「……座間が怪我したって?」
「ああ、僕を助けて、車に引かれました」
話が届いたのか、僕は相沢さんに連れられ、正座させられている。
病室の場所は携帯で伝えたし、まさか教室にまで来て空き教室まで連れられて正座させられると、去年のバカした後を思い出した。
ただ、僕の気持ちは今回はどうしようもなく、仕方がないとしか思えなかった。
「……春香」
「わかってるよ……ごめん新田。少し暴走した」
藍原の言葉に、眉を下げて頭を下げてくれる相沢さん。
その気持ちが痛いほど伝わってくる。
――でも、胸の奥にはぽっかり穴が開いたままだ。
理解、できてしまうから。
「いいよ。気持ちはわかるから。
僕も、座間がこうなったと聞いたら、聞きたくなる気持ち、わかるから」
本心からの言葉だ。
事実、僕だって同じようなことをするかもしれない。
誰だって、友達が怪我して学校にこなかったら、事情を直接聴きたいだろう。
「私からもごめん新田。国立にむけての忙しい時に」
「学校の休み時間まで練習してないから大丈夫。
気にしないで」
藍原も頭を下げて、僕には次があることを十分に理解でき、気が重くなった。
「おい! 座間が怪我したって聞いたぞ!!」
金川がどすどすと乗り込んで、僕の胸倉をつかむ。予想通りだった。
でも、避ける気なんて一切湧かなかった。
「落ち着け、殴りたいなら殴ってくれてもいいが、一旦落ち着け」
「落ち着けるわけないだろう!」
叫びながらも、殴らない金川。
……いつもより落ち着いてるな。
だが力は依然として強く、
掴まれたまま、状況を説明するしかなかった。
話すうち、顔はドンドン落ち込んでいく。
そんなつもりは、なかったのに。
「……すまん、軽率だった」
「いいよ。予想できたし。
なにより、多分金川なら、僕がなっても座間に詰めるのが見えるからね」
眉を下げ頭を下げた。ほんとみんな似たモノ同士だ。
まあ、僕も多分詰めるから人のことは言えないが。
「新田が座間を怪我させたって」
「えー、暴力事件!?」
「ちげえって、座間が新田を助けた結果だ」
「それで、あいつ部活してんのかよ…心配じゃねえの?」
「全国大会を控えてるんだ。
そんな時間あるわけないだろ、バカ!」
もう、なんと言われてもいいさ。
――結果で示すしかない。
僕には、勝って結果を出す。
その、義務があるから。
座間のためにも、みんなのためにも――そして、自分のためにも、だ。
じゃなかったら、僕は……もう二度と、僕自身を許せそうにないから。
1000文字制限のため、ちょっと調整――。