超浮かれポンチAIライバー月見ヤチヨは匂わせ配信を辞められない 作:Radrabbit
頂いた感想を見て「確かに匂わせ通り越してこれは結婚かもしれん・・・」と一瞬思いましたが、逆に考えるんだ。
「本人が明言するまではどれだけ強火でもあくまで匂わせに過ぎない」って。
立場上ツクヨミの管理人AIだから表立って結婚はできないけど、いろPを誰にも渡したくないから合法的に結婚できるかぐやボディができるまで、無限に匂わせを続けるヤチヨがいたっていい。二次創作とはそういうもの・・・なんじゃないかな、たぶん。
それと遅ばせながら、感想、評価、誤字報告いつもありがとうございます!おかげさまで生きております!
【今ツクヨミで話題沸騰中の例のあの人、いろPについて調べてみました!】
「ついにクソ捏造記事まで出だした・・・」
先日の大騒ぎがようやっと落ち着きを見せ始めた今日この頃。
首から『反省中』のプラカードを吊り下げたヤチヨが、お詫びライブを連日開催することで殺気立っていたユーザー達も徐々に数を減らしていった。
とはいえ意外と効果的だったのはヤチヨとのコラボ配信かもしれない。
配信でよく使うLive2Dの立ち絵じゃなくて、ツクヨミのアバターでやっていたのも一因なのだろうか。
私たちはヤチヨの天守閣でただ喋ってただけだし、なんであれで大人しくなるのか疑問ではあるけれど・・・。
『ねぇ、これホントに意味あるの?火に油注いでるだけじゃない?』
『そんなことないよ〜?話題作りとかそういうのじゃなくて、いろPとヤチヨが本当に仲良しなんだってみんなにわかってもらえるからね〜』
『ちょちょちょ!しなだれかからないで!顔が近い!?』
『これからもいっぱいコラボしてくれるんでしょ?慣れて〜♡』
ありがとう、満腹だ
初日はガチ恋勢がアホ程殺気立ってたのに、五日目の今日は静まり返ってるの笑う
↑そりゃヤチヨが散々メロつきまくってる現実を延々と突き付けられたら、心の弱いオタクは爆散するさ
いろPがイケメンの男じゃなくて本当に良かったって、今心から思ってるよ
『はい!というわけでこれ持ってヤッチョをあやして!』
『んん???』
『正座してくれる?・・・それじゃ、ヤチヨ横になるね〜』
『私は何をやらされてるの???』
『ばぶ〜、彩葉ママ〜♡ガラガラして〜♡』
お、お婆ちゃん・・・ついに頭がおかしく・・・
おいたわしやヤチ上
いろPが宇宙兎みたいな顔に
ガラガラとミルク持たされて8000歳児のお世話を強制されるいろP
なんの罰ゲームかな?
我々はいつまでこれ見守らなきゃいけないんです?
↑そりゃヤチヨが飽きるまでよ
『ばぶ!オギャ・・・きゃはは!!』
『や、ヤチヨ?ヤチヨさ〜ん?流石に赤ちゃん返りはブランドイメージ的に不味くないですか?』
『今のヤチヨに失うものは何も無いよ』
『あっ・・・そですか』
ガンギマリ笑顔で言い切るのやめてね
ガチ恋ファンを焼き尽くすことを決めたヤチヨは強いよ
(ガコン・・・)いろヤチてぇてぇマコ
↑他人の乳児プレイに適応するな
ヤチヨのインターネット老人会を更新する配信が生まれるとは・・・長生きするもんだ
『うえっ、あぅ〜』
『あ、もしかしてミルク?てかこれ飲めるの?』
『だあー、あうっ!』
『いや抱っこは無理でしょ・・・うわ小っちゃくなった。ぐっ、可愛い・・・』
『ん〜♫』
『・・・もー、すっかり甘えん坊になっちゃってさ』
ヤチヨの赤ちゃんプレイへ即座に適応を果たす女、八握剣異戒神将いろP
こんなの僕のデータに無いぞっ!?
↑あってたまるかよ
ね、ねぇ!この人達怖いよぉ!!何でこれで通じ合ってんの!??
