
そう、結局はそこである
俺からすれば妖怪も人間も結局死ぬんだから種族はどうでもいいと思う
妖怪は寿命での老衰や病死がない分、人間よりも死に難いが死ぬことがあるのは変わりない
それこそ、もこたんや輝夜のような不死なら俺は怒っていたかも知れない…けど、妖怪になっても死ねるなら俺は別に何とも思うことはない
死ぬことは生物として残酷な機能であり、最も美しい機能だと俺は思ってるから
そういった俺の考えをパッチェさんや小悪魔に話していると…
「流石私が惚れ込んだ男ね、ますます飲めり込んじゃうわ」
「「「ッ!?」」」
「だからこそ…どこの馬の骨とも知らない雌猫に貴方を奪われたことが腹が立って仕方ないわ」
いつの間にか、パッチェさんと小悪魔の後ろに
レミリアの瞳には光がなく、ただただ紅い瞳が俺を射抜いている
「レミィ…!?さっき部屋を出たのは確認したはず…!」
「あの後すぐに引き返したのよ、そしたら私の知らない隠し部屋に隠れててビックリしたわ」
レミリアはそう言うと、瞬きをした間に俺の目の前に現れ、俺の頬に手を添える
「さて、なんで私の許可がないのに雌猫と結婚したのか…教えてもらいましょうか?」
そして、光もない氷のような視線で俺を見下ろした
ヤンデレ…これで合ってますかね?
なんか唐突にヤンデレを書きたくなったので書いた、後悔はしていない