ナメック星行き武道会は、激しい死闘の末に悟空君、ピッコロ君、クリリン君の三人に決まったようだ。
悟空君とピッコロ君は順当な結果だが、クリリン君に関しては正直意外だった。
気の総量はそこまででもないのだが、まるで生きているかのように気円斬を五つ乱舞させる絶技を見せてくれたからな。
インファイトに加えた気円斬連携攻撃に、悟空君すらかなり苦戦させたようだ。
流石、気の制御は随一の男。
悟空君とピッコロ君の対戦は、封神封魔法の発動の隙をついた悟空君が一撃を決めて、術発生をキャンセル。
そのまま決着となった。
コンマ一秒ってレベルですらなかった隙のはずだが。
術理もろくに理解していないのに的確に隙をついて来るとは、悟空君の野生の勘か戦闘のセンスは凄まじい。
ピッコロ君はたいそう悔しがっていた。
ともかく、そうして乗り込んだ宇宙船2隻はつつがなくナメック星へと向かっている。
船内では俺の神域をトレーニングルームとして貸し出している。
重力が10倍だった界王星に味をしめたのか、悟空君の要望で重力変更区画も用意した。
今は三倍部屋でクリリン君がへばっているようだ。
地球人のくせに無理をしよる。
ピッコロ君と悟空君は十五倍部屋で組み手をしている最中だ。
みんな修行していて寂しいので、俺は宇宙船を自動航行モードにした。
ナメック星への到着も間も無くだ。
到着前、最後にブルマちゃんのところでまったりするつもりなのだ。
水や食料は俺が無限に出せるので、船内は比較的風呂や寛げる部屋などが揃っている。
元々倉庫だった部分をレイアウト変更した形だ。
俺がいない時は通常通り倉庫としても使えるし、非常に便利に仕上がっている。
俺が顔を見せると、「あら黄衣さん。いよいよ到着ね」と言ってブルマちゃんも微笑んでくれた。
俺はポンと紅茶と茶菓子を二つ用意した。
一緒にお茶をしながら、俺が権能で受診した地球のテレビをつける。
「隕石の落下か!?東の都を襲った悲劇の復興は遠く」と特集がやっている。
ブルマちゃんが少し憂いを帯びた顔をして、俺を流し見た。
「黄衣さんって昔地球に来たのよね。元はどんなところにいたの?」
「遠く離れた外宇宙にいたよ。人間もたくさんいた。面倒見てた子達もいたから、早く帰りたいんだけどな。事故で帰れなくなっちゃって」
「別の宇宙……この宇宙ですらない場所。世界って広いのね」
「世界なんて創造神の数だけあるからな。この世界だと、12個の宇宙があるようだけど」
見た感じ、12の宇宙の他に6つ、跡地みたいな場所があるのが確認できている。
創世当初は18だったんじゃないかと俺は睨んでいるが、真相は定かではない。
破壊神系の頂点に、あのアザトースのようなものがいるとして。
創造神系の頂点にいるはずの神の姿が見当たらないのが疑問である。
界王様の権能の逆解析で居るはずであることはわかっているのだが、いったいどこへ行ったのやら。
もしやアザトースのようなものに統合されたのだろうか。
それならアザトース似の規模の大きさも納得できる。
ということをつらつら説明すれば、ブルマちゃんは眉間に皺を寄せた。
「実感湧かないわね。でも、そういう世界がこの世には無数にあるっていうのは、ちょっと夢があるかも」とのこと。
ブルマちゃんなら、いずれ宇宙を超えるほどの宇宙船を作れるだろう。
偉大な科学者になれほどはずだ。
「楽しみだなぁ、いずれ俺の故郷たる外宇宙にも来てくれよな。無を超える宇宙船を作ってさ」
「無茶言わないでよ。この宇宙船を修理するのもめちゃくちゃ頑張ったんだからね」
「頑張るだけで異文明の光を超えた速さで航行する宇宙船を直したりはできないんだわ」
俺の指摘に、「元があれば出来るわよ。舐めないでちょうだい」と胸を張ったようだ。
できねぇんだよなぁ。
さて。
そろそろ悟空君達の様子を見に行くとするか。
