とある異世界の交差物語(クロスオーバー)   作:鉄龍王

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先に言わせていただきます………………………………大変申し訳ありませんでした!!!!!!!(土下座)!!!

本当だったら先週の日曜日に更新する予定が思った以上に遅くなってしまいました!!!

お詫びにはなりませんが今回は今まで以上に長いです。よかったらこの駄文を見ていってください








追記:こんな作品ですが、どうかよろしくお願いします


第19話 魁、剣を語る

75層のボス攻略の日。攻略組(オレ達)の運命はこの日、この瞬間に決まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オレ達はあの戦いを……きっと忘れない…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風林火山(オレたち)を含めた有名所のギルド…『血盟騎士団』に『聖竜連合』を代表に名だたるギルドのトッププレイヤー達が一堂に集結するのは中々見られるものじゃなかった。オレ達『風林火山』は数はトップギルドと比べたら数は多くはないが、その分 結束と仲間意識は強い。オレにとってはどこか新選組を思い出させるギルドだから心地いい。

 

そう考えていると何処のギルドにも属さないソロプレイヤー達の中に知った顔を見つけた

 

 

『おーい!“ソウジ”!!』

 

『ッ!平助!』

 

そこに居たのは茶髪でどこか猫を連想させるはねた髪型。幕末の頃の服と似ていた黄色い西洋の服……黒いダンダラ模様が入った白いコートの背中に“誠”が書かれていた

 

『何だよ!今日は随分と張り切ってるじゃねえか!つーか“平助”じゃなくて、SAO(ここ)では“タカトラ”だって言っただろ?』

 

『悪い悪い。つい昔の癖でね』

 

そう言っていつもの調子で謝るソウジ…こいつも今の名前は“沖田 総司”じゃなく“沖田 総一郎”と変わってるからSAO(ここ)のプレイヤーネームは“ソウジ”にしたらしい。そう話しているとソウジの刀が新調されている事に気付いた

 

『なんだよソウジ?何時の間に刀 新調したんだよ?』

 

『あぁコレ?…“リズちゃん”に鍛えてもらった僕の新しい愛刀…《則宗》って名前なんだ。早くボスで試し斬りしたくてうずうずしてるんだ』

 

そう言ってる“ソウジ”の目は幕末の頃の…新選組 一番組組長の頃の剣士の目になっている事に恐ろしいと思う反面、頼もし……ん?ちょっと待て……“リズちゃん”?

 

 

『おいソウジ…まさかだと思うが、その“リズちゃん”って……』

 

『そうだよ。“リズベット武具店”の店長のリズベットちゃん。今僕と彼女は付き合ってる(結婚した)んだ』

 

そう言ってるソウジの顔は確かに幸せそうだ…そーかそーか。ついにコイツにも幸せになることが出来たのかー…つーか待て待て待て待て待てちょっと待て。え?彼女?この“S”のソウジに彼女?つーか結婚?コイツが?色々と信じられない事実に混乱してきたオレの頭を鎮めるために一度叫んで落ち着くことにした。

 

 

はい、せーの…

 

 

『はああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁっっ!?』

 

 

 

リズベットって…あの“リズ”か!?オレ達 風林火山がいつも武器の手入れ、強化にも協力してもらっている鍛冶職人(マスター・スミス)であり、高レベルのメイサーの使い手のプレイヤー。そのプレイヤーと……

 

『彼女おおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!???つーか

結婚んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんっっ!!!???』

 

 

『あれ?どうしたの平…じゃなくてタカトラ?信じられないような顔をしてるけど…あっもしかして君、今彼女がいないの?そっかー確か風林火山って女の子がいない 男だらけのむさ苦しいギルドなんだっけ?そうだよねー?世間から見て僕は“非リア充”って奴だからね。君から見れば羨ましいよね?』(ニヤニヤ)

 

 

そう言ったソウジの顔はすっごいムカつくツラ(良い笑顔)だった。それはもう“自分は勝ち組だ”、“ざまぁ”と言わんばかりの笑顔だった

 

 

 

