とある異世界の交差物語(クロスオーバー)   作:鉄龍王

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第6話 二人の鬼、新たな生活を送る

土方と千鶴が学園都市の世界に飛ばされて3カ月が過ぎた。千鶴はカエル顔の医者…冥土返し(ヘブンキャンセラー)の指導のもと、一般常識や日本の歴史を学び、さらに現代の医学も教わった。

 

元々千鶴は蘭方医…医者の家で育ったため、医学の知識は身に付けていた。そして更なる技術を持つ現代医学に興味を持ち、冥土返し(ヘブンキャンセラー)しからその技術を学び、土方の力になろうと千鶴は前を歩き始めた。

 

一方土方も同じくこの世界で生きる以上、千鶴と同じくこの世界の知識を学び、警備員(アンチスキル)の元で戦闘技術も学んだ。そして学園都市は土方が経験した戦争はないが、スキルアウトという不良グループが幾つも存在している事を知った土方は新選組と同じ治安部隊である警備員(アンチスキル)に入ることにしたのだ。

彼の知略と実力は日に日に知れ渡り、実績を上げていき、仲間や自分に厳しく同僚やスキルアウトから“鬼の土方”と呼ばれるようになった。

 

そして今日がその日。上条は千鶴が自分のクラスに転入することはまだ知らされていなかったが上条のクラスでは“転校生がやってくる”という話題で盛り上がっていた。

 

「なぁなぁ、カミやんは知ってるか?」

 

上条に話しかける背の高い青髪の少年は上条の悪友の一人“青髪ピアス”。本名ではないのだが何故か誰にも教えない変った男

 

「転校生のことだろ?朝からそんな話題が回ってたから知ってるぞ?」

 

「それだったらカミや~ん。その転校生がかわいい女の子だって噂はしってるかにゃ~?」

 

「土御門……お前いつからいた…」

 

上条の背後に現れた男は“土御門元春”。同じく上条の悪友の一人で上条と青髪、そして土御門の3人を合わせて3馬鹿(デルタフォース)と呼ばれている。

 

「まぁそんな事はいいじゃないかカミやん。んで?どうなんだカミやん」

 

「ああ、雪村のことか?それならこの間知り合いになったぞ」

 

---ピシっ---

 

上条が発言した瞬間、教室全体の空気が一気に凍り付いた……!

 

「か、カミやん?それって、どうゆうことや?ってゆうか雪村って誰?」

 

流石の上条もこの空気にようやく気付き、話を続ける。

 

「い…いや、なんて言うかその子とは偶然知り合ってな。困っていたところをただ助けただけで……」

 

上条は必死に事情を話すが教室の空気は一気に怒りの炎に包まれていった特に女友達がいない男子や上条に好意を抱いていた女子を中心に……!

 

「カミやん……またか。またなんか!?」

 

「また俺たちの知らない所でフラグを!!?」

 

「しかも上条の知り合いの女の子はみんな美人っ!」

 

「そういや確か常盤台の女の子や巨乳美人のお姉さんと知り合いという噂も……」

 

「ってことはその雪村って子も!?」

 

「何でコイツばっかり……!!」

 

「おのれ上条ぉ!…赦すまじ……!!」

 

「上条君………私、本気だったのに……」

 

「よくもアタシの純情を弄んでくれたわね!!」

 

と上条に嫉妬する者、上条に好意を抱いていた者……色々いるみたいだが、クラス全員が上条の敵になった……っ!!

 

「ちょっと待て!お前らなんでそんなに殺気立ってるんだよ!?そもそもフラグってなんの話だ!そ、そりゃあ上条さんは確かに甘酸っぱい出会いを夢想したりなんかしたりってことも……まあなくはないけど、そんな都合のいいフラグなんて立てた覚えもないぞ!?」

 

「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」

 

「ん? どうした皆?」

 

「「「「「「「「「「ちったあ自覚しろこのボケナスがー!!!」」」」」」」」」」

 

「ギャー! 何故にーーー!」

 

とまぁ、こんな返事を出した故にクラスから袋叩きを受ける上条。そしてコレもまたこのクラスの日常の一部になっていた。………と、そんな馬鹿騒ぎが起きてからしばらくして

 

「はいはーい。皆さん席についてくださーい!」

 

教室に入ってきたのは見た目は幼女、中身は意外と大人の女性、名は月詠小萌。上条たちの担任で上条の能力を知る数少ない人物の一人だ。生徒を一人一人大切にする先生の鑑というべき立派な人物であるのだが、見た目が幼女のためか説教する姿には全く説得力が無い場合もしばしば……

 

