ハスターなオリ主とドラゴンボール   作:ラムセス_

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愛を唄う

 

 悟飯君に彼女ができたらしい!

 

 チチちゃんもなかなかに息子の恋の様子に乗り気だし、悟飯君は朴念仁でラブコメみたいだし。

 まさに目が離せないというやつだ。

 放課後に集まって一緒に鍛錬もしているようだし、これは盛り上がってまいりした!

 

 俺はニコニコとそんな話をする今現在。

 紅茶を飲みつつまったりするブルマちゃんは俺の言葉に同意して微笑んだ。

 

「ああ、あの天下一武道会に出るって話よね。ベジータと孫君が出るから私も聞いてたわ」

「豪華な試合になりそうだな。悟飯君に天津飯君にクリリン君にピッコロ君。ラブコメ挟まる余地あるかな……」

「敗北もほろ苦いアクセントってもんよ。ところでなんだけど」

 

 パチンとウィンクして、華の女子高生のような恋に興味津々の顔をする。

 

「黄衣さんには良い人いないの?孫君にまで先越されちゃって」

「あはは。良い人ってか、俺既婚者だよ」

「え!?!?」

 

 すごく大袈裟に驚いたブルマちゃんが、目を見開いて俺をまじまじと見た。

 二、三度もごついた後、ガッと食いつくように身を乗り出した。

 

「ちょ、ちょっと、どんな人!?」

「寂しがりだけどちょっと我儘で、何事も打ち込むと凄い唯我独尊ガールだよ。いやボーイでもあるけど」

「そこあやふやなのどうなのよ」

「ナメック人だってそうだろ。そういうアレだよ」

 

 俺がそう言うと、「そういえば黄衣さんが男って決まってるわけでもないわね…」と神妙な顔をした。

 俺は頷いて、すかさずぽふんとハス子さんに変身した。

 若さと美貌とナイスバディを意識した、ニャルに教えてもらった美女モードだ。

 

 露出度の高い衣装で胸を寄せて、チラッと布を揺らして妖艶に微笑んで見せる。

 ブルマちゃんが渋面を作った。

 

「でも中身が黄衣さんだと思うとトランクスの教育に悪いから戻って頂戴」

「中身の否定から入るのやめてね。お宅のお子さんに忘れられぬ思い出を作ってやるわよ」

「ぶっ飛ばすわよ。でも、黄衣さんにはそんな素敵な奥さんがいたなんて安心したわ」

 

 本心からの言葉に、俺は男の姿に戻りながらきょとんと首を傾げた。

 ブルマちゃんが優しく微笑む。

 

「黄衣さん、こう見えて愛に飢えてるタイプでしょう?イケイケ押せ押せな女性側で見張ってれば、悪い女にも騙されないでしょうし」

 

 まあ、妻こそが悪いニャルなので論外なんだが、愛に飢えてるのは……そうなのだろうか。

 自分ではよくわからない。

 俺は眉をハの字に下げて聞き返した。

 

「そんな寂しがりか俺?」

「与えるタイプの愛なのは明白じゃない。露骨な貢ぎ癖よ。貢ぐ規模が大き過ぎて感覚がバグってるだけで、愛に飢えてるのは間違い無いわよ」

「………なるほど」

 

 俺ってば、案外寂しがり屋だったらしい。

 そう自覚すると、なんとなくニャルが恋しくなって来るものだ。

 くたっと机に寄りかかってぐだついた。

 

「あーー、ニャル今頃どうしてるかな。またゲーム作りに励んでるのかな」

「へぇ、奥さん、ゲーム作りを仕事にしてるの?」

「趣味だよ。仕事なんてしなくても暮らしてけるし」

 

 まあデスゲーム作りとかの場合もある。

 具体的にはクトゥルフ神話TRPG(ガチ)などを営んで楽しんでいる場合のことだ。

 悪いニャルなので人間を蟻と見立てて巣に水流し込んだりもする。

 

 でも一般人の思うゲームなどの開発をしているのもほんとのことだ。

 その豊富な経験と絶妙な鬼畜難易度からかなりの売れ筋を誇っている。

 

