それでも構わないという方のみ見ていってください
それではどうぞ!
クロノを中心とした管理局の魔導師チームとシグナムがリーダーの闇の書の守護騎士たちが一時的に協力し、謎の少女リオンが率いる謎の部隊…『ラスト・トレイター』との戦闘は激しさを増した。その中でも特に代表格のシグナムとリオンの戦いは更に苛烈を増し、2人の剣戟は激しさを極めていた。そんな戦いを遥か遠く高いビルから眺めている者たちがいた。
「へ~~あれが噂のヴォルケンリッターのリーダーで、“烈火の将”って呼ばれた騎士シグナムか……にしても、あの“夜叉姫”と畏れられてるリオンの嬢ちゃんとあそこまでやり合えるたぁね………」
上下の迷彩服を着こなし、ライフルやナイフを装備した猫耳と2本の尻尾を持つ少年…
「いや、闇の書の守護騎士たちは見た目こそ若いが、あれでも何百年とあらゆる世界へと渡り、様々な戦場を駆け抜けた歴戦の猛者たちだ。むしろその猛者を相手に渡り合っているリオン殿が異常なのだ」
しかしそれを
そんな仁九朗に対して又兵衛は苦笑しながら兄貴分の仁九朗に呆れた言葉を返した
「オイオイ仁の兄貴…いくらなんでもそれは言いすぎだろ?確かにリオンの嬢ちゃんはトンデモない才能の塊だけど俺たちの味方だぜ?何をそんなに……」
「まだ分らんのか又兵衛?あれほどの実力を持ちながら彼女は未だ発展途上……即ち成長段階の途中だ。それも戦いの中で成長するタイプで、特に命を懸けた戦いを経験した彼女はさらに強くなる……そのまま彼女の成長を許せば、下手をしたら我々だけではなく、兄者を超えるとんでもない化け物になるぞ」
「…………」
先程まで仁九朗の言葉を鼻で笑っていた又兵衛も流石に顔色が青くなり、唾を呑むしかできなかった。ほんの僅か…しかし長く感じる沈黙が続いたが、それを破ったのは1人の青年だった
「だがそれも含めて
「兄者…」
「大兄貴…」
そんな仁九朗以上にリオンを高く評価する男がいた。仁九朗と又兵衛の兄貴分である銀髪の青年…ライゼル・S・クロウリーは何か確信があるようにリオンの勝ちを断言した。それだけではなく、リオンを化け物の様を見る様な発言をした仁九朗を咎める様な発言をするライゼルに疑問を感じた仁九朗は疑問をぶつけた
「兄者、何故そのような断言が出来るんだ?確かに彼女は“夜叉姫”と呼ばれたお人だが、まだ若い。それだけではなく時々精神が不安定になり、暴走する恐れがある。なのに何故…」
「それこそ無用な心配だ仁九朗。確かにリオンはまだ若い。だがそれ以上に、あの子はあらゆる戦場という地獄を味わいながらも、それでも折れる事無くそこから這い上がり、ついに私と同じ
「兄者……」
「ま、戦場に絶対は無い。敵側の増援が現れた場合は即座に……」
---ガシャアアアアアン……!!―――
「「「っ!!?」」」
突然後方からまるでガラスが割れるような音が響き、ライゼル、仁九朗、又兵衛の3人はその音の正体と原因をすぐに察した
「大兄貴、今のは……!!」
「………どうやらこの街周辺に張っていた結界が破壊されたようだな……仁九朗、侵入者は何人かわかるか?」
「ああ、今カラスに調べさせた。数は………2人だけのようだな」
「2人か…ならリオンの嬢ちゃんの邪魔が入らないよう、ソッチに行くかい?大兄貴」
肩に背負っていたライフルに弾を装填して又兵衛はライゼルに聞いた
「ああ…と、言いたいところだが、どうやら別の場所から侵入した輩がやって来たようだ」
「なんだって?」
2人の侵入者がいる場所とは反対の方角を睨みながらライゼルは腰に差している紅いサーベルを抜いた
「戦闘に参加する…仁九朗と又兵衛は2人が居るという大きな音がした方に行け。私は新たな侵入者が現れた場所へ行く。いいな?」
「承知!」
「応よ!」
戦いの準備を済ませ、3人はいざ戦いの場へ向かおうとした次の瞬間…
「その必要はありませんよ、ライゼル殿」
「「っ!?」」
「……何の用だ白夜?」
突然の声に驚く2人に対してライゼルだけは冷静な態度で声の主に対応した。ライゼルたち3人に声をかけた人物は炎のように紅い髪、純白の着物を着こなし、その上に紺色の甲冑を装備しながら腰に刀を差し、そして狐の面を着けている女性……以前、学園都市で土方たちの前に現れ、鵜堂刃衛と行動を共にしていた謎の女性……
