未来世界戦士2134   作:ハーメラン

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パワードアーマーtype-0の相内大輔、パワードアーマー紫電の実行者ウィリアム・タカサカ。
幼馴染の2人の競争は小学校、中学校、高校...とずっと続いてきたものだったが、新型パワードアーマーの実験を兼ねた模擬戦など当然初めてのことだった。
 彼らはお互いにこの日、この時間を待ちわびていた。
どちらが強いのかを証明するために。


実験者2人(前編)

 同時刻、type-0とは別の新型PAパワードアーマー紫電のテスト実行者ウィリアム・タカサカはtype-0の最終試験が終わり次第準備される模擬戦の概要をペーパーで確認していた。

 

 自機PA:紫電

type-0と紫電と大きく違うところは高速移動の仕方である。前者は脚部からエアーを噴出し背部に搭載された小型ブースター又はエアー噴出機を使って高速移動を可能にする。

 

対して後者は脚部に装着された電動可動式ローラーで移動する。

 

一応脚部からエアーを噴出し、機体を浮かせたりすることはできるがローラーでの移動を前提としているため性能は高くない。

 

 場所:砂丘試験場

範囲は6561.6 フィート×6561.6 フィート、PA1対1の模擬戦にしては広すぎに見えるが、念のためということだろう。砂丘の試験場というように記載されているが実際フィールドの3分の1はコンクリートで固められている。

 

コンクリートでない場所はステージ南側のみである。

 

 タカサカが場所を確認し終えたと同時に「あら」と女性の声がしこちらに近づいてくる。

 

「今日の模擬戦のあなたのオペレータを担当になったわ。なにか確認することはない?」

 

タカサカが意地悪そうな笑みを浮かべて彼女に言葉を返す。

 

「確認することねぇ~。そうだな俺が勝ったらほっぺにキスでもしてくれよ。橘さま?」

 

女性は呆れて目がまん丸だ。

 

「いろいろと突っ込みどころがありすぎるわよ。だから童貞なのよ」

 

タカサカはウィークポイントを突かれてようで目が泳いでいる。

 

 そういえば ”あいつ” といろいろのものを競争してきたが、彼女をつくるという競争はタカサカの数少ない負けのひとつであった。

 

「まぁ、今日は私も付いている。やるんだたら勝ちましょう」

 

やっとタカサカも目の焦点があったようだった、一呼吸置いてから彼は

 

「あたりまえだろ。負けることなんか考えてないからな、なんつーかよろしくな」

 

と照れながら握手を求めた。

 

 「ええ、全力でサポートするわ」

 

彼女も握手に答えた。

 

 

とてもこれから勝負をしに行くとは思えない言葉の裏に秘めたものを強く感じる握手だった。

 

 

最終試験を終え、type-0の整備待ちをしながらペーパーに目を通している相内大輔もこの模擬戦にかける思いは熱かった。

 

彼のまなざしでペーパーに穴が開きそうなくらいに内容を確認している。場所、自機、と確認して敵機で目をとめる。

 

”紫電”

 

もう1機の最新型PAパワードアーマーこの機体をしとめるためのイメージを何百回とやってきたことか。

 

だが、彼が予想外だったのは自機には1人、相手にも1人オペレータがつくことだった。自分にも相手にもオペレータがいるとなると連携が重要になってくる。

 

 ペーパーのオペレータ欄には「橘香織と岡島綾か、俺の担当は・・・岡島さんか」

 

早いうちに連携の確認をしたいところだが、どこにいるのかもわからない。

 

「困ったな・・・。」

 

つぶやいた直後自分の名前を呼ばれたような気がして周りを見渡す。

 

いた。岡島さんだ。

 

 

 「相内さん。オペレータを担当させていただくことになりました。岡島綾です。よろしくお願いします!」

 

元気のいい声の高い挨拶を受け相内は小柄に声の高さからもっと幼い印象を受けたがこれからの彼女とやり取りをしていく中でその考えを改めることになる。

 

 

「相内さん、遅くなって申し訳ございませんでした。早速ですが連携の確認点などなにかありますでしょうか?」

 

こう打ち合わせるといっても順序を全く考えていなかった相内は少しの間頭が真っ白だった。が「では、まずは座標などのフィールドの確認をしましょうか」

 

相内の一瞬の空白を読み取ったかのように言葉を挟む。「じゃあそれから」

 

 「この戦闘エリアの大体の場所を指定するときは、エリア中央を0.0として最東端を100、最西端を-100、最北端を100

、最南端を-100の正方形とするので一マス10*10になりますね。オペレータから分かることは相内さんの位置と周囲のちけいのみです。敵の位置はPAパワードアーマーの機能による捜索で見つけ出してください」

 

 マシンガンのように確認が続く。相内は大体のことを把握できているのはきっと彼女の有能さあってのことだろう。

 

 

 「確認事項は以上ですが、その他何か質問はありませんか?」「いや、もう特に」

 

聞きたいことはもう全部言われてしまったようだった。「それでは、今回の模擬戦がんばってくださいね!私もできる限りは手を尽くします」

 

礼儀正しくお辞儀すると綾は踵を返して自分の持ち場に帰って行くのだった。

 

 そして相内も模擬戦にむけ気持を奮い立たせるのであった。




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