いやだ!!俺はマヨヒガに引きこもるんだ!!! 作:ガチャ運を寄越せ陸八魔ァ!
400件数突破記念話です
今回、オリキャラが登場します…どうかみなさんの寛大な心で許して…!
「…ん?雨か…?」
今日の配達が終わり、山の中を歩いているとポツリと顔に1滴の水が顔に落ちる
それを皮切りに少しずつ水滴がポツポツと降ってきて、ザーザーと音を鳴らしながら雨が降る
空を見上げると、そこには雲のすくない綺麗な晴れ空
「狐雨か…珍し」
そんな感想を声に出しながら小走りでどこか雨宿り出来そうな木を探す
そんな時、視界に小さな宿が目に入る
「あそこなら雨宿りできるか?とりあえず行くか」
スピードを上げて小屋の前まで走る
小屋に辿り着くと、戸をノックして誰か中にいるか確認する
しかし、何も反応がないため試しに戸が開くか確認すると、すんなりと横にスライドして戸が開く
「誰もいない…というか生活してなさそうだな」
中は囲炉裏と囲炉裏鍋、それと夜の明るさを保つための蝋燭が置いてある以外は何もなく、誰かが生活しているような気配はなかった
「さながら遭難した人やここで身体を休めるための建物かな…それなら有難く使わせてもらおう」
囲炉裏に火を着け、雨に濡れたことで少し冷えた身体を温める
だが幸いにも服はあまり濡れておらず、着替える必要もなさそうで助かった
「おぉ〜…あったけぇ…」
手のひらを炎へ翳し、暖を取っていると、小屋の戸がコンコンと叩かれる
他にも急な雨で雨宿りする場所を探してる人かな…なら早く暖を取らせないと
「はい、どちら様ですか?」
「あっ、すみません。急な雨で凌ぐ場所を探してるんですけど…」
「あぁ、それならここを使うといいですよ。俺もこの山を歩いていると急に雨が降ってきたのでここで雨宿りしてたんです」
「お1人のようですが…私が入っても大丈夫ですか?」
「えぇ、構いません」
戸を開くとそこには雨で全身を濡らした綺麗な女性が立っていた
女性は白い旅装束を来ており、恐らく散歩でもしていたのだろう
俺は女性が風邪を引かないよう、とりあえず小屋の中へと入れる
…しかし、女性1人で人里の外を散歩か…何かしらの能力でも持ってるのかな?
まぁ、そんなことよりこの女性を暖める方が先か
「とりあえず、これを渡すので全身を拭いて、囲炉裏の火で温まってください」
「ありがとうございます」
俺は清潔なタオルを渡すと囲炉裏の方へ歩き女性に背を向けて再び暖を取る
紳士である俺はちゃんとその辺り弁えているのさ…いつもは相手から見せてくるだけでな!
なんで見せつけてくるんだろうね、レミリアとさとりなんてヤバいからね?
なんせほぼ丸見えのえぐい下着とか「どう?似合ってる?」って感想求めてくるし
というかさとりに至っては全裸で「綺麗でしょう?」って見せつけてくるからな…流石だよさとり、お前がナンバーワンだ
…やっぱり姉妹の姉ってやべーのしかいないんか?俺のしってる姉妹でそこまでヤバくないのは秋姉妹だけだゾ
依神姉妹?紫苑は……うん、マトモダヨ()
そんなことを考えていると、女性から声を掛けれる
「すみません、何か着るものはないですか…?雨で着替えが全て濡れてしまっていて…」
「あぁ、着替えですね…これでいいならどうぞ」
俺は和服を取り出して、後ろに差し出す
この和服は俺が幻想郷に来て数日の頃に、紫さんがくれたものだ
今でこそ普通に着ている現代の服だが、最初は人里でも馴染めるためにと最初和服を渡されていた
まぁ、その後色々あってマヨヒガで居候することになったんだよなぁ…いやぁ懐かしい
…というかそろそろ受け取ってくれませんかねぇ?ずっと後ろに手を伸ばしているのに一向に受け取られないんだけど
「…あの、受け取ってもらえませんか?」
「すみません、こちらに来て渡してくださると嬉しいのですが…」
俺の言葉に女性はそんな事を言ってきた
…何故?もしかしてこの女性妖怪なんか?
いや、だとしたら俺が背を向けてる隙に襲うな…ほなただの変な人か
俺は仕方なく振り向き、女性を見て…身体が固まった
雨で濡れたからなのか、黒く長い髪は雨に濡れたからなのか肌にピッタリとくっつき、着替えるためにさらけ出した白い肌はてらてらと艶を出している
その姿は艶美であり、目が思わず釘付けになる
まぁなんだ…一言で言うなら、女性の姿に見蕩れていた
女性は俺と目が合うと少し頬を紅くして身体を少し隠すと、クスクスと笑う
「ふふ、意外とやらしい方なんですね」
「ッ、すみません。これどうぞ」
「ありがとうございます」
俺は女性の声で我に返り、女性の元へと近寄り服を渡すと再び女性に背を向けて囲炉裏の前に座る
いやぁ、びっくりした…1度だけ事故で紫さんの全裸を見たことあるけど、その時と同じくらいには衝撃的で刺激的だったね
見蕩れることなんて紫さんの全裸を見て、もう見蕩れることはないと思ってたけど…世界って広いんだな
というか後ろで着替える音が聞こえてめっちゃドキドキするんだけど…なんで?
