こんな国語力0のゴミ小説に評価が……?2つも?!
ありがとうございます!!!
ここはホテル最上階のスイートルーム。窓の外には東京の夜景が広がり、無数のネオンがガラス越しに瞬いている。だがこの部屋には似つかわしく空気が重い
月詠白鳳はソファに深く腰掛けたまま、値踏みするように凛を見下ろしていた。
床には先ほど白鳳が叩き割ったワイングラスの破片が散らばっている。赤ワインが白い大理石に広がり、まるで血痕のように見えた。
「弟子にしてやるとは言った。だが勘違いするなよガキ。」
白鳳はガラス机に頬杖をつきながら低く呟く。
「俺はテメェを信用しちゃいねぇ。」
「そりゃそうだろ。初対面のガキに“未来が見えます”とか言われて信じる奴いたら病院行った方がいい。」
「口は減らねぇガキは嫌いだ。」
ギロリ、とその視線だけで背筋が凍る。
凛は思わず喉を鳴らした。
(……クソ怖ぇ。ちびりそうになるぐらい怖い)
今まで『終焉の観測者』で見てきた未来の中でも、月詠白鳳は別格だった。
神々がEROREと争う世界崩壊の光景。
惑星が砕け散る未来。
空間ごと呑み込む赤黒いなにか
そんな化け物達と同じ場所に、この男は立っているるのだと、税物としての”格”が違うのだなと思い知らされる。
「テメェ、本当に未来視が使えるんだろうな。さっきの情報も誰かから聞いただけじゃねぇのか?」
そういう時急に白鳳がゆっくり立ち上がり、自分よりも何倍も大きな白鳳の影が影が凛へ覆いかぶさった。
「……は?何してるんだ?」
「試してやるよ、てめえの言葉」
瞬間、『終焉の観測者』が発動した。
脳裏に映るのは白鳳の手が自分の顔を掴み、壁へ叩きつけ純白の壁を血の色に汚す未来。
「ッ!!」
凛は反射的に頭を横へ逸らした次の瞬間に。
轟ッ!!!!!!
顔の横で耳をつんざく破壊音が響く。
顔を横に向けると白鳳の腕が自分の間横を通過し、そのままコンクリートの壁へ突き刺さり、その力は壁面が蜘蛛の巣状に砕き、衝撃で部屋全体が震動させた。
「うおぉぉっ!?」
高級そうな絵画が落下し、シャンデリアがジャラジャラと揺れる。
数センチずれていなければ、今頃自分の頭が壁ごと吹き飛んでいた。
「……避けたか。」
白鳳が砕けた壁を見ながら呟くがその声音に驚きは少ない。まるで“避けて当然”と言わんばかりだった。
「テメェ今、本気で殺そうとしただろ!!」
「当たり前だ。」
白鳳は悪びれもせず答える。
「俺の周囲にはお前が何人いようが叶わない化け物しかいねぇ。未来視だの預言だの、そんな能力者も少ないが全くいないわけじゃない。だから試した。」
壁から腕を引き抜き、コンクリート片がパラパラと床へ落ちた。
「本当に未来が見えてるなら避けられる。避けられねぇならそこまでの雑魚だ。」
「理不尽すぎんだろ……!」
「この世界は理不尽は元からだ。」
白鳳は窓際へ歩いていく。ガラス越しに夜景を見下ろすその背中はどこか異様に孤独だった。
「力が無ぇ奴は死ぬ。才能が無ぇ奴も死ぬ。だが力と才能を持つ奴も死ぬ」
「覚悟が無ぇ奴はもっと早く死ぬ。」
その瞬間空気が変わり凛の全身に鳥肌が走る。
「……ッ!?」
呼吸が止まりそうになる。『終焉の観測者』が勝手に未来を映し始めた。
死。
死。
死。
死。
視界いっぱいに、自分の死体が並ぶ。
首を裂かれた死体。
胴を両断された死体。
影も残らず消し飛んだ死体。
(なんだこれ……!?)
