アズール図書館の司書 ― その青年は全ての魔法を発動できる。ただし人生で一度だけ ― 作:藤崎次郎
シルディッド・アシュランは鯨の体内を歩いていた。
前には一体の生き物が彼を先導している。
格好は初めて出会った時と同じ。中性的な顔立ちに、相も変わらず男・女どちらでもありえそうな顔つきで、目は黒で髪は白、髪の長さは耳まである。細く繊細な髪質は、一見女性と思わせるものの、やはり身体つきは男らしい。
女のようで男。
男のようで女。
服装は海を連想させる淡い青色のカーディガン。ズボンは大き目で足元まで伸びており、ぶかぶかな状態でズルズル引きずりながら、胸元のネックレスが妖しく光る。そして自らの名を、ブロウザと言った。
「大丈夫かい、お兄さん」
「何がですか」
「どうにも、お兄さんの国とクロネアは現在進行形で軽い殺し合いをしているみたいじゃないか。つい先ほども、お兄さんの横に妹君が退場したとの報告を知らせる魔法が出現したようだけど」
シルドの歩く速度が、ほんの僅かであるが、遅くなった。それは妹が退場したことを言われたことに対する動揺……ではなく、眼前の生物が言った内容に違和感を覚えたからであった。しかし、彼はそれについて言及しない。
呑み込む。使えるかもしれない情報を、今、安易に使用すべきではないから。だから、ブロウザの言葉に返す形でシルドは言った。
「それが、どうかしたのですか」
「いやいや、余としては最後の問答戦。出来ればぁ、うん。お兄さんには全力できてもらいたいのだよ」
「ご心配なく」
「……へぇ?」
「ウチの妹は責務を全うしました。あいつなりの全力を戦場で発揮したのでしょう。それだけのことです」
「本当に?」
「えぇ」
ブロウザは淡々と返す男の言を背中越しで聞きながら薄く笑っていた。
よくもまぁ、そんな嘘を堂々と言えたものだ、と。
事実、ブロウザの発言はシルドに変化をもたらした。後ろを見るまでもなくわかる──……尋常ならざる、魔力の波長。苛立ちと不安を凝縮させたような、彼の魔力。
「怖い怖い」
後ろの男に聞こえない声量で呟く。
風は吹いていないのに、背筋を凍らす何かが走る。
そうして、一人の人間と生き物は歩いていく。最後の問答に相応しい……運命の場へ。
* * *
アズール側、残り五。
クロネア側、残り九。
数で考えれば明らかにアズールが劣勢であり、それは今も変わらない。クロネアの布陣について再度説明すると、攻撃陣として敵地に乗り込む『圧』、中間付近を拠点とし攻守どちらにも動く『流』、憲皇周辺に待機しながら王女の防衛を主軸とする『壁』、そしてトリッキーな存在と遊兵も兼ねる『爛』の“圧流壁爛”を展開し、各極長を圧に六、流に二、壁に三、爛に二とした。
この内訳を退場したメンバーで当てはめると、マヨネーズとアニーは圧、ナクトとフラワーは流、そしてワンラーを爛に配置していた。
つまり、残り九を“圧流壁爛”に当てはめるなら、圧に四、壁に三、爛に一となる。
流に配置されていた全裸二名は退場した。
ここで疑問として挙げられることがある。それは、攻撃陣として敵地に乗り込む圧は六名の極長が配置されていたにも関わらず、未だ残り四名は敵と相対していないことだ。
答えとして、この四名にはシェリナ王女が独自に命を与えたからであった。彼らは己が命を果たすため、深夜の森を矢のように駆けて行き……ようやく、その命を果たす時が訪れようとしていた。
森を走る四名を男女比でいうなら3:1。
唯一の男であり、ヤクザのようにしか見えない風貌をした男が舌打ちをしながら口を開く。
「つーかよ、四剣の三剣が退場したってのはガチでヤバいことじゃねーのか。あぁん?」
