魔法科高校の退学希望者   作:無淵玄白

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我は放つ光の白刃!

などのネタを入れつつ、いよいよキックオフ!! 勝ってくれー!!ジャイアントキリング起こしてくれー!!




第二十話「マギア・スクールパニック2」

 

現代魔法は体系化された技術だ。

 

かつては一部の超能力者にしか許されなかった技を、こうなればこうなると理論付けて発動を容易にし適正(・・)あるものならば、「万人」に使えるものとした最先端の技術である。

 

機械工学の産物に能力の設計図を入れて縮小して、起動と同時に能力者の中身にインプット。

 

それを発動させるために能力者は設計図を世界にアウトプットする。

 

そういう作業工程である。現代魔法とは。

 

「俺が魔法に触り始めてから思ったことは、……これならば脳髄以外は機械にしたサイボーグかバイオボーグにでも魔法を使わせた方が良くないとか感じましたよ」

 

「石田としてはあまり好ましくないか?こういうオートマチックな手法は」

 

「そうですね。やっていることは分かるんですけど、これだと『自分の意識』が『魔法』に乗っているようには思えないんですよね。なんかトスバッティングで打ちやすい球だけを打っているみたいで、これで能力の進歩ってあるのか?と疑問だらけです」

 

魔法のシロウトの言葉は魔法を知っている人間からすれば、モノ知らないヤツと思われるだろうが、それでも……。

 

「だから俺は魔法式に自分の「理想」(イデア)を差し込むことにしましたよ。達者に出来ないやつには達者に出来るための技法も必要だと思って」

 

結果は出ていた。

 

CADから取り込んだ起動式。それが展開していく魔法式ーーーその段階でアキラは、『設計図』を作り出す。

 

「例えるならば、この間の俺と森崎君の戦いで、俺は森崎君を倒すために、排除するために森崎君という敵がいないという現実を作り出そうとしますよね? これが出来れば一番簡単なんですが、当たり前にすでに存在しているモノには存在を抹消されることに対する抵抗力のようなものがあり、あっさり消滅させることは出来ません」

 

「うむ。ゆえにエイドス改変という二次的なものが必要になるーーー」

 

十文字との会話の中で引き合いに出された森崎は、怒りよりも、そんな恐ろしいことを考えていたのかと少しだけ怯えてしまいそうになる。

 

虚勢を張ろうにも、あの時を思い出してしまう。

 

(だが、あの時……相対していた石田は……)

 

内心の言葉とは別に、演習室に響く会話は続く。

 

「ええ、ですがそれとは別に敵を破壊できるだけの熱や衝撃を加えれば排除出来るだろうという「理想」を成し遂げるための状況を作り出すために、理想ーーー俺は『構成』と呼んでいるものに現実と同じ存在感を持つまで力を注ぎ込むんですよ」

「ーーー……続けろ石田」

 

十文字が言葉に詰まらせるほどに、それは恐ろしく鋭い棘となっていた。

 

「その構成に十二分にーーーサイオンなのかどうかは分からないですが、『力』が注がれると、俺には構成と現実が全く同じ存在感と質感を持って見えるようになって、あとは現実と同じだけの構成を伴った魔法式を解き放てば、そこには思い描いていたものが顕在するわけです」

 

その言葉はあまりにも今までの魔法の常識を崩していた。しかし、よく考えれば……魔法式を投射する際に、自分たちの「こうしよう」「ああしよう」というのは座標指定ぐらいで、そういう風な自意識があっただろうかとは思う。

 

「………恐ろしいほどに、それが結果を持っている。出しているーーー俺は体感出来ていないから分からないが、だがなぜそれを実践するようになったんだ?」

 

