……軽い怪我なのがアツコ、普通の銃撃戦でまだあり得る程度の怪我なのがヒヨリ、ミサキ。
……未だ意識不明なのが、サオリ。生きてはいるものの、酷い怪我をしている。
……アツコ達には申し訳ないが、事の経緯を説明して貰った。
曰く、4人でいつも通りに過ごしていたら突然武装したアリウスの生徒が現れたらしい。その生徒達は学校では見かけた事が無く、未だ発見されていなかった過激派の生徒じゃないかという事だ。
その生徒達は何故だか分からないが、アツコを引き渡す様要求して来たらしい。そんなのにもちろん従う訳が無いサオリ達はそのアリウス生達と戦った。最初はサオリ達が優勢だったようだが、敵がアツコ目掛けて爆弾を投げて来た事で事態は一変した。アツコを庇ってサオリが爆弾に命中し、大きなダメージを喰らってしまったのだ。それによりアツコ達はサオリを守りながらなんとか学校まで逃げてきたのだとか。……キヴォトス人は通常、爆弾程度で重症を負う事はないが、それでもサオリは意識が無くなるレベルの重症を負っている。更に奇妙な事に、その爆弾は周囲の建造物などには何の影響も無かったのだと。
あと襲って来たアリウス生達は良く分からない事を言っていたらしい。
『マダム』がどうこうとか『ロイヤルブラッド』がなんとか。あと、『ヘイロー破壊爆弾』という発言もあったらしい。
……アツコ達から聞いた話から考察すると、まずそのアリウス生達の背後には『マダム』と呼ばれる存在がいる。そしてそのマダムはアツコを欲しがっている。理由は不明だが、アツコはロイヤルブラッドとかいう特殊な血筋だった筈だ。アリウス生がロイヤルブラッドという単語を発したという事は『マダム』はそれを狙っているんだろう。
次に爆弾についてだ。周囲の物質に影響せず、サオリのみに効果があった。それと前にチラッと黒服から聞いたのだが、生徒達はみな『神秘』を持っているらしい。神秘とやらがあると、頭に光輪……ヘイローが出てくるのだとか。細かい事は違うかもしれないけど、大体こんな感じ。
つまり、その爆弾はヘイローを持つ人物……生徒の殺害に特化した物なんだろう。
…………なるほど、なるほど。
……その『マダム』は、アツコを攫おうとして、サオリを死の一歩手前まで追い込んだ。更に他2人にも決して軽くない怪我を負わせた。
……ここアリウスにいるならば、私の存在は知っているだろう。なのにも関わらず、生徒達に手を出した。取り返しのつかない事をやろうとした。……明らかにこちらを舐め腐っている。
───よろしい、ならば
ただひたすらにアリウス内を駆け巡る。まだスロースタートの効果があるので割と遅いがしょうがない。
……結構前にも同じ事をしたが、その時との違いが2つ程ある。
1つはアズサがいない事だ。あの時はアズサを抱えて爆走していた。
2つ目は……相当に怒っている事。今目の前にマダムとやらがいたら『にぎりつぶす』から地面に叩きつけて『ふみつけ』トドメに『ヘビーボンバー』でムキュッ!くらいはしようと思ってる。まぁマダムっていうのが人かどうかも分かってないけど。
……ん?生徒が何人か歩いてる?おかしいな、生徒には学校で待機と伝えてあるのに……あ、アレもしかして過激派の生徒か?
「……ん?おい、アレなんだ?」
「え?……うわっ。何アレ?」
「マダムが言ってた『レジギガス』って奴じゃない?」
『レレジギガガガガガガwww』
「「「キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!」」」
『ギガギカフンフンガガガガガガwww』
「な、何……?」
「……ん?ちょっとずつ近づいて来てる……?」
「……に、逃げるぞ!」
あ、逃げた。……うーん、確かに今の私はスロースタート状態だし逃げられると打つ手がない。
……ま、嘘なんですけどね。
『ゆきなだれ』!
「「「うわぁぁぁぁぁっ!?」」」
逃げ道を潰し、ゆっくりと詰め寄る。
「……こ、来ないで……」
『レレジギガガガガガガwwwwww』
……さて、"お話"しよっか?
────腕に抱えた涙目のアリウス生達が、1つの建物に指を指した。
「あ、あそこに『マダム』はいます…………こ、これで解放してくれるんですよね!?」
『ギガギカフンフンガガガガガガwww』
「……!」
その3人をゆっくりと地面に降ろす。ここまで来たらもうこの子達は離れていてもらった方がいいだろう。敵は生徒を殺せる兵器を使う。流石にやらないとは思うけど万が一この子達を殺すとか言われたら私は抵抗出来なくなる。
……おっ、走って逃げて行った。うん、これで安心だ。
……さ〜て!殺るか!
「レジギガス!」
!?アッ、アズサ!?
『エーエエエエエエッエェーッェェェ!?』
「……ごめん。でも、仲間がやられているのに大人しく待ってるのは嫌だ。……だから、お願い」
『…ギガギカフンフンガガガガガガwwwギーガピンピンピンwwwピンピンピンwww』
「……ッ!うん!ありがとう!」
……まぁ、翻訳は必要だし?アズサは強いし?別にアズサには甘いとかじゃないし?別に行っても良いんじゃない?
……よし。改めて行こう。扉はあったが敵の根城に真正面から入るの嫌なので『メガトンパンチ』で壁を破壊する。辺りに大きな音が鳴り響き、壁がガラガラと崩れていく。
……中はどうやら聖堂の様になっている様だ。そして……
「……はぁ。全く、役に立ちませんね。わざわざ時間を掛けて教育したというのに……」
……アレが、マダムか。
最近流行ってる登場人物紹介の奴
・秤アツコ:アリウスのお姫様。仲間が好き。
・錠前サオリ:アリウスの頼れるリーダー。仲間が好き。
・ベアトリーチェ:吐き気を催す邪悪。アツコの体を狙っている。
・レジギガス:アリウスのみんなを害する者なら殺しも厭わない漆黒の意思を持つ。例え何が起ころうとベアトリーチェを排除する。だけど私は優しいので泣きながら焼き土下座するなら命だけは助けてやる訳もなく普通に殺す。