「肯定の極みですね。怪人ならまだしも、アニーとナクトまでもが負けるなんて……」
「あぃや、正直ナクト殿が負けるってぇのはウチには想像もできないよぃ。どんな方法を使ったのやら」
「こ、こっちです」
ウサギ耳をした第十極長『聴人』、ポポル・プレナが向きを変える。その後ろを、ガチガチに固めたリーゼントの男と、ポニーテールを左右に揺らした女に、伝統工芸紙で作られた風情豊かな服を纏う女が続く。
方向転換はこれで十七回目だ。
戦争が開始した直後から、彼らは一人のターゲットに向かって進撃していたのだが、未だ敵の下へ到着することができないでいた。異常に発達した耳を持つポポルが先導して位置を探知し敵の場所へ急行するものの、あっちへこっちへ場所をグルグル変えるため、疲労と苛立ちが徐々に彼らを蝕んでいた。
このままいけば『圧』としての任務を全うできないと、しびれを切らした四名が作戦を変えようとした、その時────。
「も、目標が動きを止めました」
「あぁん? どういうこった」
「ポポル、詳細をお願いします」
「えと、動きを止めたまま……足踏みを二回。え?」
「どうしたぃ、ポポルちゃぁん?」
「た、たぶんですが、私たちの方向へ身体を向けています」
ポポルの最後の言葉に、三名の表情が変わる。今となってようやく気付けたのだ。
今、自分らはシェリナ王女がいる憲皇と魔法の館の中間付近にいる。そして敵は彼らの場所より憲皇へグッと近い場所にいる。最初は魔法の館付近であったのが、今や敵がシェリナ王女の下へ近づいているのだ。
完全に彼らの失態であるが、十七回も方向転換をしているうちに、徐々に感覚が麻痺し、どうせ次も場所を移すだろうと思わされた。
そうして自分らが奴の行動を逆手に取るため動こうとしたギリギリの合間と、いつの間にか徐々にクロネア王女へ接近されていると気付かれる直前を、まんまと嵌められたのだ。
振り回された。
虚を突かれた。
このまま奴が全力で動けば、我らが王女まで目と鼻の先である!
「あぁあああん!? クソが!」
踊らされた自分への苛立ちと、相手への怒りが一気に上がる。
戦争が始まって敵がどう出るか探り合う、あの緊迫した均衡状態の時間を……よもや自分ら四名の体力を削ることと、ただの移動だけに使うとは。
それも極長らが追ってくるとわかった上での行動だ。最初から奴は戦争の前半を潜伏のみに特化させ、さらに少しずつ敵地へ侵入し、かつ追手を疲労させる。
自意識過剰にも程があろう……!
そもそも追手がいなかったなら、完全に無駄なことなのだ。鬼がいない鬼ごっこをやるようなもの。一応、敵が自分たちの居場所を逐一知ることができる魔法を発動させていた可能性もあるが……もはや、そんなことは極長四名にはどうでもいいものと成り果てた。敵が動きを止めたということは、逆に言えば──
「動く必要がなくなった。既に奴(やっこ)さんの目的は達成されたとみていいねぃ」
「俺らで遊べるだけ遊んで、目標としていた位置にまで進攻できたってことだろうが、あぁん!?」
「も、目標まで十秒です!」
徐々に見えてくる男の姿。ポポルの言う通り、敵はこちらを見据えていた。
悪寒が走るほどの、笑みを向けて。
極長が駆ける。風のように走る。
魔力が全身を覆い、四者四様の姿となって……敵を討つため己が全力を解放する。
激戦は必至。後半戦は、苛烈と混戦をもって開始された。
着々と始まるものがあれば、終わるものもある。逆もまた然り。ここにも一つ、それに通じる事態が発生していた。アシュラン姉妹を見つめる、ナクト・ヴェルートの姿である。
全裸だった。
