とある異世界の交差物語(クロスオーバー)   作:鉄龍王

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結構時間が掛かってしまいました!何とか出来上がったので出します!

あと、途中からオリキャラ、最後に新たなキャラも出ます


第33話  翡翠の守護者、過去を語る

場所は日本、海鳴市…3か月ほど前、この街で人知れず裏側でとんでもない事件が起きていた。

 

J・S(ジュエル・シード)事件………又は P・T(プレシア・テスタロッサ)事件………後にそう呼ばれる事件はジュエルシードというあらゆる願いを叶えると云われているロストロギアを巡る事件が起きていた。

 

そのロストロギアは下手をすれば、街どころか世界そのものが消滅する可能性があった。そんな事件を見事解決したのは現役の管理局の魔導師ではなく、一般家庭に生まれた“高町(たかまち)なのは”という小学3年生の少女だった。その他にも“ユーノ・スクライア”という異なる次元からやって来た金髪の少年。この地球(せかい)に辿り着く当初はジュエルシードを回収する際、魔力を消費し、酷く衰弱していたので偶然出会った なのは に匿ってもらい、事なきを得た。

 

その後、ユーノはなのはと協力し、ジュエルシードの回収を再開するがそこで“フェイト・テスタロッサ”という少女と出会い、ジュエルシードを巡って戦うことになるが、後で駆けつけた時空管理局と更なる協力を得たことで事件解決まであと一歩と迫っていたがフェイトの母親…“プレシア・テスタロッサ”の登場で状況は一変。

 

プレシア曰く、『アルハザードは実在する』と断言し、少数のジュエルシードを使い、アルハザードへ旅立つために次元の壁を破壊したが、フェイトの思いをぶつけられ、かつてある実験の犠牲にされた娘…“アリシア・テスタロッサ”とのかつての約束を思い出した。

 

そしてプレシアは自身の行いに罪を感じ、アリシアの遺体が収められているカプセルと共に次元の狭間にのまれ、姿を消した。

 

これによって事件は無事解決の方へ進み、フェイトは使い魔の“アルフ”と共に裁判を受ける事になるが状況が特殊なため、罪は軽減されることになり、その証人としてユーノも同席した。

 

 

 

 

 

 

 

 

これはそんなユーノ達が裁判を終わらせ、久しぶりになのはと再会するために現在乗っている戦艦…“アースラ”に置いている荷物の準備をしている時だった

 

 

 

―――コツン……ッ―――

 

 

 

ユーノの荷物から真珠の様な白い輝きを放つ、一部欠けたペンダントが零れ落ちた。それをフェイトが拾い

 

「ユーノ、荷物から何か落ちたよ?」

 

「ん?ああゴメン…ありがとうフェイト」

 

そう言ってユーノはフェイトから白いペンダントを受け取ると彼の表情は少し曇った様な……浮かない顔になっていた

 

それに何か感じたのかアルフは茶化すように尋ねた

 

「ユ~ノ~もしかしてそれ、女の子からのプレゼントかい?」

 

「うん………半分正解だよ」

 

「なんだい!アタシてっきり なのはにゾッコンかと思ったら彼女がいたのかよ!で?誰からのプレゼントなんだよ?」

 

「あ、アルフ!そんなの聞かなくても……」

 

アルフにとってはただ茶化すだけだったが、彼女の言葉でユーノの表情がさらに暗くなったことに気付かなかった

 

「このペンダント………姉さんの形見なんだ」

 

 

 

「え………」

 

 

それはフェイトの言葉だったのかアルフの言葉だったのかどちらか分らないが、ユーノから予想外の返事に2人は何も言えなくなっていた。それでもユーノは語る。自ら姉と呼ぶ女性(ひと)の話を…

 

「いや、正確に言えば…“かもしれない”……なんだけどね」

 

「…?どういうことだい?」

 

ユーノの妙な言い回しに首を傾げるアルフ

 