幕末(むかし)には無い言葉だがコイツの顔はまさに今風で言う“ドS”と言える笑顔だった

 

 

そんな話をしていると今や知る者はいないくらいに有名になった“黒の剣士”ことキリトと“閃光”と呼ばれる血盟騎士団 副団長アスナが姿を現した。オレはソウジと共に2人のところに駆け寄った

 

『久しぶりだなキリト!前回のボス戦以来か?』

 

『久しぶりだなタカトラ。落ち着きが無いのは相変わらずだな…』

 

『久しぶりタカトラ君。アレ?そっちの彼は?』

 

そう言ってアスナはソウジを見ながらオレに聞いてきた

 

『こいつはソウジ。現実(リアル)のオレの昔からの仲間だよ。ソウジ、こっちはオレの友達(ダチ)のキリトとアスナだ』

 

『よろしく、キリト君にアスナちゃん。ソロのソウジだよ』

 

ソウジの紹介にアスナは何か思い出すように首をかしげた

 

『ソウジってどこかで…あー!もしかして最近リズがメッセージで《ついに私にも(はる)が来たー!!》って書いてたけどもしかして貴方が!?』

 

『そっ!僕がその彼氏!正確に言えば“旦那”だけど』

 

ソウジがそう言うとキリトはソウジに対して警戒した。自分が弄られキャラにならない様に警戒している目だった……その判断は正しいぞキリト…!

 

『そっかー!リズにも旦那様ができたんだー!ソウジ君!リズは私の友達だから、泣かせたら承知しないわよ?』

 

『ハハハ!やだなー、大事な可愛い奥さんを泣かせるなんてそんなマネはしないよ?』

 

『そう?それだったらいいわよ?泣かせたら“針千本”じゃなくて“スター・スプラッシュ千発”呑ませるからね?』

 

『アハハ!それは面白い冗談だね?』

 

『ウフフッ私は割と本気(マジ)で言ってるんだけどね?』

 

『アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ』

『ウフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ』

 

アスナはアスナで楽しげにソウジと会話してる!?つーか何だこの会話?心なしか2人の間に絶対零度の吹雪を感じるぞ!?実はこの2人どっかで会ってるのか!?はっきり言ってスゲー恐いぞ!!

 

 

そんなバカ騒ぎをやっていたらついに“SAO最強”や“聖騎士”など呼ばれる血盟騎士団 団長ヒースクリフが側近を連れて姿を現した。

 

ヒースクリフ……その実力は折り紙つきでユニークスキル“神聖剣”と呼ばれる絶対的な防御力を誇り、高レベルのプレイヤーたちを束ねる貫禄とカリスマを合わせ持つ最強プレイヤー…オレもリーダーと共にキリトとヒースクリフの決闘(デュエル)を見たが、凄まじいの一言だった。キリトもユニークスキルの使い手で“二刀流”の剣士で実際キリトと戦ったオレ自身も高速剣技を捌き切れなかった。にも関わらずあの男(ヒースクリフ)は顔色を一切変えず、涼しげな顔でキリトの剣を盾で受け止めたのには驚きを隠せなかった。

 

だけど此処でキリトは更にスピードを上げて観客どころか相対しているヒースクリフすら反応できないくらいの速度で攻撃に入った。そしてキリト(アイツ)の剣がヒースクリフ(ヤツ)にヒットする次の瞬間に()()()()()()()でヒースクリフの盾はキリトの剣をはじき、逆にヤツはキリトにヒットを与えてアイツに敗北を与え、ヒースクリフの勝利という形で幕を下ろした。

 

 

だけどこの決闘(デュエル)にキリトだけじゃなくオレとソウジも違和感を覚えた。その違和感の答えも出ないまま時間が流れ、ついに75層のボス部屋までついに来た。

 

 

ヒースクリフの『解放の日の為に!』という言葉に発破が掛かったのかトッププレイヤー達は

 

 

―――おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉっっ!!!―――

 

 

自分を鼓舞するために雄たけびを上げた。そしてボス部屋の扉の前でそれぞれが自分の武器を構えているそんな中、隣にいたキリトが声をかけた

 

『死ぬなよ…!』

 

