孤高の彼女   作:あいうえ

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やべ、そういえばKeyを入れてませんでした。入れたら、ラストかな

正直、ハッピーにしようか迷っていたんですけど、私の中のボンドルドがハッピーにしろと言ってきたのでハッピーにします。おやおや、Keyはかわいいですね。


ミレニアム Keyの拠り所

 

何回目のループで気が狂いかけていた時、何回目のループで対策方法がわかりかけていた時、私は廃墟で寝静まっていた。今回は先生は存在しない。だから私がやらなくてはいけない。この不条理な世界を憎んでも無駄だって知っている。けど、恨まずにはいられなかった。舌打ちや地団駄を踏むという悪態をつきながら色々な設備を弄っていた。

 

バチン

 

音が鳴った。不味ったなと思い、直ぐにKeyが入っている端末とAL-S1を回収した。後ろから迫ってきているロボット達に追いつかれないように、再度部品を壊す。すると、前からギュイーンという起動音が聞こえた。ここで死んでも回数が減るだけでいい事しかない。なんなら、ずっと自殺しまくった方が効率的だと言えるだろう。しかし、そうはいかなかった。あの人の話だと、ループとは言えど別世界線に移行している形だから、その世界線で死んだ生徒は死んだままだよという最悪な事実を告げられてしまった。私がループした後の世界を想像するだけで吐き気がした。だから、これは私の自己満だ。

 

 

暫く走り続けていると廃棄物処理場だろうか?壊れた機械や朽ち果てた建材がそこに残っていた。ここなら身を隠すのに適している。ゴミがゴミを支え合って空洞ができている場所があったので、そこにKey達を放り込んだあと、私もそこに入り込む。

 

 

そして、私が託されたあのカードでアリスの認証を解除する。現状への理解が追いついていないようだったので、適当に私に従って貰うように交渉したあと、Keyが入っている端末を起動する。

現状への説明と端末変更を求めてきたので、そこら辺で拾ってきた機材を用意し、その中に入ってもらうことにした。嫌々だったが。

 

 

Keyの教育を済ませるためには、AL-S1に対して非人道的行為を重ねる事が効果的だ。宝物を目の前で踏みつけられる感覚、この世界に残された彼女が一緒に生きていた痕跡を侮辱される行為はきっと自尊心と虚栄心をボロボロに打ち砕いてくれるだろう。

 

そうだな……例えば……アリスの体を解体して……それを適当に放り捨てたり……

 

嗚呼、こんな考えが浮かんでしまう時点で私は狂っている。それを自覚した。彼女は恨むべき対象だった。しかし、それも愛ゆえの行動だったと知った時、私の恨みの行く場所がなくなってしまった。Keyを傷つけたくない。君らには私の居ない場所で……私たち狂人の手が届かない場所で、幸せになって欲しかった。

 

 

だけど、愚者は経験で学ぶ。Keyにはアリスを失う痛みを知らない。伝え聞いた歴史だけでは自分自身の定めを変更することなど難しいだろう。……………………この子達、いやケイには観てもらおう。私の頭の中を。痛みと経験を、愛と呪いを残してあげよう。それで私はこの世界での役目を果たそうではないか。死と引き換えの情報、それをケイに授けた。私は、意識がブラックアウトしていく中、アリスの体を被ったケイがこちらに近づいてきた。なぜ、それがケイだとわかったのか自分でもわからない。けど、その目は悲しそうで許せなさそうだった。

 

 

 

\\\///

 

 

 

この端末が誰かに持ち去られた。位置情報が目まぐるしく変わっていた。1Fにいたと思ったら、2Fにいたときもあった。所詮、私は情報だけの意識体だが、それでも私を持ち続けているその人は可哀想に思えた。3日3晩、逃走を開始してから時間が経っただろうか。人間の体はもう限界のはずなのに、何故かまだまだ元気そうだ。そして、別の手には王女の姿があった。もしかして、私たちを作り上げた者なのか?

 

 

いや、それも違いそうだ。だが、私たちの情報を知っているものなんて、今現在の世界、キヴォトスでは存在しないはずなのだ。

だったら、彼女はなんなのだ……

 

更に3日が過ぎたのにも関わらず、この人物は生命活動に必要な行為をしていなかった。なぜ、それでも生きていけるのか、心当たりもあることにはあるが、彼女の雰囲気からして違いそうだ。

 

 

 

そして、四方八方がガラクタで囲まれた空洞に案内された。私たちを招く場所としては、全く適していないが秘密基地みたいでわくわくした。そして、徐ろにカードを取り出したかと思うと、それを王女の額にくっつけた。何が起こるのだろうと聞き耳を立てていると、彼女は起動することができていた。王女を。

 

これは危険だと思い、直ぐにでも王女に乗り移れるように準備を進めていたとき、彼女は王女に話しかけていた。

 

「お、起動したね。……君名前わかる?」

 

「……」

 

「んー???情報の整理をしてるのかな……まぁいいや。君の名前はアリスね。覚えておいて。あと、君は私の命令には絶対遵守おーけー?」

 

「……おーけー」

お、王女ぉー!

 

4日後、私は決意した。この邪智暴虐な正体不明を打ち倒さればならないと。私には世間がわからぬ、しかし、ここで何も行動しないのは、王女の鍵としての役割が果たせない。しかし、いざというタイミングで彼女の頬には涙が滴っていた。困惑した、それからしばらくの間、彼女は泣き続けていた。そして、私を見る目が変わった。

 

前までは風景として見ていなかったのに、今は私をみていた。それがどうもむず痒く、怪しく見え、可哀想に思えた。彼女はそこら辺のロボットに私のデータを移した。私は実体を得たわけだが、何をされるかわかったもんじゃない。彼女に何かされそうになった時、間一髪で避けることに成功した。

 

何をするのかと機械的な声で問い詰めると、少し歩かないかと誘いがあった。王女を1人にすることは出来ない。その誘いを断り、再度聞くことにした。

 

彼女は変なことを言った。私はあなたたちの敵であって仲間であるサイコパスなの、と言った。何を言っているのかよくわからないが、場合によってはそれが変化するのだろうと推測する。続けて、私はあなたに未来と幸福を授けないといけない、とも言った。それ以外にもまるで未来を知っているような、私たちの素性を知っているような口ぶりで私を焦らした。早く最初の質問に答えてくれと願った。

 

「私には義務がある、あなたにこれを残す義務が、役目がある」

 

そう言い残した彼女は、最先端を生きていた私でも分からない程の御業を見せた。そして、私の中に彼女が入り込んできた。知らない景色、知らない滅亡、王女の悲しそうな表情が流れ込んできた。そして、それを止められなかった後悔も入り込んできた。

 

「どうか……君たちの旅路に……溢れんばかりの呪いと祝福を……」

 

そう言い残し、彼女の脈がゆっくりと停止にむかっていた。不味いと思った。ちょうど、王女が眠りについていたので乗っ取った。急いで駆け寄って心臓マッサージや電気ショックをする。彼女の魂がどこかへと飛んで行ってしまうのがわかった。

 

会って3週間ほどの関係なのに、彼女が消えていくのが寂しく思えた。そして、恨めしくも思えた。私にこんな感情を押し付けたくせに、自分は私たちを置いて行ってしまうのか……と

 

 

 

 

 





私、あまりに可哀想なのは見れないんですよね。メイドインアビスはいい塩梅の作品でした。可哀想を感じるよりも愛が感じられてよかったです。
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