ハスターなオリ主とドラゴンボール   作:ラムセス_

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平和な日常とフリーザ様の苦悩

 

 あれから2年半ほど。

 

 日々は穏やかで、平和そのものだ。

 俺の傷はゆっくりと癒えている。ああ、はやく元の世界に帰りたい。

 ニャルは夢の中で癇癪通り越して泣き始めて可哀想だ。

 でも時間流が違うので実際には一分も経ってないので嘘泣きである。

 

 俺の方はフリーザ軍での仕事を本格的にこなすようになった。

 

 特に、各星の管理プログラム開発が大きな仕事だったかな。

 フリーザ社長は父親の事業を一部分離して大きくしていったようで。

 今のシステムは古く、いろんな小さなシステムが煩雑に絡み合っていた。

 

 それをデータをそっくりそのまま移行し、停止期間を挟むことなく一本化。

 使いやすいようにすっきり作り替えたのだ。

 システムを変える前にまず根本的な社員の業務フローから見直したりもした。

 

 今まで文官が手作業でやっていた見やすく報告しやすいようにまとめるのも、画面から直で出力できるようにしたし。

 現場から上がってきた細やかな要件定義もきっちりネゴってから予算を取って社長に通した。

 今後の保守・メンテナンスのために人員も育成する予定で、それを前提に手入れしやすい形にした。

 

 まあ、この企画がうまくいった1番の要因は、フリーザ社長に理解があって、全社を挙げて社員を動かしてくれたことにあるだろう。

 理解ある役員って素敵。

 

 できあがったものは、みんな一体になって作っただけあって文官達からも大好評だった。

 現場の状況がすぐわかり、環境破壊しすぎだとかもっと原住民が生き残っているはずだとかの把握が容易だったからだ。

 今まではどうも現場との連携がぎこちないものだったらしくてな。

 

 俺も昔、人間の国の管理をしていた。

 だからこういう大規模管理のノウハウは割と自分ごととしてわかっている。

 報告フォーマットも昔取った杵柄で統一したし、良い仕事したのではなかろうか。

 

 俺はめでたくフリーザ社長から社内表彰を受け、給与もアップした。

 みんな喜んでるし、良いことずくめであることよ。

 

 

 

 そんな本日。

 俺は突然、フリーザ社長に呼び出されたなり。

 

 最近になってどうやら反抗勢力が予想される戦力との戦いが避けられない空気になってきたらしい。

 俺が戦うにあたって、もし猫にバレた場合どんな被害が予想されるか聞きたいらしい。

 もちろん、事前に猫の戦闘データは提供した。

 

 俺もバッチリ襲われた当時のデータは撮ってあったからな。

 それを提出したのが一週間前。

 社長にしては決断が遅めの呼び出しである。

 他の業務が忙しくて手が回らなかったのだろうか。

 

 俺が社長室に入ると、何故か非常に緊張した様子のフリーザ社長が部屋中央に立っていた。

 

「………かけてください」

「はい、社長」

 

 言われて、用意してあった椅子にかける。

 社長はなぜか立ったままだ。

 

「まず最初にお聞きしたいのですが、このデータは本物ですか?」

「はい。俺が作動させていた事情記録魔術により取得した事象を電子データ変換したものです。術式原理の方はお見せしていませんでしたが、そちらも提出したほうがよろしいですか?」

「いえ、結構です」

 

 社員になったからにはと社会人として丁寧な口調を心がければ、長い沈黙が部屋に落ちた。

 フリーザ社長、すごい冷や汗だ。

 

 慎重に慎重に、俺と目を合わせた。

 

「まず、あなたの軍事派遣は取りやめになりました」

「なんと」

「次にあなたの業務を内勤専門として、完全に現場の軍から独立します。戦闘に出なければバレることはないんでしょう」

「はい。猫のお付きの術理はすでに解析済みです。100年は絶対に位置情報すら把握できないでしょう。もちろん、偶然行き合って顔を合わせればバレますが」

 

