ゴーストハウスの被害者である【金子】の親、金子努が復讐するためデスゲームの裏側を探ります。

⚠️ご都合解釈注意、原作のネタバレを含みます

1 / 1
こちらは『死亡遊戯で飯を食う。』の二次創作となります。
前編は原作2巻までのネタバレを含みます。ご注意ください。
またご都合解釈が存在します。苦手な方は見るのをやめましょう。
またど素人が書いた自己満小説なのであんまり期待しないでください。




前編

あの日から全てが変わった。

突如掛かってきた娘の訃報。それは全てを失った努にとって最悪の事態だった。

多額の負債を抱え、残すものは娘だけだったのに。

その娘すらいなくなってしまった。

しかも死体すら見つかっていない。原因不明の死として片付けられた。死体は見つかっていないのに、だ。

瞬時に何かが裏で動いていると理解した。

「やってやる...!」

同時に悔しさと憎悪で頭がいっぱいになった。

強く拳を握り締め感情を抑制する。

 

もう努に失うものはなにも無い。

 

 

 

 

私はあれからパソコンを何時間も見張っていた。

「頼みましたよ、幽鬼さん」

努は幽鬼にカプセルを渡した。やっと見つけた、あの忌まわしきゲームの参加者。中にはGPSが入っておりこれを飲んでゲームに参加すると殺戮会場の位置が割れると言うものだ。

幸いにも娘が死んだゲームの参加者【幽鬼】は努に協力してくれた。

私は期待と緊張が高まるのが手に取るようにわかった。

ついに運営の動向が掴める。ついに娘を殺した運営を成敗できると感情が溢れた。

「ここか...!」

パソコンに映し出されたGPSはある山奥にある温泉旅館を指していた。この温泉旅館はアクセスの悪さや親会社の不祥事で建てられて僅か3年ほどで営業を停止していた。そんな所に行くなんて普通じゃ考えられない。

「なッ!」

しかしその信号は直ぐに途絶える。考えられる事態は1つ、恐らく何者かがGPSの存在に気がついたのだろう。

幽鬼ではない。自分で自分の内蔵を破壊するとは思えない。運営だ。運営に私達の作戦がバレた。

だがリアルタイムでGPSを追っていた私には無効だった。

「もしもし、会場の位置が割れた。私はこれから殴り込みに行ってくる。」

「...正気か?もう少し情報を掴んでからでも...」

「いいや、このチャンスを無駄にはできない。」

協力者に一報いれて私は準備をする。これ以上罪なき少女達にに無駄な死は起こさせない。その想いが私を動かす原動力となった。

銃を一丁、GPS2つほど持ち車に乗り込む。

この銃は人を殺すためにもっていくものじゃない。自分を守るために持っていくのだ。協力者が必死になって集めてくれた物資をここで惜しまず使っていく。

「待ってろよ...運営!!」

 

2時間ほど運転して目的地に近づいた。

そのまま入ろうとしたが、直前で私は車を山道の死角に止める。

山道に入るための道路はSPのような見た目の人達が封鎖していた。恐らく運営の関係者だろう。

私は見つからないように山道から少しズレたけもの道を這いつくばって進む。この時のために軍手を履いてきて良かったと心から思った。

少し進むと温泉旅館の全貌が見えた。黒いセンチュリーのような車が何台も止まっている。傍から見ればこんな所でデスゲームが行われているなんて思いもしないだろう。

しかし入口から不定期にバスローブ姿の女の子達が出てくる。なんと破廉恥な...ゴホンゴホン...間違いない。ここがデスゲーム会場だ。

 出てきた女の子たちはSPのような人と2人1組で車に乗りこみ、この温泉旅館から離れていく。

恐らくだが、クリア者だろう。だがそれと同時に私は絶望した。

「こんなにも...少女が...」

 この仮説が正しいとすれば、ここにある車の分まだ中で少女達が戦っているのだろう。中には娘同様、やむを得ない状況で参加している子も沢山いるはずだ。

絶対にこの運営を潰さないといけない。

プルルルルルル...