到着前に呼んでおかないといけない。
ひょいと神域内を覗き込み、声をかける。
「おーっす、どうだ3人とも、修行の進捗は?」
「封神封魔法!!」
「おわーっ!?」
不意打ちで俺に向かって封印技が飛んだ。
俺は驚くフリをして逆に権能へと干渉して、ちょいちょいと術式を変更した。
ぽいっとな。
無防備にカッチン鋼に吸い込まれる俺に、ピッコロ君が視線を厳しくする。
その警戒は正しい。
瞬間、カッチン鋼がデカい苺のホールケーキに変身した。
ホールケーキをもぐもぐと食べて出てきた小型イカ姿の俺に、ピッコロ君が目を見開いた。
「!?!?!?」
【うまー。このように封印先に干渉されると無防備です。カッチン鋼であること自体を否定されることに注意しましょう】
「わけがわからん。どうやったらそうなるんだ」
【ちなみに、封印先指定変更でピッコロ君自体を指定して、体内から食い破る手もある。気をつけよう】
カービィのようにケーキを吸い込んでぺろっと食べ終わり、俺は満腹に頷いて人形に戻った。
俺なら、わざとピッコロ君の体内に封印先を変更するだろう。
それで内側からぶちまけながら出れば、敵にダメージを与えられて一石二鳥だ。
悟空君が「それなんか気持ち悪ぃぞ」と嫌そうに指摘した。
ほほほ本当に俺がピッコロ君食い破るわけじゃねぇのよ!!
でも実戦ならそういう戦法取るって?そうだよ。
チッ、とピッコロ君が舌打ちして瞑想に入る。
「黄衣さん!あとどのくれぇで到着だ?」
「ついに一ヶ月の旅路を終え、あと2時間ぐらい。そろそろ下船準備をしようね。5日も連続で出てこないのは不健康だよ」
「そうだな。ならピッコロ、最後にクリリン呼んで軽く手合わせしてから出ようぜ!」
「待て、孫。休息が先だ。黄衣、この空間の時を八時間止めておけ。気の回復を図る」
すっかり2人は仲良くなったようだ。
若干ピッコロ君もそわっとしているあたり、同族に会うのが楽しみなのだろう。
俺も自分の宇宙船に戻って、着陸設定を再確認しようか。
社長からもらった宇宙船は結構良いやつだから、もし目的地が鬱蒼と茂っていたとしても問題ない。
空中停滞で俺を下ろした後、近場の適した場所に自動で着陸してくれるのだ。
もし足場がない場合の足場印刷機能付き。
コックピットに戻ると、そこにはナメック星が見えていた。
奇妙な色をした星だ。
全体的に緑色で縞がかかっている。
そこに、爆撃と破壊が振り撒かれていた。
凄まじい爆撃に、キノコ型の雲が浮かぶ。
戦闘中のようだ。
逃げ惑うナメック星人らしき影が必死で避難している。
ブルマちゃんから無線が入った。
『ちょっと黄衣さん!?あれどういうこと!?』
「スーパーベジータ君と本気フリーザ社長が殴り合ってますね。この星もうだめだよ。ナメック星人の生き残り連れて帰ろうか」
『なんですってぇ!?!?』
うーん、ドラゴンボール争奪戦の末にベジータ君がどさくさに紛れて「俺を最強の戦士にしやがれぇええ!」とでも叫んだのだろうか。
なんだっけ、あれだ。ギャルのパンティ現象。
流れ弾でこの星の神龍がぶっ殺されていて、ドラゴンボールは使用不可になってしまっている。
もうどうにでもなぁれ状態だ。
「嘘おおお!!!!」とブルマちゃんの叫びが通信機器越しに伝わってくる。
それでも、俺たちの宇宙船はやはりつつがなくナメック星へと向かっているのであった。
・スーパーベジータ
あえて隠れ潜み隙をついてポルンガを呼び出し、フリーザ人質に取ったナメック人の子供に願いを言わせた。
気を隠す術は地球で見て覚えた。
ゲリラ戦の勝利。ナッパを適当に囮にした。
・フリーザ様
血管切れそう。
・ナメック星人
邪悪VS邪悪、勝手に戦えスペシャル。
願いの内容を聞いて仕方なくフリーザにドラゴンボールを渡したが、結果がこれでマジ鬱。