ハスターなオリ主とドラゴンボール   作:ラムセス_

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ブウ編
高校入学準備!


 

 しばらく平和に過ごしているなり。

 

 ミスターサタンとは定期的に会っているのだが、どうも面白く小狡い人物であった。

 俺への願いはなんと、「助っ人としてチャンピオン戦で八百長してほしい」だった。

 犯罪であるため、今回だけだということで次回の話は断らせてもらった。

 

 というか、なんなら俺に「チャンピオンにふさわしい力をくれ!!」とでも所望すれば話は早かっただろうに、そうはしないんだよなぁ。

 願えば一般人の思う怪力無双ぐらいなら簡単に渡せてやれるのに。

 

 変なところで庶民的で、面白い人である。

 ちゃんと「どんな願いも一つだけ叶えてやろう…」って言ったのに、シェンロンと違って荘厳さが足りなくて信用されなかったのだろうか。

 

 また、フリーザ社長の方は最近体表を銀色に光らせることができるようになってきたらしい。

 

 だが強くなったのにも関わらず、本人はすごく不機嫌そうであった。

 

 多分メタルクウラを思い出しているのだろう。

 あと銀というのも二番手感がして良くないのかもしれない。

 

 「すごい!頑張れば金もいけますよ金も!」と称賛すれば心を持ち直したようで、気長に金色を目指すらしい。

 週末ジムの気分で何年か修行しただけでハムスターレベルには強いんだから、もう十分だとは思うんだがなぁ。

 

 

 

 さて、今日はと言えば、悟飯くんの高校登校のための準備のための買い物の日だ。

 

 教科書等を受け取り制服の採寸も必要なため、高校のあるサタンシティまで向かう必要がある。

 だが、悟空くんの家からとんでもなく遠いのが難点だ。

 直線で東京から九州まで行けるレベルの距離だからな。

 

 悟飯くんは筋斗雲でぴゅっと行くつもりだったようだが、それだと保護者が付いていけない。

 悟空君はその日仕事だし。

 

 というわけで、今日は俺が悟飯君の付き添いである。

 悟飯くんの隣をふわふわ飛んでいれば、悟飯君が筋斗雲の上であぐらをかいて困った顔をした。

 

「すみません黄衣さん、ご迷惑かけちゃって」

「いいっていいって。俺は君のもう一人のお爺ちゃんでもあるんだから。それより、編入にあたって勉強頑張ったんだろ?」

「勉強は僕に合ってたみたいで。苦じゃありませんでしたよ。父さんには申し訳ないんですけど戦うより好きかもしれません」

「いいじゃないか、サイヤ人にだって勉学に優れた奴がいないと生きてけないんだし、そういうタイプだったんだよ」

 

 なんだか自分のサイヤ人の血にも関わらず、と申し訳なさそうにしていたので、俺はニコニコとそのようにフォローした。

 サイヤ人の歴史はわからないが、役割分担ぐらいはあっただろう。

 そういう珍しい個体が、時に歴史を左右するものだ。

 

 悟飯君は少しだけホッとしたように柔らかい笑顔を作った。

 父にもベジータ君にも似ない性質を後ろめたく思っていたのだろう。

 

 サタンシティに降り立つと、街はなんだか騒がしかった。

 町中にサイレンが鳴り響き、どうも犯罪が起きているのか一つの建物を警察が取り囲んでいる。 

 

「おいおい、またか?最近治安悪いなぁ、いや、犯罪が小粒になっただけか」

「強盗かもしれませんね。僕見てきます!」

「あ、ちょっと!」

 

 走っていってしまった悟飯君を、俺は慌てて追いかけた。

 レッドリボン軍の居た時みたいに無闇矢鱈と規模のでかい犯罪が減り、小粒な強盗窃盗殺人が増えた感じだ。

 いや十分大事なんだが、これはこれで警察のマンパワーがかかって面倒なんだよな。

 

 対象になっていたのは宝石店だ。

 覆面を被ったいかにもらしい窃盗団が、サブマシンガンを乱射してオラついている。

 怯えた店員さんが机の裏に隠れて震えているのが見えた。

 

 悟飯君がぷんぷん怒って口をへの字に曲げた。

 

「許せませんね!僕止めてきます!」

「あっ、顔、顔隠して!高校で騒動になっちゃう!」

「そ、そうでした!スーパーサイヤ人に変身すればいいかな!?」

 

 あわあわしているので、俺は変身ベルトをそっと取り出して手渡した。

 

 やっぱ身を隠すヒーローと言ったらこれでしょ。

 クラーク・ケントは眼鏡で身を隠すが、現実は流石にそのぐらいじゃ誤魔化しきれないだろうし。

 

「これ、俺の魔術と権能で作ったやつ。腰に巻いてボタンを押すと変身できます」

「……え、イカになっちゃうとか?」

「俺のことなんだと思ってんの。お揃いも捨てがたくはあるけど、普通に人型だよ」

 

 単にライダーベルトだからな。

 動きやすく破れにくい強化スーツに、バッタを想起させるヘルメットが自動装着される。

 中の私服を守り、不意打ちによる被弾を防ぐこともできるだろう。

 火の中に飛び込んでの救助活動もできる優れものだ。

 

 ふと思い立ったら妙に気合が入ってしまったのはご愛嬌。

 どうせ今回だけの出番だ。

 

 ちなみに、この技術はドクターゲロのアジトで見た最新技術も微妙に取りいれられている。

 こういうのは悪の科学者の介入がなければ嘘だからな。

 ゲーソゲソゲソ!私は悪の科学者でゲソ!

 

 建物の影に隠れでいそいそとベルトを装着した悟飯君が、素早くスーツに包まれて感嘆の声を上げる。

 大きな姿見を具現化してやると、「おお!」と喜色をはらんだ声を出した。

 

「ピッコロさんの服の次ぐらいにはかっこいいですよ!秘密で孤独なヒーローみたいな感じで!」

「ピッコロさんの服とか殿堂入りやんけ。何作っても勝てない……」

 

 ちくせう……。

 ちょっと涙を呑みつつ、上機嫌で走っていく悟飯君を見守ることとする。

 

 戦士の一人として幼少から鍛えられた悟飯君にとって、宝石強盗犯グループなんて障害でもなんでもない。

 瞬く間に制圧して、狼狽える警察官達を置き去りにすっと逃走して俺のところへと戻ってきた。

 ボタンをもう一度押せば戻れるようにしてあったから、自分で変身解除できたようだ。

 

 ふう、と息をついて悟飯くんはなんだかツヤツヤしてるというか、「良いことした!」みたいな達成感が滲み出ていた。

 悟飯君も男の子ってことか。

 

「さあ、行きましょう!採寸が済んだら母さんに美味しいお土産を買っていきたいんです」

「いいね!なら早めに済ませちゃうか」

 

 そのように、俺たちは予定通り街へと繰り出した。

 

 その日より、謎のヘルメットの男による救助活動がサタンシティでは度々目撃されるようになるのであった。

 味しめてるやんけ。年頃の子は可愛いのぉ。

 





・グレートサイヤマン
ダサいポーズが味わい深い、サタンシティのヒーロー。
見た目は仮面ライダー。
ブルマちゃんの反応は「影があっていいけど、暗い設定とかありそうじゃない?」とのこと。

・浮き上がる恐怖
ニャルラトホテプが大きめに作った化身。
生物に取り憑き、その内側を変容させる。神の呪詛の塊。
このナイアーラトテップを不愉快にさせた世界など壊れてしまえ。潰れてしまえ。死に絶えてしまえ。

・ハスターのコメント
俺が悪かったから八つ当たりやめて頼む。
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