おかしいな、30秒前はいろPが困惑してた筈なんだが・・・
『あ、彩葉。そこの問題途中で間違えてるよ。代入する数字が入れ替わっちゃってる』
『ホントだ、ありがと・・・え?今どこから見てんの??タブレットの電源付けてないよね?』
『ヤチヨ、ナニモ、シテナイ、タマタマ、ミエタ、ダケ』
『別に覗き見じゃなくて普通に見ればいいのに。こっそり監視したいなら・・・まぁ、法律に違反しない範囲でね』
あのあの怖いこと言わないでください
こわいこわいこわい
急に奇天烈赤ちゃんプレイから世にも奇妙な物語にハンドルをきるな
内輪差で死人でそう
いや〜最近のヤチヨはホラー演出も上手くなったな〜()
AIも人間をネットストーカーする時代になったんだね・・・ホロリ
さりげなく赤ちゃんプレイしながら問題演習を解くないろP
というか途中からヤチヨに引き始める人が出てきたのは一体どういう了見だろうか。
同意の上だってずっと言ってるのに、なんで『いろP可哀想』とか『AIはいろPを解放しろ』みたいな意見が出てくるのか。
むしろこれまでずっと甘えられずに寂しい思いをしてきたのだから、もっと甘えてくれてもいいと思う・・・流石に配信でやるのは恥ずかしいから辞めて欲しいけれど。
【─────!──、月見ヤチヨ氏と深い関係にあり─────。配信上では─────
────・・・・・・。
──色々と調べてみた結果、なんと本名が『彩葉』であることと、作曲や演奏について優れた才能を持った女子学生であることがわかりました!いかがでしたか?すごいですよね。私も見習いたいです!】
「無能編集者がよ・・・」
ヨミッターのトレンドに載ってる程度の内容しか調べてないじゃないかこの記事。いや別に探られたいわけじゃないけどさ。
「よっ!今話題の例のあの人!*1」
「それやめなー?」
「我が君・・・本日も麗しくあらせられて・・・」
「原典に寄せんな。アバダするぞ*2」
「ひぇ〜!助けて芦花ぁ〜!」
けらけらと戯けて逃げる真実の脇腹を捕まえて
どうやら真実は擽りには弱いようで、必死に身を捩って私から逃げようとしていた。
だがしかし、反省するまでは逃さんぞ・・・なんで普段からご飯たくさん食べてるのにこんな痩せてるんだこの女。
「ひぃ、ひはっ!あははっ!ぎぶ!ぎぶぎぶ!もうしないってぇ!・・・・・・ぶぇ〜、ちかれた」
「不本意にトレンド入りした友達を揶揄った罰ね」
「グリフィンドールに10点減点〜*3」
空気の抜けた風船みたいに萎れた真実が芦花の膝に頭を預け、芦花は真美の額にバッテンを付ける。
そのままぽけーっと空に掲げたスマホを暫く眺めていた真実が、突然私にニヤニヤと揶揄うような笑みを向けた。
「かぐやちゃ・・・じゃなくてヤチヨちゃん今恋愛教室やってるじゃん。ひさしぶりだねー・・・気になるでしょ、聞いとく〜?」
「ふふん。今のワタクシは無敵なのでね。ちょっとやそっとのことでは動じませんことよ?」
浮かれポンチ炎上事件で私の心臓は鍛えられたのだ。
それにあの後私が配信などで勘違いしたりしないよう、ヤチヨ考案の愛してるよゲームによってヤチヨ耐性もぐんぐんと身に付いてきている*4。
今更恋愛相談配信なんかで揺らぐ酒寄彩葉ではない。私を動揺させたいならかぐやの卒業ライブ映像でも──あ、無理。
考えるの止めよう。ちょっと身体震えそうになった。
思考を誘導するために、鞄にしまってある参考書を取り出して適当にぱらぱらとページを捲る。
そんな私を見て真実がくるりと芦花の膝から頭を上げ、参考書のページを覗き込んだ。
「お〜すっげ〜、何書いてるかさっぱりわかんないや」
「私たち文系だもんねー。むしろ余裕そうにしてる彩葉が凄いんだと思うよ」
ページをさっぱり流し読みした後、真実が何も考えてなさそうなぽけっとした表情で私を見上げる。
こんな様子だが真実は一度も赤点を取ったことは無いし、宿題や予習は余裕を持って終わらせるタイプなのだから、見た目では人間中々判らないものだ。
「勉強の調子はどう?理転ってちょークソやば大変らしいけど」
「ん、今のところは順調。むしろなんか・・・拍子抜けな感じ?」
「さっすが彩葉〜。でも無理はだめだよ〜?・・・ま、そこはヤチヨちゃんが見てくれてるんだろうけど」
予め覚悟していたことだが、高校二年の夏から法学部志望を一転して理学部へ転向するのは現実的に考えて非常に厳しい話だ。
私なんかじゃ現役合格は難しいのではないか・・・と初めは思っていた。