腰周りが振動した。電話だ。私は音でバレないよう即座に出る。

「もしもし、今そっちに向かっているわ!」

 協力者の1人だった。

「よせ!来るな!」

 私は必死に抑制する。いまはクリア者の影響で人通りが多い。これから私と同じように潜入するのは不可能だろう。

「でも、このまま黙って見ているのは悔しいのよ!!」

 その言葉に私は抑制する気を失う。

 私は理解した。彼女は私と同じなのだ。

 彼女もまたデスゲームの被害者の親族だった。理不尽に殺された娘の復讐ができるなら?私が彼女と同じ立場なら、それが無謀でも私はきっと彼女と同じことをしただろう。

「ご武運を...!!」

そう言って電話を切る。私は何も言えなかった。

私はGPSを取り出す。

私の作戦はこうだ。いまはクリア者が不定期に出てくるため迂闊に温泉旅館には近づけない。なので駐車場の車が30を切ったあたりで近くの車にGPSを付け、そのまま運営の寝床を暴こうというものだ。

デスゲームの生存確率は約70%と協力者から聞いた。黒ずくめのエージェント達は生存確認をするため恐らく確認しに行くだろう。いや、中まで行かなくても入口付近には集まると予想した。

 幸い駐車場はとても広く車も多いため見つかる可能性は低い。私は機会を待つことにした。

 

しばらくするとクリア者がかなりの数まとめて出てきた。その中に見知った顔が出てくる。娘と同じゲームの参加者、【幽鬼】だ。表情は疲れ切っており手の一部が欠落していた。中で相当激しい戦闘があったのだろう。

気づけば車の数も減りそろそろ仕掛けるにはうってつけのタイミングとなった。

仕掛けるなら今しかない。

 

私は駐車場に躍り出る。

バレないように屈みながら一歩一歩進んでいく。ドライブレコーダーに映り込むことさえ許されないこの緊張感に胸が締め付けられた。

一歩、また一歩と着実と歩を進め、やがて1台の車両の側面にたどり着いた。

私は車の下にGPSを取り付ける。なるべくバレないように奥まで押し込んだ。

そして来た道と同じように戻り山の中で運営が温泉旅館から完全に撤退するのを待つ。緊張が、安堵へと変わった。

それは作戦成功を表していた。

私の役目はここまで、あとは協力者達が本拠地が割れた運営を突き出せば、これまで隠れていた悪事が世に出回るだろう。

私は運営が完全に撤退する朝まで山の中で過ごした。

 

 

「そろそろ大丈夫か...」

私は市街地に停めてあった車を動かす。

山で一晩過ごしたからか、それとも運営と対峙したからか疲労感がどっと来ていた。

道中で燃え尽きた車が道路脇に転がっていた。

来た時には無かったものだ。周りには警察が包囲していて通れそうになかった。

私は車に付いているテレビをつける。

何個かチャンネルを切り替えていると目の前で起きた事故が報道されていた。

昨日原因不明の事故が発生。被害者は40代の女性で自宅はここから100kmほど離れたところにあるらしい。

顔写真が貼られると共に私は絶句する。この顔には見覚えがあった。

運営を共に倒すと誓った協力者、そして私が潜入時に電話をかけてきたあの女性だった。

恐らく運営に消されたのだろう。

私は知らないふりをして目の前の事象から目を逸らした。運営と対峙する以上、これからもこれ同様のことが起こりうるだろう。勿論、私にだって起こりうることだ。

だがこんな所で下を向いていたら運営には勝てない。

私は最低限の黙礼をし、その場を去った。

 

 

 

 

