デュエル・マスターズ〜カジュアル勢の俺が引きだけでカードゲーム主義の世界を破壊しても良いんすか!?〜   作:社畜ヲタク

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えぇー、ストックが切れました...
調子乗って一気に放出しすぎました...

というより書いてるうちに
(このシーンは2話に分けないで1つにまとめよう!)とかいうことを繰り返した結果異様なスピードで減っていきました...

読んでくださってる方々本当にありがとうございます


第16話︰拙者早漏にて候

 

熱気に包まれた第2アリーナでは、リーグ本戦のブロック決勝戦という最高の舞台にふさわしい、息もつかせぬ熱きバトルが繰り広げられていた。

 

Dブロックの頂点を決める、高咲コウと1年生の超新星である弐天武蔵の勝負もまた、極めて早い段階から激しく動き出すこととなる。

 

 

〜2ターン目:先攻(コウ)〜

 

 

「俺のターン、ドロー! ――マナチャージをし、2マナを支払って呪文《オリジナル・ライフ》を発動! 効果により山札の上から1枚目をマナゾーンへ。ターンエンドだ」

 

コウは焦ることなく、己の脳内に描いたとある壮大なコンボのために、着々とマナの準備を進めて

いく。

 

 

〜2ターン目: 後攻 (武蔵)〜

「わたしのターン、ドローです。 ――マナチャージをして2マナを支払い、クロスギア《竜装ゴウソク・タキオンアーマー》をジェネレート」

 

対する武蔵は、凛とした声で冷静に自身の盤面を整えるための布石を打つ。 バトルゾーンに、真っ赤な戦国の鎧のホログラムが静かに舞い降りた。

 

 

〜3ターン目:先攻(コウ)〜

 

 

(サムライ・・・・・・か。 これは、のんびり構えている暇はなさそうだな)

 

「俺のターン、ドロー! マナチャージ。 4コストを支払い、《修羅の死神フミシュナ》を召喚!」

 

コウのバトルゾーンに、青く冷徹な悪魔が姿を現す。

 

「フミシュナの登場時効果により、相手の手札を1枚ランダムに墓地へ送る! ――そして相手のカードが手札から捨てられたため、フミシュナの連鎖効果で1ドロー! ターンエンド!」

 

相手への確実なハンデス妨害を挟みつつ、自身のリソースを回復して次なる準備を行うコウ。

 

しかし、対面する武蔵はその妨害をさほど気にする様子もなく、静かにターンを貰った。

 

 

〜3ターン目: 後攻(武蔵)〜

「わたしのターン、ドロー。 ――マナチャージ。早速ですが、ここから攻めさせていただきます。タキオンアーマーにより1コスト軽減し3コストを支払い、《バザガベルグ・閃光・ドラゴン》を召喚」

 

武蔵の場に、眩い光を放つ鎧を纏った竜が降臨する。 そして、その竜が瞬く間に次の武具を呼び寄

せた。

 

「バザガベルグの効果発動、『侍流ジェネレト』。 効果により手札からクロスギア1枚をコストなしで場に出します。 《竜牙リュウジン・ドスファング》をジェネレートし、そのままバザガベルグにクロス」

 

戦国武将の如き巨大な太刀が現れ、竜の腕へと装備される。

 

「そしてドスファングのクロス時能力発動。『サムライメクレイド5』を行います。 山札の上から3枚を確認し、その中から《竜装ザンゲキ・マッハアーマー》をジェネレート!」

 

さらに真っ赤な大鎧がバトルゾーンに展開される。

 

「マッハアーマーの能力によってスピードアタッカーとなったバザガベルグで、高咲先輩にアタックします。攻撃時にドスファングの能力発動、もう一度『サムライメクレイド5』! 3枚を確認し――《ボルメテウス・武者・ドラゴン「武偉」》を召喚」

 

真紅の鎧を纏った伝説の武者竜が登場し、轟々と燃え盛る炎を上げる。 登場と同時に、武者は自らの刃で自軍のシールドを一閃した。

 

「武者ドラゴンの効果により『侍流ジェネレート』の効果で2枚目の《竜牙リュウジン・ドスファング》を展開。 ――そして、自身のシールドを1枚ブレイクし相手のパワー6000以下のクリーチャー...そちらの《フミシュナ》を破壊してください」

 

武者ドラゴンの容赦のない火炎に呑み込まれ、コウの悪魔が消滅する。

 

「さらに、場に出た2枚目のドスファングの効果で『サムライメクレイド5』を発動。 ――2体目《バザガベルグ・閃光・ドラゴン》を召喚します。 出たバザガベルグの効果で、先ほどのドスファング2枚をコストなしで自身にクロス!」

 

アリーナを埋め尽くすように、もう一体の黄金の鎧を纏った竜が雄叫びを上げた。

 