そう言ってきたからオレは不敵に笑い返した

 

『へっ!お互いにな!!』

 

そうだ…まだオレは死ぬわけにはいかない。親父とお袋…せっかく再会した山南さんにソウジ。そしてもしかしたらこの時代(せかい)にいるかもしれない左乃さんに新八っつぁんに近藤さん。そして土方さんと千鶴に会うまでは絶対に死なない。

 

そして…小学生の頃、あの事件に巻き込まれて、親を守っただけなのにただの“人殺し”扱いされて心に酷い傷を付けられて、オレが守ってやれなかった幼馴染の《アイツ》ともう一度会うまで…絶対にくたばってたまるか!!

 

 

『戦闘開始!!』

 

 

ヒースクリフの号令の元、トッププレイヤー達は一気にボス部屋に突入し、円陣を組みながら周りを警戒するがその周りは薄暗いだけで肝心のボスの姿を発見出来なかった。ほんの数秒しか経ってないはずなのにその時間は長く感じるものだった。そんな状況で耳を澄ませると上から僅かにカサカサと何かが動く音が聞こえた瞬間、アスナが叫んだ

 

『上よ!!』

 

その叫びで一同が頭上を見上げるとはるか高い天井にボスはいた。10メートルを超える体長、両腕に巨大な鎌。全身“骨”で出来たムカデの怪物。こいつの名は

 

 

 

《The skull reaper》

 

 

 

奴は一気に下に降りてきた。その前に奴の姿を確認したヒースクリフは

 

『固まるな!走って距離を取れ!!』

 

その言葉を聞いたオレ達はすぐに行動した。だがそれでも体が動かず呆然としてる奴らもいた。そんな連中にキリトは

 

『早くコッチに来い!!』

 

 

キリトの言葉にやっと我に返った3人のプレイヤー達は走り出すが、遅すぎた。何故ならあのムカデの地響きで動きが鈍ったその瞬間、奴の鎌の一閃で攻略組のプレイヤーのHPを一気に削りそして…

 

パリーンという破砕音と共にいとも簡単に消滅した。

 

 

「一撃だと!?」

 

 

リーダーの“あり得ない”という意味がこもった一言はこのボス部屋にいるプレイヤー全員の思いだった。ここに居るプレイヤー達はHPは勿論、攻撃力、防御力ともに高レベルのプレイヤーの集まりだ。それを一撃なんて、一体どれほどの悪夢だ?あの飄々としたソウジですら目の前の光景に冷や汗を流しているんだ。“信じられない”という言葉が強かった

 

 

それでもムカデのボスは容赦なくこちらに向かい、あの巨大な鎌を一気に振り下ろした。だがその鎌の攻撃をヒースクリフ、キリトとアスナが其々の鎌の攻撃を防いだ。

 

「鎌は俺達が食い止める!!皆は側面から攻撃しろ!!」

 

キリトのその言葉に金縛り状態だった攻略組(オレ達)を動かし、皆は一斉にムカデのボスに襲いかかった。やっぱり骨の化け物だからなのか防御力が高く、渾身の一発じゃないと中々ダメージが入らなかった。そしてオレは破れかぶれでボスの骨と骨の繋ぎ目に刀を刺した次の瞬間

 

 

 

―――ギシャャアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァッッ!!!!―――

 

 

 

ボスへのダメージは高く、奴の悲鳴は部屋の中を響かせた。ボスの弱点に気付いたオレは皆に教えた

 

 

ボス(コイツ)の弱点は骨と骨の繋ぎ目だ!そこに武器を刺せ!!』

 

 

『『『『『『うぉぉおおおおおおおおおおおおおっっ!!!』』』』』』

 

 

皆の一斉攻撃は殆ど減らなかったボスのHPを一気に減らし、このボス戦は更なる激戦に変わった

 

 

そしてついにキリトとアスナの一撃はボスへのラストアタックとなり、ポリゴンの破片となって消えた。ボスを倒したことで本当なら歓声が上がるはずだが、その声が響く事は無かった。代わりに響いたのは疲れ切ったプレイヤーの息切れだけだった

