ポケモンロード バイオレット・レクイエム   作:とり。@pktorisky

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 アカデミー地下で見つかった『ラクリウム・コア』を詳しく調べるべく、エクシード社へやってきたペパーとボタン。
 そこで出会った社長の息子でボタンの戦友であるアメジオと、ペパーはポケモン勝負をすることになったのであった。
「ルールは一対一の一本勝負!構わないな?」
「おう!行くぜ!!」

ポケモンロード バイオレット・レクイエム

Chapter3 エクシード・アゲイン


第8話 ペパーとアメジオ

ーポケモントレーナーの アメジオが 勝負を しかけてきた!ー

 ペパーのパートナーはマフィティフ、アメジオのパートナーはソウブレイズ。二体とも既にバトルフィールドに出ていて準備万端!そしてマフィティフは『いかく』している!

「確かソウブレイズはゴーストタイプでこっちはあくタイプ…相性ではマフィティフが有利!速攻で行くぜ!かみくだく!」

「ゴーストダイブ!!」

 ソウブレイズへと駆けていき自慢の大あごで噛みつこうとするマフィティフであったが、その寸前にソウブレイズは影へと姿を消す!

「消えた!?」

 そしてマフィティフの影の中からソウブレイズが姿を現し斬撃を喰らわせる!

「マフィティフ!大丈夫か!?」

「バウ!」

 マフィティフは元気よくペパーに返事する!

(効果はいまひとつだから致命傷にはならないが…これを何度も喰らったらキリがねーぞ!?だったら…)

「マフィティフ!かみくだく!」

「無駄だ!ゴーストダイブ!」

 ソウブレイズに噛みつこうとするマフィティフであったが再び影の中に潜られ攻撃を避けられてしまう!そしてソウブレイズは再びマフィティフの背後に迫るが…

「そいつを待っていた!受け止めてかみくだく!」

 攻撃に耐えて大あごで噛みつこうとするマフィティフ!しかし…

「むねんのつるぎ!」

 ソウブレイズは右腕の剣に炎をまとい、マフィティフを振り払う!

「くっ!これもお見通しちゃんか!」

(腕の剣のリーチが長いせいでマフィティフ自慢のキバが届かねーな…そうだ!)

「もう一度むねんのつるぎ!」

 再び右腕の剣に炎をまとい、ソウブレイズはマフィティフに接近する!

「むねんのつるぎにくらいつく!!」

「何!?」

 マフィティフは炎をまとった剣に思いっきりくらいつく!最初は抵抗していたソウブレイズだったが、技の効果が切れ段々と炎が消えていく!

「そっちが無念ならこっちは執念だ!そのまま戦闘不能になるまで喰らいつき続けてやれ!」

「なんという力技…!だがソウブレイズにはまだ左手の剣がある!むねんのつるぎ!」

「ぶん投げちまえ!!」

 左手の剣で攻撃しようとしたソウブレイズであったが、それより先にマフィティフは首を大きく振りながら噛みついていた口を開く!ソウブレイズは勢いよく吹き飛ばされ、むねんのつるぎは失敗に終わり、ソウブレイズは体勢を崩す!

「よし!今のはかなり効いたはずだぜ!次で決めるぜ!かみくだく!!」

 何とか立ち上がろうとするソウブレイズに迫るマフィティフ!

(よし!決まった!!)

 ペパーが勝利を確信したその時であった!マフィティフが噛みついた先は空気!攻撃が空振りしたのだ!

「消えた!?」

(またゴーストダイブで避けられたか!?だがゴーストタイプの攻撃ならあと一回くらいは耐えられるはず!次の反撃で…)

「インファイト!」

「何ー!?」

 ソウブレイズの強烈な連撃が炸裂!マフィティフは倒れてしまう!