「2人はもう知ってると思うけど、僕たちスクライア一族っていうのは流浪の一族で一つの世界には決して留まらないんだ。流れ着いた世界で遺跡を見つけては発掘の為にその付近にキャンプを張って、発掘を終えたら再び別の次元世界に流れる……だから、故郷と呼べる土地は無いんだ」

 

「それじゃ、ユーノの家族は?」

 

「…両親は僕が赤ん坊の頃に、遺跡の崩落事故に巻き込まれて亡くなったみたいなんだ」

 

「ご…ごめん! アタシ……!」

 

「いいんだ。もう過ぎた事だし……」

 

「「…………」」

 

あまりにも予想外過ぎる話に加え、ユーノの無理やりな笑顔に2人は何も言えなかった。

 

 

 

するとユーノはポケットの中から少し古ぼけた写真を取り出した。そこに映っていたのは金髪の赤ん坊を優しく抱きしめる金髪の女性と黒髪の小さな女の子を肩車して笑顔を見せる男性だった。

 

「これって……」

 

だいたいの予想がつくがそれでもフェイトは口を開いた。その事に予想してたのかユーノは答えた

 

「僕の家族だよ。皆が写ってる写真はこれしかなかったけど…」

 

そう言いながらユーノはその写真に写っている家族を紹介した

 

「見てわかると思うけど、この金髪の赤ん坊が僕。その僕を抱いてる女の人が母さん。隣の男の人が父さんで、父さんの肩に乗っているのが姉さんなんだ……」

 

「この女の子が……」

 

「聞いた話じゃ、姉さんは僕が物心がつく前に発掘現場で発生した次元震に巻き込まれて行方不明になったらしいんだ…」

 

「ユーノ……」

 

「だから、もう亡くなっている可能性が高いけど、心の何処かで“姉さんは生きている”ってそう思ってるんだ……」

 

ユーノの寂しそうな笑顔にフェイトは何も言えなかった。自分は知らなかったがアリシアという姉がいて、その姉は母プレシアと共に次元震の彼方へ消えていった。だからこそ、フェイトはそんなユーノに妙な親近感を感じていた。その違和感の正体をフェイトは理解できなかった。

 

 

そんな時……

 

 

『ユーノ君!フェイトちゃん!アルフ!3人とも居る!?』

 

戦艦アースラのクルーの1人、“エイミィ・リミエッタ”が部屋に設置された画面から焦った表情で()()報告をする

 

 

『たいへん!なのはちゃんが何者かに襲われているみたいなの!!』

 

「なんだって!?」

 

「なのはが……」

 

「襲われてる!?」

 

『そうなの!!海鳴市で結界が発動されたみたいで、なのはちゃんとの連絡が取れないの!!』

 

「「「………………」」」

 

 

あまりの予想外すぎる報告に3人は呆然とするしか出来なかった。

 

 

だがそれも一瞬のうち…ユーノはなのはを救う為に、すぐ手に持っていた欠けた白いペンダントを首にかけ、スクライア一族特有の文様が描かれたマントを身に着け、出発の準備を済ませた。それを見ていたフェイトとアルフも慌ててユーノの後を追った。

 

そしてアースラの転送場所へたどり着いたユーノはフェイト達が位置に付いたことを確認し、エイミィに合図を送った

 

 

「エイミィさん!すぐに転送お願いします!!」

 

『わ、わかった!』

 

 

エイミィの返事と共にユーノ達は海鳴市に転送された

 

 

「なのは……すぐ行くよ!!」

 

 

ユーノの頭の中はなのはを助けることでいっぱいだった。しかし彼はこの時気知る由もなかった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海鳴に向かっているのはユーノ達だけではなかったという事を……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユーノ達が急いで出発の準備をしていたちょうどその頃、海鳴市の小高い丘から街の夜景を眺める一団がいた。その多くはフードで顔を隠しているため、その表情は窺えなかった。

