中川菜々から優木せつ菜 〜ポケモンの世界であなたと紡ぐ奇跡〜   作:あいライス

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4年生編スタート!

やっと4年生編で一人、前書きにあるとおりプリキュアの人物が出るらしい?


タグにあるエマちゃんと彼方ちゃんは、5年生編から登場するから、もう少々お待ちをw
(虹学メンバーよりプリキュア先とはどういうことか!は言わないで~~……泣)

タグ詐欺じゃないですよ~…。


32章「強制される違法な模擬バトル」

季節は無慈悲なまでに規則正しく巡り、私としずくさんは、10歳という人生の大きな節目を迎えることとなりました。

 

この世界の法律において、10歳という年齢は、正式に自らの名義でモンスターボールを所有し、ポケモンの所有権が認められる成人に近い第一歩を意味します。

 

前世の感覚からすれば、小学4年生に上がったばかりの子供にそのような重大な責任を背負わせるなど正気の沙汰とは思えませんが、このトレーナー至上主義の世界においては、これこそが真の意味で、人間として社会に認められるための、絶対的な境界線だったのです。

 

私は、かつて誠一さんと交わした契約通り、幼い頃から常に寝食を共にしてきたイワンコを、正式に自分の最初のパートナーとして登録し、譲り受けました。

 

そして、5歳の時にあの公園でキープした、あのいたずら好きで甘えん坊なピチューも、今や私の正式な手持ちとして、私のベルトに固定された2球目のモンスターボールの中にいます。

 

法律上の制約が解け、名実ともに、ポケモントレーナーとなった私の戦力と知識は、すでに同年代の子供たちの先、遥か高みへと到達していました。

 

そしてしずくさんもまた、登録所に設置された端末の前で、何一つ迷うことなく、自分を信じ続けてくれたヨーテリーを自らのパートナーとして登録しました。

 

「……この子と一緒じゃなきゃ、私はここまで来られなかったから。だから、私の最初のパートナーは、絶対にこの子以外にあり得ないの」

 

そう言って、トレーナー登録証を愛おしそうに握りしめた彼女の横顔を、私は今でも、胸が締め付けられるほどの鮮烈さで覚えています。

 

 

しずくさんは、決して諦めてはいませんでした。

 

周囲の子供たちから向けられる、冷たい蔑みの視線。陰湿さを増していく執拗な嫌がらせの数々。それらすべてを、彼女は持ち前の芯の強さと健気さで耐え忍んでいました。

 

バトルの時間以外、彼女は誰よりも必死に机に向かい、教科書の文字を追い、膨大な本を読み、必死に知識の財産をその心に蓄え続けたのです。

 

その血の滲むような努力は、残酷なバトルの世界とは異なる場所で、明確な数字となって実っていました。

 

 

3年生から始まった理科や社会、さらには音楽や体育、図工といった副教科の評価において、しずくさんは、常に学年首席であるこの私と完全に肩を並べるほどの、非の打ち所がない優秀な成績を収めていたのです。

 

それだけではありません。

 

ポケモン専門カリキュラムの授業であっても、実技を伴わない筆記試験や座学のペーパーテストにおいて、彼女は常に100点の満点を取り続けていました。

 

理論の上では、彼女は誰よりもポケモンの生態や技のメカニズムを理解している優等生だったのです。

 

しかし、この狂気と成果主義に歪みきったスクールにおいて、筆記の100点は、バトルの0点を補うことはできませんでした。

 

 

どれだけ一般科目が優秀であろうとも、どれだけノートが美しく、バトルの理論を完璧に記述できようとも、実戦の実技テストで、勝利という結果を残せなければ、この学校の評価システムにおいては、無価値と同義。

 

電子掲示板の数値は一つも更新されることなく、彼女の順位はクラスの、ひいては学年の最下位の赤字に完全に固定されたままでした。

 

そのため、しずくさんとヨーテリーは、相変わらず周囲の子供たちから、「価値のない敗者」、「脱落者のお荷物」という屈辱的なレッテルを貼られ、なめられ続けました。

 

そんな彼女を守り、理不尽ないじめに対して、その度にイワンコとともに、容赦なく介入し続けた結果、私自身の校内での立場もまた、変貌していました。

 

 