身体のあちこちがプスプスと燃え、蒸気を発しているものの、変わらず裸体を全世界に発信している。横で同じ全裸であるフラワー・ヴィンテージが、微笑ましい顔で大地に伏し、休憩していた。戦いが終わった彼らに、もうやるべきことはない。後は終戦するまで出場者の邪魔にならないよう待機するのみである。
「師よ。私は今、なんとも言えぬ高揚を感じております。師は、どうですか?」
「あぁ……、我もだよフラワー」
「おぉ! 一緒なのですね!」
「だが」
「?」
「我の高揚は、どうやら別の意味を含んでいるようだよ」
ナクトは今までにない感情を全身で受け、震えていた。かつてこれほどまでに自分を追い詰め、意識させた相手がいただろうか。どんな状況に追い込まれようとも、取り乱すことなく諦めることなく挫けることなく突き進む女性を……見たことがあっただろうか。
美しい。
自分の全裸こそ世界最大の美だとしてきた。しかし、もしかしたらそうではないのかもしれない。
この感情はなんだろう。心に太く強い衝撃をぶつけ、叩き、心情の波として疾走する。走り去った余韻はとめどなく大きく激しい。
「し、師よ、どうされたのですか?」
「フラワー。現在、我は未だかつてない波を受け危機に瀕している」
「な!?」
「これは一体全体なんなのか。あぁ、まるで、絶対不可避の天命」
イヴキュールは姉の魔法に回復されながら、横で騒いでいる全裸を見ていた。
元気だなぁ、と思いながら。魔術を発動していない以上、生身で光の爆撃を受けたはずなのにどうしてあれぐらいのダメージで済んでいるのだろう。特に全裸&無毛の男は異常だ。『舞人』よりも圧倒的な戦力を宿しているのはわかるが、人間であるのに魔法直撃を全裸で受け止められる理由がわからない。
考えても意味はない。全裸なのだから。
兄のことを案じながら空を見上げ、欠伸をして顔を傾ける。
全裸がいた。
「はぁ、はぁ」
喘いでいた。
アシュラン姉妹の正拳が全裸の顔面に叩き込まれる。
鼻血を出して倒れるナクト。駆け寄るフラワー。後ずさりする姉妹。
「姉ちゃん、やばいよやばいよやばいよ、考えなくてもあいつら全裸だった」
「そうね、さも当たり前のように全裸になってるけど存在だけで犯罪よね、アレ」
「師よ! お気を確かに!」
「だ、大丈夫だよフラワー。我は無事だ」
ふらふらと立ち上がり、もう一度ジッと自分を倒した女性を見る。
美しい。何度見ても美しい。華奢でありながら目には強い意志が感じられる。よくよく見れば服も露出が多く、全裸に近い。こちら側の人間ではないだろうか。そうに違いない。運命ではなかろうか。きっとそうだ。ナクトは決定した。独断で決めた。神だから。髪はないが。
是非とも伴侶として迎えたい。
ならば一撃必沈の告白をする必要があろう。
ここは是が非でも外せない場面だ。
一言で相手をときめかせなければならない……!
「やはり『結婚を前提に付き合って下さい』がよかろうな」
誰にも聞こえないほどの小声で自らに言い聞かせる。
シンプルにしてストレート。ナクトは紳士でありながら情熱的な男性だ。そして、こと恋愛では遠回しなやり方や奇策を嫌う。
“恋愛は王道と勢いで構成されている”と『裸人』は考える。ゆえに全力で王道の言葉を相手にぶつけるのだ。女性はわかりやく身悶えする言葉を好むのだ。ナクトの恋愛持論はその若さで究極形を完成させており、相手が現れた際にいかんなく発揮される。事実、イヴキュールは真っ直ぐの恋愛攻撃に弱い。
ずずい、と前へ全裸が出る。呼応して数歩下がるアシュラン姉妹。
「待ってくれ」
「「断る」」
「では、そこで聞いてくれ。イヴキュール・アシュラン」
え、とアシュラン妹から声が出た。自分に用があるのか?
