デュエル・マスターズ〜カジュアル勢の俺が引きだけでカードゲーム主義の世界を破壊しても良いんすか!?〜 作:社畜ヲタク
ギャラリーの野次馬が騒ぎ立てる中、結界の内側に張り詰めた緊張感が漂う。対峙する二人のマナ
がデュエル台を介して火花を散らしていた。
豪鬼の顔には余裕の笑みを張り付け嘲笑う。
「おい、雑魚。特別に『先行』を譲ってやるよ。どうせ何をしたって、俺の【アポロヌス】の前には無力なんだ。せいぜい1ターンでも長く生き延びて、惨めに足掻いてみせろ!」
豪鬼の慢心に満ちた言葉に、コウはただ不敵に笑うだけだった。
「へえ、先行をくれるんだ。じゃあ遠慮なく、俺のターン!!」
〜1ターン目〜先行(コウ)
手札から美しい5色のカードを引き抜き、マナゾーンに置いた。
「手札から《超愛銀河クエーサー・ラブエクスパンジョン》をマナチャージ。これでターンエンドだ」
「ハッ! なんだその誰も使わねえゴミカードは!」
豪鬼が鼻で笑う。
周囲のギャラリーからも「おいおい、本当に環境外の雑魚カードじゃねえか」「5色だなんてまともに扱えねぇだろ」と嘲笑の声が漏れる。しかし、コウの目は笑っていなかった。
すべては『6』のロマンへ繋ぐための布石に過ぎない。
〜1ターン目〜後攻(豪鬼)
「俺のターン、ドロー! 誰も使わねえようなファンカードを愛でて悦に浸ってろ!《冒険妖精 ポレコ》をマナチャージ! 1マナ支払い、同じく《冒険妖精 ポレコ》をバトルゾーンに出す!そのままターンエンドだ!」
完璧な滑り出し。最速キルのパーツが着実に豪鬼の盤面に揃い始めていた。
〜2ターン目〜先行(コウ)
「俺のターン、ドロー。……よし。《コレンココ・タンク》をチャージ。2マナを支払い、呪文! 《「ミノマルちゃん!私がついてるわ!」》!!」
コウの叫びと共に、山札のトップがマナゾーンへと滑り込む。6コスト統一デッキの弱点である『序
盤の遅さ』を、ツインパクトカードの低コスト呪文で見事にカバーするプレイング。これでマナは3
枚。ガチロボ降臨の足音が、静かに、しかし確実に近づいていた。
〜2ターン目〜後攻(豪鬼)
「無駄無駄ァ! 遅いんだよ動きが! 俺のターン、ドロー! 《ストリエ雷鬼の封》をマナチャージ!
2マナを支払い、呪文《進化設計図》を発動!!」
豪鬼が山札の上を豪快に捲る。その瞬間、ギャラリーからどよめきが起きた。捲れたのは、赤と黒の狂気を纏う凶悪な進化クリーチャーたち。
「素晴らしいなぁ! 《轟く侵略 レッドゾーン》、《超新羅星アポロヌス・ドラゲリオン》、《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》、そして《禁断の豪速 ブラックゾーン》の4枚を手札に加える! これで終わりだ、ターンエンド!」
あまりにも強烈な手札補充。豪鬼の盤面と手札には、世界を滅ぼすだけの火力が完全に揃いきって
いた。次のターン、100%の確率で地獄がやってくる。誰もがコウの敗北を確信した。
〜3ターン目〜先行(コウ)
「俺のターン、ドロー」
コウは引いたカードを確認し、不敵に笑う。
「《口寄の化身》をチャージ。3コストを支払い、手札の《芸夢鯨鯢 バンキング》の能力を使用!」
「ああん? なんだそのカードは!?」
「このカードは登場後に超次元ゾーンへ行く代わりに手札から3コストで召喚することもできる!そして登場時効果発動!コストをひとつ宣言する。次の自分のターン開始まで相手は宣言されたコストと同じクリーチャーは攻撃できず呪文詠唱も封じる! これで君の『カチコミ入道』からの侵略ルートは消えた。ターンエンドだ」
「チッ……姑息な真似を……!」
豪鬼が初めて顔をしかめた。最速のアポロヌスルートを止められたのだ。だが、豪鬼の狂気はそれしきでは止まらない。
〜3ターン目〜後攻(豪鬼)
「俺のターン、ドロー!! 《エボリューション・エッグ》をマナチャージ! 3コストの攻撃が封じられたなら、2コストで動くだけだァ! 2マナ支払い、《オンソク童子〈ターボ.鬼〉》を《冒険妖精 ポレコ》の上に進化ァ!!」
轟音と共に、緑の妖精が真っ赤なバイクの鬼へと変貌を遂げる。
「行くぞゴミクズ! オンソク童子でアタック!! そして攻撃時、手札から『侵略』発動ォ!!」
豪鬼が叫び、2枚のカードを重ねて叩きつけた!
「《轟く侵略 レッドゾーン》、さらに《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》に同時連続侵略ッ!!」
スタジアムが真っ赤な爆炎に包まれる。バイクの爆音が結界内を震わせ、巨大な魔王が姿を現し
た。パワー11000の暴力がコウタのシールドへ襲いかかる!
「レッドゾーンFでシールドをW・ブレイク!! 砕け散れェ!」
パリン、パリンと、コウのシールドが2枚叩き割られた。
「シールドチェック。……トリガー、なし」
コウは冷静にカードを手札に加える。(シールド 5→3)
「まだまだ行くぞォ! レッドゾーンFの能力発動! 攻撃の終わりにこのクリーチャーをアンタップ
し、1番上のカードを破壊!現れろ!《轟く侵略 レッドゾーン》!! 再びアタック、T・ブレイクだァ!!」
間髪入れずに放たれる、3枚のシールドへの猛撃。爆風がコウタを襲い、残る全てのシールドが木っ端微塵に弾け飛んだ。
「……トリガー、なし」
コウのシールドから、身を守る盾がすべて消失した。(シールド 3→0)
「ハハハハハハ! 見ろよこの無様な姿を! 盾はゼロ、場は空っぽ! やっぱりてめえは何もできねえ
雑魚なんだよ!!」
豪鬼の高笑いが響き渡る。ギャラリーからも「あーあ、ワンサイドゲームだな」「次のターン、ダ
イレクトアタックで終わりじゃん」と諦念の声が広がる。豪鬼は勝ち誇った顔で、コウを指差し
た。
「さあ、お前の最後のターンだ。絶望しながらカードを引けや! ターンを返してやる!」
シールドは0。場も更地。対する敵の陣形には、パワー12000の『T・ブレイカー』レッドゾーンが
傲然と立ち塞がっている。まさに絶体絶命。
しかし、その絶望の淵にあって——右腕は、静かに、そして熱く、歓喜に震えていた。
(ありがとう。ブレイクのおかげで少し早く【発進】できるよ)
とりあえず一気に編集したので明日からはちまちまと...