てか、いつの間にかお気に入りの人が86人になっている!?
(2016年11月3日現在)
抜刀斎と名乗る謎の剣客が現れる数分前、高いビルから眺めている者たちの心境は穏やかとは言えなかった………
白いロングコートを着た銀髪の青年ライゼルと腰まで届く漆黒の長髪、紺色の僧侶の服を纏い、腰や背中にあらゆる武器を装備し、鴉のような黒い嘴の形をした黒い面を付ける青年
「大兄貴、こりゃ流石にヤベぇんじゃねぇのか?よりにもよって
「又兵衛の言う通りだ。兄者、このままでは……」
「わかってる。仁九朗、又兵衛、私たちも出るぞ。白夜、悪いがこれ以上は……」
「仕方ありませんね。クマが送ってくれたという助っ人が間に合いそうにありませんし……“あのお方”には私の方からうまく伝えておきましょう」
「感謝する。では仁九郎!又兵衛!出る………………」
「…………兄者?」
「出るぞ」と言いかけたライゼルは何かに気付いたのか突然ビル群の彼方に視線を向けながら目を大きく見開き、まるで有り得ないモノを見ているような表情をしていた。仁九郎もそんな兄にどうかしたのか声をかけようとしたその時…
―――ドゴオオオオオオオオォォォォッッ!!!―――
「うわっ!!」
「何だっ!?」
「…………………」
突然の爆発の轟音と爆風に怯む又兵衛と周囲に敵が居るのではと辺りを警戒する仁九郎。しかしライゼルだけは先程からビルの彼方のある一点を凝視しながら微動だにしていなかった。
「ライゼル殿?如何された……」
動かなくなったライゼルに流石の白夜も不審に思いながら声をかけると、
憤怒と歓喜、憎悪を込めた笑い声をあげながら
「く……くくくくくくくくくくくくくくははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!ハーハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッッ!!!!」
「あ、兄者!?」
「お…オイオイ、どうしたんだよ大兄貴!?」
突然の兄貴分の豹変ぶりに仁九郎も又兵衛も戸惑いを隠せないでいた。それどころか2人の弟分の声が届いていないのかライゼルはまるで古い友人を見つけたかのように叫び始めた
「そうか!そうだったのか!!“お前”がこの世界に居ると分かっていたが、まさかお前の方からメッセージを送ってくれるとはなっ!!未だにあの“妄想”を追いかけているのか!?それとも今更になって己が罪に気付いて死に場所を探しているのか!?ならば今度こそ、この私が貴様の首を斬り落としてくれるっっ!!!フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」
それは“狂笑”……“憤怒”や“憎悪”、“慟哭”、“怨恨”、そして“歓喜”……
様々な感情を1つに纏め…否、あらゆる感情すべてをドロドロに混ぜ合わせて固めたようなその顔は仁九朗、又兵衛、白夜の3人を凍り付かせる程…怖ろしいモノだった。
もはや誰の声も耳に入らないのかライゼルは声を高々に笑いながらリオン達がいる戦場ではなく、先ほどまで彼が凝視していたビルの彼方まで駆け抜けて行ってしまった。
そして茫然とライゼルを行かせてしまった事にやっと気付いた仁九朗は急いで又兵衛に声をかけた
「兄者っ!~~くそっ!何している又兵衛!我らも急いで兄者を追うぞ!!」
「っ!お、おう!!」
「白夜殿!後はお任せいたす!!」
「こ、心得た!!」
白夜にリオン達のことを任せた仁九朗は又兵衛を引き連れてライゼルの後を追いかけ、夜の闇の中へ消えた。すでに見えなくなったにも関わらず白夜は闇を見ていた。先に消えたライゼルに語り掛けながら
「ライゼル殿……一体何があったというのだ………」
一方、戦線を離脱した
「抜刀斎……じゃと?」
「いかにも…この場では名を明かせぬ“ある御仁”の命により参上した。故に、この場は助太刀させて頂く」
突然の乱入者の登場にその場にいた者ほとんどが動けずにいたが、百戦錬磨の戦士である闘兵衛だけは違った。彼は新たに現れた
「お主……舐めとるのか?抜刀斎……いや、“人斬り抜刀斎”といえば、幕末の時代にその名を轟かせた伝説の人斬り……そんな100年以上も古くカビの生えた人間の名を出せば、この場にいる連中をビビらせると思ったのか?」
並の戦士なら卒倒しそうな闘兵衛の鬼の様な凄まじい睨みを受けながらも抜刀斎は涼しげな顔で受け流した
「それを証明するために
リオンもまた助太刀と言って突然現れた剣客に不審な眼差しを向け、闘兵衛はリオン以上に疑問の視線を向けながら問いを投げた
「なら、貴方はどうやってこの
挑発染みたリオンの質問に対して抜刀斎は腰に差していた刀を抜き、途轍もない殺気を放ちながらリオンの質問の答えを出しながらクロノ達に狙いを定めた。