「何やら失礼な事を言われた気がしますが放っておきますね。それではHRを始めますがその前に転校生を紹介しますね。雪村ちゃんどうぞー」

 

「し、失礼します」

 

ガラガラと教室のドアを開ける音が響き、入って来たのは確かに上条が知る雪村千鶴。だが上条が会ったときの千鶴は髪をポニーテールにしていたが、今目の前にいる彼女は髪を下ろし、長い髪を肩に乗せ、それを可愛いリボンで結んでいる。そして上条たちの学校の制服姿は教室の男共の心を一つにした。

 

---何あの可愛い生き物!?---

 

そして彼女はほんわかとしたカワイイ声で挨拶をする

「始めまして。函館からこちらに転校して来た雪村千鶴です。よろしくお願いします」

 

彼女の挨拶を聞いた男女はそれぞれの反応を見せた

 

「ちょ、何あの子!?」

 

「マジ可愛い!」

 

「大和撫子!?」 

 

「いや!あれは天使だ!!」

 

「それは流石に言いすぎじゃぁ……」

 

「馬鹿野郎!!じゃぁお前はあんな可憐で文句なしの可愛い女の子を他に見たことあるのか!?」

 

「い、いや……」

 

「今時あんな子がいるなんて!」

 

「おれ……………この学校の生徒でホントによかった……………………………(涙)」

 

「………私も同じ転校生だったのにこの反応の差……このちが「うぉおおおおおおお!!マジか!?今時、あんな可愛くしかもうちのクラスの女子共には無い何かがある あんな可愛い子がうちのクラスに来るなんてマジかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」いはって………セリフを最後まで言うことすら出来ない私って一体…?」

 

クラスの男子たちは千鶴の容姿にハイテンションになり、暴走気味になりつつあった。だがこの中で一番のインパクトを受けているのは上条だった

 

「ゆ、雪村?」

 

千鶴も此処で上条を気付き、何気ない一言を言い放つ

 

「あ、当麻君!あの時はどうもありがとう!」

 

と千鶴のお日様のごとく暖かい笑顔で顔を少々赤くする上条だが、それ以上にクラスメイト全員が怒り心頭になり怒り爆発十秒前に入ろうとしていた

 

「「「「「「「「「「……かぁぁみぃぃじょぉぉぉぉっっ!!!」」」」」」」」」」

 

「え? なに? どうした皆?何でこっち見るんだ?つーかその赤いシミが付いた釘付きのバットは何処から持ってきた!?」

 

「「「「「「「「「「ふざけんなリア充がぁぁっ!!!」」」」」」」」」」

 

「ぎゃあああああああっ!不幸ぉぉだぁぁぁああああああああああああっっ!!!」

 

 

 

これもまた一つの日常風景になっていた。

 

「はいはーい!いつもの恒例行事が終わった所で雪村ちゃんは姫神ちゃんの隣の席に座ってください」

 

「はい、わかりました」

 

と小萌は何事もないように千鶴に席を座る様に指示を出した所で

 

「ちょっと待ったぁっ!!いつもの恒例行事って何!?なんで小萌先生はそんな何事も無かったかのように流してるの!?何でそんな冷静なんですか!?なんで先生はそんなアッサリとスルーするの!?」

 

「なにを言ってるんですか?上条ちゃんにとってはいつもの事じゃないですか?」

 

「………え?」

 

「いつも女の子絡みの厄介事を抱え込んでいるので、先生すっかりなれちゃいましたよー」

 

「ちょっ!?俺はそんな……っ」

 

と、上条は何とか弁明を喋ろうとするが小萌はニコニコと慈母の如く優しい笑みを浮かべながらトドメを刺した

 

「上条ちゃん、モテモテですねー」

 

話を聞いてくれないと上条は心の中で呟き、両手と両膝を床に着けてorzのポーズになりこの一言

 

「ふ、ふこ「上条ちゃん?世の中には女の子にもてないヤロー共だっているんですから不幸とは言えないですよー?むしろソコはご褒美と見るべきじゃないですかー?」う……だー…」

 

上条のいつものセリフすら遮られ、上条と年齢イコール彼女がいない歴の男子生徒(おとこども)の心に大きな傷を負ったのは言うまでもない

 

「それじゃぁ、雪村ちゃんの紹介が終わった所で次はこのクラスの副担任を紹介しますよー」

 

―――副担任?―――

 

クラスのみんなは頭に?マークを浮かべていた。こんな時期に副担任が来るなんて何故?と誰もが思っているが小萌はそのまま続けた

 

「それでは土方先生どうぞー」

 

再び教室のドアが開き、生徒全員が注目する。入ってくるのはスーツ姿のイケメンだった

 

「今日からここの副担任兼、世界史担当になった土方歳三だ」

 