 

しかし、その一団の先頭に立つ2人組は違った。1人は白い紳士服を身に着け、白いシルクハットを被り、黒く長いステッキを持っている。口元に葉巻を咥えてる姿は様になっているが、心なしか体が震え、顔中冷汗を流していた。何故なら……

 

もう1人先頭に立つ男は漆黒のローブを纏いフードから覗く顔は肌色は褐色だという以外は全く謎だった。しかし、その口元に浮かべる笑みは同じ仲間であるはずの一団の者達を恐怖させるほどだった。そんな仲間たちが震えているときだった。先頭に立つ黒いローブを纏った褐色肌の男は口を開いた。

 

 

「“龍弥”よ……余が永年求め続けたモノが、あの街に紛れて居るのは………真実(まこと)か?」

 

龍弥と呼ばれた紳士服の男は答えた

 

「は、はい…まだ確証はありませんが“ザッハ様”からお教え頂いた彼の“モノ”の伝説と、この海鳴市(まち)のどこかに潜んでいる“モノ”の経歴……その2つの歴史と照らし合わせた結果…過去に一度だけですが、この2つが遭遇したと記録に残ってました。まだ確証はありませんが、可能性は高いでしょう……」

 

「ほう…そうか………」

 

 

それを聞いた黒いローブを纏った褐色肌の男……ザッハは後方に居た者たちに指示を出した

 

「ではお前たちは出来るだけ“管理局の魔導師”共や“守護騎士”共との戦闘出来るだけ避け、この街に居る者どもの情報集めに徹底しろ!」

 

そう告げるザッハの指示に龍弥は困惑の表情になりながら疑問をぶつけた

 

「よ、よろしいのですか?唯でさえこの世界には“管理局”の他にも“アレ”を狙う多くの裏組織が潜伏している可能性がある上に、“ヤツラ”が海鳴市(ここ)へ来る可能性が高いのですよ?下手をすれば“アレ”を奪われる可能性も……」

 

「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!」

 

龍弥の尤もな言い分をザッハの大笑いで聞き流し、街を見下ろしながら続けた

 

「そんな事など既に承知している。なに、わざわざコチラから介入せずとも、向こうが勝手に“アレ”を完成させようとしているのだ。時期が来るまでそのまま泳がせていればよい」

 

「な……っ!」

 

ザッハの発言に龍弥は戦慄した。

 

今彼らが狙っている“モノ”は管理局を始め、あらゆる組織が狙い、集結しつつあるのだ。

 

その組織も決して有象無象ではなく、裏や表の社会でも名を轟かせるほどの勢力……龍弥から見れば軽く見る事は出来ない驚異と見るべき勢力が多いのだ。そんな組織を相手にどう戦うかではなく、逆に利用するなど到底考え着くものではない。

 

そんな自分の大将の豪胆さに龍弥は驚きを隠せなかった。そしてその感情は“驚き”、“恐怖”そして“憧れ”……他にも様々な感情が龍弥の中で混ざり、感情が昂ぶっているのを感じていた。そして龍弥は片膝を着きながら()()()()を取った

 

「承知致しました。万が一、敵対者(れんちゅう)に遭遇した場合でも戦闘は避ける……という事で宜しいでしょうか?」

 

「そうだ。今はまだ、そ奴等と戦闘(やりあう)時期ではない。それは“あ奴等”に任せればよい…」

 

「成程。“彼ら”ですか………」

 

 

 

 

 

所変わって海鳴でも日本でもない何処か……蒼い三日月が浮かぶ夜。その景色を肴にする1人の少年がいた。明るいオレンジ色の髪、右頬に薄い一本線の傷跡を持ち、その鋭い眼差しは普通の少年には年不相応の…………王者のごとき貫禄が滲み出ていた。

 

