しかし、昔のゴジョウと言えば最遊記の沙悟浄であった。
いや、今回の話を書いていてなんとなくそう思った。平田さんのセクシーダンディなボイスは健在です!!
尋問とも査問とも言えるものを終えて放課後のアイネブリーゼは、何か知らんが満員御礼であった。
その理由は……
「それでは石田アキラ君の勝利を祝してカンパーイ!!」
エリカが発したその言葉に誰もが乾杯をするが主賓(?)であるアキラは、その音頭はいいんだろうか?と思う。
「カレ、嫌われてんのかな?」
「まぁ、初日の校門前でのこととかもあったしね」
「意識だけが高いヤツだから」
クラスメイト2人……光井ほのかと北山雫からも散々な評価である森崎。原作を知る身としては、まぁ確かにその後にフェードアウトしていくだけに、そうだと分かっていても少しだけ悲しく思うのは何故だろうか。
「なんだか歯切れがわりぃなアキラ」
「そりゃね。光井さんが言う校門前でのことは俺は関知していないし、ただ彼は俺がーーーインチキしてあの実習成績を出したと思ったわけだしな」
西城の言葉に返す。実戦の場でならば、筐体記録式のスコアなどでは分からぬ化けの皮が剥がれるはずだとして戦ったのだろうから、義憤を以て戦った面もあるだろうから、少しは思うところもある。
「そうなると学校の全ての機器を疑わしく思わなければいけない」
中々に辛辣な事を言う北山に「そういうもんか」と思う。
「だが、森崎は逆にアキラの実力が擬い物に非ずということを己の身を以て実証してしまったわけだ」
タツヤデモートの言葉で全員が納得したようだ。何故に彼は噛ませ犬の役割だけなのだろうと思いつつ……。
(考えるのを放棄しよう)
カーズ様(井上和彦)のようにしておくのだった。
でなければ……。
「はい、どうぞアキラさん」
「いや、柴田さん。俺のことは構わないでいいよ」
「そんな遠慮しないでください。疲れているのでは?」
アンジェリーナが左隣に、柴田美月が右隣に陣取る様子にどうしようもなくなるのだから。
笑顔で差し出してきた烏龍茶を飲むも、何だこの状況と思う。どちらもメリハリあるナイスバディを持っていてこうも近いと触れそうになる。いや一方は完全に自分の腕に抱きついているのだが、柴田美月も時々そうなるのだから困る。
「ムムッ! アキラ!!ワタシのパフェを食べて!」
「対抗するなよ。むぐっ!!」
自分の使っていたスプーンで取ったクリームを男の口に入れるという恐ろしくアレなことをしてくるアメリカンにどうしようもなくなる。
「両手に華で王様だねー。どうよ気分は?」
「この状況で何も感じなければ、男としてどうなんだというものはあるよ」
千葉エリカのからかいに答えながらも、ある意味では
秋山澪と田井中律が男を取り合うとか、どんなエロ同人だよとは思う。
ジャンルが
「ところでだ。あの戦いで見えたことを聞いていいか?」
「俺の知識で分かることならばね」
聞かれても、どういうことなのかは自分でも分からんこともあると予防線を張りながらタツヤデモートの質問に備える。
「情報強化を施す前にアキラは攻撃を食らったが、痛くなかったのか?」
「まぁ少しはチクっとしたよ。その程度で済んだのは、あちらさんも手加減したんじゃないの?」
「俺にはそうは思えないな。まぁその辺は置いておくとして」
いいのかよ。と悪態を突きそうになるも、カレにもこの現象が分からないのだろう。
「エア・ブリットを使用したのは何故だ?」
「特に意図はないーーーが……登録していたのは……まぁそうしたからだ」
「歯切れが悪いな」
「どうせ笑われるだろうから、言わないでいたい」
「この際言ってしまえ。この場は俺が支払ってやる」
そう言われては祝われている側、ゴチになる人間としては言っておかねばなるまい。
石田アキラは、その辺りの摂理を分かっている人間であるのだ。
「俺も魔法を触れたのは初めてだったからな。近場のデバイス販売店に行った際にとりあえず試験項目の基本的な系統魔法を入れておいて、で……余った登録箇所になに入れますか?と聞かれて分からないから……」
言いたくない気持ちが溢れてならない。
「「それで?」」
「火炎球、ファイアーボールみたいな魔法ないですか?と聞いて、「そんなもんはない」と言われてやむを得ずだ」
「なるほど、確かに一般的な「感性」の持ち主だな……」
シロウトですから、知識はファンタジー準拠などと無言でタツヤデモートに抗議しつつも特に言わず苦笑で返しておく。
誰でも一度は憧れる「いまのはメラゾーマではない……メラだ」が不合理とされる世界である。
「けども、石田君……そういうのはさ」
「光井さんの言いたいのは分かるよ。仮に火炎を球状にして打ち出しても、低速じゃないとカタチを保てない、高速では火の粉として散ってしまうから不効率だってのはね。熱波や熱風として放出した方がいいってのはね」
分かってんじゃん。と言わんばかりの顔をする対面の優等生3人。
けど魔法の王道を使ってみたかった。合理性だけではなくてロマンを解してほしかったと思いながらも、その代わりにエア・ブリット……空気弾を入れたのだ。
「魔法戦闘が初めてって割には緊張している様子は無かったよな」
「まぁ俺とて勝負事に関連することはやってきたから魔法とはあんまり関連ないけど」
西城の言葉に返すと、すかさず……。
「それはお前がサッカーのU-15の日本代表だったことと関係あるのか?」
「……思うんだけど司波くんや。俺のプライバシーを調べたのかい?」
