カキカキ
ある国のある辺境の村
《ブラム村》
この村に繋がる一本の道の反対側の森のある木の中でそれは産まれた。
パキパキ!メキメキ!
己を包む殻を破り、"右腕"、"左腕"の順番で出し地面に"手"を置き体を持ち上げる。
今この時に産まれた、存在は光を見た。
隙間から入って己だけを照らす太陽の光を…
だがそれを遮るものが現れる。
ブーン ブーン
己の目の前に現れた、存在は鬱陶しくも己の体をマジマジと見て不思議そうに顔を傾けた。
今産まれた、存在は知らなかった。自分が産まれた場所は"アルヴィドビーの巣"という事。そしてその巣で働きバチとして生まれる筈であったという事。それは他の個体とは似ても似つかない程の変化を遂げ産まれたのだ。
つまり周りを飛ぶ蜂達は本来自分達と同じ姿で産まれてくる赤ん坊が全くの別物として産まれ困惑しているのだ。
ブチブチブチッ!!!
何の音か?働きバチがエサを解体した音?いや違う。
捕食者が目の前の働きバチの頭と体を引きちぎったのだ。
捕食者は目の前の存在は己の味方では無く。食うべき餌だと理解し、襲ったのだ。
巣全体はこの異常を巣から追い出すために、大量の働きバチが現れる。
黄色い津波の様な蜂の群れは一斉に捕食者に突撃する。
ブチブチ!グシャ!
ブチブチブチブチブチ!
だが、この巣は数時間とせずに壊滅した。自らの巣で産まれた捕食者に全てを壊されたのだ。
グチャ!グチャ!
自らの母親である女王蜂の体を貪るそれに知性や理性はまだ無かった。産まれたの赤ん坊、己の快、不快だけで物事を判断し本能に従い行動する。
捕食者のレベルが上がる
進化しますか
はい◀︎
いいえ
体の形が変わり、知と力を新たに手に入れるそして…
『ギェェェェァァァ!』
音を発する器官も手に入れた
『ギギギ…』
捕食者は悩んでいた、巣を破壊し数日が経ち己の餌となる存在を発見できない事に
生物はいる。だがそれは空を飛ぶ生物ばかり、羽が大した大きく無い己では追いつくことなど出来はしない。
なら地面を移動する生物は何処なら遭遇できるか、そう水がある場所だ。
早速移動を開始するが体長が落ち葉よりも小さい体では手間が掛かった。
一番近くの水源ですら、着いた時には既に日が暮れていた。
獲物を探す
いた。泥臭い獣臭を感じる。気づかれぬ様に近づく。
【#xi&v1】
緑色の体をした、二足歩行の生物。それが三体、よくわからない鳴き声で互いコミュニケーションをとっている。手には煤けた木の枝を持ち、得体の知れない死肉に齧り付いている。
この時捕食者は知らないが目の前の生物はゴブリンと呼ばれる種で群れで行動し、原始的な道具を扱うことも出来る。そこそこの知性を持っているのだ。
捕食者はゴブリンの後ろに移動し…
『ギギギ!』
【v@&/^ (o!】
わざと自身の存在をゴブリン達に知らしめ、彼らに向かい飛び出す。
ゴブリン達は枝を振り下ろすが捕食者は羽を使い、身を捻って躱す。真ん中のゴブリンの顔面に飛び込み、蹴りで頭を吹き飛ばす。頭が無くなった体はそのまま前に崩れて落ちていった。
ゴブリン達は数秒の硬直を起こした、その瞬間でもう一体のゴブリンの頭も無くなり、崩れ落ちる。
恐怖でその場から背を向けて走り出す生き残りも脚を掴まれ、倒れる。
必死に振り解こうと踠くが掴まれた脚から徐々に凍り始め、やがて体に上がり顔までもを凍らせ、恐怖の顔をしたゴブリンの氷像が完成した。
体が小さかろうが彼は産まれた時から捕食者だったのだ。ゴブリン達はその標的になった。それだけの不幸で命を落とした。
だが、忘れたわいけないここが森である以上、彼も食物連鎖に組み込まれた標的であることを…
【ヒュアアア!】
『!ギギギ!』
水面から姿は現した生物は彼の姿を捉え攻撃を開始する口内に、圧縮した水を蓄え…放つ
