愛と正義の名のもとにLCBが神浜にやってくる! 作:ゼロケン
おめでたイッシュ!
ヒースクリフが正体不明の女性を気絶させてから数十分後、私たちは女性に話を聞くことにした。
「おい、テメェ何で俺たちに干渉してきた?」
「お前のような単細胞には用はない。用があるのはそっちの魔法少女だ。」
「まだ殴られたりねぇみてぇだな…。」
「ヒースクリフさん…抑えて…!」
ヒースクリフは殴る準備をしていたがいろはとシンクレアの説得もあり、再び気絶させることはしなかった。
「なんで私達がウワサの捜索をやめないといけないのかしら?むしろここでやめたら被害者も増えそうなものだけど。」
「さっきも言ったがこれは魔法少女の解放に必要なことだ。だから我々の目的の邪魔をするのはやめてもらおう。」
「…あの無意味な作戦のことですか?」
「まど…じゃなかったシンクレア、あなた何か知ってるの?」
「えぇ、彼女たちの行なってることは結局魔法少女の解放にはつながらないってことは知ってます。」
「そんなことはない!私達魔法少女がドッペルを使えるのも我々『マギウスの翼』と『マギウス』の魔法少女の解放のためだ!」
「…そうは思えないですね。ダンテさん、覚えていますか?都市にもあんな感じのものたくさんいたじゃないですか?」
〈ねじれのこと?〉
「はい。それに僕たちだって侵食としてドッペルに似た状態にもなりますし、あまり関係ないことなんだと思います。」
「違う…違う違う違う!私達が魔法少女の解放のために活動したからこの神浜では自動浄化システムがあるんだ!」
そこから彼女はシンクレアが彼女たちの行動を否定するたびに彼女たちの活動や目的を暴露していた。何だか少女を追い詰めるシンクレアの姿が少しウーティスに見えた気もする。
「自動浄化システム…ですか。まぁ、僕何も知らないんですけどね。」
〈え?〉
「鴻園で習ったことが活かせて何よりです!」
あ、なるほど。つまりシンクレアはウーティスから教えてもらった言葉を使った拷問を行ってたのか、どうりで相手の心が折れる寸前で言葉責めを緩めていたわけだ。
「魔法少女の解放…自動浄化システム…思っていたより深刻みたいね。」
「深刻みたいってどういう…」
「おい!アブねぇぞ!」
「チッ、不・増か。」
良秀がいろはに飛んできた暗器を叩き落としたと同時に私たちのいる場所を囲むように謎の女性と同じ外套を着た魔法少女?たちが立ち塞がった。
「この量は…まずいんじゃないか?」
「どうしますか?ダンテさん。」
〈う〜ん、あ!〉
私はいろはにあまり時間がないことを思い出した。ってことはここで足止めを食らっていると本当に間に合わなくなる。
〈ヒースクリフ!シンクレア!2人とも人格を被せるよ!〉
「ハァ!?俺とコイツの2人だけか!?お前らどうすんだよ!」
「シンクレア、私はあなたと共に戦うわ。」
いつの間にかほむらは魔法少女の姿になっており腕に丸い盾、そして黒い弓?のようなものを作っていた。
〈シンクレア、ほむらに一緒にいると危ない、巻き込まれるから私たちと来てって伝えて。〉
「え?はい、分かりました。」
そうしてシンクレアを介して私の話を聞いたほむらは渋々同意してくれた。
〈それじゃあ2人とも!頼むよ!〉
「いろは!コッチだ!」
「はい!」
「おいヒース!お前がアタシに教えたうまい飯の店に行くまでくたばんなよ!」
「へっ!わぁーてるよ!」
「愚かな…逃がすわけがないだ…」
次の瞬間、私たちの撤退経路を塞ごうとした襲撃者の前に大きな網笠を被った人影が現れた。
「フゥー!フゥー!お前ら喜べ!時計の兄さんが砂場に餌をまいてくれたぞ!」
「砂場に…餌?狂ったのか?この男。」
目の前にいる餌どもはどうやら自分たちの状況すら理解できてねぇみてぇだ。ま、無理もねぇか。H社にも来たことがないやつに俺たち闘鶏の名が知れ渡ってる気はしねぇし。
「おい!そこをどけ!これだけの人数をたった2人で止められるわけがないだろう!」
たった2人?だからいいんだろうが。それだけ俺の取り分が増える。最近は血炎刀を発火させてもすぐくたばっちまうから味気なかったんだよ。
「お前たちには用はないがこれ以上邪魔だてするのなら容赦はしない!」
「…どうしますか筆頭?」
シンクレアが当たり前のことを聞いてきやがる。俺たちは轡を握られたものに言われたことは必ずやる黒獣、しかも時計の兄さんは俺たちの喜びそうな乱戦に入れてくださった。
「何か行ったら…」
「血爪…炎化ァ!」
さっきからゴチャゴチャうるさい餌の首を飛ばしてやった。何だか少し焦ってるみてぇだな。このまま放っとけば俺の餌が減るのか?