「いや、俺は魔法のシロウトですよ?おまけに数字持ちでもエレメンツでしたっけ?それでもないし、第一世代としてもご先祖に何か宗教関係者や貴いお家柄もいないんですよ。達者にやるためには、他の連中と同じようにやっていたって上手くいくわけがない。それに俺は元々フットボーラーなんで、40分間は絶えず動き続けてゴールを狙ってきた人間。いざ魔法師としての術を行使する際に、そういう受動的な行動(起動式からの魔法式展開)で上手くいくのか?と常々感じましたよ」

 

長々と語ってから、そんな思い持たなきゃよかったと感じる。

 

よく考えてみれば、その行動こそが現在の状況に繋がっているかと苦い想いを抱くアキラである。別にそんな風に魔法を達者にやろうと思わなければ良かった。

 

この方法を実践していたのは公立塾で中々、結果が出ずに悶々としていた頃だったか。この世界の『下地』の1つを知っていたアキラとしては……この方法を使えば、まぁ出来るだろう?ぐらいの感覚だった。

 

どうせ受かるわけがないが、みっともない結果で物笑いの種になるのもイヤだなということで、せめて少しだけマシな方法でやろうという程度だったというのに。

 

「ドウしたのアキラ?何だかスゴく苦そうな顔(ビターフェイス)してるワよ?」

「そうですよ。アキラ君は偉業を達成しているんですから、もっと誇らしい顔をしてくださいよ!!」

 

美少女2人が、こちらを心配そうな顔で見ていることに心苦しく思いながらも、そんな顔が出来るわけがない。言葉を重ねる。

 

「そもそも現代魔法は、思うだけで現実をねじ曲げる超能力から発展したものならば、そこに行き着かないわけが無いと思うんですけど」

 

起動式は、魔法の設計図。魔法師はサイオンの良導体である肉体を通じてCADが出力した起動式を吸収し、魔法師を魔法師たらしめている精神機構、魔法演算領域へ送り込む。魔法演算領域は起動式に基づき、魔法を実行する情報体、魔法式を組み上げる。

 

そう聞いていたのだが……。

 

「だが、それはアキラのように意識的な行動で起こしているものじゃない。無意識下に存在する演算領域に起動式を送り込んだ時点で魔法師に残された仕事は、魔法をアウトプットすることでしかないはずなんだよ」

 

「そこから更に自分の意思を介在させていくだなんて……アキラ君は、今まで魔法師として積み重ねてきた私達の常識を覆すわ」

 

司波達也と七草真由美の言葉に思わず。

 

またオレ何かやっちゃいました? とか言いたくなる。

 

別に賢者の孫でもサラリーマン金太郎でもないのだが、この世界の常識とは異なるか。だが、1つの確信はあったりする。

 

「ふざけるな……僕たちは、魔法師の家の子供たちは、今まで努力してきたんだ。それこそ辛い思いをしてでも魔法に慣れてきたんだ!!……それを!自分がやりやすい方法なんてショートカットした技術で結果を出したからって、いい気になるなよシロウトが!!」

 

そしてやはり予想通りに絡んできた森崎君に「予想通りに動いてくれてありがとう」と内心でのみ感謝を伝えながら言葉を返す。

 

「いい気になんてなってないんだけど、この方法論が邪道の外道でいずれ何かの弊害を術者に生じさせる可能性があるならば、止めてほしかったからこそ、こうして事細かに説明したんだがな」

 

「いいや、まだ詳細は掴めていないが、この方法は非常に安定的で、かつ演算領域を深める手法だと思っている。ーーー俺の御墨付きでも納得出来ないか?森崎」

 

その言葉に詰まる森崎の姿。平淡な表情に務めて感情を表に出さないでいたアキラだが。

 

「では、少々実験と行きましょうか。一年2科の代表者が、森崎君と演習での試技を行うことで、比べるというのはどうです?」

 

「リンちゃん?」

 

いつの間にかやってきた生徒会会計である市原鈴音によって筐体型CADの内容は変更された上に、実習内容が変更されていた。

 

「すみません。先生方から頼まれて勝手ながら実習の変更をしていました」

 

その言葉に、なぜ教師が来ないかの裏側を察してしまった。要するに、今まで教育なんてやってなかった生徒側なので顔向け出来ない。

 