分かっちゃいたが、この男のヤクザじみた他人の個人情報探りを下劣なことと思っておくのだった。
「悪いな。俺のような人間にとっては魔法科高校…いや、魔法師としては異色の人物に思えたんだ。前にも語ったが、色んな魔法が俺は好きだが、魔法の方は俺を好きじゃないのか自由に使わせてくれない。言うなれば気を引こうと様々なアプローチ掛けても俺の方に振り向かない女なのに、アキラのような魔法師としてはビギナーすぎる男には簡単に振り向いて抱きしめられちゃうからな……これは嫉妬だよ。森崎との戦いでその想いは強くなったが」
喩えが若干気持ち悪いなと思うも、それは恐らく司波達也の本音ではあるのかもしれない。哀しそうな顔をする司波深雪と光井ほのかを見ながらも……。
「けど俺の名前でヒットするのなんて平成・令和時代の名声優じゃない?」
「そうだな。後ろ姿がG似の神官、カヲルでいいよ、三蔵一行の保父さんとかしか出なかったが……最新の記事に限定すれば出てくるもんだ」
冷静に返して冷静に切り返されたが、アキラと達也が話している間、周囲は黙っていたが。
「アキラ、フットボーラーの
「言っちゃなんだけど、この国でジュニアスポーツの世界大会なんてそこまで注目されるもんじゃないよ」
リトルチームが世界に行こうと、ポニーリーグで世界に行こうと、キャビネットのニュースに取り上げられることは稀なのだ。
「そういうプロブレムじゃないワ!! ナンデ言ってくれナカッタの?」
「俺は
ーーー
その言葉を受けて、当事者であった内の2人が吹き出しそうになるのを抑えて親指立ててナイスとする。
まさか司波深雪までそうするとは思っていなかったが……。
「ーーーイヤミか?」
言われた方はとことん不機嫌そうになるのを隠してとりあえず笑顔で言う。
「いいや当てつけと当てこすりだな。まぁ何はともあれ、俺にとっちゃあの程度のブーイングは「へ」でもない。フーリガンやウルトラスなど熱狂的なサポーターなんか花火を焚くわ、
周囲(満員御礼のアイネブリーゼ内)が予想外に大きい人間だったんだなということを認識したが……。
「それじゃ質問ついでだけど、やっぱりサッカー選手ってモテるでしょ?」
エリカにとっては、個人的な所を聞きたがる様子だ。
「基本的にはカッコよさを求める所はあるね」
Jリーグ黎明期の頃の「V」がバブルの頃のノリがあったとはいえ、そこが原点とも言える。
あのチームの選手のファッションなどは当時の雑誌でも紹介されていたのだ。まぁJリーグカレーが有名だが(爆)
「それじゃ海外遠征で現地の女の子をカノジョにしたりとかあった。告白されたり」
「千葉さんのご期待に添えるかは分からんが、そういうヤツもいたよ」
「アキラくんは?」
「カノジョだったかどうかは不明だが、フランスリーグ…リーグ・アンに少しいた頃になかよくなーーー痛い痛い!ちょいとお二人さん!?」
アキラの隣に陣取る2人の美少女が恐るべき力で腕を掴んでくるのだった。あたっている胸の感触以上に、細腕でありながら何故にこんな力を発揮すると思いながらも。
「お白状するのだ。アキラ」
お前はどこのトム・リドルだ?と言いたくなるもさんざっぱらタツヤデモートなどと内心で言っていたので、仕方なく従うことに。
「アイリスっていう子とは仲良くなったか。フェンシングやっているらしくて、本人が日本に住んでいたからか、まぁその関連で、度々パリで会っている内に仲良くなったか」
ぼかしながらその辺を語ることにした。魔法科原作のキャラではない普通の美少女だったので、何事も無ければ付き合おうとは考えていたと思いつつ少しだけ浸る。
「ほほぅ。で、男も女もみんな異邦人で、マロニエに歌を口ずさみながら」
「シャンゼリゼに恋の花が咲く誰もが恋する町ということね」
キミら仲良いね。西城と千葉の御旗のもとに集ったようなニヤニヤ笑いをしながらの渡りセリフに内心でのみ感想を呟く。
「写真とかないんで、俺のイマジナリーフレンドということにしといてもいいよ」
ただアイリスの実在は証明出来なかった。自分の端末には彼女との何かはない。
「なんでだ?」
司波達也の疑問は当然だった。
「写真を撮られたくなかったみたいだな。まぁ色々と事情はありそうだったし、フェンシングも身体のラインが出る競技服を着るからか来てほしくなかったようだ」
「……それ、本当は来てほしかったのかもしれませんよ?」
腕に抱きつく美月の言葉にそれに関しては少しは考えたと言いながらも、そこまでの勇気はなかった。
「以上で俺のことはいいか?」
「すまないな。根掘り葉掘り聞いてしまってーーーやはり石田アキラは、驚異的なトリックスターということが分かったよ」
そんな評価かい。と半眼になるような想いを持ちつつも。
「こんなに話し込んでいてこのミルクレープがシオシオのパーになりそうだから食べないか?居続けるならばマスターも追加注文欲しそうだしな」
中央に据えられているメイン。そこまで悪くなるような料理ではないが、厳つい
「ああ、そうだな。だが、両腕を取られた状態では、お前はこの美味しいミルクレープを食べられない」
全くそのとおりだ!と小◯のような口調で言いたくなりつつも、その後の話の主題は他に移っていき、アキラは聞き役に徹しながらも魔法シロウトらしく時折質問をぶつけるのだった。
なお……ミルクレープは、両隣の美少女のフォークで与えられる様子が後日の一高を騒がせることに。