「ならばご覧に入れよう。この程度の子供ら相手など、拙者……いや、
「「「「っ!?」」」」
「っ!?させるかっ!!!」
これをマズイと感じた海斗はすぐにクロノたちの援護に回ろうとするが闘兵衛に邪魔され、動けなかった
「くそ!どけ おっさん!!」
「そうはいかん。あのガキ共は後々厄介になりそうじゃからのう……悪いがここで死んでもらう!!」
海斗と闘兵衛が闘っているすぐそばでは茜雫はリオンと激しい戦闘を繰り広げていた。
「いい加減に退きなさい夜叉姫!!」
「そう言われて『はいどうぞ』って言うと思ってんの海戦姫!!」
「ぐっ…!この……」
「そこを……」
リオンと闘兵衛に邪魔をされ、クロノ達の援護に回れず海斗と茜雫も余りのもどかしさに獣の如き叫びをあげた
「「どぉけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」」
そんな2人の叫びは普通の人間を恐縮させるには十分な叫びだが、この場にいる者は全員が普通の人間ではなかった。そんな叫びをモノともせず、左頬に十字傷をもつ赤髪の剣客はクロノ達に襲いかかった。
「っ!?ユーノ!、シールドを張れ!!」
「っ!!」
クロノの叫びに反応し、ユーノがシールドを張る動きと抜刀斎が刃を振り下ろすのはほぼ同時だった。
しかしここで諦める抜刀斎でもなく、一瞬のうちにクロノ達の視界から消えたかと思えばまるで空を舞うかのように高く跳び上がり、渾身の一撃を込めた刃が振り下ろされた
そうはさせないとクロノの魔力弾が飛ぶ。
流石によけられないと察したのか抜刀斎は刀一本で20以上飛ばしていた魔力弾を斬り払い、迎撃して見せた。
「なっ!?」
「生憎だが、この程度の弾丸など、目を瞑っていても容易く捌けるぞ?」
「くっ、だったら………!」
「む?」
抜刀斎が気づいた時には四方八方隙間が無いほどに先ほどの20どころか40~50以上の魔力弾を待機させていたのだ。そして…
「これで……どうだ!!!」
その言葉を引き金に待機していた大量の魔力弾が一斉に襲い掛かり、抜刀斎に殺到した。
しかし……
「おおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」
獣…否、鬼神の如き咆哮を上げながら抜刀斎はその手に持つ刀で己に襲ってくる全ての弾丸薙ぎ払った
「なっ!?」
「言ったはずだ。この程度の弾丸など、目を瞑っていても容易く捌けると」
「くそっ!!」
「それに“ある御仁”に頼まれたのはリオン殿の援護だけではない。『ある少年の抹殺を最優先にせよ』と言われているのでな」
「なに…?」
「その
刀を鞘に収め、一度目を閉じ、居合の構えた途端…
「恨みは無いが……コチラの都合の為に、死んでもらう!ユーノ・スクライア!!」
抜刀斎は呼吸を整え、次の瞬間眼を大きく見開き大きく叫びながら
「しま……っ!」
「ユーノ君!!」
「「ユーノ!!」」
不意を突かれたとはいえ、一瞬のうちに対峙していたクロノを避け、そのカバーに入っていたなのは達を無視し、ついにユーノの眼前に迫った抜刀斎はユーノだけに聞こえるように呟いた
「恨んでかまわない。どれだけ人々のために刀を振るっても俺のいく先は地獄だからな…」
「え……?」
「おしゃべりが過ぎたな」
そう呟いた抜刀斎は迷うことなく手に持つ刀を振り上げた
「では、死ね……」
小さく呟いた抜刀斎は何の
「やめてぇぇぇぇぇっ!!!」
なのはの悲痛な叫びが耳が痛くなるほど響き渡った。そして抜刀斎によって血に染まるユーノが地に伏せると誰もが思った。しかし実際は違った
---ギィィン……ッ!---
抜刀斎の刀が弾かれたのだ。だがその武器の主はクロノ達でも海斗でも茜雫でもなかった。なぜなら
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
「ひ、姫様?」
「姐さん?」
リオンの突然の行動に闘兵衛も狂四朗も動けなかった。いや、彼らだけではなかった
「……………」
「……………」
先ほどまで闘っていた海斗も茜雫も動けなかったのだしかしそんな彼らを無視し、リオンは抜刀斎を射殺さんばかりの殺気に満ちた視線を送りながら叫んだ
「何のつもりか知らないし、アンタがいう“ある御仁”誰かは知らない。だけど、これだけは言わせてもらうわ」
「抜刀斎っ!!私の許可なくその子を殺すことは絶対に許さない!!!」
如何だったでしょうか?ライゼルがどこかへ行き、リオンの奇妙な行動。この戦闘は次回で決着を着けるつもりです。
次回は出来るだけ早く出したいです。
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