いやだ!!俺はマヨヒガに引きこもるんだ!!!   作:ガチャ運を寄越せ陸八魔ァ!

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嵐の前の当たり枠

 

「あ゙ァ゛…行きたくねぇよぉ…」

 

アリスから髪の毛を奪われてから数日が経った

今日も今日とて楽しく配達!…と、行きたかったのだが残念ながら本日の俺にそんな余裕はなさそうでござんす

 

何故そんなことを言うのか、それは今日の届け先を見れば明白である

 

まず人里、これはいつものことなのでキャラの濃い人に遭遇しなければ平和で終わる

 

では次、紅魔館

えー、ここには俺が会いたくない人が2人程います

なんなら片方の1人は会いたくない(やべーやつ)トップ7のうち、5人目の人です

人とも言えないけどね、種族人じゃないし

 

更に次、白玉楼

ここは2人だけだから比較的マシなんだけど…ここの主が…ね?ウン

……だってぇ!目が凄く怖いんだもん!…物理的食べようとしてるような獣の目ェしてるんだよあの人!時々舌なめずりしてるのも怖いんだよォ!

それに帰る時は帰る時で庭師に泣きつかれることもあったりするしさぁ!?

 

…ふぅ、落ち着こう

 

では最後、香霖堂

特に言うことなし、以上

 

まぁ、紅魔館と白玉楼が今日は配達である訳で…本当に行きたくない所存です

まぁいかないと家を追い出されそうなので行くしかないんですけどね、トホホ

やっぱ居候には人権なんてないんですかね…人間の三大権利は何処へ

 

心の中で愚痴っている間に人里へ到着、さっさと仕事して早く寝るとしよう…絶対に疲れるだろうから

俺は憂鬱な気分になりながら配達を始めるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら、葛籠じゃない」

 

「ん?…あぁ、華扇さん」

 

アリスのように後ろから声を掛けられ、振り向く

そこには頭にシニヨンキャップを着け、動きやすいチャイナ服ような服の女性…茨木華扇が立っていた

俺は華扇さんを見て安心する

 

華扇さんは俺の今まで出会った人でも当たりに入る人だ

だってこの人、キャラは立ってるけどそこまで濃くないから

一緒にいて心がこう、疲れないというか変に警戒しなくていいから本当に当たりである

 

華扇が包帯でぐるぐる巻きになっている右腕を少し挙げて挨拶しながらこちらへ歩いてくる

 

「貴方はいつもの配達?」

 

「そうですね、華扇さんは団子を?」

 

「そうね、人里のお団子はいくら食べても飽きないわ」

 

華扇さんは大の甘党だ

多分甘い物で大食い選手権をすれば冥界に住むピンクの悪魔といい勝負をするんじゃないだろうか

だって少し前に冷凍保存できるなら1ヶ月は3食後にデザートつけても問題ない量の甘い物送ったのに、その2日後に食べ終えた感想を伝えてきたんだぜ?恐ろしいだろ

 

まぁ、すんごい可愛らしい笑顔だったから俺も何とも思ってないけどさ…あれを繰り返してたら糖尿なるて

 

「あ、そうだ。貴方にお願いがあるんだけどいい?」

 

「内容によりますけど、何ですか?」

 

内容を聞こうとすると、華扇さんは身体をモジモジとさせる

なんだこの人、可愛いな

そして、周りをキョロキョロ見ると、俺に更に近付いて耳打ちしてくる

アッ良い匂い…俺の理性というバリアが剥がされる!