「勝負あったな」

「ああ…完敗だ。勝たせてやれなくてごめんなマフィティフ」

「バウ…」

 

 ポケモン勝負が終わった後、マフィティフの手当をするペパー。薬を使ったり、ガーゼで傷口を抑えるなど様々な道具を手早く使って手当を終わらせる。

「これでよしと。あとはボールで少し安静にしてりゃ大丈夫だ」

「バウ!」

 ペパーはマフィティフをボールに戻す。

「ソウブレイズ。オマエも来いよ」

「ソウ?」

「いいのか?」

「遠慮するなって。ほら。ちょっとしみるけど我慢してくれよ」

 ペパーはソウブレイズの剣にきずぐすりを使った後、ガーゼを巻いて傷口をふさぐ。

「ありがとう。随分と手慣れているな」

「昔マフィティフの元気が無くなっちまったことがあってな。その時にポケモンの料理とか手当の仕方とか色々調べまくったんだ」

「そんな事があったのか…今のマフィティフのパワフルな姿からは想像できないな」

「だろ?オレの一番のダチ…ハルトのおかげなんだ。アイツが一緒に頑張ってくれたおかげでマフィティフは元気になった…オレにとってハルトは命の恩人さ」

「命の恩人か…」

「ところでさっきの勝負で急にソウブレイズの姿が消えたのが気になってるんだけど…あれはどんな手を使ったんだ?」

「オレのソウブレイズの特性は『くだけるよろい』。接触攻撃を受けると防御が下がる代わりに素早さが上がる」

「それでかみくだくを避けられたのか…やっぱつえーなオマエ…オレとはトレーナーとしての格が違うってことか」

「…お前、さっきから自分の実力を過小評価しすぎじゃないか?」

「そうか?」

「ああ。オレのソウブレイズと互角に戦えるポケモンはそう多くない。お前はトレーナーとしてかなり強い部類だ。それなのに自信が無いのには何か理由があるのか?」

「…オマエはネモやボタンと一緒にラクアって所で戦ったんだよな?あの時、二人はオレを誘ってくれなかったんだ。それはオレが弱くて足手まといになっちまうからなのかなって思ってさ…」

「…事情は分からないがこれだけは断言できる。お前を誘わなかった理由は実力では無い。少なくともお前はライジングボルテッカーズのトレーナーたちに匹敵する実力の持ち主だ。その腕前はオレが保証する」

「…気を遣ってくれてんのか?」

「いや本心だ。だから…お前はもっと自分に自信をもて。そうしなければお前を信じて戦ってくれているポケモンたちにも失礼だろう?」

「ポケモンに失礼か…オマエの言う通りだな。よし!もっと自分に自信を持ってポケモンを信じるぜ!」

 ペパーを見て静かにうなずくアメジオ。

「それと…理由なら本人に直接聞いたらどうだ?」

「なんか聞きにくいんだよな…身近な相手だからこそ話しにくいっつーか…」

「気持ちは分かる。オレも身に覚えがあるからな」

「そうなのか?」

「ああ。だが腹を割って話さなければ前には進めない。これはオレの経験則だ」

「…そうだな。腹をくくって腹を割るとするか!アメジオ。この会社にキッチンとかあるか?」

「キッチン?」

 

「ボタン。調子はどうだ?」

 ペパーとアメジオはサーバールームに再びやってきた。ボタンは巨大モニターとにらめっこ状態だ。

「あんまりー。今3割くらい解析できたってところかな…」

「疲れてんだろ?ちょっと休憩しねーか?」

 ペパーがサンドウィッチの入ったバスケットを見せると、ボタンは静かにうなずいた。

 