「バトルの成績は異常なほど優秀だが、なぜか最下位のゴミに固執して規律を乱す、理解不能な異端児」

 

 

生徒たちの間だけでなく、職員室の教員たちの間でも、私の存在は腫れ物か反逆者のように扱われるようになっていたのです。

 

ですが、そんな周囲の歪んだ評価など、私にとっては本当にどうでもいいです。

 

私の視界には、しずくさんの安全と笑顔、それだけしか映っていなかったのですから。

 

 

 

――だけど、あの最悪な事件は、平穏を装ったある日の昼休み、唐突に起きました。

 

 

「優木さん、桜坂さん。今日2人は日直だよね? 先生から今さっき預かったこの提出資料の束、今から職員室の山田先生のところまで届けてくれない?」

 

 

声をかけてきたのは、クラスの女子生徒の1人でした。

 

その机の上に置かれたのは、小学生の腕では持ち上げるのすら困難なほどに、不自然なまでに分厚く詰め込まれた、ずっしりと重い印刷資料の束でした。

 

それが、日直の通常の業務量を遥かに超えた、明らかに嫌がらせの一環であることは一目瞭然でした。

 

ですが、割り振られた公的な仕事である以上、私たちが断る理由も見当たりません。

 

 

「は、はい……分かりました。今から持っていきます」

 

しずくさんが、その重い資料に小さく身を竦めながらも健気に手を伸ばそうとするのを、私は素早く片手で制しました。

 

「しずくさん、大丈夫です。これくらい私が一人で持っていきますから」

 

「でも、せつ菜ちゃん、1人でこれはすごく大変だよ? 私も半分持つよ?」

 

「全く問題ありませんよ、しずくさん。 私は毎日の自主トレーニングのおかげで、体力と筋力には自信がありますから! あなたは教室で、次の時間の予習しながら少し休んでいてください。すぐに戻ってきますから!」

 

そう笑顔で告げ、私は両腕でその不自然な資料の束を抱え込み、足早に教室を後にしました。

 

 

――今思えば、これこそが、彼らの仕掛けた卑劣極まる罠の第一段階だったのです。

 

私という絶対的な戦闘力を持つ盾を、最も無防備なしずくさんの側から、一時的に引き剥がすための作戦。

 

 

私は、腕にずっしりと伝わる資料の物理的な重さと、日直の仕事を早く終わらせなければという責任感に意識を集中させるあまり、私が席を立つ瞬間、教室に残っていた生徒たちの間に走った、あの冷ややかで、何かの呼び出しを企むような不気味な沈黙の視線に、気づくことができなかったのです……。

 

 

職員室へ赴き、面倒くさそうに書類を受け取る山田先生に用件を済ませ、1秒でも早くしずくさんの元へ戻ろうと、廊下を早足で駆け抜け、教室のドアを勢いよく開け放ちました。

 

ですが、私の目に飛び込んできたのは、机の上が不自然に散らかり、もぬけの殻になったしずくさんの席でした。

 

胸の奥が、氷水を流し込まれたように一瞬で凍りつきました。

 

 

「しずくさんは? しずくさんはどこへ行ったんですか!?」

 

 

私は近くの席で、ニヤニヤとつまらない談笑をしていた生徒の1人の胸ぐらを掴まんばかりの勢いで詰め寄りました。

 

その子はスクールの優越感に裏打ちされた、冷淡で無関心な顔を取り繕って鼻で笑うように答えました。

 

 

「あぁ~…、桜坂さんならさっき、5年生の先輩たちに連れてかれて、どっかに行ったよ。 確か、あっちの屋外にある『第3バトルフィールド』のほうに行くって言ってた気がするけど。 なんか、最下位の分際で、座学だけ満点取る生意気な態度を、上級生として教育してやるんだってさ」

 

「5年生…?  上級生が、何のために……!?」

 

 

どす黒い嫌な予感と激しい怒りがわいてきました。

 

しずくさんは、バトルの実力差がある上級生からの呼び出しに、自分から進んでついて行くような向こう見ずな性格ではありません。

 

強制的に、あるいは脅迫に近い形で連行されたに決まっています!