一瞬にして構築された、サムライたちの圧倒的な陣形。 コウは額に冷や汗を流しながらも、その恐るべき展開を真っ直ぐに見つめていた。

 

「――そのまま、1体目のバザガベルグでW・ブレイクです」

 

武蔵の鋭い号令とともに、竜の太刀がコウのシールドへと襲いかかる。

 

高咲コウの盾 (5枚→3枚)

 

「シールドトリガー発動! 《シェル・アルカザール》を召喚! ――効果により、自身をそのままマナゾーンへ置く!」

 

コウが盤面を離れてマナへと消えるトリガーを処理すると、観客席からは「防御カードじゃないの

か」と、少し残念そうな声が漏れた。 しかし、武蔵の猛攻は止まらない。

 

「では、もう1体のバザガベルグでアタック。攻撃時、クロスされているドスファング2枚の効果により『サムライメクレイド5』を2回連続で発動します。 1回目で《聖竜鎧シデンズ・ソウル》をジェネレート。 そして2回目で――《ヴァルキュリアス・武者・ムサシ「弐天」》を召喚!!」

 

新たな鎧と、天を突くほどの烈火を纏ったサムライの究極体がバトルゾーンへと君臨した。

 

「ヴァルキュリアスの登場時能力で、山札から6枚ドローします。 さらにシデンズ・ソウルの効果により、ヴァルキュリアスにクロス。 これでこのクリーチャーは場を離れなくなりました。 ――バザガベルグでW・ブレイク」

 

鋭い一撃がコウを襲う。

 

高咲コウの盾 (3枚→1枚)

 

コウは苦しい表情を浮かべながらも、手元に加わったシールドのカードを確認し、少しだけ安心したように唇を吊り上げた。

 

「シールドトリガー発動! ――《この先は修羅の道ぞ》! 効果は山札の上から1枚ドローと相手のクリーチャー1体を手札に戻す効果!。 ヴァルキュリアスを選択し、手札に戻れ!」

 

「ですが、ヴァルキュリアスはシデンズ・ソウルの置換効果により、クロスを外すことで場に踏み

留まります。 ――そのままヴァルキュリアスで攻撃。 攻撃時効果により、手札から《ボルメテウス・武者・ドラゴン「武偉」》をバトルゾーンへ再召喚。 シデンズ・ソウルを武者ドラゴンへクロスします。 ――さあ高咲先輩、これで最後のシールドをブレイクします」

 

コウがトリガーで除去を試みたものの、武蔵の緻密な布陣によって盤面は一瞬で元通りに修復されてしまう。 絶体絶命の刃が、コウの最後の盾へと振り下ろされた。

 

高咲コウの盾(1枚→0枚)

 

アリーナ中の全観客が、息を呑んでコウの手元を見守る。

 

「トリガーチェック・・・・・・」

 

めくった最後の1枚が、一際激しい目映い光を放った。

 

「――シールドトリガープラス発動!! 《終止の時計 ザ・ミュート》を召喚!!!」

 

ドォッ!! と、アリーナが割れるかのような大歓声が巻き起こった。

それまで毅然とした無表情を崩さなかった武蔵の顔に、初めて明確な驚愕の色が浮かぶ。

 

「ミュートの効果で2枚ドローし、手札から1枚を墓地へ! ――そして『シールドトリガープラス』の能力により、このターン、相手のクリーチャーはこれ以上アタックできない!!」

 

完膚なきまでに叩き込まれたサムライの猛攻を、コウは最後の最後、極限のところで完全にストップさせてみせた。 武蔵は深く息を吐き、冷静さを取り戻して告げる。

 

「・・・・・・見事に耐え切られましたか。 では、ターンエンドです」

 

「そのターン終了時だ、武蔵。 ――お前がこのターン、マナゾーンのカードをタップせずにクリーチャーを踏み倒して出したことで、こいつの能力が発動する。 現れろ、《流星のガイアッシュ・カイザー》!!効果により2枚ドロー!」

 

蒼き流星の如きドラゴンがコウの場に降臨する。 コウは深く呼吸を整え、ついに自身のターンを迎えた。 どちらにとっても、これが間違いなく最後の1ターンになる。

 

 

〜4ターン目:先攻(コウ)〜

 

 

「俺のターン! ドロー!! ――そしてマナチャージ。 さあ決めるぞ! 俺は6コストを支払い、《偉形のX エクストリーム・キリコ》を手札進化で召喚!! 進化元には《〜歴史ある王騎士〜》を重ねる!」

 

コウのバトルゾーンに、美しくもどこか異形な女性型のサイバーロードが姿を現した。

 

