とある異世界の交差物語(クロスオーバー)   作:鉄龍王

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お久しぶりです!先週はお仕事の関係でパソコンに触れるのが2週間ぶりになってしまいました。

今回は前回伝えたように新選組の幹部、藤堂 平助君のお話です。

それではどうぞ!


SAO編
第18話 魁、現状を語る


 

 

 

『オレ、最後に少しは…役に…立ったかな…?』

 

 

 

 

かつてオレが…新選組 八番組組長としての最期の記憶は、仙台城で土方さんと別れの記憶だった。史実のオレの最期は“油小路の変”になってるが俺はその時、生きる為に羅刹という化け物になる事で生き延びた。そして“鳥羽伏見”、“宇都宮”…そして“仙台”と渡って戦って来たけど、超人的な再生と戦闘力を代償にどんどん自分の命が縮んでいく恐怖は別に無かった。誰が言ってたな…

 

 

 

“新選組は時代の徒花(あだばな)

 

 

 

 

確かにそうかもしれなかった。新選組(おれたち)は名を上げるだけじゃなく、惚れた大将(おとこ)について行く。その為なら、いつ命を散らしてもオレは惜しくなかった。

 

 

 

ああでも……

 

 

 

やっぱりオレは死にたくなかったかもな…

 

 

 

千鶴……

 

 

 

『平助君!』

 

 

 

 

『土方さんを…しっかり……見張っててくれよな。生き急がないように…』

 

 

 

 

『うん…うん……!』

 

 

 

 

 

千鶴…お前にとってオレはただの友達だったかもしれないけど、オレにとってお前は綺麗でかわいい…惚れた女だったんだぜ?オレだけじゃない。多分 左乃さんや総司に一君もお前に惚れてたぜ?でもお前の心は土方さんに向いていた事はとっくにわかってた。土方さんはオレにとって憧れの(おとこ)だったけど、同時に憎い恋敵だったよ。だけど、父親の綱道(こうどう)さんを失った千鶴の…心の支えになるのは土方さんだけだった。

 

 

だからオレは…喋る力がもう無いオレは目で土方さんに言葉じゃなく睨む形で思いを届けた

 

 

 

 

---千鶴を泣かせるなよ?---

 

 

 

たった一言を思いとして目に込めてオレの思いは土方さんに届いたのか分からないけど、一瞬だけあの人は目を見開いて次の瞬間ニヤリと笑いながらオレにある思いを込めて睨み返した

 

 

 

 

 

---当たり前だ---

 

 

 

 

この返事を見た瞬間、悟っちまった

 

 

 

 

---ああ、やっぱりこの人にはかなわねぇ---

 

 

 

 

そして最期の…本当の意味の最期の時が来たオレは最後の力を振り絞って泣き顔の千鶴にオレの最期の願いを頼んだ

 

 

 

 

『そんな顔するなよ…いつもみたいに…笑ってくれ……』

 

 

 

 

『……うん!』

 

 

 

少しぎこちないけど、それでも千鶴の…オレが惚れた女の笑顔を見れて、俺にとっては幸せだった。だからオレも、千鶴に笑顔を向けることが出来た

 

 

『そうそう……それで…いい………』

 

 

 

その言葉を最後にこのオレ…新選組 八番組組長…“藤堂 平助”は死んだ。

 

 

 

 

 

 

そう…

 

 

 

 

 

 

 

そのはずだった。

 

 

 

 

 

 

 

『何で…オレはここに……』

 

 

 

 

気がついたときはオレはあの戦いから160年以上も先の未来…それも自分が死んだ仙台市に転生していた。しかも幕末(むかし)と同じ“藤堂 平助”という名前で…

 

そしてオレはすぐにこの日本(クニ)の歴史を調べた。その結果…やっぱり幕府は滅びた。新選組も土方さんの戦死を切欠にあっと言う間に士気が落ち、前面降伏という形で戊辰戦争(あのたたかい)の幕は下りた。

 