おかしい…普段の俺ならこの程度じゃドキドキしないはず…一体何故…もしやこの女性、妖怪!?
いや、なら今背を向けてるしこの間に襲うからそりゃないか…ほなただの変な人か(2回目)
やがて着替え終えた女性はこちらへとやってくると、俺の隣に座る
…what?
「あの、何故俺の隣に…?」
「ふふ、別に良いではありませんか」
「うぅ〜ん…いい、のか…?」
「ええ、良いのです」
「ほなええか…(脳死)」
俺は女性に言いくるめられ、隣に座われることになった…なんでさ
確かにさ、俺の隣に座るのは別に良いことだと思う…けどね、俺ね、さっき貴方の身体を見たせいで変にドキドキするんですよ…それり、なんか体型が割と俺のタイプに近いんだよね…細いけど肉付きはちゃんとよくて健康的というか…モデル体型ではないんだけど、モデルとはちがう美しさがあるという体型というか…
まぁ、そんな感じだから距離が近いとドキドキするのよね…なので俺から離れてクレメンス
そんなことを考えていると、小屋に「きゅぅ…」と音が響く
俺が鳴らした音ではないし明らかに小屋が軋む音ではない…と、なると
俺は女性の方を向くと、女性は少し顔を伏せて頬を紅く染めていた
なんだその顔、あざといな
「その…すみません、腹の虫が鳴ってしまったようで」
「食べ物あります?」
「その、持ってきたものは雨に濡れたせいでダメになってしまっていて…」
そういって俺の反対から姿を現したのは、上手く包めてなかったせいで雨に濡れたのか、ぼろぼろに形の崩れたおにぎりだった
…この様子じゃ茶碗ないだろうし、俺の食べ物でも分けるとするか
俺も少し腹減ってきたしな
俺は皿を取り出すとその上におにぎりと団子、どら焼きを出して女性の前に置く
「これ、良かったらどうぞ…俺も腹が減ったので飯にしましょうか…汁物がないのが残念ですが」
汁物があればなぁ…身体を温めるられるってのに
あ、そういや囲炉裏鍋あるやん…鍋作れるわ
俺は立ち上がると、囲炉裏鍋を持ってき小屋の隅にある料理のできそうな所へ向かう
そして、できそうな場所へ着くと、まな板を置いて野菜を取り出して適当にカットしていく
助かったぜ、茶太郎さん…貴方のおかげでなんとか味噌汁が作れそうだ
八百屋のあまりものをくれた茶太郎さんへ感謝をしつつ、味噌汁の用意を怠らない
カット色々な野菜を入れ、ペットボトルの水のドバドバと注いでいく
ある程度形になったら鍋を囲炉裏へと掛け、火を通す
「野菜が煮えるまではとりあえず待って、その後味噌汁を入れて、弱火で少し煮たら完成です…それまでは火で温まってましょう」
「こんな見ず知らずの女にここまで…本当にありがとうございます」
「いえ、お気になさらないでいいので頭を上げてください。こういう時はお互い様ですので」
女性はぺこりと頭を下げたが、俺は頭を上げるように言う
すると「わかりました」と言って素直を頭を上げてくれた
暫く沈黙が流れたが、女性が突然口を開く
「…その、もしよろしければ貴方のことを教えてもらってもよろしいでしょうか?」
「…まぁ、それなら。代わりにそちらのことも教えてもらっても?」
「えぇ、勿論です」
そうして、味噌汁が出来るまで俺は女性…お雪さんと自己紹介や色々な世間話などをして会話を楽しんだ
お雪さんは仲良くなると色々な表情を見せてくれて、見ていて飽きなかった
そして、味噌汁が出来て2人で完食した後…外の天気は相変わらず…というより、少し強く降っていたのでお雪さんと再び雑談をしていたのだが…
「ふぁっ………すみません、少し眠気が…」
「ふふ、あれだけ食べたのなら眠くなるのも仕方ないですよ。それに、今は恐らくお昼寝の時間ですから」
「俺は子供じゃないんですけどね…」
話している途中、突然眠気がやってきて、思わず欠伸をする
お雪さんは俺の欠伸をみてクスクスと笑い、そんなことを言ってきた
俺はそろそろ酒が飲める年齢だから子供ではない…はず
そう考えていても眠気はどんどん強くなってくる
「話していたのにすみません、少し昼寝させてもらいますね」
「わかりました、しっかりお休みください………………寝ている間、好きにさせてもらいますので」
お雪さんが何か言っていたようだが、眠気が限界だった俺は後半の言葉が聞こえないまま瞼を閉じた
「……………葛籠さん、起きていますか?」
狐雨の夕立が降る中、小さな小屋では1人の青年と1人の女性が囲炉裏の近くで休んでいた