白鳳は何もしていない。ただ立っているだけなのに。
そのはずなのに、“存在しているだけ”で死が迫ってくる。
凛の膝が恐怖によって震えだし、肺が押し潰されるように苦しくなる。呼吸がうまくできない
「俺は世界最強だ。」
白鳳がゆっくり振り返る。その瞳には圧倒的な自信と数え切れない死線を越えてきた経験と覚悟が宿っていた。
「その俺が、お前を鍛える。」
一歩。また一歩。白鳳が近づく度に床が軋み空間が捻れていくような錯覚を覚える。
「だったら最低限、俺の殺気くらい耐えてみせろ。」
その瞬間、凛の生存本能が最大限の警鐘を鳴らす。
逃げろ。
逃げろ。
逃げろ。
コイツは危険だ。関わってはいけない。
身体が言うことを聞かない。動けない。動こうとする気力を奪われている気がする。
圧倒的恐怖が凛を包みこむ。一般人がこの殺気を喰らうと間違い無く気絶卒倒してしまうだろう
だが、凛はこんなもんで諦める男ではなかった。
(……ふざけんな。)
凛は震える脚に力を込めた。ここで逃げたら終わりだと知っているから
アイツを殴る。
死にたくない。
そのためにここまで来た。
「……ッ、舐めんなよ。」
「何がだ?」
「……アンタが世界最強だろうが知るか。」
凛は汗だくになりながら白鳳を睨み返した。
喉が焼けるように痛い。逃げたい。諦めたい。
それでも、視線だけは逸らさなかった。ここを逃したらもうチャンスはない
「俺は──」
拳を握る。
脳裏に浮かぶのは、あのクソ神のニヤけ面だった。
「ちゃんと生きて“アイツ”をぶん殴るまで死ねねぇんだよ!!」
一瞬の静寂。
「──ククッ。」
白鳳が笑った。まるで獣のように獰猛に、だがどこか楽しそうに。
「良い目だ。」
その瞬間、部屋を満たしていた殺気が霧散する。圧迫感パッと消えた
「ッ、げほっ!!げほっ!!」
凛はその場へ崩れ落ち、荒く咳き込んだ。肺が空気を求めて悲鳴を上げる。
「合格だ、草薙凛。」
白鳳は口元を吊り上げる。笑顔は一番攻撃的な表情であることであることを思い出す凛は嫌な予感を感じ取った
「まずは三ヶ月。生き残れたら正式に弟子として認めてやる。」
「……は?」
「安心しろ。」
白鳳はニヤリと笑った。さっきまでの殺気が嘘のような、しかし別方向で怖い笑みだった。
「死ぬほど鍛えてやる。」
「それ安心できる要素ゼロなんだが!?」
凛の叫びを無視し、白鳳はテーブルの上に散らばっていた書類を適当にどかし、高級そうな革張りのソファへ再び腰を下ろし、脚を組む。
「さて、まずは今のお前の能力について整理するぞ。未来視、そしてもう一つの『神叡支配』についてだ。どんな能力かは理解してるのか?」
「感覚だけど『神叡支配』は物質変換?系の能力な気がしてる。これは感覚だから合ってるかどうかは分からないけど」
「あぁ。」
白鳳は頷いた。
「お前の核になる能力は恐らくそれだ。未来視は補助、『神叡支配』がお前の主力となっていくだろう」
「……そんなヤバいの?物質変換系能力って?そんな強そうな気がするしないけど」
「少なくともガキが触っていい能力じゃねぇ。」
白鳳は砕けたワイングラスの破片を一つ摘み上げる。次の瞬間パリン、とガラス片が白い粒子へ変わった。
「うおっ!?」
粒子は空中で組み替わり、小さな銀色のナイフへ変化する。金属光沢を放つ刃先が照明を反射していた。
「これが物質変換……。あんたも持ってたのか?」
「近いが少し違う。」
白鳳はナイフを指先で回しながら続ける。
「俺の能力『理支配』によって分子構造を操作したものだ。あまり使わないがな。」
「物質を扱う能力は基本的にその物質を理解した上でその性質、流れ、法則。それらを理解できなければ能力は応えねぇ。」
ナイフが再び粒子へ崩れる。今度は黒い灰となって床へ散った。
「だからお前が最初にやることは単純だ。」
白鳳は凛を指差した。
「勉強しろ。」
「……はい?」
思ってた180度違った訓練内容に変な声が出てしまった。てっきりもう能力の使い方について教えてくれるかと思った
「元素記号、分子構造、熱、圧力、エネルギー変換。まずはそこからだ。」
「いや待て待て待て!!異能バトルだよな!?なんで急に理科の授業始まった!?」
「当たり前だろ馬鹿。」
白鳳は呆れたように鼻で笑う。
「さっきも言ったろ?何も理解してねぇ奴が物質や法則を好きに弄れるわけねぇだろ。」
凛は思わず言葉に詰まった。確かにその通りではある。あるのだが。
(もっとこう……炎ドバーン!!とか剣シュバババ!!みたいなの想像してたんだけど!?)