だがそれが不思議なことに、まるで最初から知っていたことかのように教本の内容がスルスルと頭へ入っていくのだ。
「理由は見当付いてるけど、人間意外となんとかなるものなんだね」
「達観した顔してるけど、さては彩葉、何かとんでもない無茶したね?」
「否定はできない・・・けど、必要なことだったからさ」
私はあの日、FUSHIから「人の身で耐えられるかわからない」という警告を踏み越えてかぐやの八千年を追体験した。
単純な計算であれば、八千年分の情報の濁流・・・この場合大海レベルの情報量が私の脳へ流し込まれたはずである。
きっとFUSHIもサポートしてくれていたのだろうけど、それでも八千年という久遠に等しいデータを人の脳で処理するなど到底不可能。
・・・だと思うのだが、まぁ、なんとかなった。ちょっと一瞬だけ自認ヤチヨになりかけたけど。
謂わば難易度地獄級の強制レベリング。あの日を境に私の脳が、膨大な情報でも簡単に処理できるように適応した・・・のだと思う。
(んー・・・やっぱ全部きちんと追って読めるな、配信のコメント)
チラリと真実のスマホの画面を見てみると、思った通り高速で流れる内容でも余さず把握できた・・・ヤチヨがまた浮かれてるけど、私が居ないから失言まではしないで済んでいるようだ。
(なんか自分が超人になった気分・・・なんちゃって、これで調子に乗ったら怒られるか)
前までの私なら読み続けるだけで次第に頭が痛くなっていた、凄まじい速さで流れるヤチヨの配信コメント欄。
それも今の私なら参考書片手に勉強ついでの流し見で全て把握できている。なんならあと一つか二つ作業を増やしても何とかなりそうだ。
ヤチヨに新しい曲でも作ろうかな・・・あれ、ここの注釈文誤字ってない?後で先生に確認しとこ。
「いや、そもそも物理的に指が足りないか・・・」
「何しようとしてるかは知らないけど、多分数は絞った方が質は上がるんじゃない?」
「・・・それもそうか。ちょっと焦り過ぎてたかも」
複数の作業を同時に並行して可能であるとしても、それを高いクオリティを保って続けることは両立しないものだ。
生身の人間であれば尚更。一つ一つ集中してこなす方が最終的な効率はいい気がする・・・よし。
「まずはヤチヨの配信を見ます」
「そっち最優先なの?」
「ヤチヨより優先すること無いし、ヤチヨに教えて貰いながら勉強した方が効率良い」
「あ、そっか。ヤチヨちゃんってそういえばツクヨミとかスマコンも作ってたもんね。先生としてはトップクラスなのか」
受験勉強とツクヨミやスマコンの作成過程はあまり重なる気はしないけど、この前さらっと私のケアレスミスを指摘したり、参考書より詳細な解説をしてくれたこともある。
「あれ、この前みたいにヤチヨちゃんと一緒に配信見ないの?」
「・・・私たちは反省したの。もう浮かれポンチになんかならないから」
「そういうのは目線こっち向けてから言いな〜?」
子曰く、「彩葉と一緒にいられることが嬉し過ぎてハイになっちゃう」「嬉しすぎ有頂天ヤッチョが二人以上いると、ちょっと歯止めが効かなくなるのです」と。
そういうわけで、配信しているヤチヨと私の手元にいるヤチヨをきっちり分けて処理できるようになるまで、ヤチヨwithヤチヨ配信視聴会は封印だ。
「ふ、まぁ二人には実感の湧きにくい世界の話だからね」
「おいこらー、芦花の膝に逃げるなー?」
「私の膝、別に避難場所じゃないんだけどなぁ・・・」
私はなおも追求してくる真実から逃げるようにして芦花の膝に頭を預け、真美に背を向けてヤチヨの配信を開いた。
『いってらっしゃーい』と一声掛けてくれた私のスマホ在住ヤチヨを尻目に、イヤホンを装備して完全防御態勢へと移行する。
前面を芦花に任せ、背後の真実はイヤホンガードにより私への干渉を封じる。無理に攻めれば芦花の膝が犠牲になる関係上、真実もそう易々と攻撃できまい。
「彩葉が不審者になっちゃった・・・」
「私のお腹向いてニヤニヤしてるの。大分怪しいんだけど大丈夫そう?」
・・・まさに完璧な陣形だ。この守りならたとえお兄ちゃんでもどうにもできへんやろ。今の私をどかしたいなら
「・・・まぁ、こうして気軽にスキンシップしてくれるくらい心を開いてくれたのは嬉しいけど」
「よしよーし、素直になったちょろ葉を褒めてしんぜよ〜」
「え?なんで私今二人から撫でられてんの?」
今の流れで撫でられることあった?
