ハリー・ポッターと深紅の覇者   作:筋肉神

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またギリギリ……!余裕持って執筆したい……!


第19話 挑戦状

 クィディッチチーム入りの話題でホグワーツ中が沸いていた翌日。午前授業を終えた生徒達で賑わう石の廊下で、ドラコは不機嫌そうな顔でハリーとロンの前に立ちはだかった。

 

「随分と人気者じゃないか、ポッター」

 

 背後にはいつものようにクラッブとゴイルが仁王立ちしている。ハリーは警戒しながらも、ドラコを正面から見据えた。

 

「何か用か?マルフォイ」

 

「あぁ、一年生シーカー様がどれほどのものか、確かめたくてね」

 

 ドラコはゆっくりと口の端を歪めた。

 

「今夜、決闘をしようじゃないか」

 

「決闘?」

 

「魔法使いの決闘だよ。マグル育ちには分からないかもしれないがね」

 

 ロンがすぐに横から口を挟んだ。

 

「決闘なら介添人も必要だろ?」

 

「へえ、流石はウィーズリー家。貧乏でも純血なだけはある」

 

「なんだと!?」

 

 ロンがカッとなり、ハリーが慌てて二人を止める。

 

 その時。廊下の向こう側からセラフィーナとリオラ、そしてオーロラが悠然と歩み寄ってくる。オーロラは退屈そうに欠伸をするが、セラフィーナは興味深そうにハリー達を見つめている。

 

「今、決闘と聞こえたが……」

 

 セラフィーナの声にドラコが振り返り、気まずそうに視線を逸らす。

 

「アウレリウス……なんで君が」

 

「偶然通りかかっただけだ。だが何やら面白そうな話をしていたからな」

 

 セラフィーナは紅い瞳で正面からハリーを見据える。口元に薄い笑みが浮かぶ。

 

「ポッター。貴様、本当にマルフォイと決闘をするつもりか?」

 

 ハリーは戸惑いつつも、しっかりと頷いた。

 

「……ああ。逃げる訳にはいかない」

 

 セラフィーナは小さく笑った。まるで子供の喧嘩を見守るような、しかしどこか楽し気な視線だった。

 

「ククッ……面白い。リオラ、どちらに賭ける?」

 

「お嬢様、流石に廊下で堂々と賭け事は如何なものかと」

 

「金品でなければ問題無いだろう?ふむ、そうだな。負けた方は三日間、授業中に点を取らないというのはどうだ?」

 

 リオラが小さくため息をつきながらも頷く。

 

「……承知しました」

 

 突然始まった主従の賭け事に、ハリーとロン、そしてドラコ達も呆然とした。

 

「アウレリウス、何を勝手に……」

 

「っていうか点を取れるの前提なのかよ……」

 

 ドラコは小さく舌打ちし、苛立った様子で踵を返した。

 

「アウレリウス、君と話していると本当に調子が狂うな。いいかポッター!今夜、真夜中だ。トロフィールームで待っているぞ!」

 

 そう言うとクラッブとゴイルを引き連れ、ドラコは去っていく。その背中を睨み付けながら、ロンは鼻を鳴らした。

 

「望むところだ」

 

「望むところだ。じゃないわよ!」

 

 突然響いた声にハリー達が振り返る。そこには、呆れと怒りが混ざったような表情をしたハーマイオニーが立っていた。

 

「貴方達、まさか本当に行くつもりじゃないでしょうね?」

 

「もちろん行くさ!」

 

 ロンが即答する。

 

「決闘を断るなんて、完全に負けを認めているようなもんだぞ!」

 

「そういう問題じゃないわ!夜中に寮を抜け出すなんて校則違反よ!」

 

 ハーマイオニーは両手を腰に当て、かなり怒った表情でハリー達を睨み付けた。

 

 だがハリーは視線を逸らさない。

 

「……でも、逃げたくないんだ」

 

 その言葉に、ハーマイオニーが一瞬言葉を詰まらせる。

 

 セラフィーナはそんなやり取りを眺めながら、愉快そうに肩を揺らした。

 

「ククッ……やはり貴様等は面白いな。見ていて飽きん」

 

「アウレリウス!貴女も止めなさいよ!」

 

 ハーマイオニーの言葉に、セラフィーナは心底不思議そうに首を傾げる。

 

「何故だ?別に殺し合いをする訳でもなし、止める必要がどこにある?」

 

「そういう問題じゃないの!」

 

 ハーマイオニーが頭を抱える。

 

「それに、我がアウレリウス家の異名を忘れたか?決闘貴族だ。そんな異名を持つ家の人間である私が、決闘を止める側に回るとでも思うか?」

 

「貴女、本当に変わってるわ……」

 

 ハーマイオニーが本気で呆れたように呟く。セラフィーナはそれを聞いて、小さく肩を竦めた。

 

「よく言われる」

 

 オーロラがセラフィーナに同意するように喉を鳴らし、リオラはその様子を見て苦笑する。

 

「ではな、ポッター。流石にないとは思うが、まあ死なぬように頑張ることだ」

 

「縁起でもないこと言うなよ!」

 

 ロンの叫びに、セラフィーナは愉快そうに笑う。そして軽い足取りで二人と一匹は去っていった。

 

 残されたハリー達の間に、微妙な沈黙が落ちる。

 

「……それで、本当に行くの?」

 

 ハーマイオニーが疲れ切った声で尋ねる。ハリーとロンは顔を見合わせ、同時に頷いた。

 

「当然だろ」

 

「今更引き下がれないさ」

 

 ハーマイオニーは信じられないというように額を押さえた。

 

「もう……貴方達、本当に信じられないわ。まともじゃないわよ」

 

 そう言い残し、呆れたように去っていくハーマイオニー。その背中を見送りながら、ロンは小さく鼻を鳴らした。

 

「心配し過ぎなんだよ」

 

 だがハリーは、どこか落ち着かない気持ちを覚えていた。

 

 決闘──その言葉だけで胸が妙に高鳴る。魔法使いの決闘とは、一体どんなものなのか。自分はマルフォイに勝てるのか。

 

 期待と不安が入り混じったまま、ハリーは高い天井を見上げた。




また文字数が少ないな。戦闘シーンが入ると一気に文字数増えます。
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