 やっぱ猫が脅威だったらしい。

 社長が一社員の私事に出るなんて流石にないに決まってるしな。

 となると、面倒を避けるために俺を内勤に回すのは当然のことだ。

 

 別に俺は内勤も得意だし、否やはない。

 それに現場に出て羽虫をいじめると緑の神格に怒られてしまうかもしれないし。

 ちょうど良かったといえよう。

 

「いいでしょう。今後ともよろしくお願いしますね、ハスタさん」

「はい!こちらこそ!」

 

 にこっと俺が頭を下げれば、フリーザ社長は深いため息をついた。

 「あなたはその……不自然に…指示をよく聞いてくださって助かります。それに比べてあの猿どもは…」とブツブツ文句をこぼした。

 あの猿どもとはサイヤ人のことだろう。

 

 戦闘民族と題されるだけあって、命令違反の常習犯だ。

 すごく強いので処分しても代わりはなかなか見つからないし。

 下手に手を出すと喜び勇んで反撃してくる上に、粗野で備品もよく壊す。

 

 俺も一回ハゲサイヤ人の教育を任せられたっけか。

 その時は体力なくなるまで俺を殴らせて、ノーダメを見せることで心を折らせてもらった。

 すごい執念かつプライドで、半日以上ずっと打ち込んできていた。

 

 まったく、悟空君を見習いたまえよ君。

 悟空君も俺相手に永久に打ち込むのは変わりないけど、備品を壊したら素直に謝るし、言いつけはきっちり守るのに。

 

 フリーザ社長が尻尾を揺らして解散の気配を見せたので、その前に口を挟む。

 

「ところで、戦闘員の新しい評価基準の作成についてなのですが。現地戦闘データとトレーニングルームの利用履歴等を戦闘力と総合して算出する人事システムを構築する計画が出ています。どこかで打ち合わせの時間をいただきたいのですが」

「ほう!構いませんよ。来週枠を空けておきます。確かに、戦闘力には技術が換算されませんから、その辺りはわたしも危惧していました」

「ありがとうございます。部下からなかなか良い提案を貰っているので、そちらも同席させますね」

 

 流石の俺も数年社会人やれば勘どころはわかってきている。

 

 前はプレゼン苦手だったけどな!

 クトゥルフ世界での社会人経験とこっちでの仕事経験。

 二つ合わせれば完璧な社会人の完成である。

 フォーマットさえ集まれば魔術とINT(知性)上昇によってこの通り。

 

 部下も優秀で物怖じせず、俺のノウハウをきっちり吸収してもう俺より優秀なくらいだ。

 今回同席させた部下は、今後俺がいなくなったら後釜に据えようと思っている子である。

 

 社長は本当の本当に複雑そうな表情をした。

 

「……くれぐれも戦闘行為は厳禁ですよ。貴方という人材は非常に貴重です。なにより……いえ。ともかく。貴方ならば下手なことはしないと信じています」

「はい。期待を裏切らぬよう精進します」

 

 ぺこっと頭を下げて、俺は退出した。

 なんだか社長が眉間に皺を寄せているが、激務で少し体調がすぐれないのだろうか。

 

 俺は少し心配になりながら、ワンマンのため集中しがちな社長の負担を減らせればなぁと思ったのであった。

 

 

 

 

 帰宅して、少し畑の様子を見てから入る家は昔と変わらず、森の奥にある辺鄙な一軒家だ。

 

 一応リモートワークも許可されているので、今は半分ほどは地球で仕事をこなしている。

 悟空君は今は緑の神格のところで修行の最中だ。

 差し入れを持って行こうと、俺は買ってあった豚を亜空間から取り出した。

 

 昨日はブルマちゃん達が遊びにきたから、その飲み会の残滓がまだ部屋に残っている。

 たくさん来るから、人数が入るように空間を魔術で増設したんだよな。

 