「おいシンクレア爪立てろ!分かってるよな、俺たち闘鶏が砂場に解き放たれたら…」
「「餌を食い尽くすまで止められないんだよ!」」
幸い一人一人の強さは大したことないがなんせ人数が人数だ。何人首を刎ねようが胴を裂こうが餌には困らねぇ。シンクレアも満足に血炎刀をふるえてるみてぇだし。
「久々の大喧嘩だ!しかもこんだけ数がいやがる!おい、逃げようなんて考えんなよ!コッチは血炎刀発火させたばっかだからな!」
「…筆頭…、どうやら敵の半数以上が死んだようです。」
「…は?」
おいおい、H社すら知らねぇ奴らだとは聞いてたがこの程度かよ。そんじょそこらのフィクサーの方が歯ごたえあるぞ。
「チッ!だけどよぉ、俺もシンクレアもまだ殺し足りないだよなぁ!」
「血爪炎化!はははっ!血天下鷄舞乱刀!」
俺の手によって引き裂かれた死体から流れる血やら刀の油やらで燃え盛る血炎刀を振るのが心地良いな。まだまだ振りたりねぇがどうやら敵はみんなくたばったみてぇだ。しかも時計の兄さんからシンクレアとの喧嘩はするなって言われてるし…。
「チッ!心躍る喧嘩だったのは最初だけか。」
「筆頭も啄み足りませんか?」
「たりめぇだろ!俺はこれの十倍は啄みてぇさ!」
「なら俺と一つ喧嘩でも…」
「やめろ…。俺も今すぐようやくあったまった身体でドンパチしてぇ気分だが時計の兄さんから禁止令が出されてんだよ。さっさと合流するぞ。」
「…はい。」
俺とシンクレアは空になった砂場をあとに時計の兄さんの場所へと向かった。
「2人に追っ手を任せたけど大丈夫なのか?管理人の旦那?」
〈黒獣:酉を被せたから大丈夫だろうけど必要以上に殺して…あ、皆殺しだこれ。〉
「俺も混ざればよかったな。新・芸・鑑の機会を逃しちまった。」
「殺人現場を芸術だと思ってるの?あなたは。環さんやっぱり良秀と関わるのあまり良くないと思うのだけれど…。」
「良秀さんはバイオレンスが好きなんですよね。だけど良秀さんはいい人だって分かってますよ。」
「そう言われると背・む・痒だ。」
私たちはヒースクリフたちと別れて情報収集にあたっていた。その間にもいろはに置いてくる紙は一つまた一つと書かれた数字が減っていってる。
「管理人様、あちらにも該当した外套を被った者がいます。」
〈嘘!?まだ追っ手がいるの?〉
「いえ、誰かを勧誘しているようです。」
「もしかしたら私たちみたいにウワサを追っているのかも知れませんね。」
私たちは勧誘している者に気づかれないようそっと聞き耳を立ててみることにした。
「何だよ、お前らと一緒に魔女をズガンスガンってすればいいのか?」
「そうゆうことだ。傭兵フェリシア。そちらも魔法少女なのだろう?変身していなくても何となくわかるぞ。」
「うぇっへん、当人は魔法少女ではござらんのだが…」
「何を言っている?その溢れんばかりの魔力、そして抑えているようだが私にはわかるぞ、その人間離れした身体能力が。君も契約したのだろう?それか本当に人間ではないのか?あぁ、おとぎ話に出てくる吸血鬼なんて言っても私は信用しないぞ。」
「…少し場所を変える必要がありそうだな。」
「おい、管理人の旦那あの背格好って…。」
〈間違いないと思う。PDAも反応してるし。〉
「管理人様の声に反応すれば間違えないと思われます。」
〈よし、じゃあやってみようか。〉
そうして私は彼女の名前を呼んだ。
〈おーい!ドンキホーテ!!私の言葉が分かる?〉
その言葉の後少女の目には輝きが満ち、金髪で大きな槍を持ってロシンナンテを履いた少女は忘れられない大きな声で私の言葉にに応えた。
「管理人どのぉぉぉぉ!!!一体今までどこにいたでござりますかぁ!?当人はものすぅっごく心配したのでありまするぞぉ!」
そのまま私の方向に全力で突っ込まれて私はムルソーが支えてくれなかったら地面に倒れていただろう。
〈ドンキホーテ…痛い少し離れて…。〉
「お、おぉ!これは申し訳ない。再会の感激でフィクサーとしてあるまじき姿を晒してしまったな!」
「何だよ?コイツもアンタの知り合いかい?」
〈ドンキホーテ、みんなに自己紹介してあげて。〉
「うむ、ではフェリシアくんとそこの者にも聞こえるようしぃっかりと挨拶をしようぞ!」
そうしてドンキホーテは手に持った槍の柄の先を地面に突きつけ言葉を放った。
「我が名はキホーテ!」
「そこに高貴なるという意味のドンをつけてドン・キホーテ!!」
「そなたらの再び冒険を共にする正義のフィクサー!ドンキホーテである!」
少し短いけど切りがいいのでここで今回はおしまいです。
7章いいよね。
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