「ライゼル殿…申し訳ないが、今回の戦闘には参加しないでほしいと“あのお方”からの言伝を預かっているのです。故に……」
「『故に今回は高みの見物に徹しろ』……と、“あのお方”がそう仰ったのか?」
「その通りです」
「「……………」」
言葉だけなら何も無いただの会話だが、今のライゼルの瞳には戦いに参加しようと勢いを付けた所で水を差された故に、凄まじい怒気が籠っていた。目に映る全てを殺し尽くさんばかりの濃密な怒りと殺気が彼らの空間に満ちていた。ライゼルの弟分である仁九朗と又兵衛は何とか立っているが、気が弱い者ならライゼルの殺気だけでショック死しかねないほどだった。そんな緊張感はほんの数秒が数時間に感じるほどだったが、次の瞬間にはライゼルの濃い殺気は霧散した。
「ふう……仕方ない。
「貴公の決断に感謝します…」
「ただし、更に敵の援軍が来た場合は戦闘に参加させてもらうぞ?」
「それで十分です」
「フン。それで、何故我々が出る必要が無いと?このままでは
「それこそ無用な心配です。今こちらからも援軍を送ったのですから」
「ん?と言う事は先程の気配は……」
「はい。どうやらクマ殿が連れてきた“助っ人”のようです。今回はその助っ人の力量を計る為らしく、誰も邪魔をするな……ということです」
「ほう?あの“クマ”がそこまで言う
クマのことを信頼している為か関心する様なライゼルの呟きは白夜の耳に届く前に夜風に搔き消されたが、彼の視線は新たに現れるという助っ人のほうに向けていた
街に張られた結界が破壊される数分前……
---ギィンッ!ガキンッ!!ギギィンッ!!!---
「ハァァァァァァァァァァッ!!!」
「オォォォォォォォォォォッ!!!」
戦場のほうは苛烈の一言に尽きるものだった。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…………」
「ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ…………」
数百回にも及ぶ死合でシグナムもリオンも肩を大きく息し、しかし何処かか満足しているのか双方の顔は喜びに満ちていた
「まったく……私はさっさと
「ふふふ……それは光栄だな。彼の夜叉姫にそう言われるとはな……」
「そう言ってる所悪いんだけど、貴女のお仲間はそれどころじゃないみたいよ?」
「何………ッ!?」
そう言ってリオンが見ている視線をシグナムが合わせるとその視線の先にいたのは
「ぐるぅぁあああああああああああっ!!」
「ぐっ…!てぇおぉぉぁあああああああああっ!!」
「ふっ!!がああああああああぁぁっ!!」
「ぐぁああっ!!」
白銀の狼が蒼い獣の耳を持つ褐色の肌の獣人の男を蹂躙し、彼の反撃を簡単にかわしながら擦れ違い様に白銀の獣の牙によって血塗れになっていっている
「ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ………」
「ぐるるるる…………」
人間形態で戦っているが、全身傷だらけの上に血塗れとなり、息を切らして満身創痍状態になっている
それでもザフィーラは諦めることなく戦いの姿勢を崩さなかった。しかし白銀の獣……銀牙はつまらないモノを見るような視線をザフィーラに向けた
そんな視線に気づいたザフィーラは銀牙を睨み返した。先程の戦いに“ある事”に気付いた彼は怒りを込めた視線を銀牙に叩き付けた
「貴様……一体何のつもりだ?」
「ザフィーラ?」
「…………」
ザフィーラの言葉がヴィータの耳に入ったのか彼女は眉をひそめた。その疑問の答えは直ぐに出た
「何故手を抜いている?」
「な!?」
ザフィーラの言葉にヴィータは信じられない感情で一杯だった。ザフィーラは攻撃力を見ればシグナムやヴィータには劣るが、体術、防御力は間違いなくヴォルケンリッターでもトップクラスの実力者。そんなザフィーラを相手に手加減をしていたというあの白い狼の底が知れない事にヴィータは戦慄を覚えた。
「おいどういう事だよザフィーラ!!この狼が手を抜いてるって!?」
「ああ、初めは気付かなかったが途中から違和感を感じてな。最初我に後ろからの奇襲を仕掛けて来た時の鋭さと比べると劣っていると感じたのでな。だから聞いてみたのだ」