 

「その…また甘い物作って欲しいんだけど、だめ?」

 

アッアッアッ、耳元で囁かれると私のマグナムに大変よろしくないです

俺の苗木が御神木になっちまうよ!(最低)

 

俺は砂粒程度に残った理性で正気に戻り、ポケットからスケジュール帳を取り出して仕事モードに切り替える

仕事モードがあって助かったぜ、じゃなきゃあのゴシップ天狗の恰好のネタになるところだったよ

 

「わかりました、いつ頃がいいとかありますか?」

 

「そうね…大丈夫なら2週間後がいいわ」

 

スケジュール帳で、今日から2週間後のスケジュールを確認する

紫さんが予定している例の品物の仕入れはその2日後だし、問題なさそうかな

ちなみに、例の品物は引きこもりたいとお願いした日に伝えた要望の品のことである

 

「特に予定は入っていないので、配達が終わり次第向かいますね」

 

「ありがとう、貴方作った甘味はとても美味しいから、凄く恋しいのよね」

 

無邪気な笑みを浮かべて喜ぶ華扇さん

なんだ、ただの可愛い女の子か…配達先の人達と全然違うぜ

特に地霊殿の主、君だけは未だに理解ができない

本人の尊厳のため、今は言わないが…仕事をしているといずれ判明するだろう

嫌だァ…地霊殿行きたかねぇよぉ…

 

「一応、菓子作りは『依頼』という形になりますがよろしいですか?」

 

「ええ、大丈夫よ」

 

俺は配達を主な仕事としているが、少し前から色んな人にお願いをされるようになった

最初はお願いも簡単な手伝いや料理の感想といった物だっんだけど、信頼や交友関係が深まるにつれて、1日執事をしてくれ、家のことや要らないゴミの掃除をしてくれと仕事のようなものまで頻繁にお願いされるようになった

だから俺はお願いを『依頼』として受けることで小遣いを稼ぎとお願いを両立させた

要は副業で何でも屋をしているのだ

 

甘い物を作って欲しいというお願いは普通なら依頼として受けるほどじゃないが、華扇さんは別だ

だって毎回大量に作らないといけないから…菓子作りはただじゃないんですよ華扇さん

材料費は俺のポケットマネーから出しているので、少しでも利益を回収しないとなんですわ…

 

「では2週間後の配達が全て完了次第、屋敷へとお邪魔させていただきますね」

 

「ええ、その時は歓迎するわ…と、そういえば依頼するならお金が必要ね、これで足りてる?」

 

腰に着けていた巾着の中から銭束を2つ程取り、差し出してきた

華扇さんは足りてるか聞いてるが、俺は現代でどれくらいの価値となるのか知らないため適当に受け取る

承諾するけど、価値を知らないから出された金額受け取るけど、騙してるとの嘘判定にはならないよね?

 

「大丈夫ですよ、他に何か依頼したいものはあります?」

 

「特にないわね」

 

「わかりました」

 

「そういえばこんなに長話してるけど、ちゃんと配達はしてる?人を待たせたりしてないの?」

 

「人里での配達は全て終わってて、今は身体を休めるために少し休憩する場所を探してたんです」

 

「そうなのね…なら、一緒にお団子を食べに行かない?」

 

「いいんですか?」

 

「他の人と一緒に食べる方がお団子も美味しく感じるものよ?お金なら私が奢るから心配しないでいいわよ?それで、どう?食べに行く?」

 

「そういうことなら、よろしければ是非」

 

「決まりね、行きましょ?」

 

あ、ありがてぇ…やっぱ華扇さんは当たり枠だよ

見返りで魔法薬を飲ませてきたり、求婚してくるどっかのばなな魔法使いさんと緑髪の巫女さんは華扇さんを見習って欲しいよ全く

俺は華扇さんの提案にありがたく乗り、一緒に歩く…なんか前にもあったな似た光景、それも最近で

俺はふと空を見上げる

 

…ゴシップ天狗はいないな、ヨシッ!(現場猫)

まぁまたゴシップ記事書こうものなら今度はピンクの悪魔の夕飯に並べるつもりだけど

命拾いして良かったね、文

 

「?急に空を見上げてどうしたの?」

 

「嘘吐き烏がいないか確認しただけです、行きましょうか」

 

そう言って再び俺達は歩き出す

…いやぁ、のんびりできるのはいいなぁ

この後2箇所ほど行きたかない場所に行くんだけど

まぁ、それまでの平和として堪能しておこう…

 