『!』
放たれた水撃は一直線に地面を抉り、木々を消し飛ばした。この一撃をブレスと呼ぶこの世界で限られた生物だけが扱える必殺技である。そして水のブレスを放ったこいつは
この森を支配する頂点捕食者の一角
水竜
彼はギリギリで生き残った。ブレスを放ち満足して水竜は水の中へと消えていった。この時彼は初めて恐怖を覚えた、己が捕食者であると同時に被食者であることを…
恐怖に駆られ、仕留めたゴブリンの死骸をそのままに一目散にその場を後にした。
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ブラム村
ここは人口2百もいかぬ小さな村であった。集会場や酒場などの施設はあるが街の様なサイズも種類も無い。そこに一人だけ獣人の女性がいた。
名はアーヴィ、褐色の肌にオオカミ類の耳が生え、常に怠そうな様子を隠さずにいる。
長身で体もしっかり鍛えられた体をしている。背中には自信と同じサイズのグレートソードを背負っている。
獣人の身体能力も有り、村一番の戦士であるのだが彼女はこの村が嫌いであった。理由は…
「おい、アーヴィだ。見ろよあの耳、気持ち悪いな」ヒソヒソ
「ああ、本当だよ。それに聞いた話によるとな…」ヒソヒソ
これだ、彼女は村の住人と姿が違うというだけで嫌い、拒絶しているのだ。この村でのアーヴィの居場所など無い。味方も居ない。直ぐにでもこの村を飛び出したいが自身の首にある、呪いがそれを行わせない様にしていた。
「こんな物さえ無ければっ!」ギリ
彼女は一秒でも多くこの村にいるのが嫌い。だから集会場に行って森に現れた魔物の討伐をしに行くことが多かった。
だから今日もいつも通り森に行く。
森に入って直ぐに、魔物の痕跡を見つける。まだ新しい痕跡から魔獣型だと目星を付ける。
更に進むと、自分の鼻に反応があった。
鼻を刺激する、死体の匂い。
木陰から顔を出し、確認する…オオイワコンドルの死骸だ。
首に大きな噛み跡があることから、魔獣型で間違いないと確信し、歩みを進める。
居た
木の上で睡眠をとっているオオアギトだ。
近くに番や子供ぎ居ないことを確認し、先手を打つ。
そこらの石をスリンガーショットで投げつけ頭に命中させる。こちらの方が下手なボウガンや弓矢よりも相手の頭蓋骨にダメージが入るからだ。石が直撃し勢いのまま落下、なんとか空中で姿勢を整え着地するが既に首に剣が振り下ろされており、オオアギトが何かを理解する前に首を刎ねた。
「ふぅ〜、番が居なくて助かった…………!うっ!」
【グルルル!】
「な!もう一体!普段同じ木で眠るオオアギトが!?まずい!」
背後を取られてしまい、のし掛かられてしまい反撃が出来ず、絶体絶命。
【グルルル!グァッ!!!ッ!】ドサ
「!えっ!」
突如背中にのし掛かっていた重さは消え、オオアギトの体が横に倒れた。
「い、一体?な!?首が無い!」
アーヴィが直ぐに体勢を戻し、顔を上げると木の上で自分と同じほどのオオアギトの頭を齧っている。見たことも無い、人型の虫と思われる魔物が居た。
直ぐに武器を構えるがじっとこっちを見つめるだけで攻撃はしてこない。
『ォ…オマ…ハ、ナ…モノダ…?』
「え!?喋った?」
『ナニ…ダ?』
アーヴィは問われていることを思い出した。こちらを見つめるあの目はまるで蛇に睨まれた様な圧を感じ、口が動いた。
「あ、わ…私はアーヴィだ。いやです。この近くの村でハンターをやっています」
『ハンター……ハン…ター』
「あ、あの?」
『気ニイッタ、コレカラ毎日ココにキテ、私ニコトバヲ教エテクレ』
これは突然変異の捕食者と村一のハンターが不思議な関係を築く話
そこまで長くするつもりは無い。
最後は何かしらの結果で二人が結ばれるエンドです。
NTRは許さん!
イジメも許さん!