ただ気になったのは土方さんの小姓が千鶴じゃなく、“市村鉄之助”という聞き覚えの無い少年隊士になっていた。調べによると土方さんは函館戦争の決戦前夜にその鉄之助に自分の遺髪と写真を託して、自分の最期を姉に伝えるよう命令したらしい。もっとも…その翌日の決戦時に敵の銃弾で戦死になっているところは皮肉としか言いようが無かった。

だけどオレにはどうしても信じられなかった。土方さんが千鶴を残して死ぬとは思えなかった。

もしかしたら そういう話にしただけで実際は違うかもしれない。一度だけ会った大鳥さんって人がうまく手回しして、土方さんと千鶴を生かしてくれたかもしれない。

 

 

だけど現在(いま)を生きるオレにはそれを確認する手段は無かった……

 

 

そしてオレが小学5年生になった頃、街中で散歩し、半信半疑で悩んでいたオレの目の前に懐かしい幕末(むかし)新選組(なかま)と再会した。

 

 

 

 

 

 

「藤堂君……?」

 

 

 

 

 

 

 

その仲間とは“サンナンさん”こと元新選組 総長の山南(さんなん)敬介(けいすけ)本人だった。なんでも山南(さんなん)さんは今大学生になり、教師を目指しているらしい。相変わらずこの人は頭がいいな。歴史を調べるついでに知ったが、後世の人間の見識では山南(さんなん)ではなく山南(やまなみ)という読み方で認識されていたという事実には驚いた。

 

 

 

そしてオレは山南さんと久しぶりの談笑で笑い会っている時にある仮説が頭に浮かんだ…

 

 

 

 

 

もしかしたら新選組の他の仲間もこの時代(せかい)に転生しているかもしれない

 

 

 

 

 

そう思うとオレはいても立ってもいられず飛び出そうとした所で山南さんに止められた。

 

『手掛かりも無いのに一体どこを探す気ですか?』

 

そう言われると何も言い返せねえ。だけどオレと山南さんがこの時代(せかい)に転生したなら他のみんなだっている可能性は十分あるはずだ。そんなオレの心情を察したのか山南さんは…

 

『まだ確実とは言えませんが藤堂君が言うように新選組の仲間たちがこの時代(せかい)に転生している可能性はあります。だから今は待つべきです。新選組が再結集する日はきっと来ます』

 

山南さんのその言葉を信じてオレは剣道部に入り、剣の腕を磨きながらいつか来るその日を待ち続けた。

 

 

そうしてオレが中学生になった年、ある“事件”に巻き込まれた

 

 

 

 

 

世に言う…

 

 

 

 

 

 

SAO事件に…

 

 

 

 

 

 

 

中学生になったあの日、進級祝いとして親父が無理言って最近話題になっていたゲーム…“ソードアート・オンライン”通称SAOで“ナーブギア”を売ってる店に頼んで譲ってくれたらしい…

 

親父に悪い事したなと申し訳なく思ったが親父曰く『店のオヤジに色々貸してた借りを返してもらっただけだ!気にするな平助!』とガッハッハと大笑いしながら言ってたが一体何をしたんだ親父?

 

 

 

そしてオレは待ちに待ったナーブギアを被り、あの言葉を放った

 

 

『リンク…スタート!』

 

 

 

そしてオレは剣の世界…ソードアート・オンラインへと旅立った。だけどまさか…2年という月日をかけて行くとは思わなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オレはプレイヤーネームを“タカトラ”にした。これは生前のオレ…藤堂平助の(いみな)でこれを知ってるのは新選組の試衛館のメンバーしか知らない。もしかしたら新選組のメンバーもこのゲームに参加しているかもしれない。そう思ってオレはこの世界に来た。新選組(なかま)を探すために!