 

 

『何人やられた?』

 

リーダーは知りたくないが知らなくちゃいけない今回のボス攻略の犠牲者数を聞いた。それをキリトがマップを呼び出すとプレイヤーの光点を数えた。その結果…

 

『14人、死んだ…』

 

『!?』

 

『ウソ…だろ?』

 

余りも多すぎた今回の犠牲者の数に皆絶望に包まれた。オレもそうだった…諦めるつもりは無いけどすっかり意気消沈していた

 

 

―――オレ達は本当に、生きて帰れるのか?―――

 

 

そんな絶望的な状況にも関わらずプレイヤー達に向けるヒースクリフの表情は慈愛に満ちていた。だけどその表情にオレは違和感を感じた。

 

初めて会った時からヤツの声はオレと総司のかつての大将…新選組局長“近藤 勇”にソックリだからかどうしてもヤツと近藤さんを比べちまう。近藤さんは幹部でも隊士でも皆と同じ目線で語ることが出来て、戦死した仲間の為に涙を流せる人だった。

 

そんな近藤さんの事を思い出した時にオレは今まで感じていた違和感をやっと理解した。近藤さんは新選組 局長という大将の眼で部下を見ていた。

 

だけど今この場にいるヒースクリフの眼は…まるで(うえ)から見下ろす神様の眼だった

 

 

それに勘付いたのはオレだけじゃなくキリトとソウジも一緒だったらしく、3人が目を合わせて同時にうなずいた瞬間、3人同時にヒースクリフの元に駆け付け、奴の首元に向けて剣と刀を走らせた。その瞬間

 

 

 

―――キィイイン!―――

 

 

 

ありえない音が響いた。3本の剣のうち1本のキリトの剣はヒースクリフが弾いただけならおかしくなかった。だけど残り2本を防いだのは盾じゃなかった。防いだのは…

 

 

 

ヒースクリフの胴体の前に生じた、【Immortal Object】――不死存在を示す文字だった

 

 

これを見たアスナは信じられないような眼でヒースクリフに問い質した

 

 

『システム的不死って…どういう事ですか団長?』

 

アスナの質問に答えたのはキリトだった

 

『これが答えだったって事だよ…アスナ。コイツのユニークスキルの“神聖剣”…今まで一度もHPカーソルがイエローになった事も誰もその瞬間を見た事がない最硬のプレイヤー……だけどアンタはボス相手でもイエローになった事が無いんだよな。それだけならレベルが高いとか、色々と言い訳は出来るけどさ、アンタのレベルって俺より1つか2つ低いぐらいだろ? なのに俺も含めた攻略組の全プレイヤーがボス戦では絶対にHPがイエローゾーン、もしくはレッドゾーンに行くのに、何であんたは神聖剣を持っているとは言え、イエローに落ちないんだ? しかも、HPが減ったとしても絶対にイエローの手前までしかならないのは、何でだ?』

 

『………』

 

『そして俺はこの世界に来てから、ずっと疑問に思ってたことがあった……“アイツは今、どこで俺達を観察し、世界を調整してるんだろう”ってな………でも俺は単純な心理を忘れていたよ。どんな子供でも知ってる』

 

そう言ったキリトはヒースクリフを睨み付けながら叫んだ

 

『“他人のRPGを、傍らから眺める事ほどつまらないものはない”…そうだろ?ヒースクリフ。いや………茅場(かやば) 晶彦(あきひこ)!!』

 

 

 

『『『『!!??』』』』

 

 

 

キリトの言葉にオレとソウジを除いた攻略組のメンバー全員が驚きを隠せなかった。SAO最強にして切り札(エース)と呼ぶべき男がすべての元凶なんて想像もしたくない事態だ。にも関わらず目の前の男は慌てる様子もなくオレ達3人にある質問をした

 

 

 

『……なぜ気付いたのか参考までに教えてもらえるかな……?』

 

『……最初におかしいと思ったのはデュエルの時だ。最後の一瞬だけ、アンタは余りにも早過ぎたよ』

 

