ハスターなオリ主とドラゴンボール   作:ラムセス_

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困った時の「社長に言いつけるぞ」

 

「次から次へとゴミどもめ…!!ナッパ!片付けておけ!俺はこの厄介なナメック星人を嬲って力を取り戻す!」

「おうよ、捻り潰してやるぜ」

 

 どうやら焦りのあまり悟空君を雑魚だと勘違いしているようだ。

 ナッパ君がスカウターで悟空君の戦闘力を測っている。

 気を抑えているのか、その戦闘力は控えめでナッパ君の顔に嘲が浮かぶ。

 

 うむ、こちらはスムーズに進んでいるようだ。

 悟空君が「はぁ!」の軽い掛け声で放った蹴りが腹にめり込み、ナッパ君は吹っ飛んで岩に叩きつけられた。

 

 流石、しっかりした指導者が付くと違うな。

 

 俺のように単純にボコって瀕死の中に活路を見出させるのとは訳が違う。

 ラディッツ君より明確に強い、というかおそらく純粋な生命としての強さは悟空君が一番だろう。

 

 跳ね上がった戦闘力に、ベジータ君が唖然として目を見開いた。

 

「どうしたんだピッコロ、やんねぇのか?」

「俺はガス欠だ。封印はそれなり以上に体力を使うんでな。孫悟空、貴様に任せる」

「なら遠慮なくもらっちまうか!」

 

 相対するベジータ君は「大口を叩くだけのことはあるようだな」と吐き捨てた。

 

 ピッコロ君は平然としているように見えて、極度の疲弊状態だ。

 だが肉体に比べてその回復速度はずっと早い。

 そのままカッチン鋼の球を作って、立てこもりの姿勢に入った。

 気力が回復するまで不意打ちによるダメージを防ぐのだ。

 

 そう、名付けて「盾積みデバフループ作戦」!

 

 俺と協議して生まれたこの作戦は、カッチン鋼を主軸にデバフ、自己高速回復、デバフのループを決めることを主軸にしている。

 前衛がいることが前提だが、嵌れば間違いなく相手を削り殺せる万能性がある。

 

 さりげなく悟飯君を一緒のカッチン鋼球の中に入れたのを見て、俺はニコニコした。

 

 外で敵に仲間を嬲られたら出て行かざるを得なくなるからな。

 最初から大切なものは守りの中に入れておけと教えておいたのだ。

 どうせこの局面で悟飯君を役回りはピッコロ君の前衛役だからちょうどよかろう。

 

 舌打ちしたベジータ君が悟空君に向き直った。

 

「もしや貴様がカカロットか」

「それ、兄ちゃんが言ってたオラの本名だな。そうだぞ。オメェらなんとかっちゅー奴の下で働いて悪いことしてんだろ」

「なんとか?フリーザのことか。ふん、奴とイカ野郎は偉そうな顔をしているが、いずれこの俺が超えてみせる。この宇宙の王となるのはこの俺だ!」

 

 力強く宣言するベジータ君の様子に、悟空君は大層困った様子を見せた。

 

「オラ詳しくは知らねぇんだけどよ。黄衣さんとオメェらはどんな仕事をしてんだ。他の星でも地球でやったみたいに街を壊したりしてんのか?」

「………貴様、あのイカと知り合いか?ふん。街を破壊し、殺し、蹂躙して奪う。サイヤ人のごく一般的な在り方だ。文官どもはうざったいがな。どうだ、仲間に加わる気になったか?」

「いいや。オメェ達が悪ぃ奴だってのはわかった。黄衣さんも、ひでーことしてたんだな」

 

 悟空君の軽蔑した様子に、俺は画面越しにワナワナと震えた。

 ベジータ君ぶっころ。

 なんで俺らの悪事全部言っちゃうの。なんで誇らしげなの。

 

「黄衣さんはオラの兄ちゃんだ。オメェ達の悪事はオラが止める」

「……はーっはっはっは!奴の弟だと!?笑わせてくれるじゃないか!では、俺が貴様の屍を奴の前に晒してやろう!」

 

 あとはもう交わす言葉はない。

 睨み合ったお互いが、次の瞬間ぶつかり合う。

 

 互角のように見えるが、やや悟空君の方が優勢だ。

 岩山を破壊しながら凄まじい激闘を繰り広げている。

 

 まだ弱まったパワーに慣れていないのか、ベジータ君は予想外に押し負けたようだ。

 苦い顔をして「ナメック星人め!」と吐き捨てた。

 

「オラは本当はフルパワーのオメェと戦ェたかったけどな!」

「吐かせカカロットォ!」

 

 ベジータ君の必殺技──ギャリック砲だったか?──が放たれる。

 それを悟空君が防御しながら突っ込んでいった。

 精彩を欠いたそれを悠々と突き破り、悟空君が肉薄。

 強烈な一撃を叩き込んだ。

 

 そろそろ俺も現場に行こう。

 デバフループがある以上、ここからどんな技を出したとして負けは確定している。

 

「武天老師様、多分決着はすぐそこなのでブルマちゃんにも連絡しておいてください」

「わかった。気をつけるのじゃぞ」

 

 イカ姿に変身して、悠々と空へと飛び合う。

 留守番でさみしい落とし子達が、チャオズ君にミイミイじゃれついている。

 チャオズ君は触手まみれになって困っているようだ。

 

 俺はひとっ飛び、権能でこっそり現場に跳躍した。

 

 俺が見た時には、大猿が派手にぶっ飛ばされているところだった。

 上空には月に似た気の加工球が浮かんでいたが、突っ込んだ大猿によって弾け飛ぶ。

 どんどんと大猿は上昇して、上空で派手に元気玉が弾けた。

 

