ハスターなオリ主とドラゴンボール   作:ラムセス_

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開戦と戦況分析

 

 光陰矢の如し、一年という月日はあっという間に過ぎていく。

 

 今日はベジータ君達が侵攻してくる予定の日だ。

 俺も大体の距離は確認したので、間違いないはずである。

 皆はカメハウスに集まって、いつでも動けるように待機している。

 

 なお、悟空君はうっかりミスで現在必死で走っている最中だ。

 ヒーローは遅れてくるものともいうし、マジでヤバくなったら俺がちょいと迎えに行けば三十秒もかからないので心配してはいない。

 

 界王様も酷いものだ。

 俺が10G対応の特製ペンライト&うちわを持って応援しに行ったのに追い出すんだから。

 

 「ワシの星でそういう汚染を振り撒くのやめて…」って切実な顔で懇願されてしまえば、出ていくより他に道はない。

 ちぇっ、俺を汚いもの扱いしやがって。

 

 それにしても、ここの神格って非常に面白くて、みんな生命体として生まれてから後付けで神格になってるっぽいんだよな。

 この界王様も同じで、彼に付与されたそれは現場管理者用のアカウントだ。

 それらは整然と管理されており、より上位の権限が上にある雰囲気だった。

 

 破壊神とかいうらしい猫も同じく、後天的に付与された権能を使っていた。

 生まれながらの神格はあのお付きの天使ぐらいじゃなかろうか。

 

 まあともかく。

 俺は集まったヤムチャ君達に問いかけてみた。

 

「どう、仕上がり具合は?」

「死なないコツみたいなのが掴めたな!ギリギリドラゴンボールのお世話にならないような気の防御が脊髄反射で身についたというか」

 

 キリッとした顔でヤムチャ君が頷いた。

 肩に乗った落とし子が「ぷきょ」と嬉しそうに鳴いている。

 ちょっと手加減が下手ちゃんだったようだ。

 

 「わかる」とクリリン君が頷いて神妙な様子で頷いた。

 

「俺はあれかな、気の精密操作で触手の軌道をコントロールできるようになった。ほんのちょっとの違いが生死を分けるからな…」

「す、凄いなクリリン、俺は出力を上げて一本でいいから貫く方向性で訓練していたんだが、まさかコントロールで逸らすなど、どれほどの鍛錬があればそんなことできるんだ?」

 

 天津飯君がクリリン君の言葉に慄いている。

 

 みんな各々有意義に過ごせたようで嬉しい限りだ。

 落とし子もみんなツヤツヤしてるし、楽しく遊ぶことができたらしい。

 チャオズ君がシクシク泣きながら「ボク、天さんの足手纏いかも…」と泣いている。

 そんな、気を落とさないで。落とし子なんて倒せなくても十分強いから。

 

 武天老師様がよっこいしょと腰を上げてこちらに来た。

 

「ふむ。もうそろそろじゃの。ピッコロの方はどうじゃった?」

「ばっちり。俺が権能の使い方を叩き込んでおいたから。ラディッツ君はまだ寝てるよ。ベジータ君達が来たら起こそうかな」

「………ところで、今日攻めてくる敵は知り合いと言うとったじゃろ。いいのか、命の取り合いになっても」

 

 少しだけ気遣うような様子を見せた。

 俺は武天老師様の隣に腰を下ろして、安心させるよう微笑む。

 

「神のアーティファクトをめぐって人が殺し合うのはよくあることだ。それもまた人の業。それを止めることはしないさ」

「……ドラゴンボールを狙って地球に来るのじゃったな。どうする、奴らが勝利したら」

「俺も人並みの感情があるから、大切な人たちを殺された怒りで暴れましょうかね」

 

 冗談めかして、しかし本心で言えば「怖いのう」と武天老師様はくつくつと笑った。

 その時は怒られるの覚悟で緑の神格すなわちピッコロ君を蘇生させて、そのままドラゴンボールで全員を生き返らせるとしようか。

 

 それか、職場の噂で聞いたナメック星とやらに向かってみるか。

 

 そのように思っていると。

 不意に、戦士達が皆揃って空を見上げた。

 

 「来たぞ!」と天津飯君が鋭く声を上げる。

 皆揃って勢いよく舞空術で飛び立った。

 

 俺も遠見の術をカメハウスにあった古めかしいテレビに掛けてやる。

 現場の様子に切り替わり、「おお、便利じゃのお!」と武天老師様が歓声を上げた。

 

 そして間も無く。

 遠くに巨大な爆炎と黒煙が上がるのが見えた。

 

 は??????