『オレ達も同じ答えだ。どんな戦闘のプロでもあの腕を伸ばしきった状態で一瞬にも満たない瞬間に手元に戻すのは不可能だからな』

 

『やはりそうか。あれは私にとっても痛恨事だった。君の動きに圧倒されてついシステムのオーバーアシストを使ってしまった』

 

そう言ったヒースクリフは周りを見回した瞬間に変わらない笑顔でこう答えた

 

『確かに私は茅場 晶彦だ。付け加えれば、最上層で君たちを待つはずだったこのゲームの最終ボスでもある』

 

ヒースクリフ。いや、茅場 晶彦の言葉に攻略組のメンバーに衝撃が走った。その中でも一番ショックが大きかったのかアスナがよろめくがそれをキリトが右手で支えた

 

『趣味がいいとは言えないぜ。最強のプレイヤーが一転最悪のラスボスか…』

 

『なかなかいいシナリオだろう?盛り上がったと思うが、まさかたかが四分の三地点で看破されてしまうとはな。……君たちはこの世界で最大の不確定因子だと思ってはいたが、ここまでとは』

 

不適な笑みを浮かべる茅場に対して今まで黙ってみていた血盟騎士団の幹部プレイヤーの一人が巨大な斧槍を握りしめ絶叫しながら地を蹴りヒースクリフ、茅場に振りかぶる。

 

「貴様が…貴様が……俺たちの忠誠を……希望を…………よくも……よくもーーーッ!!」

 

しかし、茅場は冷めた目で左手を振りウインドウを操作する。その途端男は空中で停止、そして地に落ちた。HPバーにグリーンの枠。つまり麻痺状態だ。茅場はそのまま、ウインドウを操作し、オレとソウジ、キリト以外の全てのプレイヤーを麻痺状態にした

 

「どうするつもりだ…この場で全員殺して隠蔽する気か?」

 

だけど茅場は首を左右に振ると続ける

 

「まさか…そんな理不尽な真似はしないさ。こうなってしまっては致し方ない。予定を早めて、私は最上層の<<紅玉宮>>にて君たちの訪れを待つことにするよ。九十層以上の強力なモンスター群に対抗しえる力として育ててきた血盟騎士団、そして攻略組プレイヤーの諸君を途中で放り出すのは不本意だが、何、君たちならきっと辿り着けるさ。だが……その前に……」

 

茅場は右手の剣を床に突き立てる。すると奴はこんな提案を出した

 

『キリト君とソウジ君。それにタカトラ君。君たちには私の正体を看破した報奨を与えなくてはな…チャンスをあげよう。今この場で戦うチャンスだ…無論不死属性は解除する。私たちに勝てばゲームはクリアされ全プレイヤーがこの世界からログアウトできる。どうかな?』

 

 

茅場の言葉にアスナは首を縦に振らなかった

 

『だめよキリト君、タカトラ君、ソウジ君……!あなたたちを排除する気だわ……。今は……今は引きましょう……!』

 

確かにそれがベストかもしれない。だが……

 

『『『ふざけるな……』』』

 

こいつだけは許せない。育ててきただと?オレたちの命を何だと思っていやがる。オレたちが命をかけて戦ってきたのを嘲笑うかのような発言をオレは到底許すことなどできない『いいだろう……』

 

 

『いい加減アンタのそのムカツク声を聞くのも我慢の限界だったからね』

 

 

決着(ケリ)つけようぜ……!』

 

「キリト君っ、ソウジ君っ、タカトラ君っ……!」

 

「ごめんな。ここで逃げるわけには……いかないんだ……」

 

「ああ……こいつだけは許せねぇ…!」

 

アスナは涙を流していた

 

「死ぬつもりじゃ……ないんだよね……?」

 

「ああ……。必ず勝つ。勝ってこの世界を終わらせる」

 

「解った。信じてる」

 

キリトはアスナの体を床に横たえさせて立ち上がる。そして、オレの横に並ぶと両手で二本の剣を抜き放つ。オレとソウジもそれに習い、腰からそれぞれ愛刀の刀…ソウジは《則宗》を、オレは《兼重》を抜いた

 

『やめろソウジッ!!』

 