その内の女性が、横になっている青年へ声を掛ける…しかし、青年は返事をせずすぅすぅと静かな寝息を立てている
女性は寝息を確認すると、妖しい目で青年を見ながら舌なめずりをする
チロリの一瞬だけ、健康的な赤い舌覗かせたその舌なめずりは、人里の男共がみればゴクリと唾を飲み込む程に妖艶であった
そして、ゆっくりと青年へ近付くと、女性は青年の頭を自身の膝の上に乗せて真上から青年の顔を覗く
「ふふ、フフフ…いけませんよ葛籠さん、妖怪の中には人を騙す悪ぅ〜い妖怪もいるんですから…そんな無防備な姿を晒していたら、パクッと食べられちゃいますよ?」
女性の姿は少しずつ変化していく
黒く艶のあった髪は初雪のように美しい白銀色へと変わり、頭からはピョコンと髪と同じ色の動物の耳が現れ、後ろからは2本のふんわりとした白い尻尾が生える
女性は未だに寝息を立てて寝ている青年の頬を愛おしそうに撫でながら口を開く
「私みたいな、貴方に助けられた妖狐なら特に」
女性…妖狐は目を瞑ると、少し前の話を始めた
「貴方は覚えていないかもですけど、私は貴方に助けられて本当に感謝してるんですよ?妖狐に成り立てで他の妖怪に虐められて傷だらけになった私を完治するまで助けてくださったこと…まぁ、あの時は妖力も何もかもが貧弱すぎて狐の姿でしたけど」
妖狐はどうせと言って言葉を続ける
「貴方にとっては珍しい白狐だったから助けたのかも知れません…だけども、そのおかげで今の私はいるんです。貴方に助けられたから私はここに存在するんです…貴方のために
妖狐が青年に助けられてからまだ1年も経っておらず、妖狐が尻尾を一つ増やすのには十数年から百数年掛かると言われている
それを聞けば、この妖狐がどれだけ努力したのかもわかるだろう
そして、だからと言って妖狐は更に言葉を続ける
「ご褒美くらい、もらってもいいですよね?」
そうして、青年の顔との距離が縮まり…
「そこまでだ」
「ッ!?なっ!」
妖狐は突然、誰かの声が聞こえたので急いで顔を上げる
するとそこには、自身を鋭い目付きで睨む九つの尾を持つ妖狐…九尾の姿があった
妖狐は、蛇に睨まれた蛙のように動けなくなる
そして九尾は怒りを含ませた声で妖狐に語り掛ける
「その男は私の獲物だ、もしや二尾程度の貴様が私の獲物を横取りするつもりじゃないだろうな?」
「ひっ…あっ…」
九尾の言葉に何か返そうと口を開く
しかし、そのあまりの威圧感に妖狐はまともに喋ることが出来ない
九尾は変わらず、言葉を続ける
「今ここから去るのであれば許してやる…もし、ここに残るようであれば…わかるな?」
「あっ…はっ……う゛ぅ゛!」
妖狐は愛おしい青年が怪我をしないように優しく頭を床へ下ろすと、急いで小屋の外へと駆け出した
外はもう雨が降っていないはずなのに、妖狐の走った後にはポツリポツリと小さな雨粒がいくつか落ちていた
「…んぁっ………今何時だ?」
おはよう世界…とても気持ちの良い夢を見てました
どんな夢だったのかって?健全な男子学生の夢と言えば伝わるかい?
「ようやく起きたな…全く、私の弟としては少し無防備過ぎだ」
「藍姉?お雪さんは?」
何故か起きたらお雪さんが藍姉になっていた件…イリュージョンでも起きた?それともドッキリ?
藍姉にお雪さんについて聞くと、少し呆れた顔をしながら喋る
「あれは私が化けた姿だ、多少鍛えたから私が化けてもバレると思っていたんだがな…弟だからと少し甘やかし過ぎていたのかもしれんな」
「あ、マジで?普通に別人だと思ってた…」
というか藍姉ってあんな綺麗な身体してんだな…化けたら体型も変わるとか変化ってスゲー!
「とりあえず、そろそろ日も暮れるから今日は帰るぞ…修行は明日の朝にでもしようか」
「うへぇ…ねぇね、優しくして?」
「う゛っ!…………し、仕方ないなぁ、今回だけだぞ?」
「わーい、ありがとうねぇね」
この人チョロすぎない?流石に少し心配になるな
「…あ、そういえば今日はねぇねの好きないなり寿司あるよ」
「本当か!それは楽しみだなぁ」
俺は嬉しそうに九本の尻尾をブンブンの振りながら歩く藍姉と雨で少しぬかるんだ道を並んで歩きながら帰るのだった
なんだか小傘回を書いてる時からラブコメみたいなの書きたくなったんです…ですので、オリキャラをヒロインにしてちょっとしたラブコメ回にした…と、思います
このオリキャラに関しては皆さんが許してくださるのであればもしかしたらいつか再登場する…かも?