その少年の名は……堂本(どうもと)海斗(かいと)……彼こそ当時の組織の大将だった龍帝の義息子(むすこ)であり、組織の最年少幹部として活躍し、解散寸前だった組織……鉄龍騎兵団(アイゼン・ドラグーン)をまとめ上げ、一大勢力として復活させた男。

 

鉄龍騎兵団の三代目総大将を襲名する前の海斗は三番隊隊長であり、1から10までいた幹部の中でもトップクラスの3人…三界王(さんがいおう)と呼ばれた最高幹部の一人であり、“轟く海王”。またの名を“海竜王”と呼ばれている男だ。

 

現在はその先代(ちち)の後を継いで三代目となっている

 

そんな彼は己の仕事に没頭している時に、部屋の扉から部下が来る気配に気づいていたが顔を上げずに部下が来るのを待っていた

 

「総大将!」

 

「どうした朔夜?」

 

現れた部下は紫色の長髪を三つ編みにし、蒼い瞳を持った少女だった。歳は海斗より二つ下の15歳だが隊長としての貫禄があった。着ている服は漆黒の忍び装束を着こなし、背中には“九”と刺繍された白い羽織を纏っている。

 

この少女の名は“平賀(ひらが)朔夜(さくや)”……鉄龍騎兵団(アイゼン・ドラグーン)の九番隊隊長を務め、あの伝説のカラクリ造形師…“平賀 源内”を祖に持つ人形遣いの少女。彼女の二つ名は“紫電(しでん)木犀(きさい)

 

「ハッ!先ほど海鳴市に探りに放っていた部下たちから報告デス。“海鳴市に不振の影あり”とのこと。市内に侵入した輩は所属不明の“魔術師”の他に、“安倍晴明一派の鬼”、“百物語組の残党”、および“ラフコフ”の者が潜伏しているとのことデス!」

 

 

「安倍晴明に百物語組か…やつ等はたしか奴良組に潰された連中だったな。残党というと…今 生存が確認出来てる幹部は確か百物語組は逃亡した山ン本の『耳』の“柳田”だけか…あとは最後まで姿を現さなかった『鼻』くらいだな……鬼つっても、指揮してた鬼童丸に茨木童子はもう居ないし、大した奴はもう残って無いだろ?それと“ラフコフ”ってのは…?」

 

「はい。3年前に起きた“SAO事件”で最後までP・K……殺人を続けていた犯罪…いえ、殺人ギルド…笑う棺桶(ラフィン・コフィン)の事デス」

 

「“SAO事件”の犯罪組織か……」

 

「しかもどうやら、その生き残りの幹部が死銃(デス・ガン)と名乗ってGGO(ガン・ゲイル・オンライン)というゲームでプレイヤーと現実の人間を同時に殺しているようデス」

 

「『同時に殺している』?どういう事だ?」

 

「言葉どおりの意味デス…方法はまだ不明デスが、死銃(デス・ガン)と名乗るプレイヤーに撃たれたGGO上位プレイヤー達が皆、心不全で亡くなっているとの事デス。GGOの目撃者(プレイヤー)の情報によると上位プレイヤーとして有名だった“ゼクシード”や“うす塩たらこ”も死銃(デス・ガン)に撃たれた直後、音信不通となり、数日後にはアバター(それ)を操作していた現実の人間も遺体となって発見されているのデス…」

 

「成程…百物語組(やつ等)が好みそうな話だな……死銃(デス・ガン)に撃たれたプレイヤーは必ず死ぬ、か……朔夜、そのラフコフのメンバーが海鳴市に入り込んでいるのは確かなんだな?」

 

「はい…まだ確認を取れていませんが、恐らく主犯はエストックの達人“赤目のザザ”と毒ナイフの使い手“ジョニー・ブラック”……どちらもSAOではかなり名の通った殺人(レッド)プレイヤーデス」

 

「そうか……」

 

朔夜からの報告に顎を手に置いて考える海斗

 

