いやだ!!俺はマヨヒガに引きこもるんだ!!!   作:ガチャ運を寄越せ陸八魔ァ!

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UAがいつの間にか1200超えていました、ありがとうございます

感想、お気に入り本当にありがとうございます


捕食者の亡霊、豹変する庭師

 

「ということで白玉楼…なんで土下座してるんですか妖夢さん」

 

ニコニコ咲夜さんとドSお姫様(フラン)から逃げるようにスキマへと入り、やってきた次の配達先である白玉楼

俺はスキマを出た瞬間、最初に目に入った人物の行動に思わず敬語で質問をした

 

だってさ、『長い階段を登るぞー!』って気合い入れてスキマから出ると、刀を傍に置いたまま土下座してる人が目の前にいるんだよ?

そりゃ何してんの?って聞いちゃうでしょ

 

「葛籠さんこんにちは、お迎えにあがりました」

 

「あ、そのまま喋るんですね…えっと、とりあえず行きません?」

 

「わかりました、では案内します」

 

土下座したまま喋っていた妖夢も、俺が白玉楼へ行く旨の提案をすると漸く顔を上げて刀を腰に差し、長い階段へ向かって歩いていく

俺は妖夢の後ろをついて行きながら妖夢の様子について考えていた

 

俺がいない間に幽々子さんの料理作りすぎて壊れたんかな…河童達に修理出せば治る?いや、行くなら機械じゃないし永遠亭か

そう言えば優曇華と仲良かったよな…前の宴会の時酔って互いに上司の愚痴を言い合って仲良くなってたし

今度優曇華に妖夢について話しておくか、ついでにうさぎ鍋の材料持ってこ(鬼畜)

 

しかし、気になったことは何でも知りたくなるのが俺の性…妖夢に聞いてみよう

俺は敬語からいつもの言葉遣いに戻し、妖夢に何をしていたのか聞く

 

「なぁ妖夢、さっきは何で土下座してたんだ?見た感じ俺が来る前から土下座してただろ」

 

「そうですね………実は幽々子様を怒らせてしまい、葛籠さんが来るまであのように待機しろと言われまして…」

 

「えぇ…(困惑)いつからあの体勢で待ってたの?」

 

「大体今朝の6時程からです、幽々子様から動くなとも言われていたので頑張って耐えてました…」

 

あはは…と、横で苦笑いをしている妖夢に俺は軽く引いていた

今の時刻はおよそ午後の2時…つまり、約8時間はあのまま待機していたのである

紅魔館の門番であれば爆睡をかましているであろう時間、妖夢は微動だにせず俺が来るまで土下座していたのだ

そんだけ土下座してたら足痺れるし普通耐えられんだろ…何この子、怖ぁ…

そんで何したらそこまでブチ切れるんだよ幽々子さん…幽々子さんが大切に残してたおかずでも食われたんか?

それはありえん話…いや、幽々子さんならありえそうだな

あの人宴会の時すげえ食い意地張ってたし、『私の近くにあるものに手出したら許さないから』とか言ってたもんなぁ…

 

白玉楼へ続くクソ長階段を妖夢と談笑しながら登っていく

うん…やっぱり帰る時以外は普通にいい子なんだよな、帰る時以下は

帰る時はおかしくなるの本当にやめてほしいなぁ…え、無理?そっかぁ(諦め)

 

「相変わらずデカいなぁ…」

 

階段を登り終えると、門の奥に見事なくらい大きな屋敷が現れる

これが白玉楼であり、妖夢とその主である西行寺幽々子が住んでいる場所である

 

「あら、おかえりなさい妖夢。そして葛籠、ようこそ」

 

「ッ…どうも、幽々子さん」

 

玄関にある薬医門を超えた瞬間、真横から柔らかく落ち着いた声で声を掛けられた

ビクリと肩を跳ねさせ、声のした方を向くと扇子で口元を隠した上品な笑い方をしているピンク髪で和服の女性が立っていた

彼女がこの白玉楼の主である西行寺幽々子、そして俺をいつも捕食者の目で見ている人である

今も笑っている目はほんの少しだけ開いており、そこからジットリとした視線が突き刺さってる

 

助けて妖夢さん!俺この人に喰われる!某ピンクの悪魔みたいに吸い込んで取り込まれちゃう!