『タカトラーーッ!!』

 

声を出したのはエギルとクライン(リーダー)

 

『エギルさん…今まで剣士クラスのサポート、ありがとね。知ってたよ、アンタが儲けのほとんど全部、中層ゾーンのプレイヤーの育成につぎこんでたこと』

 

 

『!?そ、ソウジ…お前……』

 

 

ソウジがエギルに話しかけている間に俺はクライン(リーダー)に話しかける

 

「リーダー、今まで世話になったぜ。アンタがあの時俺を風林火山(ギルド)に入れてくれなかったら、俺はこの場に立っていることができなかった……ホントにありがとう」クライン(リーダー)は両目から大量の涙を出しながら叫んだ

 

『て……てめえ!タカトラ!礼を言ってんじゃねえ!今礼を言ってんじゃねえよ!!許さねえぞ!ちゃんと向こうで、メシのひとつもおごってからじゃねえと、絶対ゆるさねえからな!!』

 

『あぁ、わかってる。約束するよ、クライン(リーダー)…』

 

 

いざ最後の決戦に挑もうとする前にキリト(コイツ)は…

 

 

『…一つだけ…頼みがある……』

 

『何かね?』

 

『負けるつもりは無い……だけどもし俺が死んだら、しばらくの間だけでもアスナが自殺しないように取り計らってくれないか』

 

『キリト君!?』

 

『よかろう。アスナ君はしばらくの間、セルムブルグから出られないように計らおう』

 

『待ってよキリト君!!そんなの……そんなの無いよ!!!』

 

その言葉に、アスナが泣き崩れた…たくっ!この(バカ)

 

 

 

『助か『『フンッ!!』』ダァッ!?』

 

 

 

《《ガガンッ!!》》

 

 

 

キリトのセリフの途中に衝撃音が響いた。当たり前だ……オレとソウジがこの(バカ)に強烈な拳骨をくれてやったんだから

 

 

 

『~~~っ!!なにしやがるっ!!』

 

 

 

キリトが涙目で講義してきた。ちょっと強すぎたかと少し反省するが後悔はしない

 

 

『当たり前だろこのバカ。自分が惚れた女を泣かせる奴にはちょうどいいお仕置きだろ?』

 

『そうそう。生きて現実(リアル)の世界に帰る気が無く、女の子を泣かせるクズは僕が殺すよ?腹切りたいなら何時でも言って?僕が介錯してあげるから』

 

『なにサラッと怖い事言ってるんだアンタは!?』

 

『大丈夫大丈夫。痛みが無いようにスパッと斬るから安心して?』

 

『安心するポイントが違うだろ!?』

 

『キリト…骨は拾ってやる…』

 

『え、何コレ!?俺死ぬの?茅場と戦う前に味方にPKされるの!?』

 

 

 

『……ハァ………』

 

 

 

キリトがソウジに色々突っ込みを入れてる様子を見てオレは溜め息を吐いた

 

 

---コイツ全然気付いてねぇ---

 

 

『まだわからねえのかキリト?自分(てめぇ)が惚れた女を泣かせたいのかって聞いてんだよオレ達は!』

 

『え?』

 

『君は彼女の笑顔を見たいって思わないの?』

 

『っ!!』

 

『仮に泣かせるとしても、嬉し泣きにしろ!!』

 

『………』

 

オレのセリフに呆然とするキリトだったが……

 

『は…ははっ確かにそうだったな…アスナを泣かせるなんて…オレ、最低なことしてたんだな…』

 

 

 

自分が何を言ったのかやっと気付いたこのバカにオレとソウジは2人そろって溜め息を吐いた

 

 

 

『ハァー…やっと気付いたかこのバカは…』

 

『フゥー…なんでこんな鈍感がアスナちゃんと結ばれたのか不思議でならないよ…』

 

『何でオレの悪口だけそんなに息ピッタリなんだよ!?』

 

 

『茶番はもういいかね?』

 

 

『『『………』』』

 

 

ヒースクリフ(かやば)の言葉にオレ達3人は覚悟を決めた。キリトは剣2本を、オレとソウジは刀を構えた。

 

