デュエル・マスターズ〜カジュアル勢の俺が引きだけでカードゲーム主義の世界を破壊しても良いんすか!?〜   作:社畜ヲタク

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どうも投稿主です。デュエルマスターズに関しては完全なカジュアルで環境デッキの知識も浅いため
「これは環境じゃない!」「このデッキ強くないだろ!」ていうものが強く紹介される場合があります。

そんなの関係ねぇ!で許せる人のみ読んで行ってね!


第1話︰カジュアル勢が環境を蹂躙してもいいっすか?

熱狂、怒号、そして耳を劈くような電子音。

大型イベント『デュエル・マスターズGP』決勝戦。

会場のボルテージは最高潮に達していた。何千という観客の視線が、ステージ中央に鎮座する二人のプレイヤーに注がれている。

 

高咲コウ 17歳。プレイヤーネーム【ガッチャン】

彼は今、人生最大の晴れ舞台に立っていた。その顔は遠足を前にした小学生のようなワクワクを止められないと言った顔だった。

 

対照的に、机を挟んで向かい合う男——現環境最強と謳われるプロプレイヤーである【レオン】は鋭い目つきでコウを睨み続けていた。

 

レオンのデッキは【青白緑ゴルギーオージャー】。環境デッキのひとつであるゴルギーオージャー。

メタ展開、小型の除去、冷徹なまでのフィニッシュ力。

文字通り、今の環境を支配する「正解」デッキのひとつだ。

対するコウが選んだのは、誰もが「正解ではない」と笑ったデッキ。【赤白緑ボルシャック】。

爆発力はあるが、運次第。ガチ勢からは「ただの運ゲーガチャデッキ」と揶揄される、カジュアル層の夢を詰め込んだ束だ。

 

「さぁ!これより第〇〇GPの最終戦を開始します!それでは皆さん行きますよ!デュエマ、スタート!」

 

コウの先行で試合が始まった。

 

〜2ターン目〜先行【コウ】

「ドロー貰います。《ボルシャックドラゴン》をマナチャージ。火と自然2コスト支払って呪文、《メンデルスゾーン》を唱えます」

デッキのトップに手をかける。会場全体が息を呑んだ。一枚目...《ボルシャック栄光ルピア》。二枚目……《ボルシャック・スーパーヒーロー》。パーフェクトな2加速。

 

「チッ……」

 

レオンの舌打ちがマイクに拾われ、会場に響く。環境トップの矜持が、運という不確定要素に土足

で踏み荒らされたような不快感がレオンを支配する。

 

「そのままターンエンドです。」

 

〜2ターン目〜後攻【レオン】

 

「ドロー、青白緑揃ってるんで《大集合!アカネ&アサギ&コハク》召喚。効果で《アオフェシー》をマナに。エンドで」

 

ひとつひとつの動きがイライラを隠さない態度でプレイを行いそのままターンを返すレオン。

だが、コウの快進撃は止まらない。次のターン、彼の「右手」が再び唸りを上げた。

 

〜3ターン目〜先行

「ドロー貰います。《光鎧龍 ホーリーグレイス》をマナチャージ。4マナ!召喚します、《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》!」

 

深紅の竜がCGで投影され、咆哮を上げる。コウはすぐさま攻撃を宣言した。

 

「《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》の攻撃時革命チェンジ宣言!《竜皇神ボルシャック・バクテラス》!《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》の効果から解決!山札の上を一枚表向きにし、それがドラゴンならバトルゾーンに出す!捲ります!」

 

デッキトップから現れたのは、黄金の鎧を纏った巨竜。

《光神龍スペル・デル・フィン》

 

「はぁ!?デルフィン!?普通入んねぇだろ!」

 

苛立ちを隠さず叫ぶレオン。

それを意に返さずコウはプレイを続ける。

 

「 そして《竜皇神ボルシャック・バクテラス》の効果発動!山札の上から4枚を確認しバクテラス以外のアーマードを好きな数バトルゾーンへ出せる!

《永炎の龍凰ボルシャック・バクスザク》《ボルシャック・ドラゴン》《超竜バジュラズテラ》《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》の4体をバトルゾーンへ!」

 

「っ、ふざけるな! 」

 

レオンの貧乏ゆすりが、テーブルを小刻みに揺らす。バクテラスの効果により、コウの盤面には

次々と赤き竜の軍勢が並んでいく。展開、展開、また展開。環境デッキが誇る緻密な守りを、圧倒的な暴力と「運」が粉砕していく。

 

「これが最後だ。行け!バジュラズテラでダイレクトアタック!」

 

シールドをすべて叩き割り、最後の一撃。レオンの手札には、もはやそれを防ぐシールド・トリ

ガーは残っていなかった。モニターに「WINNER:ガッチャン」の文字が踊る。

 

その日のインターネットは、コウの話題で一色だった。掲示板には「環境デッキがガチャデッキ

に負けた」「右手がバグってる」「これだからデュエマはやめられねぇ」「運に粉砕されるガチデッキw」といった書き込みが数万単位で溢れた。カジュアル勢にとって、彼はまさに「英雄」となったのだ。

当のコウは大満足だった。優勝盾と景品カードを抱え、ニコニコとしながら喧騒を離れた夜道を歩く。少し喉が渇いたと、自販機の灯りを目指した時だった。

 

「……おい、ガキ」

 

暗がりに、見覚えのある人影が立っていた。レオンだ。しかし、いつもニコチューブに見せるようなプロの面影はない。

その目は血走り、異常なまでの憎悪を宿している。

 

「てめえのせいで…てめぇのせいで!俺のキャリアは終わりだ!スポンサーも、名声も、全部てめえの『運』のせいで台無しなんだよ!!」

 

「えっ、ちょっ……レオンさん落ち着い…て!?」

 

対話は無意味だった。レオンの手には、街灯を反射する鈍い銀色の刃が握られていた。鈍い衝撃がコウの脇腹を襲う。熱い、と思った瞬間、氷のような冷たさが全身に広がった。

 

「……カハッ……」

 

意識が遠のく。最後に見たのは、歪に笑いながらナイフを再度振りかぶるレオンの姿と、アスファルトに散らばった己の自慢のデッキ、ボロボロになった《ボルシャック》の姿だった。

 

(ああ、せっかく優勝したのにな……。もっと、いろんなデッキで遊びたかったな……)

 

 

 

 

_______________________

 

「……っ、はあ!」

 

コウは跳ねるようにして上半身を起こした。全身を駆け巡る冷や汗。慌てて腹部を触るが、そこ

には傷ひとつない。代わりに触れたのは、見覚えのない安物の布団だった。

 

「ここは……? 病院、じゃないよな」

 

見回した先にあるのは、六畳一間の簡素なアパートの一室。だが、壁に貼られたカレンダーやポス

ターを見て、彼は凍りついた。カレンダーには『デュエ暦25年』と記されているという奇妙な単語が書いていた。

 

混乱しながらテレビを着けて、さらに絶句した。街中を歩く人々は皆、腰にデッキケースをぶら下げ、街中にデュエルのできる大きな台のような物が置いている。

 

「デュエル・マスターズが流行ってる世界……なんてレベルじゃないぞ、これ」

 

「死んだと思ったら転生か?。しかも、デュエルマスターズのアニメみたいな世界に…」

 

高咲コウ、17歳。最強の右腕とカジュアルへの愛を胸に、彼はこの異様な世界で再びカードを引

く決意を固める。カードの強さが全てを支配するこの世界で、「趣味全開」のデッキがどこまで通用す

るのか。彼の新しいデュエルが、今、幕を開けた。

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