ハスターなオリ主とドラゴンボール   作:ラムセス_

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神格の借り方談義

 

 フリーザ社長から送られてきた戦闘用スーツがあまりにもダサく、ちょっと失敗したかなと思う今日この頃。

 

 俺はといえば、入社までの場繋ぎとして近場の街で運送会社のバイトに精を出している。

 

 俺は転移ができるから、田舎の広大な範囲の運送がちょうどいいんだよな。

 免許はないが、俺の能力を見せて小さな運送会社に特別に入れてもらったのだ。

 早めに配達しないといけない商品がある時に重宝されている。

 人と社会のためになって、俺の力も活かせる。

 薄給が玉に瑕だが、こればっかりは仕方ない。

 

 世間は悪の軍団レッドリボン軍壊滅によって、若干の好景気に賑わっている。

 また悟空君が頑張ったらしい。

 ブルマちゃんからの連絡で、悟空君が八面六臂の活躍をしたのだと教えてもらった。

 

 うむうむ、悟空君が活躍していて嬉しい限りだ。

 レッドリボン軍を壊滅させたタイミングで一度みんなを連れて帰ってきたから、その時は俺がご馳走を作って振る舞った。

 

 ふはははは、悟空君の好きなものに加えて地方の新鮮で高価な食材たちだぞう!

 料理魔術もあるからあっという間におかわりも可能。

 たくさん食べる武闘家たちにはちょうどよかろうよ。

 

 クリリン君も喜んでくれたようで、「お前の兄ちゃん料理うめーな!」「だろ!オラ大好物なんだ!」と会話してくれた。

 いっぱいお食べ。

 悟空君にも使いやすいキャンプ料理は教えたからある程度料理できるけど、やっぱ調理魔術の凝った味付けが好きらしい。

 

 その後はドラゴンボール集めも終わって、また旅に出たらしい。

 空が暗くなったから、何か願いを叶えたのはわかっている。

 

 本当にたまにしか帰ってこないんだもんなぁ。

 待っていても俺の存在が薄くなるだけだと理解して、俺はチマチマ顔を出すようになった。

 

 位置情報ぐらいはわかるからな。

 旅先で幾度か不自然に会ってみたが、「お、黄衣さんじゃねぇか!」と嬉しそうにするだけで不審に思った様子は無かった。

 これ完全にストーカーなのよね。

 悲しいことだ。

 

 もうすぐ第22回天下一武道会が開かれると聞いているから、また応援に行く予定だ。

 

 最近も細かい怪獣を打ち倒して地元住民に感謝されたりしていたみたいだし。

 きっとひとまわり強くなった姿を皆に見せることができるだろう。

 楽しみ楽しみ。

 

 

 

 さて、本日は空に浮かぶ宮殿に来ている。

 

 多少の植木と、何もない大きな広場、そしてどこか中東風の特徴的で豪華な建物が並んでいる。

 ここまでの綺麗な建物を維持できているのは雨雲よりも上にある環境もあるが、神格自身の修復能力が大きいだろう。

 

 俺は広場に出したビーチ用のパラソル付きの机椅子一式に座り、パチクリと瞬いた。

 

「大魔王ピッコロ?」

「そうだ。私が残してきた因縁そのもの。それが近い将来、蘇るであろう予感がするのだ」

 

 緑の神格いわく。

 昔、この星の正式な神になるために自分から悪の心を分離したとのこと。

 するとそいつは暴れ出して、悪の限りを尽くした。

 それが大魔王ピッコロだ。

 

 その時は地上の人間が命を賭して悪を封じ、世に平和が訪れたのだという。

 

「ダメじゃないか、人間に尻拭いさせたら」

「私も分離の影響でダメージがあったのだ。だが、今思えば奴と共に消えておくべきだったと思っている」

「そ、そこまで言ってないけどさぁ。神ってそんな高潔じゃなきゃいけないの???」

 

 化身を大きく作りすぎて制御が利かなくなった、というのはまあ、わかることでもある。

 ニャルラトホテプも時々化身に反逆されてブスくれているからな。

 毎回「抜け毛の癖にあまりに生意気なんですけど!」とブツブツ怒っていたし。

 

 なんというか、うっかりさんなことよ。

 

 世話になってるし、復活したら俺が潰してやってもよかったが。

 でも緑の神格、ピッコロ大魔王が死ぬと一緒に死んでしまうみたいなんだよな。

 

 ポポという名の付き人の説明を聞いて、俺は仰天したものだ。

 

 何それ初めて聞くシステム!