 

 

 

「イワンコ、行きますよ!!」

 

 

 

私は教室を飛び出し、狂ったように廊下を、そして階段を駆け下りて、屋外の実技エリアへと突っ走りました。

 

私が息を切らせて第3バトルフィールドの金網を押し開けて駆けつけた時――

 

 

 

 

そこでは、教育や、模擬戦などという生ぬるい言葉では、到底形容できない、人間の悪趣味な残酷さを煮詰めたような、最悪の見世物が行われていました。

 

 

 

「くぅ……っ……! あ、う、やめて、ください……! もう……戦えません……! お願い、ですから……っ!」

 

 

砂埃が舞うフィールドの、トレーナーが立つべき四角い枠線の真ん中で、しずくさんは、両膝を地面について激しく身体を震わせていました。

 

対峙しているのは、いかにも高圧的な態度を見せびらかしている5年生の男子生徒。

 

そしてその傍らには、濁った紫色の肌をした、ニヤニヤと不気味な歪んだ笑みを浮かべる毒タイプのポケモン、グレッグルが、その鋭い爪を構えて立っていました。

 

 

一見すれば、それは単なる学年の枠を超えた、上級生による熱心な「指導模擬バトル」の風景に見えるかもしれません。

 

現に、周囲でそれを取り囲んで観戦している他の生徒や、審判席に座っている専任教員は、誰もそれを止めようともせず、当然の権利のように腕を組んで見下ろしていましたから。

 

 

しかし、私はそのバトルの外周、フィールド全体を囲むように配置された、物々しい無骨な黒い金属製の電極装置の存在を目にした瞬間、全身の血の気が一気につき抜けるような凄まじい恐怖と戦慄を覚えたのです。

 

 

 

 

――あれは……間違いない。

 

 

 

 

 

かつて幼い頃、誠一さんの書斎で古いバトルの資料を見ていた際、誠一さんが苦々しい顔で説明してくれたものです!

 

 

 

『今は法律上、公式の全ポケモンジムや、公式スタジアムやリーグ大会でも、完全に使用禁止されてる違法な代物だ。 ポケモンの受けた痛みをトレーナーにそのままフィードバックして、精神論で気合を入れさせるという名目の、前世紀の歪んだ遺物さ。  まっ、俺が生まれるずっと前の野蛮な時代の話だけどな!』

 

 

と笑いながら教えてくれた、悪名高き禁忌の装置――『感覚同期型・通電フィールド』。

 

 

ポケモンが技を受け、ダメージを負ったその瞬間、その肉体的な苦痛と衝撃をトレーナーの身体にも理解させるという狂った名目のもと、ポケモンへのダメージ量と完全に同じ出力の、最悪の青白い高電圧の電撃が、トレーナーの身体にもダイレクトに流れ、肉体を強制的に麻痺・痙攣させる仕組みの、非人道的な特訓拷問装置…!

 

 

なぜそんな違法な装置が、この教育機関のバトルフィールドに平然と設置され、しかも教師の目の前で稼働しているというのですか……!?

 

 

 

「ほらほら、どうした桜坂! ヨーテリーが傷ついて泣いてるんだろ!  トレーナーのお前も同じ痛みを感じて、もっと気合を入れろよ!! ほら、バトルを続ける! 技の指示を出せよ!落ちこぼれ!!」

 

 

5年生の男子のサディスティックな嘲笑の号令と共に、グレッグルの拳がどす黒い毒のエネルギーを帯び、ヨーテリーの小さな身体を容赦なく捉えました。必殺の『どくづき』です。

 

 

「キャインッ!!」

 

 

骨の折れるような鈍い衝撃音と共に、満身創痍だったヨーテリーの身体がフィールドの隅へと吹き飛びました。

 

そして――それと完全に同期して、フィールドの電極からバチバチバチッと激しい放電音が炸裂し、しずくさんの身体を、逃げ場のない青白い電気の檻が直撃したのです。

 

 

「きゃあああああああああああああああああああっ!!!!」⚡️⚡️⚡️

 

 

激しい閃光が彼女の身体を貫きます。

 

何度も、何度も、私が来る前から繰り返されたのであろう、その凄まじい電気ショックによって、彼女の綺麗だった髪も容姿は、煤にまみれでした。

 

 

「し、しびれるっ!  うぅ……しびれびれぇ~~っっ!!」

 

 

見てるとこっちまでしびれてきそうな電撃ですが、それを見ている周囲の生徒たちは、同情するどころか、「これぞ不純物を淘汰するための正義の特訓だ!」「もっとやれ!」と言わんばかりに、狂気じみた喝采と拍手をフィールドに向けて送っていたのです。審判の教師もまた、冷淡にストップウォッチを眺めているだけでした。

 

 

……っ!!!!