 

「妖夢、葛籠の案内は私がするからアナタは葛籠にお茶を出しなさい」

 

「わかりました」

 

「あの、この後にまだ配達あるんですけど…」

 

配達先は香霖堂だから別に無視してもいいけど、ここに長居はね?

 

「少しここで休んでも罰は当たらないわよ、ということで少しゆっくりしなさいな」

 

終わった…少しの間白玉楼に休むことが確定してしまったぜ…

幽々子さん、紫さんの友人だから強く出れないんだよぉ…

紫さんにあることないこと言われたら怒られるの俺だし…

 

そんなこと考えているうちに妖夢は屋敷へと戻り、俺に茶を出す準備をしに行った

待って妖夢ちゃん!行かないで!俺を1人にしないでぇ!飢えたピンクの悪魔と一緒にしないでよぉ!

心の中でス〇キように両膝で跪いていると、ぽんと俺の肩に手を置かれる

 

「それじゃあ、案内するわ」

 

「はい…」

 

俺は大人しく幽々子さんの後をついて行くのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとう、助かったわ」

 

「いえ、これが仕事なので」

 

屋敷の少し離れた場所にある倉に荷物を全て収納すると、幽々子さんから感謝の言葉を伝えられる

ちなみに荷物はほぼ全て食べ物…当たり前だよなぁ?

あとは薪や掃除道具が少し

 

それにしても怖かったぁ…幽々子さんずっと倉の入口に立ってるから、倉の扉を閉めて襲ってこないかビクビクしながら荷物収納してたもん

背後からずっとジットリした視線を向けられると本当に生きた心地がしない…本人が死を操る能力だから尚更ね

というか途中、ヨダレを啜る音聞こえた時は『あぁ、俺死んだ』と思ったね

振り向いたら『何かしら?』と言って笑顔で笑ってる幽々子さんが怖かった…あれ振り向いてなかったら丸呑みされてたんかな

…考えないようにしよう

 

「幽々子様、葛籠さん。お茶の準備ができました」

 

「あら、ご苦労様…それじゃあ葛籠、行きましょうか」

 

「わかりました」

 

嫌です、帰ります

なんて言えたならどれだけ良かったことか…

妖夢と幽々子さんの後をついて行きながら自分の立場の弱さに項垂れる

少し歩いたところで、屋敷の庭が見える縁側に着いた

幽々子さんは何も言わずに腰を下ろし、俺に隣に座るようにぽんぽんと床を叩く

断ることのできない俺は、しぶしぶ幽々子さんの隣に腰を下ろした

妖夢はお茶を持ってくると言って、再びどこかへ消えた

 

…逃げられないなら談笑するか、黙っているよりは格段にいいだろうし

 

「…妖夢は毎日この庭の手入れをしているんですよね」

 

「そうね、とても綺麗でしょう」

 

「はい、とても」

 

庭には思わずほぅ…と息が漏れるような見事な枯山水がひろがっている

枯山水というのは、非常に難しい芸術であると思っている

石や砂利などを使い、見たものが山や川など色々なものを想像できるように作る庭園芸術であり、作り手の技術が求められる

それを広い庭に1人で枯山水を作る…これがどれほどの技術力が求められるのか、正直俺ではわからない

わからないが、とんでもないくらいに凄いというのはわかる

 

暫く枯山水を眺めていたが、俺はふと気になっていたことを思い出し、聞いてみる

 

「そういえば妖夢が幽々子さんを怒らせたと言ってましたけど…一体何をしたんですか?」

 

「あぁ、そのことね…実はね」

 

そこで幽々子さんは妖夢が8時間土下座していた経緯を説明した

昨日の夜、妖夢は厠へと向かったそうで、幽々子さんは厠から帰ってくる妖夢を驚かそうと俺の抱き枕を持ったままこっそり後を着けたそうだ

 

…ん?

 

「幽々子さん、ちょっと待って」

 

「あら?何かおかしなことあったかしら?」

 

「あったよ、普通にありましたけど?何ですか俺の抱き枕って、俺そんな抱き枕の存在知らないんですけど」

 

「あら、これは秘密にしないといけない約束だったかしら」

 

うふふふふと笑いながら当然のように抱き枕の存在を口にする幽々子さん

…誰だよ俺の抱き枕流したやつ、あのゴシップ天狗か?