協力者から連絡が来たのは〈ゴールデンバス〉から5日が経った頃だった。

「努さん!運営の情報をなんとか抜き取ってきましたよ!」

「本当か!?」

あれから私たちは5日という短期間で事を進めた。

私がつけたGPSは運営に気づかれることなくまんまと本部の場所を割り出した。

そこから工作員を雇い、過去20回ほどのゲームの記録とプレイ映像、そしてプレイヤーのリストが入ったデータを秘密裏に入手した。

「いまから送ります!」

リアルタイムで私のパソコンにフォルダが3つ現れる。

遂にだ。今まで分からずじまいだったデスゲームの実態が分かる。私は胸の高まりを抑えきれなくなった。

見るのが怖い。しかし娘が誰に、何で、どのように殺害されたのか。親である私には見る義務があった。

 

フォルダを開くとmp4の動画ファイルが14個ほどあり、それぞれにゲーム名らしきものが割り振られていた。

とりあえず私は直近で保存された〈ゴールデンバス〉という動画ファイルを開いた。

「ここは...!」

映し出されたのは先日私が潜入した温泉旅館の一室だった。

動画の中では20歳にも行かないような女の子達が命をかけて争っている。

この異質な光景を私には見るのが耐えられなかった。

すぐに動画を閉じて別の動画へと映る。

ただ1つ、娘の姿だけを追い求めて私はマウスを動かす。

「見つけた」

 2、3個動画を回すうちにそれらしき動画を見つけた。

名を〈ゴーストハウス〉。

間違いない、私の娘が【金子】としてゲームに参加していた。

映し出された大広間にはメイド服を来た娘と以前協力してもらった【幽鬼】、そしてそれぞれ髪の色が違う女性が4人で計6人の少人数でのゲームだった。

「ゲームによって参加者が違うのか...」

私はメモをとり記録する。

私が仮に消えても後の世代に残せるように、二度とこんな悲劇が起こらないようにと願っての行動だった。

 

参加者が出揃ったのか彼女たちは部屋を探索し始めた。

そのうちの1人、黒髪の女【黒糖】が鍵を見つけた。

『はは!実に盲点ですな。私たちはずっと前から、鍵に手を伸ばしていたわけだ』

『!伏せろ黒糖!!』

部屋全体に鋭い音が響き渡る。

彼女は頭を貫かれ即死していた。

私は見てられなかった。

動画越しでも伝わるあまりにも無惨で、グロいその光景を間近で見ていた娘たちは一体どれほど苦しかっただろうか。

そう考えると胸が締め付けられるくらい苦しくなった。

 

鍵を見つけた一行はエレベーターに乗り込む。

だがそこでもまだデスゲームの鱗片が顔を表した。

「ああああ!!ああ※※※※※※※※※※※※あ※※※!!※※※※※※※※!!※※※※※※※※※※※※※!!※※※※※※※※※あ※!!」

今度は青い髪のメイドが丸鋸で両腕を切断される悲惨な映像が流れた。

私は具合が悪くなった。

こんな恐ろしいゲームに自分の娘が自分のせいで出たと考えると私は自責の念に駆られた。

 

 そしてついにその時がやってきた。

 片足を切断しても尚、両足を切断された娘を背負い続けてくれた幽鬼に心が撃たれた。

 やがて出口と思われる扉の前に四人はたどり着いた。

 上には3つの人型のランプが並んでいた。

 

 私は嫌な予感がした。

ランプは2つ点灯されており恐らくあと1つランプが付けば目の前の扉が空くだろう。

だがそのランプを点灯させる方法...それがなんなのか私は検討が付いていたが信じたく無かった。

私の想いとは裏腹に予感が的中する。

幽鬼が娘を投げ捨てた。

さっきまでの温かさは消え、彼女の表情は冷えきっていた。

「おい、嘘だろ...やめてくれよ...」

 私は動画に必死に願う。

それが変わらない運命だとしても祈らずにはいられなかった。

 

『悪いね』

静寂が落ちる。

私は肩から崩れ落ちた。

その時から私の標的は『運営』から『幽鬼』へと確かに変わった。

 




そのうち続き出します

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。