 

 画面を切り替えると、どうやらポッドが都市に着陸したようだ。

 そのままナッパ君が戯れに街を破壊したらしい。

 見渡す限りの瓦礫の山を築いて、悠々と2人が飛び去っていく。

 

 死傷者は数え切れないほどだ。

 武天老師様がワナワナと震えて腰を半分上げた。

 

「な、なんて奴らじゃ……なぜこんなこ、待て待て待て黄衣よ!お主が暴れたら余計大変なことになるじゃろうが!」

「おう。おうおう。おうおうおう」

 

 どうすんのよ怒りのあまり俺オラウータンになっちゃったじゃないか。

 マジでありえんのだが。

 強いからってやっていいことと悪いことがあるんだわ。

 

 とりあえず座って、触手をたくさん出して丸くなった。

 自分の触手をドスドス殴る。

 この恨みはらさでおくべきか。

 でも人間同士の争いに俺が手を出すのはマナー違反。ぐぎぎぎぎ。

 

 亀仙人が若干冷や汗を流して困り顔をした。

 

「お主やはり、難儀な性格じゃな……」

「俺は善良なイカですんで難儀じゃないです。難儀じゃ、難儀、ぐおおおおおお」

 

 おんどろどろどろどろ!

 

 そうこうしているうちに、舞空術で両者行き合ったようだ。

 敵も悟飯君とピッコロ君を目指して飛んだらしく、人里離れた森の中が戦場になったらしい。

 あ、そろそろラディッツ君を出さねば。

 ぺっ。

 

 ゴロゴロ飛び出たラディッツ君が壁に激突した。

 「ぐお!?」と驚きの声をあげて飛び起きた。

 しまった。すまんなちょっと荒っぽすぎたから。

 

「な、なんだベジータが来たのか!?」

「おう。行っておいで、もしかしたらピッコロ君に獲物取られるかもしれんけど」

「!!!!すぐ行く!!!」

 

 バビュン、と慌ててラディッツ君が駆け出していく。

 触手との激しい戦いの末に気の感知を身につけたらしく、上手に使っているようだ。

 俺が完全真っ暗闇のフィールドにしたらすぐ身についたあたり、ラディッツ君も才能はあるんだよな。

 やっぱり探知能力はあるに越したことはない。

 

 戦場では、初手で奇妙な生命体が小手調べとして放たれている。

 

 確かフリーザ軍でも配備していたサイバイマンとか言うインスタント戦力だったか。

 これもまた魂は人間だ。

 マジで可哀想だから勘弁してやってほしい。見てるだけで胃が痛くなってきた。

 

 だがこれは戦士達の巧みな連携ですぐに処理することができたようだ。

 特にヤムチャ君が凄かった。

 体に張り付いたサイバイマンのゼロ距離自爆を、気の防御だけで無傷で耐え抜いたのだ。

 

「へっ、イカの触手の十分の一の威力も無かったぜ!」

「ちったぁやるじゃねぇか。ならオレが出るぜ。いいなべジータ」

「好きにしろ」

 

 やはり血気盛んなナッパ君が先に出てくるようだ。

 共闘すれば彼らに勝ち目はなかったと言うのに、これだからサイヤ人のスタンドプレイは困ったものなんだよな。

 

 とはいえ、彼は一度俺のしごきにあっているから、単体だって相当に強い。

 武天老師様がチラリと俺を見た。

 

「お主は戦況をどう思う?」

「ヤムチャ君を前衛において、クリリン君に戦況コントロール、天津飯君にダメージディーラーしてもらって半分削れるかな、ぐらい」

「……タフじゃの。あれほどまでに鍛え上げられた皆で、そこまで押されるのか」

「たぶんその間にラディッツ君が到着して削り切ってナッパ君の戦いは決着。悟空君の到着がそのあたりだから、悟空君、ラディッツ君、悟飯君、ピッコロ君でどこまでベジータ君を止められるか」

 

 目を細めて武天老師様が静かに問いかける。

 

「止め切れないと?」

「ベジータ君、すごくタフだから。俺直々のしごきに半年耐え抜いて強くなったよ。悟飯君の爆発力に期待、ってとこかな?」

 

 どうなるかは乞うご期待だ。

 どっちにしろ負けたら俺が仇を打つのでご安心を。

 

 復讐するは我にあり。

 人同士の戦いに手は出さないが、その後神罰を下さないとは言っていない。

 

 そのように、俺はうっそりと笑って戦況を見守ったのだった。

 





・強さ基準
全王様とアザトースに優劣はない。トモダチ……?
天使は戦ったらきっと外なる神ぐらい。
ハスターは破壊神の最上位ぐらいの強さ。破壊神≒旧支配者。
とはいえ神格は皆、強さの個体差が非常に激しい。

・クリリン
実は途中から三人で連携の練習してた。
戦況コントロール司令塔として大活躍を果たす男。
並外れた気のコントロールにより、無数の触手による攻撃を読み切って最小限の力で逸らす離れ技を見せつけた。
惜しむらくは、地球人ゆえに気の総量が少なく継戦能力に欠けること。
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