「キリコの登場時効果発動! 山札から3枚ドローする。 ――これで俺の手札は8枚! キリコの効果により、この手札の枚数以下のコストを持つクリーチャーを1体、手札から踏み倒して出すことができる! 手札から2体目の《偉形のX エクストリーム・キリコ》を、同じく《〜歴史ある王騎士〜》を重ねて手札進化で召喚!!」

 

まばゆい光とともに、もう一体の異形の女王が並び立つ。

 

「同じく登場時効果発動、山札から3枚ドロー! 俺の手札は9枚! ――手札からそれ以下のコストを持つクリーチャー、《水上第九院 シャコガイル》をバトルゾーンへ召喚!!!」

 

地響きとともに、巨大なシャコガイの如き深海の神がアリーナの中央へと出現した。 それと同時に

、バトルゾーン全体が溢れ出す不気味な海水によって、みるみるうちに満たされていく。

 

「シャコガイルの効果発動! 墓地のカードをすべて山札に戻し、シャッフルする! ――さあ、攻撃開始だ!! 1体目のキリコで攻撃する時、『超魂X』の能力により、 攻撃時に登場時効果をもう一度発動する! 3枚ドローし、手札からクリーチャーを1体場へ。 ――現れろ、《パラディソ・シエル》!!」

 

深海の海水から、巨大な首長竜の如きクリーチャーが咆哮を上げて出現した。 たったの2コストでありながら、T・ブレイカーという規格外のスタッツを持つそのカードに、観客も武蔵も息を呑む。

 

しかし、このクリーチャーの本当の恐ろしさは、戦闘力ではなかった。 突如現れたパラディソと今まさに攻撃の動作に入っていたキリコが、激しい水流の渦に巻き込まれていく。

 

「パラディソの登場時効果発動! ――攻撃中である俺のキリコと、このパラディソ自身を手札に戻す!」

 

攻撃を自ら中断し、手札へと戻していく謎の行動。 観客の大半が困惑の声を上げる中、観客席の

天音や一部の上級生たちだけが、 コウがこれから引き起こす「絶望のロジック」を理解し、戦慄の表情を浮かべた。

 

「もう一体の、場に残っているキリコで攻撃だ!! 攻撃時、同じく『超魂X』を発動! 登場時能力により3枚ドローし、手札から今戻したばかりの、同じ進化元を持つキリコをバトルゾーンへ再召喚!!!」

 

コウの山札が、みるみるうちに削られていく。

 

高咲コウの山札 (16枚→13枚)

 

「出たキリコの能力発動! 3枚ドローし、手札から再び《パラディソ・シエル》をバトルゾーンへ! ――そしてパラディソの効果により、攻撃中のキリコとパラディソ自身を手札に戻す!」

 

そう――それは、一切のシールドトリガーすら触れさせない、無限のドローループだった。

 

コウがカードを引き抜くたびに、アリーナを浸す深海の海水はどんどん高さを増し、シャコガイル

の持つ不気味な魔力がスタジアム全体を完全に支配していく。

 

山札の束が驚異的なスピードで削られ、ついに最後の一瞬が訪れる。

 

「――これが最後のループだ! キリコの登場時能力発動、山札から3枚ドロー!!!」

 

コウが最後のカードを山札から引き抜いた瞬間、彼のデッキスロットの山札は「0枚」となった。

 

高咲コウの山札(1枚→0枚)

 

その瞬間、バトルゾーンは完全にシャコガイルの呼び寄せた美しい深海へと変化し、アリーナ全体

に勝負の終わりを告げるけたたましいブザーの音が鳴り響いた。

 

ピィィィーーーーーーーッ!!!

 

『EXTRA WIN:高咲』

 

静寂の後、爆発的なアナウンスがスタジアムのスピーカーを揺らした。

 

『―――おおっと!!! ここで最後に残っていたDブロックも、完全に勝負が決まったぁぁーーー!!勝者は、今回も誰も予想できない多彩なコンボでアリーナを魅了し尽くした、高咲コウ選手だぁぁぁーーー!!!!!』

 

その実況を合図に、会場からは地鳴りのような凄まじい歓声と拍手が降り注いだ。

水を打ったような静けさから一転、コウの前に立つ武蔵が、それまでの険しい勝負師の顔から、年齢相応のうら若き少女の穏やかな笑顔へと表情を緩めた。 彼女はきっちりと一礼し、コウへと手を伸ばす。

 

「対戦、ありがとうございました。 ――本当に、心の底から楽しいデュエルでした、高咲先輩」

 

「ああ、こちらこそ。 ありがとな」

 

お互いに固い握手を交わし、Dブロックの激闘はこれ以上ない清々しい幕引きを迎えたのだった。

変幻自在のトリックスターとして、完全に学園の台風の目となった高咲コウ。

 

そして明日からは――各ブロックを勝ち抜いた本物の化物たちだけが集う、真の決勝トーナメントが、ついに幕を開ける。

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