 おお、俺が教えた戦闘中チャージ元気玉が早速生かされていたようだ。

 元気玉を放った姿勢で荒い息をつく悟空君に、俺は内心歓声を上げた。

 

 チャージ技はヘイトを稼いでしまうし、そのままでは使いづらいなからな。

 練習中に一度だけお邪魔したとき、界王様指導のもと口を出させてもらったのだ。

 

 元気玉は、神による統治界下の生命力徴収の権能が元になっている。

 ただ、元々のそれと違ってどちらかというと「善意で提供してもらう」ことをベースにしているのが大きなポイントだ。

 だからこそ神ならぬ身でも使える技となっているのだ。

 

 しかし、ネックなのは生命力の収集の間動けないこと。

 これは権能における位置指定の問題で、「場所に集める」になっていたからだ。

 これを「人に集める」に変更するのは、概念の専門家である俺にとって楽な仕事だった。

 

 両手を上に上げるポーズは儀式の役割を果たして、わずかに回収速度を上げる効果があるようだが。

 こんなものデメリットの方がでかいので撤廃。

 

 これによって、高速戦闘中にチャージしながら、不意をついて射出できる取り回しの良い形式になったというわけだ。

 エネルギーの収集形態は体の上に浮遊させるモードと体内に隠し持つモードの二つを完備。

 大規模決戦用と容量制限のある奇襲用で使い分けられるようにしておいた。

 

 界王様は泣いていた。

 たぶん自身の技が美しく生まれ変わって嬉しいのだろう。

 俺は触手をバシバシ叩かれ、「お主はもう帰れ!!!」と言われるなどした。

 

 「ワシの顔を立てんか」?立てるべく改造したんじゃないか。

 実戦で使われないと寂しいし。

 

 悟空君が使ったのは体の上に溜めるタイプのようだ。

 ピッコロ君がカッチン鋼で攻撃を防ぎながら、うまく立ち回って強力な一撃を決め切った。

 

 地味にナッパ君のダウン位置が変わっている。

 

 気絶から復活して奇襲したが、悟飯君がやっつけたらしい。

 荒い息をした悟飯君がピッコロ君を守るような位置でへたり込んでいる。

 えらいぞ悟飯君!

 

 戦闘終了の空気に、俺はとことこと彼らの前に姿を現した。

 

「やっほ。みんな戦闘お疲れ。回復を配布しますよー」

「黄衣さん!!!ホント、総力戦でしたよ。宇宙人って強いんですね……」

 

 クリリン君が岩に身を預けてへたり込みながら言うので、回復をかけてやる。

 同じようにヤムチャ君と天津飯君を回復してやる。

 肉体が万全になっても気は回復しないため、皆気怠そうに立ち上がっている。

 

 ピッコロ君が落下したベジータ君を見下ろした。

 2回目の封印を喰らってもはや動けないのか、ギリギリと歯軋りしながらベジータ君が俺たちを見上げている。

 

「どうする。この2人は息の根を止めておくか」

「いや。フリーザ社長を敵に回すのは正直面倒だよ。解放してやろうか」

「……こいつらの親玉か。どの程度の強さだ?」

「わからん。公称だと少なくともベジータ君の10倍は強いけど。多分変身するタイプの宇宙人だし、そのさらに10倍は強くなると見積もっておいた方がいい感じ」

「もはや基準がよくわからん」

 

 うんざりしたようにピッコロ君が首を振った。

 流石に猫ほどは強くないだろうが、フリーザ社長と敵対するのは強かろうが弱かろうがやめた方がいい。

 

「相手は軍事企業である以上、数と兵器で来られたら地球なんてひとたまりも無いよ。こっちは文字通り手が足りない状態になる」

「なるほど……面倒だな。復讐に来る可能性はないのか?」

「俺が一報入れとくよ。今後は俺ん家来ないでってさ」

 

 ポッドに適当にナッパ君を放り込むと、ベジータ君が息も絶え絶えに俺に話しかけた。

 

「な、なぜ貴様がここにいる…俺を生きて帰して、奴らを見逃すとでも思っているのか」

「俺の秘技、フリーザ社長に言いつけてやる、を発動します。多分君が先に相手することになるのは社長です」

「!?!?!?く、クソッタレ!!!貴様にはプライドというものがないのか!」

「社長割と寛大だから大丈夫だよ。また侵攻しに来なければ許してもらえるから。つまり、フリーザ社長倒せるようになってから来いって意味ね」

「きさまァ……!」

 

 すごく悔しそうだ。

 正直、俺としては信じられないぐらいおおらかな処分なのだから喜べばいいのに。

 あんなにたくさんの人を殺しておいて、生きて帰れるんだぞ。

 

 ドラゴンボールで生き返らせる方法がなければ俺とて暴れてやったことだろう。

 

 二つのアタックボールが空に舞っていく。

 俺はため息をついて空に舞っていく。

 

 社長も困るだろうなぁ。

 退職した社員と現社員が揉め事なんて、こんなこと報告するのは気が重い。

 

 そのように、ひとまずの勝利をもって幕を閉じたのであった。

 





・害悪受けループ
ピッコロがイカの悪いところだけを学習した結果。
さりげなく維持費がかからないのでベジータは封印したまま。害悪技。

・フリーザ様
猿とイカが揉めて白目。いくら寛大でも許すはずない。
破壊神を仕留めてみせた奴に結果売って帰ってきた猿どもは直々に消す。

・ベジータ
イカ贔屓のフリーザの野郎が許すはずないのはわかってる。
なので、報告せず拠点のメディカルマシーン勝手に使ってからそのままナッパ連れてナメック星へ。
地球はイカがいるので、ナメック星のドラゴンボールを使って最強になる!
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