横で姉が元気ハツラツとばかりに癒呪魔法の詠唱に入った。容赦ないなと心底感心しながら、詠唱の時間稼ぎをしなければと言葉を投げかける。
「あたしに何か用?」
「そうだ、大有りなのだ。先の戦い、我にとって人生最大の激闘であった。あれほどの魔法師を我は知らない。いや、これからも知ることはないだろう。永遠に」
「あ、ありがとう……」
照れる。
「そして思ったのだ。ここで関係を終わらせては……駄目だと!」
「そ、そう?」
「勿論だとも。これほどまでに美しく、可憐で、忘れられない女性がこの世界にいるだろうか。いや、いない! 断じて!!」
「ちょ、ちょっと待って。あ、あたしまだ学生だし……!」
いつの間にかナクトが目の前にいた。
横でユミリアーナが詠唱を完成させ、残るは魔法名を発するだけである。
どうして発動しないの!? と訴えるように姉を見ると、「ちゃんと相手の想いに返答しなさい。それが礼儀というものよ」と他人事全開にしてこちらを見ている姉がいた。
「え、え、えと」
「聞いてくれ」
「は、はい!」
自らの両肩を、全裸がガッチリと掴んだ。
まさかの展開に頭が回らない。
冷静に考えれば全裸の時点で公序良俗違反である。しかし、もはや全裸を見慣れてしまった可哀そうな状況のため、常識が一時的に欠如してしまった。今彼女は一人の乙女になっていて、ただただ目の前の男性から発せられる言葉を待つだけであった。
全裸は思う。
ここで決めると。ド直球の「結婚を前提に、付き合って下さい」で。
決意を込めて、想いを込めて、大きく息を吸い込んで告げた。
あ、風で股間が気持ちいい。
やはり全裸はいいものだ。──おっと言わねば。
「全裸を前提に、結婚して下さい」
* * *
深夜の空は大変綺麗だった。大自然が跋扈するクロネア王国で、天体観測はアズール人とカイゼン人の観光客には大きな目玉といえる。地理的な恵みもあり、星の輝きは一つひとつが申し分ないほどに美しい。
もちろんアズールやクロネアからも相応の夜空が見える。ただ、クロネアが美しさでは他の追随を許さないほどの世界を魅せてくれるのだ。そんな夜空の遥か上空に──、一人の女性が紺色の絨毯に座っていた。何もせず、目を瞑り、桃髪を風に靡かせながら、静かに夜空の海を漂っていた。
「ごきげんよう」
彼女が現れるのを、待っていたから。
目を開いて立ち上がり……声の方へ振り返る。
視線の先に、火花の髪をした女性が空に浮いていた。
「ウフフ、私を誘(おび)き寄せるため、いつまで空に居座るか見ていたのだけれど。そろそろ時間も押してきたから来ちゃったわ。えぇ、えぇ、貴方の作戦勝ちといったところかしら?」
「……」
「魂が小刻みに震えているわね。緊張はよくないわよ」
心髄を見通す。
言うまでもなく、シルディッド・アシュランを通してアズール側に彼女のことは知られているだろう。それでも四剣の最後の一剣は、楽しそうにコロコロと笑う。彼女にとってはいつものことだからだ。
隠せるものならば、相手は万の方法を持って隠すだろう。
されど断じて隠せぬ魂の虚偽は、相手をさらなる混乱に落とすだろう。
そして彼女は『魂が見透かされるとわかった上で挑んでくる相手』にも……百戦錬磨の実力を持つ女。
「初めまして」
フレイヤは会釈し、相手の出方を伺う。彼女の脳裏には様々な読みが生まれていた。
この女の子は、どんな策をもって私を誘ったのだろう。いや、もしかしたら私ではない別の極長を待っていたのかもしれない。又は空で待機することがアズール側の狙いだったのかもしれない。えぇ、えぇ、どれも素敵なことね、面白いわ。
そこまで考えて不敵に笑う。悲しいことながら、どちらにしても彼女には問答すればわかることであり、造作もない簡易極まるただの児戯でしかなかった。
「私は第四極長『妃人』、フレイヤ・クラメンヌ」
だから。
「シルディッド・アシュランを、恋い慕う女よ」
揺さぶった。
敵の素性は桃髪で割れている。ルェンからの情報であった、シルドと日頃から行動を共にし、おそらく上空でずっと敵であるフレイヤ・クラメンヌを待っていた女。
名を、モモ・シャルロッティア。わかった瞬間に、火花の髪を持つ女はある行動に出た。
──揺さぶりの言葉をかけ、直ぐに魂を視る。いや、診る。心理戦や論述戦では先手ではなく後手に回るのが基本である。しかし、心が読めるこの女には、それらの戦術は通用しない。むしろ逆効果となる。
「貴方は誰? そして彼の、何?」
ルェンは過去に二人の関係について『恋人ではないようですが互いに意識はしている仲』と言った。まだ想いを告げてすらいない関係。脆く淡い、子供のような可愛さ。
自分の気持ちを、言えるかしら?