今度会ったら問い詰めてから橙の餌にしてやる

俺がゴシップ天狗の始末の仕方を考えていると、幽々子さんは話を戻して続きを語る

 

その後、厠を出て屋敷へ戻る妖夢を驚かせたのは良かったけど、どうやらびっくりした拍子に、幽々子さんの持っていた俺の抱き枕を刀で袈裟斬りにしたそうだ

抱き枕を袈裟斬りにされた幽々子は怒り、今日の朝に罰としてあのような命令を出したのだそう

俺は話を聞いて思った

 

「自業自得では?」

 

「抱き枕を斬った妖夢が悪いわ、私が大切にしていたものだもの」

 

「なら置いていくなりすれば良かったじゃないですか…」

 

「あれを?無理ね、置いていくなんてとんでもないわ」

 

その抱き枕にどれだけ思い入れあるんだよ…それともなんだ、非常食として持ってたんか?

俺は幽々子さんが何を考えているのか余計わからなくなってきた

 

「お待たせしました、こちらをどうぞ」

 

「ありがとう妖夢、丁度欲しいと思ってた頃だ」

 

俺は妖夢が持ってきたお茶を味わうことなく一気に飲み干す

緑茶のような絶妙な苦味と風味が口に広がり、先程の幽々子さんの話が少し和らいだような気がした

 

「あら、もう行くの?」

 

「えぇ、色々とお話できたので…そろそろ次の配達先に行かないとですし」

 

俺はさっさと離れたかったので、それらしい理由をつけてお暇しようとする

すると先程まで静かにしていた妖夢が急変する

 

目にも止まらぬ早さで俺の腰はタックルをかまし、しがみついてくる

そして、俺を見るために妖夢は顔を上げる

目には光がなくなっており、目の端からは静かに涙が零れている

 

「駄目ですここにいてください絶対に逃がしませんあなたは私と一緒に幽々子様の料理を作るんです」

 

「痛い痛い痛い、痛いから離して妖夢ちゃん…あと言葉はちゃんと区切って話して」

 

妖夢は半分は人間であっても半分は幽霊…かなり強い力でしがみつかれているので若干の痛みが身体に走る

帰ると毎回こうなるんだよね妖夢は…メンヘラなのかただの犠牲者を増やしたい哀れは半人半霊か…

 

「葛籠さんがここで住むというまで私は決して離れませんし例え首を斬られようが腕を斬られようがいつまでもどこまでもしがみついてやります」

 

「そこまで行くと怨霊だよ…」

 

ちなみに幽々子さんはこの光景をお茶を飲みながら静かに眺めている

いや止めろよ、自分の従者が客人に情けないところ見せてると貴方の品位まで疑われるゾ

視線で助けを求めるも捕食者の目でニコリと微笑み返される…絶対『ここに住んだら喰ってやるからな^ ^』って顔じゃないですかヤダー

指を1本1本剥がすが、再びすぐにしがみついてくる

その場から動こうにも、妖夢が地面に足をめり込ませる程の力で固定しているので全く動けない

お前いつもそんな力出せないよねぇ!?なんでここで火事場の馬鹿力出してるんだよ!

 

今日はえーりん特製睡眠薬を押収してないってのに!なんで肝心な時にないんだよ睡眠薬!

 

その後、依頼で白玉楼の手伝いをすることでその場は何とか逃れることができた

その時幽々子さんは『あら残念』と言っており、俺は生き延びて白玉楼から逃げられたことに安堵した

ちなみに『依頼の日、来なかったら直接探し出して連行します』と光のない目で言っていた妖夢は怖かったです





小箱 葛籠(抱き枕)
販売価格 明治金額で4円50銭
大きさ 1680mm(本人と同じ)
評価 星4.8
在庫なし(材料入荷待ち)
説明
本人の1部を使用した抱き枕、独自開発の香水を着けており、まるで小箱 葛籠本人と同じ匂いがします
購入者の要望に答えてプリントされた葛籠のポーズを変更しています
自動洗浄の魔法を掛けているのでどんなに汚しても清潔なままです
販売者 七色人形師

購入者の声の1部
ピンクの亡霊
★★★★★
まるで彼がその場にいるようでとても良い
彼への欲望が抑えられない時は抱き枕で発散している

高貴な吸血鬼
★★★★★
館にいる半分の住居人が持っているので気になって購入
予想以上に彼を感じてしまって手放せなくなった

闇の妖怪
★☆☆☆☆
齧ってもアイツの味がしなかった
アイツの匂いはしたからそこだけ評価する
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