「かつて江戸…いや、東京を恐怖に染め上げて関東を支配しようとした百物語組にSAOで多くのプレイヤーを恐怖で奮わせた殺人ギルド、笑う棺桶(ラフィン・コフィン)。さらに伝説の陰陽師として知られる安倍晴明の配下の鬼達か……」

 

朔夜と呼ばれた少女の報告に総大将の海斗は少し考えた。すると別の所から…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうするのアニキ?まさか このまま放って置くつもり?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋の窓から姿を現し、海斗を兄と呼ぶ少女が現れた。パイナップルのような髪型をした黒髪、勝ち気に満ちた琥珀色の瞳。晒しを巻いた胸が僅かに見える藍色の着物、背中に“三”と刺繍されている白い羽織を羽織った少女……

 

「お、お嬢様!?」

 

「なんだ、居たのか茜雫(せんな)……」

 

少女の名は堂本(どうもと) 茜雫(せんな)…名前から察せる様に海斗の妹であり、鉄龍騎兵団の現在の三番隊隊長を任された少女だった。

 

「当ったり前でしょ?こちとらアニキに言い渡された任務もやっと終わって その報告に来たんだから。それから朔夜…別に今ここに居るのはわたしとアニキしか居ないんだから“お嬢様”って呼ばなくてもいいのに…普通に茜雫って呼んでよ!」

 

「そ、そんな!お嬢様は我らが大将の妹君!その様なことにゃど、おしょれおおいでごじゃいましゅっ!!」

 

「「……………」」

 

「にゃ、にゃんでしゅか!しょのにゃまあたたかいまにゃじゃしわ!!」

※通訳「な、なんですか!その生暖かい眼差しは!!」

 

 

「「……はぁ…」」

 

「にゃんでおふてゃりしょろってためいきひゃきゅんでしゅきゃー!!」

※通訳「なんでお2人揃って溜め息吐くんですかー!!」

 

 

平賀朔夜……戦闘時は常に冷静沈着が売りで有能な隠密部隊の忍頭(しのびがしら)なのだが、一度上がると噛んでしまい、ある意味場の空気(シリアス)を壊し、暖かい空気に換えてしまうため、一部から親しみを込めて『カミカミ忍者』と呼ばれている

 

「それよりアニキ、その晴明一派(ねくられんちゅう)百物語組(かげぐちれんちゅう)。あと不意打ちしか能が無い笑う棺桶(ひきょうモンたち)………海鳴市で叩き潰すつもりなんでしょ?」

 

裏世界では名が通り、世間では恐怖を抱かせる3つの組織に対して何とも思ってないような茜雫の言葉に海斗はフッと不敵な笑みを浮かべて

 

「何だ……分ってるじゃないか茜雫……」

 

対する茜雫もニッと笑みを浮かべながら

 

「誰がアニキの部隊だった三番隊を引っ張ってると思ってるのよ?」

 

どうやら海斗と茜雫にとっては晴明一派と百物語組、笑う棺桶は大した事は無いらしい。それよりも他に重要なことがあるらしく、茜雫が口を開いた

 

「それより問題なのは……」

 

「ああ……海鳴市は本来、学園都市の様に周りから注目を浴びる様な特別な街じゃない……にも関わらず、晴明一派に百物語組、笑う棺桶のような勢力が一か所に集中してるって事は……」

 

「うん。わたしもアニキと同じ考えだよ。十中八九“アイツ等”が動いてると思う」

 

「やっぱりか。となると……」

 

なにか考え事か、海斗は何かブツブツ呟くと朔夜にある命令を下した

 

「朔夜、今からお前の九番隊(ぶたい)に招集をかけてくれ」

 

「ハッ!」

 

「それから茜雫、お前の三番隊も来てもらう」

 

「あいよ!」

 

海鳴市(むこう)での指示は俺がとる!」

 

「そ、総大将自らがデスか!?」

 

「ああ、()()が動くなら、敵は最低でも3人くらいの幹部は来るはずだ。だったらそれに対処できる人間が必要だろ?」

 