「ちなみに元素周期表は全部暗記な。」
「帰っていい?」
「駄目だ。」
即答だった。俺に拒否権は無いらしい。事情の知らない人がこの状況を見たら児童虐待だと思われて警察にお世話になるだろう。というかコイツ実の娘にネグレクトしてるし、コイツどっちかといえば取り締まる側だろ
白鳳はテーブルの引き出しから分厚い本を数冊取り出す。
ドサドサッ!!と重い音を立てて積み上がった。タワーみてーだ。タイトルを見る。
『高等化学』
『量子物理学概論』
『物質構成理論』
「殺す気か?」
「勉強量程度で死ぬならどのみちお前は長生きできねぇ。」
凛は本の山を見ながら顔を引きつらせる。どうやら異世界転生しても勉強からは逃げられないらしい。
「そして次、体力作りだ。」
「あ、それはまあ分かる。」
「毎朝二十キロ走れ。」
「帰っていい?」
「駄目だ。」
二回目だった。これが所謂天丼
白鳳は真顔で続ける。
「能力者同士の戦闘は長期戦になることも多い。スタミナ切れはそのまま死に直結する。」
「いや七歳児なんだけど俺。」
「未来視あるなら死なねぇだろ。」
「理論が雑!!」
凛の叫びが部屋へ響く。しかし白鳳は完全に無視して話を進めた。
「あとオーラ操作はまだ教えねぇ。」
「オーラ?」
「生命エネルギーみてぇなもんだ。」
白鳳は指先へ淡い銀色の光を纏わせると空気が微かに震えた。それだけで凛の肌がピリつく。
「便利な力だが、ガキの頃から無理に鍛えると変な癖が付く。」
白鳳は光を消した。
「呼吸、循環、出力。その全部が未成熟な状態で覚えると、後から矯正できなくなることが多い。」
「へぇ……。」
「特にお前みたいな特殊能力持ちは危険だ。下手すりゃ能力暴走の引き金になる。」
白鳳の声音が少しだけ真面目になる。
「だから今は基礎だけ叩き込む。」
勉強。
走り込み。
肉体強化。
地味である。想像していた異能修行とはだいぶ違う。もっとこう、滝に打たれたり隕石砕いたりするのかと思っていた。
「……なんか普通だな。」
「あ?」
「いや、もっと派手な修行するのかと。」
すると白鳳は鼻で笑った。
「基礎を舐める奴は弱い。」
その一言には妙な重みがあった。
「世界最強クラスの能力者ほど、基礎を狂ったように鍛えてる。」
「結局最後に物を言うのは、積み重ねだ。」
凛は少しだけ目を見開いた。この男普段は粗暴で口も悪いくせに、強さについて語る時だけ妙に説得力がある。
「……じゃあ明日から修行か。」
「あぁ。」
白鳳はニヤリと笑った。
「地獄の始まりだ。覚悟しとけ。」
その笑みを見た瞬間。
凛の『終焉の観測者』が未来を映した。
吐きながら山道を走る自分。
骨折したまま勉強させられる自分。
雪山で死にかけている自分。
「……やっぱ弟子入り取り消せません?」
「もう遅ぇ。」