 ブルマちゃんは定期的にゴロニャンとパパ活ならぬハス活に勤しんでいる。

 飛んじゃったデータ復活させて!とか、ここの不具合がどうしてもわからなくて!とか。

 凄く可愛らしくお願いしてくれるから、俺もどうしても断れない。

 

 もちろんやましい気持ちはかけらもない。

 成人した彼女は綺麗で別嬪さんだが、彼氏のヤムチャ君も一緒に来てるのにそんなのするわけないからな。

 でも、どんなにお色気アタックしても靡かない俺にちょっと不服そうな顔はしていた。

 

 俺としてもチュールをねだる子猫みたいな顔をされてはな、断れんというものよ。

 おお可愛いのぉ、よしよし、おいちゃんが用立ててやろうね。

 

 なお近々緑の神格から施し禁止令が言い渡される予定である。

 今のうちにチュールあげとこ。

 

 さて、作るのは悟空君の好きな豚の丸焼きだ。

 香味料をたっぷり詰めて、魔術で浸透させながらじっくり七時間柔らかく仕上げた一品である。

 5頭ほど用意したので、一応メインディッシュ程度にはなるだろう。

 

 あと、これは食い尽くされるので別途俺たち用の分も用意してと。

 

 

 

 神殿に転移すると、石畳の上でゼェゼェとへばる悟空君の姿があった。

 

「おーい、悟空君!今晩のご飯持ってきたよ!」

「あ、黄衣さん!!あんがとな!何持ってきたんだ?」

「悟空君が前気に入ってたって言ってた豚の香草丸焼き。5つ」

「おーーー!!!!!」

 

 ぱっと悟空君の顔が輝いた。

 あんなにヘロヘロだったのに、現金なことよ。

 

 おや、と思ったら機械片が肌に刺さっていた。

 俺の転移の時、周囲に飛んでた変な蚊が巻き込まれたらしい。

 引きちぎられ、細かな破片になって散らばっている。

 

 そういえば、この蚊型ロボットの製作者は俺の血を集めているらしい。

 なんだか知らんが集めて培養しているようだ。

 

 俺の血なんて培養しても俺が増えるだけなんだがなぁ。

 いったい何がしたいのやら。

 小型旧支配者の飼育がしたいとかの変人研究者さんかもしれへん。

 

 悟空君の細胞と混ぜたりもしているのはわかっているが、俺が入ると全部俺になっちゃうから意味ないんだよな。

 変な科学者もいるもの。

 まあ、悪用しそうになったら俺が手動で権限をのっとれば良いだけだ。

 

 どれだけ手を加えようが神は神。

 ズタズタに切り裂いたDNAの切れ端すらも神である。

 ゲロとやらも人間のようだし、可愛いじゃれつきだと思って大目に見よう。

 

 そんなことを考えつつ。

 みんなで夜ご飯にすると、豚の丸焼きは丸っとすべて悟空君の腹の中に消えていった。

 成長期の子はたんとお食べ。

 

 緑の神格には、手土産にと持ってきた各地の名産水を渡しておいた。

 俺が各地を巡っている時清流から取ってきて煮沸した水だ。

 食事もできるらしいが、どちらかといえば地球のあまり飲まない地方の水が好きとのこと。

 

 ポポには別途料理を作って俺と主に食べていた。

 味見を悟空君に一口渡すと、「オラこのチャーハン好きだ!」とニコニコした。

 良き良き。次はこれを大鍋で二つ分作ってやろうね

 

 俺の給与の半分は悟空君の食事に消える、そんな平和な日々である。

 





・フリーザ様
追い出すに追い出せなかった。
解雇って言って逆上されて暴れ出したらまずい。
そして部下として優秀であることが本当なのも困る。
そんなに強くて仕事もできてなんで下手に出るねん。扱いづらいわ!!

・ハスタさん
ニャルとか好きだし、ホモサピも好き。野心的なフリーザ様も嫌いじゃない。
根本的に悪どい奴が好きなのかもしれない疑惑。
悪辣な生き物を甘やかすのが好きな邪神。
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