フレイヤは心から楽しむ。
仮に勇気を出せず、誤魔化しにきたならば、一切の優しさをみせることなく追い込む。
仮に勇気を振り絞り、恋人の是非を肯定したとしても、魔物の彼女にはそこから山のように相手を追い込む選択肢が既に完成されていた。
どちらを選択しても地獄。
魂が見える相手と相対するということは、そういうことだ。勝つ、などと甘い妄想は捨て去ることだ。どれだけ勝ちの目を探っても見つけることなどできないのだから。そして最終的に相手は実力行使に出る。ここまでくればフレイヤの完全勝利は目前である。精神的にも、実力的にも勝つことになるのだから。
「私はモモ・シャルロッティア」
名前をすんなり言った時点で、フレイヤの膨大な選択肢が一気に動く。名前を言わなかった場合や濁した場合どう攻めるかといった、先読みの枝葉の不必要な箇所を切り取っていく。
次に相手は自分がシルディッド・アシュランの何なのか、恋人か否かを言うだろう。『妃人』を相手にするのだ。それこそ、全身全霊で自分と向き合い予め答えを出したに違いない。
素敵ね、とフレイヤは相手を褒める。ただ、残念ながら恋人か否か勇気を振り絞り言ったとしても、彼女には想定通りであることに変わりはない。
「シルディッド・アシュランの」
フレイヤ・クラメンヌは人生で数多の心理戦を潜り抜けてきた魔物である。
魂が見えるという、もはや反則じみた技能を持つ手前、逆に言えば負けを許されない女でもあった。しかし彼女は強かった。どんなに質実な身体、頭脳を持っていようとも、心髄を見通せば相手にはならない。ましてや年端もいかない可憐な少女。本気を出しても可哀そうなだけ。
しかし手は抜かない。
恋愛が懸かっているならなおさらである。
フレイヤは自分に絶対的な自信がある。それは今までに歩んできた勝利の道程が「勝てない相手などいない」と証明してきたからだ。唯一勝ったのは……あの男だけ。
さぁ、言ってごらんなさい。
絶対勝利と不敗なる精神を併せ持つ彼女に、敗北のビジョンは一切見えなかった。
だから────
「妻よ」
フレイヤは、同性に対して生まれて初めての読み負けをした。
恋人とか、そんな次元ではなかった。
ゴールしていた。
確定であった。
モモ・シャルロッティア。
彼女もまた、信じられないほどの修羅場を潜り抜けてきた女性である。
夜空にて──戦うは二人の女。
あまりの衝撃に、あんぐりと開いた口が塞がらないフレイヤと。
顔・鼻・耳までもが熟したリンゴのように真っ赤に染まりながらも……勝ち誇った笑みを浮かべるモモの。
己の威信を懸けた、空中戦が開始される。