 

 

――私の中で、どす黒い漆黒の業火に染まって爆発しました。

 

これまでの嫌がらせが、幼稚なおままごとだとしたら、これは明確な、殺意に満ちた純粋な

 

 

 

悪意による虐殺ですよ!!

 

 

私のこの世界の、唯一無二の光を…、私の親友を、こんな人たちの娯楽のために踏みにじらせてたまるものですかっ!!

 

 

「いい加減に……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やめなさ~~~~~~~~~~い!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の、喉が完全に裂けて血を吐くかのような絶叫が、第3バトルフィールドの全空に響き渡りました。

 

その圧倒的な声量と、周囲の空気を一瞬で凍りつかせるほどの殺気に、5年生も、観客の生徒たちも、教師さえもがビクリと動きを止めました。

 

 

私は怒りのままに、腰のベルトから2つのモンスターボールを、地面を叩き割るほどの力で投げつけました。

 

 

 

 

「イワンコ!! ピチュー!! あの忌々しい、下劣な機械のすべて!今すぐ、跡形もなく粉砕しなさい!!!!」

 

「ワンッ!!!!」

 

「ピッチュウウウウウウウウウウウウッ!!!!」

 

 

ボールから飛び出した私の最高のパートナーたちは、主人である私の極限の激昂をその魂に100%同調させていました。

 

イワンコの怒号と共に放たれた超高質量の岩塊――『いわおとし』が、フィールドの心臓部である制御制御装置の電子基盤を正面から激しく直撃し、コンクリートの土台ごと爆破するように粉砕しました。

 

それと同時に、ピチューの身体から解き放たれた極大の電流『でんきショック』が、電極の回路網へ過負荷の雷撃となって逆流し、システム内部を完全に焼き切りました。

 

激しい爆発音と、黒煙、そして激しい火花を散らしてショートし、四散する非人道装置の残骸。

 

 

隔離フィールドが解除されたその瞬間、私は四つん這いになって、地面に力なく倒れ伏すしずくさんの元へと滑り込みました。

 

 

 

 

「しずくさん! しずくさん!! しっかりしてください、私です、せつ菜です!!」

 

「あ……せつ……菜……ちゃん……っ、う、あ……身体が、まだ、しびれるの……しびれ、びれ……っ!」

 

 

抱きかかえた彼女の身体は、装置から受けた過酷な電撃によって、今なお服の端からパチパチと細かな静電気のような放電を繰り返しており、彼女の肌に触れた私の手のひらにも、バチッと鋭い拒絶の痛みが走りましたが、そんな痛みなど、今の私にとっては、どうでもいいことです。

 

彼女の身体を、これ以上何も寄せ付けないように強く、強くその両腕の中に抱きかかえました。

 

 

そして、フィールドの周囲で呆然と立ち尽くす上級生たち、そして何より、この拷問を指導として容認していた審判席の先生を、激しく睨みつけました。

 

 

いいえ、もはや先生でも、教員でもありませんね。

 

 

ただの――

 

 

 

 

 

害獣ですよっ!!

 

 

 

 

 

 

「これのどこが正義ですか!? 一体どの口が、これを教育などと呼ぶのですかっ!!! こんなものは、教育でもバトルでもないただの犯罪まがいの拷問ですよ!!!!」

 

 

私の胸の奥底から絞り出された怒髪天を突く言葉に対し、審判をしていた男は不快そうに顔を歪めて冷淡に言い放ちました。

 

 

「……優木さん、言葉が過ぎるぞ。 これは上級生による、下級生の弛んだ精神を叩き直すための正当な指導だ。 我がスクールのルールにおいては何も違反していない。  それよりも、学校の公的な備品である特訓装置を強引に破壊するのは器物損壊だぞ。  お前というやつは…。 成績さえ良ければ、何をしても許されると思っているのか!? 規律を乱す異端児め!」