「し、しかし…本部(ここ)の指揮を一体誰が…」

 

「そこは()()()()()()に任せるから問題ない」

 

「そ、そんな~…」

 

朔夜の小さな抗議に耳を貸さない海斗は出発の準備をするために席を外す。このよどみのないスムーズな動きに違和感を感じた茜雫は眉にしわを寄せるがすぐにその答えが解り、ニヤリと笑みを浮かべながら海斗にカマをかけた。

 

 

「そういえばアニキ。海鳴市と言えばさ~~……」

 

「なんだよ茜雫?気味悪い顔して」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リディアンに進学した()()()()()に会って行かないの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………は?」

 

 

 

 

 

 

 

---ツルッ!ガンッ!!ゴンッ!!!

 

 

 

 

 

「……うぉッ!グッ!!ガッ!!~~~っ!!」

 

 

 

 

 

 

茜雫の言葉に海斗は足を滑らせ、後頭部が机の角に当たり、さらにそのまま床に頭をぶつけた。かなりの痛みだったのか頭を抑えて声にならない悲鳴を上げながら転がりまわっていた

 

「~~……!茜雫!イキナリ何を言い出すんだ!!」

 

「え?何って、今言ったとおり……()()()()()に会って行かないの?……って言っただけだけど~?」

 

ニヤニヤ笑みを浮かべながら逃げる茜雫に対し、海斗は顔を真っ赤にしながら走り出した

 

「お・ま・え・な~~~っ!!」

 

「アハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」

 

「茜雫!待ぁてコラァッ!!」

 

「や~だよ!」

 

「コラァァァッ!!」

 

「アハハハハッ!」

 

「ははは………」

 

何時の間にか兄妹の追いかけっこが始まり、それをそばで見ていた九番隊隊長は苦笑するしかなかった。そんな彼女の視線に気付いたのか海斗は気恥ずかしそうに咳払いをし、朔夜に()()()()を出した

 

 

「朔夜、突然で悪いが連絡を入れてほしい所がある」

 

「連絡……ですか?」

 

「ああ、正直今の海鳴には厄介な連中が多い。今の海鳴市は魑魅魍魎が跋扈する魔都になりかけてる……鉄龍騎兵団(おれたち)だけじゃ手が足りない。だから助っ人を頼むんだ」

 

「はぁ…それで、一体どこに連絡を?」

 

 

朔夜の質問に海斗はアッサリと応えた

 

 

「あぁ、奴良組と学園都市、それと総務省に特異災害対策機動部二課……あ、いや…『S.O.N.G.』に連絡だ。頼んだぜ?」

 

「……………え?…え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ……!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この後、鉄龍騎兵団 九番隊隊長の壮絶な叫びは海斗の部屋に留まらず、本部全体まで響いたのは言うまでもない。

 

そしてその1週間後…関東各地に住む少年少女たちにある連絡が届いた。

 

 

 

浮世絵町 奴良組本家で…

 

 

「リクオさま~お手紙が届いてますよ~」

 

「手紙?」

 

 

 

 

 

 

 

学園都市のある学校の教室で…

 

「上条…これで補修は何度目だ?」

 

「え、え~とですね?これには色々事情と言うものがありましてね?」

 

「ほう?で?」

 

「あの、前にも話したウチの居候の暴食シスターがまたも電子レンジを爆発させて部屋を壊滅させてそれを掃除するという想定外が発生しましてその結果補修をやり損ねた事態が発生しま…」

 

「言い訳はいいからサッサと始めろぉっ!!」

 

「はいぃっ!すいませんでしたぁっ!!」

 

 

 

それから数十分後…

 

 

 

「お、おわりました~……」

 

「おう、おうかれ!後の採点はこっちでやるからもう帰っていいぞ」

 

「はい~……」

 

そう言って上条が帰り支度を始めていると廊下で待っていたのか千鶴がドアを開けて入って来た

 