「「「「「「「「「「…………………………………………」」」」」」」」」」

 

ほんの僅かな静寂が続いた次の瞬間

 

「「「「「「「「「「きゃぁぁぁぁあああああああああっ!!!」」」」」」」」」」

 

女子たちの黄色い悲鳴が響いた

 

「ちょっ!何あのイケメン!?」

 

「男なのにあんな綺麗な髪と肌初めて見た!!」

 

「てかあの先生本当に男!?なんか乙女ゲームに出る様なイケメンなんだけど!!」

 

「土方歳三ってまさか新選組の子孫!?」

 

「いや幾らなんでも先祖の名前付ける?普通」

 

と、今度は女子たちがハイテンションになっているが、土方がパンパンと手を叩き生徒達を落ち着かせた

 

「静かにしろ!俺の名前はただ単に同姓同名なだけだ。確かに新選組に所縁はあるがそれだけだ。いいか!小萌先生から聞いたがここの男子はわざと赤点を取って追試を取るという、ふざけた生徒が居るらしいな」

 

土方の言葉を聞いた生徒は全員青髪、土御門、上条の3人に視線を送った

 

「俺が此処の副担任になった以上、そんなふざけたマネは許さん。よって、もし赤点を取るやつが居るなら次の追試は俺が担当する。文句は聞かん」

 

それを聞いた生徒たち(特に青髪は)顔を真っ青にした

 

「う、嘘やぁーっ!小萌先生との楽しい時間がなくなるなんて悪夢やぁぁぁああああっ!!」

 

「あー……青髪、ドンマイ…」

 

「言っとくが俺も鬼じゃない。わからない所があったら遠慮なく言え。俺がちゃんと教えてやる」

 

「「「「「「「「「「おおっ……………!」」」」」」」」」」

 

話を聞いた生徒たちは『あ、いい先生だ』と心の中で呟いた

 

「だがワザと赤点取るなんてふざけた事をした奴は俺が許さん。それだけは覚えておけ」

 

そう言いながら土方は力強く握り拳を生徒を見せ、何故か土方の背後には青白い炎を纏う鬼の幻影が見えた。

 

それを見た瞬間生徒たちは心の中で叫んだ

 

---やっぱこの先生めちゃくちゃ恐ぇぇぇぇぇっ!!---

 

そんな土方の挨拶は生徒たちの肝を冷やす形で終わった。小萌の授業が始まり、上条達は何とかこの一日を過ごした。そして上条達は“絶対赤点を取ってたまるか”と心の中で誓いを立てた。しかし上条だけはそうはいかなかった・・・・・・

 

翌日・・・

 

「よーし。それじゃあ抜き打ちテストを返すぞ」

 

土方からの突然の抜き打ちテスト。結果は・・・

 

上条当麻、青髪ピアス……居残り

 

「しもたーっ!ついいつものクセでワザと「ほう?青髪、お前今までワザと答えを間違えて書いてたのか?」……スイマセン………」

 

「ふ、ふこ「お前のそれは不幸じゃなくてただの勉強不足だ」…ハイ……」

 

二人の言葉も土方の正論で一刀両断し遠慮なく沈める様はかなり迫力があった

 

「土方先生っ私は明日の授業の準備があるので上条ちゃんと青髪ちゃんをよろしくお願いしますね。お疲れ様でーす」

 

「はい。小萌先生もお疲れ様です」

 

「それじゃぁ上条ちゃんと青髪ちゃん、居残り頑張って下さいね」

「ちょっ小萌先生!」

 

「んな殺生な!!」

 

上条と青髪は絶望に満ちた顔で手を伸ばすが土方の声で妨げられる

 

「よし!それじゃあ上条!青髪!今やるテストを全問正解できない限り居残りは終わらん!今までゆったりして来たおかげで今のお前らの成績はヒドイからな」

 

「ふ、ふこう「何度も言うが上条、それは不幸じゃなくて唯の勉強不足だから不幸じゃないぞ」……はい」

 

こうして本来なら30分程度で終わる居残り授業も土方から感じる迫力に上条も青髪も頭が働かず間違いの連続で結局終わったのは日もすっかり沈んだ夜だった。

 

 

千鶴も土方も今のこの何気ない平和な日常を噛み締めていた。幕末の頃では味わえなかったこの瞬間がどれ程貴重なものなのか…

平和な時代に生まれた彼らは分からないかもしれない。それでも土方も千鶴も先に散った仲間達の分も生きる事を決めた。この先どれ程の困難が来たとしても絶対に乗り越える…っ!

平和な街並みを眺めながら土方は拳を強く握り締めてそう誓った

 

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