普通に芦花から引き剥がされると思ってたのに。イヤホン付けてるせいで二人が何言ってるのか聞こえないんだけど。
『どれどれ?【私は今好きな人がいるのですが、その人には既にお互い好き合ってる相手がいます。陰気で臆病な私とは違い、きらきらして可愛くて、まるで太陽そのものみたいに明るいその娘を見てるだけで心が潰れそうになります。どうすればいいでしょうか】
そうだね〜・・・そう、だね。私は・・・好きな人が幸せなら、それで自分は終わってもいいって思ってたタイプなんだよねー。自分に気がついて貰えなくても、その人を見ていられるだけで十分っていうか・・・私は、見てるだけで幸せだったから』
惚気混じりに浮かれてた直後に儚い顔になるんじゃねぇ
湿気高過ぎて溺れそう
ヤチヨ、消えるのか・・・?
『あっと、相談だったよね。そうだにゃ〜・・・私は拒絶されるのが怖くて何も言えなかったけど、神々のみんなは・・・うん、とっても怖いと思うけど、想いはちゃんと伝えないとだめだよ。
今は近くにいても、すぐに居なくなってもう二度と会えなくなることだってあるんだから』
やってもやんなくてもどのみち後悔するけど、『あの時やっておけばよかった』って後悔は一生どうにもできんからね
クックック、何、学生の頃の恋なんてもし失敗しても、数年経てばほろ苦い素敵な思い出に変わるものさ
『そうだよ〜。ヤッチョなんて『どうしてあの時何も言わなかったんだろう』とか、『あの時止めていれば何か変わったかもしれないのに』とか、『私が何もしなかったせいで、あんなに辛い思いをさせちゃった』とか、後悔しまくりの鎌足だからね〜・・・うぅ、ごめん、ごめんねぇ彩葉・・・・・・ヤチヨ、ちょっと横になるね・・・』
うむ、これは重症だな
泣かないでヤッチョ
か、介護班を呼べ!今すぐにだ!
↑いやいろPだ
「あちゃぁ・・・ヤチヨちゃんがまた思い出して横になってる」
「彩葉、出番だよ」
「ごめ゛んがぐや゛ぁ゛・・・」
「彩葉も横になってる!?」
私がちゃんと言葉にしなかったから、かぐやのことが好きなんだって、一緒にいてほしいって伝えられてなくて・・・そのせいで・・・。
───彩葉・・・大好き───
「ぁ・・・かぐや・・・あ・・・あぁ・・・いかないで」
「め、メーデーメーデー!ヤチヨちゃんカモン!」
「──────わ、私、彩葉をこんなに苦しめたの・・・?」
「ヤチヨちゃんも白目剥いてる!?」
草
お前もかよ!!
ちゃんといろPにも弱点あって安心した
あんだけいちゃいちゃしてんのに泡吹いてぶっ倒れるとか、一体何をしたのかね君たち
『え、えぇ!?ちょちょちょっと待って?いろPの方確認するから〜・・・ あ、あっ、あ』
バグるなバグるな
お前が最後の希望だぞ
今度はヤチヨがガラガラとミルク持っていろPをあやす番や
──私が正気を取り戻すまでに空が茜色に染まり、ヤチヨの配信が緊急終了したことをここに懺悔します。
「私、今後は思ったこと全部言葉にしてちゃんと伝えるからね・・・」
「ヤチヨも彩葉のこともう絶対一人にはしないよ・・・24時間365日ずっと一緒に居るから」
「流石にお手洗いとかはバイタルデータだけで勘弁していただきたいかも・・・」
だからねヤチヨさん。その私の背中でもぞもぞしてヤンデレみたいな威圧感を放つのを止めてください。
ツクヨミの天守閣がラストダンジョンみたいな雰囲気になってるから。闇堕ちしたAIみたいになってるから落ち着いて。
ハイパー超人酒寄彩葉が八千年分の情報処理を耐えたのなら、それ相応の進化もするよね、という解釈。
ウルトラレベリングとヤチヨのサポートによって十年で義体の完成まで漕ぎつけた的な。
あとハリーポッターネタに注釈が多いのは、書いてて(あ、ハリポタネタって今は一昔前のネタ扱いなのでは)と気付いたからです。ハリポタが古典として扱われる日もそのうち来るのでしょうね。