『ほう…キリト君、先程よりいい顔つきになったな。覚悟が決まったかね?』

 

『ああ、俺は絶対お前に勝つ。勝って、必ずアスナと一緒に現実(リアル)の世界に帰る!!』

 

『なるほど…そっちの2人も同じかね?』

 

『ああ、オレは現実(リアル)でやり残した事が沢山あるからな!』

 

『僕も同じかな…リズちゃんと本当の意味でお付き合いしたいしね』

 

『そうか……では、そろそろ始めようか。何、ここから先は決闘(デュエル)ではなく…』

 

『ああ、ここから先は互いの未来(あした)をかけた……殺し合いだ!!』

 

キリトの言葉を合図にオレとソウジも続いた。そこから先の戦いは本当に“凄まじい”の一言だったと そばで見ていたクライン(リーダー)は語っていた

 

 

『おおおおおおっ!!』

 

『おらぁっ!!』

 

『はぁっ!!』

 

オレ達はチームを組んだ事は無いにも関わらず茅場とやり合えていた。キリトが二刀でヒースクリフの剣を受け止め、オレが奴の盾の相手をし、その隙をソウジが突くが中々決定打が入らない。時間もさっきまでオレ達が戦っていたスカルリーパーと比べたらまだ20分位しか経ってないはずなのに1、2時間も経った感覚に襲われていた。

 

 

シビレを切らしたキリトは切り札を出した…この場面では最悪の手札を……

 

『うぉおおおおおおおおっ!!“ジ・イクリプス”ッ!!』

 

 

『バカッ!キリト!!』

 

『なにやってるんだ!!』

 

 

オレとソウジが止めようとしたがもう遅かった。キリトは失念していた。ヒースクリフ…茅場 晶彦はSAOを作り上げた人物。つまりはすべてのソードスキルを把握している男だということに・・・気づいた時にはもう遅かった

 

 

 

キリトが“ジ・イクリプス”を発動させた。そしてその発動までの僅かな隙をヒースクリフは見逃さなかった。一瞬のうちに奴はキリトの二刀のうちの1本…“ダーク・リパルサー”を破壊した。急いでオレとソウジはキリトのフォローに入ろうとするが距離がありすぎた

 

“間に合わない”そう思った瞬間、オレ達の間を白い閃光が走った

 

『さらばだ…キリト君!』

 

ヒースクリフの剣を受け止めたのは……麻痺で動けなかったはずのアスナだった

 

『アスナ……どうして………?』

 

『ごめん…ね……』

 

そう言い残したアスナは自分の愛剣“ランベントライト”を残してポリゴン状に砕けて消滅した。成り行きを見届けたヒースクリフは興味深そうに呟いた

 

「驚いたな。麻痺で動けなかったハズのアスナ君が飛び込んでくるとは…やはりこういう想定外の出来事はネットワークRPGの醍醐味ということか…ん?」

 

うれしそうに語っていたヒースクリフだったが、目から光を失ったキリトを見てあっという間に興味が失せたのかため息をひとつ漏らしてキリトの胸を貫いた

 

 

 

『『キリトぉぉぉっ!!!』』

 

 

 

もう全てが遅かったがオレとソウジは走った。何も出来なかったオレ達だが、それでもオレ達はヒースクリフ(コイツ)だけは許せなかった。キリトとアスナの仇は絶対取る!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう思った瞬間……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒースクリフに刺され、半透明状態のキリトが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

咆哮を上げてアスナの剣でヒースクリフを貫いたキリトだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして互いを貫いた2人はポリゴン状に消滅してあるコールがこのSAO(せかい)すべてに響いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アインクラッド標準時間十一月七日、75層において、ゲームはクリアされました

 

 

 

 

 

そしてオレ達プレイヤー全員は意識を失い、ログアウトされた……

 

 

 

 

 

 




はい!という訳でSAO編はここで終了です!!正直ここまで長くする予定では無かったのですが、話を打ち込むうちにいつの間にかこんなに長くなってしまいました。

次回は更新予定日は未定ですがALO編です。その時はどうぞ見ていってください。


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