「あ、宅配の兄ちゃんじゃねぇか!おーい!」

 

「ん?あぁ、茶太郎さん」

 

華扇さんと話していると、大きな声で呼ばれる

そちらを向いてみると、よく配達の時に話している八百屋のおじさんがこちらに手を振っていた

俺は華扇さんに一言断りを入れてから茶太郎さんの元へ歩く

 

「こんにちは、どうかしたんですか?」

 

「いやよ、いつものように奇抜な服着てるお前さんが見えたから声を掛けただけだ」

 

茶太郎さんが言うように、俺は人里では浮いた格好をしている

なんせ現代の服着てるからね、和服よりもこっちの方が俺は慣れてるんだ

ちなみに入手方法は紫さんに外から購入してもらってる、勿論俺のポケットマネーでよ?

 

俺の服事情を語っていると、現実では茶太郎さんがニヤニヤとしながら小声で話てきた

 

「それでよ、隣の別嬪さんはどうしたんだ?兄ちゃんの恋人か?」

 

「仲の良い知り合いですよ、恋人だと嬉しいですけどね」

 

「へぇ…?」

 

この人、揶揄ってきてるなぁ…

だって見る目が完全に好きな子ができた息子を揶揄う父のそれだもん

俺はそんな茶太郎さんの目を無視して、口を開く

 

「何を思っているのか知らないですけど、何か他に用があるんじゃないですか?」

 

茶太郎さんは俺を呼んで引き止める時、大体何か用がある時だ

何かしらの食べ物をくれたり、暑い日には体調を心配して水筒をくれたりする

 

「あぁ、そうだったな…ほら、家で採れたからこれをやろうと思ってな」

 

渡された袋の中には緑色の細いレモンのような果物とそれの葉がいくつか入っていた

鼻を近付けて嗅いでみると、少し甘いような匂いを感じた

 

「これはマタタビですか?」

 

「そうだ、前に家で猫を飼っていること言ってただろ?だから収穫できそうなら前々から渡そうと思っててな」

 

「でも果実の収穫は少し早いような…」

 

「そこは…あの偶にくる花の妖怪にお願いしてな?」

 

「茶太郎さん、貴方結構命知らずですね…」

 

あの人にお願いて…茶太郎さんは死に急いでるのだろうか

俺は茶太郎さんが少し心配になりながらもマタタビを貰い、少し会話をして華扇さんの所へ戻った

 

「お待たせしました、少し話が盛り上がっちゃって…」

 

「いいわよ、それより何話してたのか聞いてもいいかしら?」

 

「華扇が可愛いから恋人かと聞かれました」

 

「かわっ…!?私を揶揄ってるの!?」

 

「揶揄ってないですよー、華扇さんは本当に可愛いですし、(幻想郷(ここ)で会った人達の中で考えると)近くにいると落ち着けますから」

 

「そ、それって…!」

 

顔を紅くして、両手を頬に染めている

しかし、少ししてから華扇さんが「い、行きましょ…」と突然俺の手を引っ張って歩き始めた

それから華扇さんは甘味処に着くまで、俯いて黙ったままだった

団子を食べてる時も、いつもなら「これ美味しい!」「もっと頼もうかしら」なんて言っているのに、今日は俯いたまま黙って食べていたし、なんならおかわりをしなかった

途中お茶を噴き出して咳き込んでたし、実は体調でも悪かったのかもしれない

 

団子を食べ終えた後、華扇さんの体調を心配しながらも配達のために人里で別れた

それにしても、仙人でも体調って崩すんだな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…あ、あの発言って、私のこと…好き、ってこと…よね?別れる時の『貴方が心配』って言葉も…その、そういうこと…よね?」

 

その日、人里では説教くさいことで知られている少女が、恋する少女の顔で道の端をコソコソと歩いている姿が確認されたという





華扇さんは恋愛だと絶対にウブだと俺は思うんだ(曇りなき眼)
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