 エクシード社の中庭へ移動した三人。ポケモンたちもボールから出してピクニックタイムだ。ポケモンもトレーナーもペパーのサンドウィッチを召し上がることに。

「オレの分だけでなくポケモンたちの分まで…こんなに作ってもらっていいのか?」

「知ってるかアメジオ?ピクニックは仲間が多いほど楽しくなるんだぜ?」

「うんうん。ペパー、デザートはないん?」

「オマエはもうちょっと遠慮しような?」

「それにしても美味しいな…ポケモンの手当てといいペパーは器用だな。オレが苦手なことばかりできる」

「へへ、そんなに褒められると照れるぜ!」

「アメジオ。あまりペパーを調子に乗らせ過ぎないでね」

「んだよー!…そんなことよりボタン。オマエに聞きたいことがあるんだ」

「何?」

「…オマエやネモがラクアに行った時、なんでオレを誘わなかったんだ?」

「えと…丁度その時ペパーがアカデミーにいなくて…」

「電話するとか呼ぶ方法はあんだろ?困ってる時に助け合うのがダチってもんだ。オマエは…オレをダチだと思ってねーのか?」

「それは絶対ないし!!」

 普段はぼそぼそと話すボタンであったが、ペパーの問いかけに対しては大きい声で強く否定する。

「だったら答えてくれよ。オレを誘わなかった訳を」

「…ペパーには待っていて欲しかったから」

「待っていて欲しい?」

「…うん。もしあの戦いの時にハルトがアカデミーに帰ってきて誰もいなかったら寂しいでしょ?それにうちらが無事に帰ってこれる保証もなかった。だからペパーにはアカデミーで待っていて欲しかったん。そうすれば万が一うちらが帰ってこれなかったとしてもハルトがひとりぼっちにならずに済むから…」

「オマエ…そこまで覚悟してあの戦いに行ってたのか…でもなんで話してくれなかったんだよ。オレ、ハブられて結構傷ついたんだぜ?」

「本当の事言ったらペパーはうちらを止めようとするだろうし。それに…」

「それに?」

「ペパーが待ってると思えば頑張れるというか…ほっとするというか…実家のような安心感…みたいな…?ああ!なんか恥ずかしくなってきた!」

 ボタンは少し顔を赤らめてもじもじしながらペパーに伝える。

「あはは!なんだよそれ!オマエ意外とかわいいところあるな!」

「だー!かわいい言うなし!うざ絡みすんなー!!」

「ふふっ」

 ボタンの頭をわしわしと撫でるペパーに騒ぎ立てるボタン。そんな二人を見てアメジオは微笑む。

「アメジオが笑った…」

「珍しい…」

「すまない。お前たちの気兼ねなく話せる仲が少し羨ましいんだ」

「羨ましい?」

「ジルとコニアを見ただろ?あの二人はオレの大切な仲間だが…少し過保護というかオレを尊敬しすぎているというか…オレとしてはもっと気楽に接して欲しいのだが…」

「あー。その気持ちちょっと分かるかも」

「分かるんだ…?」

 ボタンはスター団の仲間たちが自分を尊敬の目で見てくることを思い出したのであった。

「だったらオレたちとダチになろうぜ!なんでも気楽に話してくれよ!」

「うちも巻き込むのかよ。いいけど!」

「ありがとう。これからは友達として仲良くさせてもらおうかな」

 三人は微笑みながら友情のグータッチをかわしたのであった!

 

 そして数日後…

「セキュリティシステム完全解除!打ち取ったりー!!」

「よっしゃあ!流石はボタンだぜ!!」

「ありがとう。ドットもよくやってくれた」

 

 さらに翌日。三人は準備を済ませた後、ジルとコニアの二人と合流。再びエクシード社地下の廊下へとやってきた。セキュリティシステムが解除され、隠し扉は開いた状態になっている!

「地下室へはオレとペパーとボタンの三人で行く。二人はここで待機。見張りと緊急時には外からの援護を頼む」

「「了解!!」」

「アメジオ様の背中は我々が守ります!」

「ご武運を!」

「ペパー。ボタン。ここから先は何が起こるか分からない。ポケモンはボールから出しておいた方がいい」

「そうだな。マフィティフ!」

「ニンフィア!」

「ソウブレイズ!」

 三人はそれぞれのパートナーポケモンをボールから出す!

「では行こうか」

「秘密の地下室へ!」

 

To be continued…

 

ー次回「アンダー・ザ・カンパニー」ー

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