 

 

その言葉の一言一句を聞き流しながら、私は心の底から確信し、そして冷笑しました。

 

 

あぁ、やはり、この場所は、根っこから完全に腐りきっているのだ、と。

 

校長が掲げる正義の正体は、やはりこの血も涙もない選別機だったのだ、と。

 

 

案の定、私がしずくさんを抱きかかえて保健室へ運ぶことすら、学校側は許してくれませんでした。

 

装置を破壊されたことに激怒した審判の害獣は、無線で他の害獣を呼び寄せ、フィールドには瞬時に数人のガタイのいい専任の仲間が駆けつけてきたのです。

 

彼らは、重度の電撃で痙攣しているしずくさんのケアなど完全に無視し、私の両腕を後ろから強引に、力任せに掴み上げ、拘束しました。

 

そのまま、私を罪人のように職員室へと連行しようと、無理やり引きずり始めたのです。

 

 

「いやいやいやいや!! 離してください!! しずくさんを! 彼女をこれ以上、あんなところに一人にしないでください!! まだ麻痺が続いているのですよ!! まひなおしを!!」

 

 

どれだけ私が叫び、暴れ、彼らの腕を振り払おうとしても、10歳になったこの身体の筋力では、大人の男数人の力に抗うことは、物理的に不可能でした。

 

必死に抵抗する私に対し、私を裏側から羽交い締めにしている1人が、耳元でうんざりとしたように、汚い言葉を吐き捨てるように言い放ちました。

 

 

「うるさいぞ優木! この程度の放電、人間死にやしない! しばらく時間が経って、しびれが収まれば勝手に動けるようになる! そんな最下位の生徒の心配よりも、今は自分の心配をしたらどうだ!?  お前がやったことは、学校の超重要機材の破壊。 立派な器物損壊であり、弁明の余地のない『悪』だ!  校長の掲げるスクールの正義に真っ向から反する、最悪の行為だぞ!!」

 

「……悪……? 正義に、反している……?」

 

 

あまりにも支離滅裂な言葉の羅列に、私の理性は、完全に理解を拒絶し、猛烈な拒絶反応を起こしていました。

 

機械の破壊が「悪」で、目の前で1人の無抵抗な女の子の心と身体を電撃で破壊することが「正義の指導」だというのですか?

 

壊れた機械の心配なら、いくらでも技術があれば直せますし、金銭による賠償だっていくらでも解決しようがあるでしょう。

 

ですが――あんな非人道的な狂気の装置によって、尊厳をズタズタに引き裂かれ、泣き叫んだしずくさんの繊細な心は、一度完全に壊れてしまったりなんかしたら、二度と、どんな技術を使っても、どれほどの金銭を積んでも元には戻らないのですよ!!

 

こうしている間にも、私が引き離されたあの冷たい地面の上で、しずくさんが電気の痛みに耐えながら、恐怖と絶望の中でたった一人で怯えているかもしれないと思うと、胸の奥が、心臓が物理的に張り裂けてしまいそうに痛かった。

 

 

「私を処罰するならそれでもいいですから!! 彼女とヨーテリーを今すぐ保健室へ!! お願いですから!!!」

 

 

私の必死の哀願は、職員室の重い扉の向こうへと虚しく消え去っていきました。

 

 

機械を壊したこと、上級生のポケモンを威圧したこと、そのすべての行動に関して、私は今でも、これっぽっちも、1ミリたりとも後悔などしていません!

 

むしろ、もっと早くあの忌々しい装置を粉砕していればよかったとすら思っています。

 

 

唯一後悔すべきことがあるとすれば、ただ一つです。

 

 

 

さっき日直の仕事という、あまりにもくだらない古典的な罠に引っかかり、彼女のすぐ隣という、私の絶対的な聖域を、一瞬でも離れてしまったこと。

 

それだけが、私のこれからの人生において、生涯消えることのない、償いきれない後悔ですね。




なんか、サトシとロケット団トリオのトキワジムのジム戦で、こんな装置をロケット団の三人作ってなかったっけ?
それが元ネタではあるけどw


とにかく今のこの物語の時代は、誠一の言うとおり、言うまでもなく違法装置です。
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