デュエル・マスターズ〜カジュアル勢の俺が引きだけでカードゲーム主義の世界を破壊しても良いんすか!?〜   作:社畜ヲタク

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第7話︰戦わなければぁ?生き残れぇ?

自身の席の前に立ち塞がり、見下ろすように鋭い視線を向けてくる藤堂 天音(とうどう あまね)。

その瞳にあるのは、かつての幼馴染への情けではなく、明らかな嫌悪と軽蔑だった。彼女の冷徹な言葉が、静まり返る教室に響く。

 

「何度も言っているけれど、貴方のような往生際の悪い人はこの学園に必要ないの。勝利が全てを支配するこの世界において、自分の『好きなカード』だなんて不確定要素に縋って戦いたいだなんて、本当に馬鹿げているわ。さっきの勝利だって、ただの運でしょう?」

 

天音の冷たい糾弾に対し、コウは悪びれる様子もなく、むしろヘラヘラとした態度で椅子に深く背をもたれかけさせた。

 

「いやあ、そんなに怒るなよ。デュエマなんてさ、楽しんでなんぼのゲームだろ? 環境トップのコピペデッキを回すだけなんて退屈じゃん。どんなカードだって、40枚の束が揃えばいつでもどこでも、誰とだって最高に楽しめる。それがデュエマの良さだよ」

 

「っ……! まだそんな夢みたいなことを……!」

 

「藤堂のデッキだって少し環境デッキとは違うだろ?」

 

コウのその呑気な回答が、天音の神経を逆撫でした。彼女はイライラを隠そうともせず、早口でま

くし立てるようにコウへ小言を浴びせ始める。

 

「貴方の言う『好きなカード』だけで作った訳じゃない!そもそも私のデッキは攻撃に対抗するための............」

 

自身のデッキの説明から始まり、学園でのデータがいかに絶対か、勝率を無視した構築がいかに愚かか、コウがどれだけ悲惨な目に遭ってきたか——。

 

しかし、コウはその小言を右の耳から左の耳へと受け流していた。彼の意識はすでに、スマホの

画面に映るカードプールに没頭している。

 

(ガチロボの次は、やっぱりじっくり相手をコントロールするデッキもいいな…。相手が完璧だと

思っている手札や盤面を、じわじわと崩していく快感。いや、一度決まれば即死になるようなループも面白い...よし、次のデッキはアレにするか……!)

 

天音の説教を心地よいBGM代わりにしながら、コウの脳内で次のデッキの構築が完了していた。これから降りかかるであろう新たな勝負の気配に、彼の胸はワクワクとした高鳴りを抑えきれずにいた。天音の話を完全に無視したまま、コウの口元に不敵な笑みが浮かぶ。

 

ーーーガラガラ!

 

「おい、お前ら! 席に着けー!」

 

ドタドタと騒がしい足音と共に、担任の教師が豪快に教室のドアを開けて入ってきた。その声で、天音はチッと小さく舌打ちをして自分の席へと戻っていく。

 

教壇に立った担任は、黒板を叩きながらニカッと笑いながら言った。

 

「前々から告知していた通り、今日から学園全体での『リーグ戦』が始まる! まずはその前哨戦の

ルールを説明するから、しっかり聞けよ!」

 

担任が説明したルールをまとめると、以下のような内容だった。

 

まず前哨戦として、生徒全員のデュエルアプリにそれぞれ「5ポイント」ずつが配給される。

今日1日、放課後のタイムリミットが来るまで、学園内の敷地内であれば誰とでも自由にデュエルを行ってよい。

基本ルールとして、勝負を仕掛けられた者は原則としてそれを拒むことはできない。

デュエルの勝者は、敗者から1ポイントを奪い取ることができる。もしポイントが『0』になった者はその時点で脱落となり、明日からの本戦含め今回の大会への出場権利を失う。

そして、最終的に集めたポイントを目安にして、明日の本戦の対戦相手やトーナメントの配置が決まる——というシステムだった。

 

 

「というわけで、今日1日は授業なしのバトルロイヤルだ! 張り切って勝負してくれよ! 1人でも多くの者が本戦に上がってくれれば、この2年D組のクラス評価も上がるからな。ガッハッハッ!」

 

担任は豪快に笑い飛ばし、最後に時計を見上げた。

 

「開始のチャイムが鳴ったらスタートだ。質問がなければ、私は職員室にいるからな! 健闘を祈

る!」

 

それだけ言い残すと、嵐のように教室を去っていった。

 

 

 

 

担任がいなくなった教室は、再び静まり返った。しかし、先ほどまでの冷ややかな空気とは違う。

全員の目が、ギラギラとした闘争心と焦燥感に飢えていた。クラスメイトたちは一言も発さず、ただ壁に掛けられた時計の針をじっと見つめている。

 

1秒、また1秒と、長針が静かに進んでいく。緊張感が極限まで高まり——

 

 

 

そしてついに、午前9時を告げるチャイムが学園中に鳴り響いた。

キーンコーンカーンコーン——。

 

 

 

チャイムの音が完全に消え去るよりも早く、教室のあちこちから「おい、デュエルしろよ」「俺と勝負だ!」「目と目があったらやる事はひとつ!」という怒号のような掛け声が沸き起こった。一瞬にして学園は戦場へと変貌を遂げる。

 

「さて、俺も誰か探してバトルするか」

と立ち上がろうとした、その時だった。

 

迷いのない真っ直ぐな足音が、再び机の前で止まった。見上げれば、そこにはすでにデッキケースを起動させた藤堂天音が立っていた。

 

「私自ら、貴方に引導を渡してあげるわ」

 

天音は冷酷に言い放ち、氷のような視線でコウを射抜く。

 

「せいぜい、この敗北で思い知りなさい。貴方の言う『好きなカード』なんてものが、この世界の前にはいかに無意味で、いかに無力であるかってことをね」

 

幼馴染からの直々の宣戦布告。拒否権のないルール。

だが、コウは怯むどころか、待ってましたと言わんばかりにニヤリと口元を釣り上げた。

 

「勝手に負けるとか決めないでもろて。いつだって、最後の1枚まで何が起こるか分からない逆転が

あるからこそ、カードゲームは面白いんだろ?」

 

コウは飄々とした態度でポケットから新しいデッキケースを取り出し、天音の目の前に掲げてみせた。

そのクリアケースの隙間から見えたのは

 

 

ーーー水、闇、光の3色が歪に混ざり合い、まるで異界のエイリアンのような不気味な輝きを放つカードだった。

 

 

ガチロボとは全く異なる、の気配がそこから漂っている。二人は同時に、教室に設置されたデュエル用プレイ台へと向かい、それぞれのデッキをスロットへとセットした。デッキとデュエルスペースが同期し、青い光の結界が二人を包み込んでいく。

 

「「デュエマ、スタート!!」」

 

重なる二人の叫び声と共に、因縁の幼馴染対決の幕が切って落とされた。




次回出てくるデッキはかなりクソデッキです。

使ったことは何度かありますが
あまりにもコンボパーツが多すぎてしんどいですw
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