 そんな取り返しのつかない部分まで分離して化身作るなんて聞いたことないんだわ。

 

 となると、ピッコロ大魔王が死ねば緑の神格も死ぬわけで、つまりドラゴンボールも使用不可能になる。

 儚い……聞いたことないくらい凄く儚い神格だ。

 

 緑の神格はティーカップから茶を含んで、穏やかに笑った。

 

「もし人が滅ぼされそうになったのなら、どうか力を貸してほしい。外の神に助けを借りる情けない神だが、どうか頼む」

「分かったよ。でもこういうのはこの星の生命にやらせた方がいいかもな。ちょうどいい神からの試練になりそうだ」

 

 神なんて暴れるものだ。

 いずれこの星の外から脅威の神格が到来した時、それを乗り越える強さが生命には必要である。

 もちろん俺が人間は守るが、それはそれとして俺のいなくなった後に強き生命も必要だしな。

 

 雑多な羽虫については知らん。

 生き残る奴もいるはずだ。

 

 特にあれだ。

 ドラゴンボールはインフレが激しいと聞くから、困難は下手に取り除かない方がいいだろう。

 

 俺がニコニコとそう提案すると、ポポが真顔のまま口を開いた。

 

「わたしの神様、神様でよかった。こいつ邪神」

「やめるんだポポ。だが……その、貴方は少々愛が偏りすぎている。神は公平で平等であるべきだろうに」

「うす」

 

 真面目に叱られが発生して、俺はしょげかえって触手を縮れさせた。

 茶を飲み切ってしまったので、魔術でコーヒーを出現させてずるずると行儀悪く飲む。

 

 羽虫と人間を平等に見るなんて無理じゃろ…。

 視界に入っても潰さず見守るように頑張ってるのに。

 すごい成長と寛容だと自負しているんだが、これでもまだ足りないのか。

 

 前は不愉快なミ=ゴが居たから遊びがてらニャルと族滅ゲームしたけど。

 そういう族滅ゲームしてないし、口に飛び込んできた不愉快な羽虫をプチッと潰してもいない。

 藪に突っ込んだのは俺だし、最大限の配慮をしているのに。

 

 神様とポポが丁寧に俺を窘めた。

 

「我ら神は見守るものだ。強大な力があるからこそ、その振るうべき場所を慎重に見極めなければならない」

「思うに、おまえは入れ込みすぎ。神様みたいに人里離れた宮殿にこもって遠くから見守るぐらいがちょうどいい。手出しせず、でも目は離さない」

「やだぁ!寂しい!!人間と一緒に暮らしたいし加護与えたい!!」

 

 俺はジタバタ暴れるなどした。

 

 そんな仙人みたいな生活やだ!!

 可哀想な人間いたら助けたいでしょ!無視するなんてできない!

 変な害獣が人間を襲うかもしれないし!

 

 緑の神格は大きなため息をついた。

 「お主は本当に神には向かない性格をしておるようだ」と匙を投げる。

 ポポも「忍耐足りない」とピシャリと一喝。

 

 うおお触手出して暴れてやるぞ。

 この世界の神様徳高すぎる。ニャルなんて辛抱たまらんすぎて爆発するかもしれん。

 

 俺はクトゥルフ神話な世界に帰りたくてシクシク泣いた。

 いや冷静に考えたら全然この世界のがマシだな。

 神のなんとなくで人類滅びたりしなさそうだし。

 向こうの俺の地球持ってこようかな。

 

 俺が取らぬ狸の皮算用をしていると、「またおかしなことを考えておるだろう」と訝しげな緑の神格に注意されてしまった。

 俺の方が神様歴長いのに頭上がらへん。グスッ。

 





・宇宙神格治安
全王様やビルス様という天災を考慮しても、ドラゴンボール世界の地球の方が人類の生き残る可能性は高い。
というか、クトゥルフ神話の世界の神格の治安が悪すぎる。
ハスターみたいに人類超優遇羽虫族滅ぐらいの勢いでないと人類は生き残れない。
ドラゴンボール世界の最大の懸念はブウ、セル、フリーザといった神格以外の脅威である。
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