 俺はテーブルにのの字を書いた。

 ああ、帰りたい……自覚すると一層辛い気がしてきた。

 ブルマちゃんが穏やかに笑って、俺を元気付けるように声をかけた。

 

「馴れ初めを聞いても良い?」

「あー、会ったのはお互い尖ってた時期だったかなぁ。惑星破壊遊びとかやってた時に、『あの宙域でやべー奴が暴れてるぞ!』って噂を聞いて俺が見学に行ったら、むしゃくしゃしたニャルがあらゆるものを破壊してて」

「想像の一千倍ロックな出会いなんだけど」

 

 その頃のニャルは大層苛ついていたからな。

 オモチャになるような知性体も居ないし、やることもないし、つまらないし、寂しいし。

 目につく全部を破壊して憂さを晴らして、それでも晴れなくてさらに苛ついての負のループの真っ最中であった。

 

 そして俺は自殺志願者真っ盛り。

 永劫終わらぬ生に絶望して、もうどうにでもなあれの心境でニャルに話しかけたのだ。

 

 「なあ、俺と遊ばないか」ってね。

 

 運命の出会いだったかもしれない。

 俺たちはそうして、永劫の友となった。

 

「で、そのままゴールイン?」

「いや、相当紆余曲折あった。多分元は『親友を恋人に取られるぐらいなら自分が親友恋人兼任になってやる!』ってとち狂ったことが始まりだと思う」

「無性生物の摩訶不思議ね……」

 

 しみじみと俺たちは頷きあった。

 ふと、ブルマちゃんが瞬いて首を傾げた。

 

「そういえば私見たことないわよそんな人」

「別の宇宙に分かれ分かれになっちゃって。30年近く会えてないんだよな…怒ってるかなぁ」

「30年も!?!?いやそれは怒る怒らない以前に死亡扱いになってない?」

「いや、俺らの時間感覚では瞬きの間ぐらい失踪ぐらいのイメージ」

 

 でもニャルは堪え性が無いので200年も会わないと喚き出すんだよな。

 7万年ほど夜逃げした時などニャルは寂し過ぎてキャラ崩壊した。

 うーん、冷静に考えたら一挙一動監視してるレベルの束縛だな?

 

 ともかく今回は30年しか経ってないし、実質向こうでは二秒とかしか経ってない。

 懸念点は、最近はニャルと暮らしてたから堪え性が一段と無くなっている可能性が否定できない点。

 

 俺はうむうむと考えをまとめ終えた。

 

「だめかもしれん。初手土下座で行こう」

「幸運を祈るわ……」

 

 お、遠くからトランクス君が走って来て、俺の姿を見つけて喜色満面となった。

 遊んだ後でお腹も空いていたのだろう、「黄衣さーーん!豚の丸焼き作って!」とバタバタ手を振っている。

 

 なんかあれ、妙にサイヤ人に人気なんだのな。

 野生味が良いのだろうか、シェフ雇ってるはずのベジータ君トランクス君コンビも時々こうやって所望するのだ。

 

 「こら、突然そう言うこと言わない!」とブルマちゃんに怒られ、トランクス君はしゅんと萎れてしまった。

 

「あはは、いいよいいよ。権能で出すだけだし。何頭がいい?」

「やった!パパも欲しいだろうし聞いてくる!」

 

 びゅんっと全速力で重力室まで再びダッシュ。

 側から見ると消えたようなスピードだ。

 流石サイヤ人、子供でも基礎力が違う。

 

 結局、おれは20頭の豚を出現させた。

 腹にハーブ等を詰めた一品は、俺とブルマちゃん、ブリーフ博士達とともに軽い食事会として振舞われた。

 

 そうして俺はお礼に幾らかのカプセルコーポレーション商品券をもらって、帰宅となったわけである。

 

 体の傷は順調に癒えている。

 もうすぐ、もうすぐ俺も帰ることができる。

 

 そのように、待ち遠しさに胸を膨らませながら、俺は帰路をゆったりと歩いたのだった。

 





・ニャルニャル
今会いに行きます。
あなたを奪った世界への憎悪を胸いっぱいに抱きしめて、あなたを取り返しに行きます。

・ハスター
俺が勝手に事故っただけなのに…!?!?
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