 

SAOに入ってすぐ近くにβテスターの“キリト”って奴と出会い、知り合いになった。後から来た“クライン”と共にキリトからSAOについてのレクチャーを受けた。そしてこのSAO(せかい)の戦い方の基礎を教えてもらった後すぐにこの世界を堪能した。

 

そして夕方になった頃、ログアウトしようとメニューボタンを見た瞬間、何かの間違いかと思った。

 

ログアウトボタンが消えていたから…

 

すると突然始まりの町で鐘が鳴り響き、この世界にログインしていたプレイヤーたちが強制転移されていた。そして空にあの男…茅場晶彦がローブを纏って姿を現した。

 

 

『プレイヤー諸君…私の世界へようこそ……』

 

 

アイツの話を聞いて段々腹が立ってきた…

 

最初からログアウトボタンが無い?クリアの条件は100層まで登る?ゲームオーバーになったら死ぬ?ナーブギアを無理矢理取っても死ぬ?挙句の果ては『この状況こそが、私にとっての最終的な目的だから』だ?

『この世界を創り出し、観賞するためにのみ私はナーヴギアを、SAOを造った。そして今、全ては達成せしめられた』だ?

 

 

ふざけるな…

 

 

『ふざけるなぁぁっ!!』

 

 

オレには許せなかった。俺たちが体験したあの狂った幕末の戦乱では得ることが出来なかった平和…その平和をこの男は打ち砕いた。自分の趣味のために周りを巻き込んで、殺しを望んでない人も巻き込んだ!

 

だからオレは決めた。必ずこのゲームを終わらせる。そして…これを巻き込んだあの男を…茅場晶彦を必ず、ぶん殴る!!

 

 

 

それからの2年間は苦労の連発だった。はじめは一人(ソロ)で剣を振るっていたが、やっぱり限界があって相方を探そうとしたがキリトは行方が分からず、偶然再会したクラインと合流し、オレはそのままクラインのギルド…“風林火山”に入った。俺はそこの切り込み隊長として活躍し、つい幕末(むかし)の呼び名だった“魁先生(さきがけせんせい)”と名乗っちまった。

 

 

その後一番驚いたのは50層の武器店で刀の手入れを頼もうと入ると茶髪で猫のようなはねた髪型が特徴の少年がいた。昔の仲間がいた……幕末(むかし)新選組(なかま)がいた。

 

 

 

『平助?』

 

 

その店の中に総司がいた。元・新選組 一番組組長の“沖田総司”が!どうやら総司もこの時代(せかい)に転生したらしく、名前は前世と同じ総司ではなく“沖田 総一郎”となっているらしい。しかも今はこのSAOで彼女が出来たらしいが、別に羨ましいとは思ってない…ホントだからな?

 

 

だが一番驚いたのは“あの”コミュ症と言われるほど人の付き合いが悪いキリトが血盟騎士団の副団長…アスナと結婚したというアイツからのメッセージを見た時は驚きを隠せなかった

 

 

 

---えええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっっ!!!???---

 

 

 

 

そんな報告から2週間近くが経った時、血盟騎士団の団長にして“SAO最強”と名高いプレイヤー…“ヒースクリフ”からのメッセージにこう書かれていた。

 

 

 

 

“75層のボス部屋を発見した”と、だけど合同ギルドの20人の偵察隊のうち、帰還できたのは10人のみ。メッセージによるとボス部屋に入った10人は全員消えていたと言う。そこでヒースクリフは攻略組を構成するギルドやソロから、可能な限りの精鋭を集めて、ボスに挑むことになった。

 

そして風林火山(おれたち)からはリーダーやオレを含めて6人が参加することになった。いざその合流場所に行く直前、リーダーは俺たちに言った。

 

 

『いいか!必ずこのデスゲームをクリアすることが最終目標だが、一番の目的は、全員生きて出ることだからなあ!』

 

その言葉に震えた俺たちはそれぞれ武器を取って空高くに上げ、『応っ!!』と声を上げた。絶対に生きて、みんなと会うと自分の心に誓って…!

 

 

 

 

 

 




とまあ、今回はここまでです!次回はその決着とALOのお話をしてそれから改めてGGOに入ります。この先“薄桜鬼”と“ソードアート・オンライン”を何とかクロスしていますが、どこかで別のキャラも加えたいと考えています。


それではまた来週か再来週までお楽しみに!



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