「マジかよ……」
先ほどの戦いの感想を述べるザフィーラの話を聞き、そんなザフィーラを相手に底の知れない戦闘力を見せる銀牙にヴィータは戦慄を抱かずにはいられなかった。
すると次の瞬間…
「……当然だ。己が牙で戦おうとしない獣など、俺から見れば畜生にも劣るからな」
「な!?」
突然の声に驚きを隠せなかった。それも今まで人の言葉など喋らなかった白い狼の銀牙が普通に喋っているのだ。そんなヴィータを余所に
「今の言葉はどういう意味だ?白き狼よ」
「そのままの意味だ。蒼き狼よ…俺は騎士としての誇りは無く、されど我等は獣として己が爪牙を武器にして戦う性質なのでな。貴様の様に獣でありながら人型になり、
「……ほう?」
銀牙の挑発にあっさりと受け流すザフィーラ。しかし言葉とは裏腹に彼の表情には“怒り”が強く浮かんでいた。彼にとっては先程の銀牙の言葉は看過出来なかった。
「そこまで言うなら覚悟は出来ているのだろうな?我が楯は如何なる攻撃も寄せ付けん鉄壁の防壁!!貴様の牙など、へし折ってくれる!!!」
「ふふっ……それでいい。これだけ言われて何も無かったら貴様をただの飼い犬として見ていたぞ?」
「そうか……だがその前に言っておきたいことがあるぞ」
「ん?」
「使い魔ではない。主の牙となり盾となる存在……守護獣だぁっ!!」
「おおっと!!」
ザフィーラが放つ拳を銀牙は素早く跳んでかわし、そのまま距離をとりながら戦いの構えをとる。
対するザフィーラは構えた拳を地面に叩き付けた
「いくぞ!鋼の軛ぃっ!!!」
叫びと共にザフィーラの足元から白い魔方陣が展開し、そこから白銀の軛が何十も飛び出し、勢いよく銀牙に向かって襲いかかる。
拘束魔法では珍しい攻守両用できる鋼の軛は高い切断能力を兼ね備えている。その切れ味はどんな障壁、鋼鉄も容易く切り裂くほどのモノだ。
しかしそんな攻撃も銀牙はアッサリ避け、驚異的な跳躍で跳び上がりながらザフィーラの首に牙を突き立てる
「ぐっ…!」
「こんなものか……最後まで詰まらなかったな蒼き狼よっ!その命、貰い受ける!!!」
「ぐぁ…!」
銀牙は自身が突き立てたザフィーラの喉を食い破りこの戦いに決着をつけようとした次の瞬間
---ガシャアアアアアン……!!―――
「何っ!?」
「何事だ!!」
「結界が!!」
何の前触れもなく街に張られた結界が破壊され、一部は動揺するがすぐに冷静になった。そしてすぐに察した
新たな乱入者がやって来た
一方、別の場所から街に張られた結界へ駆けつける男が一人……
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
全力で走り続けていたのだろう。彼の顔は汗だくで、肩で大きく息をするほどだった。だが彼にはそんな
何故なら……
『準備はいいか?人斬りよ』
「ッ!!」
突然彼の近くの何もない空間から画面が浮かび、1人の男が写っていた。熊の毛皮を頭から被り、顔を隠している謎の男…クマだった。相手がクマだと分かっていたのか彼は射殺さん限りの形相で睨むが当のクマはどこ吹く風のようにアッサリと受け流していた
『そんな怖い顔をするな。今の貴公と我々は“協力関係”にあるんだ。少しは落ち着いたらどうだ?』
「どの口がそんなことを言う!!」
普段の彼なら決してそんな荒げた言葉は出さなかった。
あの狂った
『我々は事実を言ってるだけだぞ?我々は死にかけていた貴公の大切な人の
「ぐ……っ!!」
『それよりも今の貴公の任務を忘れていないな?貴公が人斬りを辞めて約10年…今の貴公の腕を知る為に“あのお方”は今回は温情を込めて今戦場に出ているリオン殿の部隊の援護に回ってもらう……あまり“あのお方”を煩わせるなよ?貴様が人を斬る事に駄々をこねるために
「わかっている…」
『本当か?まぁいい。せいぜい貴様の大切な人間のために剣を振るってもらうぞ?』
『人斬り抜刀斎』
思ったより時間がかかってしまいました。本当だったら6月中に更新する予定でしたがこんな時間になってしまい、申し訳ありませんでした。
次回はもっと早く出せるように頑張ります
こんな駄作ですが、お付き合いいただければ幸いです。もしよかったら感想や評価の方もよろしくお願いします