「土方先生、当麻君。お疲れ様です」

 

「おう、わざわざスマネェな」

 

「ありがとう雪村…お前のその優しさは上条さんの心を癒してくれるよ…」

 

「ふふっ…どういたしまして!」

 

そんなやり取りの後、千鶴は何か思い出したのか土方にある物を渡した

 

「あ、そうだ。土方さん、何か土方さん宛ての手紙が届いてます」

 

「手紙だと?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京都某所 桐ケ谷家…

 

「お兄ちゃ~ん、電話が鳴ってるよ~!」

 

「ハイハイ、今出るよ!」

 

そう言ってキリトこと和人は自分のスマホを取った

 

「もしもし?」

 

『やぁキリト君!久しぶりだね?』

 

「なんだ、菊岡さんかよ…何の用だ?」

 

『つれないな~僕と君の仲じゃないか』

 

「アンタとは良い仲になった覚えは無いんだが?」

 

『まぁそう言わないでよ。ちょっと君に相談があって電話したんだ』

 

「相談?」

 

『そう、相談…』

 

 

 

 

 

 

 

リディアン音楽院の中庭……

 

 

「ク~リスちゃ~ん!」

 

「フンッ!!」

 

「アダっ!!痛いよ~クリスちゃん…」

 

「痛くしてんだから当たり前だろ?」

 

「あう~~~…」

 

そんな暖かな平和な日常を送っている少女たちが居た。そのうちの1人の茶髪の少女の名は“立花(たちばな) (ひびき)”……3ヶ月前の“ルナアタック”…数週間前、世界を巻き込んだ“フロンティア事変”を見事解決して見せた少女たちの1人であり、世界でも極少数の聖遺物の適合者…“撃槍ガングニール”を纏うシンフォギア装者の1人。

 

もう1人の銀髪の少女は“雪音(ゆきね) クリス”……“ルナアタック”時は響と敵対していたが後に和解し、“ルナアタック”、“フロンティア事変”を響と共に事件解決に貢献した聖遺物の適合者…“魔弓イチイバル”を纏うシンフォギア装者の1人。

 

「ほら、おバカな事やってないで早く学校に行こ?」

 

未来(みく)~~~……」

 

響に手を差し伸べる黒髪の少女の名は“小日向(こひなた) 未来(みく)”……響の幼馴染であり親友の少女であり、“フロンティア事変”の際、一時響と敵対したが、互いに向き合うことで2人の友情は更に強くなり、より強い絆が結ばれた。

 

そんなじゃれ合いが続く中、クリスが何か思い出したかのように2人に話しかけた

 

 

「そうだお前ら、授業(この)あと『本部に来い』ってオッサンが言ってたから、ちゃんと来いよ?」

 

「師匠が?」

 

「なんだろう?」

 

「さあな……また“フロンティア”みたいな騒動はゴメンなんだけどな……」

 

 

そう言いながらクリス達はリディアンに入り、何時もの日常お送ろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

だが彼女達は知らなかった。それぞれ全く知らない場所でそれぞれの名のある少年少女たちが招集されていることを……

 

 

迫りくる脅威が集結しつつあるが、それに立ち向かう戦士達も集結しつつあった。

 

 

 

 

 

 

かつての盟友、新たな仲間……出会う瞬間(とき)まで、あと少し……

 

 

 




と言う訳でオリキャラこと堂本海斗でございます!ちなみに彼こそがこの作品のオリ主です!

そして響たちシンフォギア勢も出しました!

読者の皆様は『なんで今頃出した』や、『何でコイツ等出した』と突っ込みたいでしょうが、説明するとえらい時間が掛かってしまいますので次の機会に説明させていただきます。

だけどシンフォギア勢を出した理由は…………………………シンフォギアが大好きだからです!そして出したかったからです!こちらも詳しい話はまた後日!

それでは!!
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