卑怯なコウモリよろしく、いまさら厚顔無恥にやって来られても2科としては、あまり気分が良くないのだが……。

 

(逃げやがった)

 

そんな内心での感想を漏らさずに状況をやり過ごす。

 

変更された実習内容はーーー。

 

「アンジェリーナはアレ、どういうのか分かる?」

 

「オフコース! 同時にCADを操作して中間地点に置かれた金属球を先に支配(コントロール)するという魔法実習の中でもシンプル且つゲーム性の高いものヨ!」

 

「一科生は色々やってるねー」

 

言いながらも、これは原作では三学期にやっているものだったなぁと感じつつ、これの要諦は、干渉力を上げていくという訓練とも言える。

 

速さというよりも強さ、硬さを高めるという訓練だろうか?

 

だとすれば。

 

「では2科は誰が出ます? 石田君は推薦ありますか?」

 

「それじゃ柴田美月さんを推します」

 

アキラは自分の推しの子として美月を推薦するのだった。

 

既に森崎は対面のCAD筐体側に陣取っており、クソみたいにやる気満々のようだ。

 

対する柴田美月は……。

 

「ミヅキ?だいじょーーー」

「アキラくん、これお願いしますね」

「ケースが無いのは問題だな」

 

想子の光を遮断する眼鏡を受け取ってレンズに指紋を付けないように気をつけておく。そうしてアンジェリーナの心配をよそに戦いの場に立った柴田美月。

 

そして……。

 

「8戦やって6勝2敗でーーー」

「ええ、柴田さんの勝ちです」

 

市原会計の宣言に2科のE,Fクラスが沸き立つ。

 

かたややってきたAクラスの大半は、意気消沈である。

 

あまりにあまりなジャイアントキリングーーーまぁ森崎君はよくて巨人は巨人でも、中型程度なのでオーガーキリングというところかもしれない。

 

(が、この結果は美月及び2科にとってジャイアントキリング(大物喰い)であることは間違いないわけでーーー)

 

「アキラくん!!やりましたよーーー!!」

「ミヅキ!! そのポジションはワタシのものなのに!!」

「今は譲ってあげなさいリーナ」

 

アキラは正面から抱きつき喜ぶ柴田美月を受け入れざるを得ず、その様子にそれぞれが色々な表情をする。怒る次席を総代が止めたりもしているのだが。

 

まぁ、そのカラダの「一部」の柔らかさはすごすぎて男としてはどうしようもなくなる。

 

スタイルが似ている光井が何か天啓を得たらしき顔になっているのに気づき、これが九校戦での『アレ』に繋がるのかと思いながら。

 

「とりあえず眼鏡。視線を媒体にした魔法使用がどんな弊害を齎すのか分からんから」

「はい。ありがとうございます」

 

アキラから離れて眼鏡を受け取った美月の笑顔に、なんというか嬉しさよりも気まずさを覚えるのは未だに見えていない古式魔法の神童のーーー。

 

「認めない!!お前なんて認められるものか!!!お前のようなアンジェリーナさんに気を持たれながら他の女子にも手をつける女ったらしなんか認められるものか!! 決闘だ!! オレは石田アキラに決闘を挑むぞ!!!」

 

やはり、こうなるのかと内心でのみほくそ笑みながらーーー。

 

(名前は知らんが、お前を俺の退学の礎にしてくれてやる!!)

 

アキラは決意する。

 

このままでは俺の退学ロードは閉ざされたままである。

 

ならば徹底的に鬼に、悪鬼羅刹になって魔法師社会の異端として退学の道を望むことにするのだった。

 

ーーー当然、そんなことは無理だったりするのを後に思い、それとは別にお昼のチャイムが鳴り響いて昼食時間を挟んでから。

 

A組男子 百家本流の『五十嵐鷹輔』ーーーwith 4menとの決闘となるのだった……。

 

 

 

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